監視パラメタは、導入時にデフォルトで定義されています。設定内容を変更する場合は、現在のパラメタファイルをダウンロードして、設定を変更して下さい。
なお、監視対象機器に対する任意のMIBを監視する場合は、必ずパラメタファイルを設定する必要があります。パラメタファイルの[MIBS]セクションと[MonitorValue]セクションを監視したいMIBに合わせてカスタマイズします。
注意
5.1.2.1 監視ポリシーによるネットワーク性能監視 の任意MIBの監視ポリシー以外のパラメタファイルについては、[MIBS]セクションと[MonitorValue]セクションはカスタマイズしないでください。
イベント発生時に表示するメッセージは、日本語で定義することが可能です。パラメタファイルの文字コードはSJISにして下さい。
以下に、パラメタファイルの構造と各項目の説明を示します。
“表B.1 パラメタファイルの形式”の必須欄の記号は次の意味を示しています。
○:必須 空白:省略可
省略値の欄において、項目が必須の場合は「-」とし、それ以外の場合で省略値を持たない場合「なし」と記載しています。
セクション | キー | 必須 | 省略値 | 説明 |
---|---|---|---|---|
MIBS | 任意 | ○ | - | MIB式で参照するMIBのOIDのオブジェクト名をキーとして、OIDを値として指定します。キーは、英数字で64文字以内とします。[MIBS]セクションに同一のオブジェクト名を指定することはできません。 |
MonitorValue | PrimaryValue | ○ | - | 1つ目のMIB式を指定します。 |
SecondaryValue |
| なし | 必要であれば、2つ目のMIB式を指定します。指定した場合は、「Secondary」セクションに閾値の設定を行う必要があります。 | |
Version |
| 0 | SNMPのバージョンを指定します。SNMP V2c形式でMIBを取得する場合は1を、SNMP v1形式でMIBを取得する場合は0を指定します。Counter64のMIBを取得する場合は、必ず1を指定してください。 | |
Log | Logging | ○ | - | ログをとる場合は"on"、とらない場合は"off"を指定します。 |
PrimaryAction / SecondaryAction | WarningTimeThreshold |
| 1 | 警告レベルのイベントの通知回数を制御します。このパラメータで指定された回数以上、連続してプライマリ警告レベルのイベントが発生した場合に1度イベント通知を行ないます。省略された場合は1になります。指定できる最大は5です。 |
WarningThreshold | ○ |
| 警告レベルの閾値の比較式を指定します。比較対象はMIB式の計算結果です。比較式は"()"で括り、左に演算子、右に数値をを記述します。利用できる演算子は、">"、">="、"<"、"<=" です。 | |
WarningEventMessage |
| なし | 警告レベルのイベント発生時に表示するメッセージを指定します。指定できる最大文字数は127文字です。以下のマクロを使用することができます。 | |
WarningRearmThreshold | ○ |
| 警告レベルが復旧する閾値の比較式を指定します。比較対象はMIB式の計算結果です。比較式は"()"で括り、左に演算子、右に数値をを記述します。利用できる演算子は、">"、">="、"<"、"<=" です。 | |
WarningRearmEventMessage |
| なし | 警告レベルのイベント復旧時に表示するメッセージを指定します。指定できる最大文字数は127文字です。以下のマクロを使用することができます。 | |
CriticalTimeThreshold |
| 1 | 重要レベルのイベントの通知回数を制御します。このパラメータで指定された回数以上、連続して重要レベルのイベントが発生した場合に1度イベント通知を行ないます。省略された場合は1になります。指定できる最大は5です。 | |
CriticalThreshold | ○ |
| 重要レベルの閾値の比較式を指定します。比較対象はMIB式の計算結果です。比較式は"()"で括り、左に演算子、右に数値をを記述します。利用できる演算子は、">"、">="、"<"、"<=" です。 | |
CriticalEventMessage |
| なし | 重要レベルのイベント発生時に表示するメッセージを指定します。指定できる最大文字数は127文字です。以下のマクロを使用することができます。 | |
CriticalRearmThreshold | ○ |
| 重要レベルが復旧する閾値の比較式を指定します。比較対象はMIB式の計算結果です。比較式は"()"で括り、左に演算子、右に数値をを記述します。利用できる演算子は、">"、">="、"<"、"<=" です。 | |
CriticalRearmEventMessage |
| なし | 重要レベルのイベント復旧時に表示するメッセージを指定します。指定できる最大文字数は127文字です。以下のマクロを使用することができます。 | |
Command |
| なし | 違反イベント発生時に運用管理サーバ上でコマンドを実行したい場合はそのコマンドのパス名を指定します。引数に関してはCommandParameterキーを参照してください。指定できる最大文字数は127文字です。 | |
CommandParameter |
| なし | 違反イベント発生時に運用管理サーバ上でコマンドを実行する際の引数を指定します。指定できる最大文字数は127文字です。以下のマクロを使用することができます。 | |
RearmCommand |
| なし | 復旧イベント発生時に運用管理サーバ上でコマンドを実行したい場合はそのコマンドのパス名を指定します。引数に関してはRearmCommandParameterキーを参照してください。指定できる最大文字数は127文字です。 | |
RearmCommandParameter |
| なし | 復旧イベント発生時に運用管理サーバ上でコマンドを実行する際の引数を指定します。指定できる最大文字数は127文字です。以下のマクロを使用することができます。 | |
CriticalRearmNotice |
| false | 重要レベルのイベント復旧を運用管理サーバに通知したい場合は"true"、通知したくない場合は"false"を指定します。 | |
WarningRearmNotice |
| false | 警告レベルのイベント復旧を運用管理サーバに通知したい場合は"true"、通知したくない場合は"false"を指定します。 |
注意
[SedacondaryAction]セクションの必須項目は、SecondaryValueに設定があれば必須となります。
IP稼動監視とRTT監視は、ファイルの形式が一部異なっております。詳細については、パラメタファイル内のコメント文を参照して下さい。
イベント復旧時に表示するメッセージは、性能監視トラップ連携を行う場合に有効になります。トポロジマップ上では表示されません。
性能監視トラップ連携については、9.2.3.5 性能監視トラップ連携の設定を行うを参照して下さい。
[MIBS]セクション
キー名に取得するMIBのオブジェクト名(任意の文字列)を指定し、値に対応するOIDをインスタンス付きで指定します。インスタンスがifIndexの場合は、%interface.ifIndex%を指定します。インスタンスがない場合は、OIDの最後に0を指定します。
以下のデータ型のMIBを指定することができます。
INTEGER型
Counter型
Gauge 型
Counter64型
例) インスタンスがifIndexの場合
ifOutOctets=1.3.6.1.2.1.2.2.1.16.%interface.ifIndex%
例) INDEX がない場合
bbsSystemCPUTotal5min=1.3.6.1.4.1.211.1.127.28.1.8.0
[PrimaryValue]セクション / [SecondaryValue]セクション
MIB式を指定します。算出するMIB式は、1行で記述してください。
MIB式で使用できるキー、算術記号、予約語を以下に示します。なお下記要素は、全て半角で記述する必要があります。
1. オブジェクト名
MIB式に設定する場合は、キー名を「%」で囲むこと。
例) %ifInOctets %
2. 数値
0~2147483647までの整数
3. 括弧
"("、")"
括弧で囲まれている式を先に計算します。
4. 演算子
加算 "+" 、減算 "-"、乗算 "*"、除算 "/"
優先度は、乗算・除算 > 加算・減算で、同じ優先度であれば、左から計算します。
5. 予約語
マクロ名 | 説明 |
DIFFVALUE() | 今回取得した値 - 前回取得した値になります。括弧内には[MIBS]セクションのキー名を指定します。 |
TIME | 前回測定した時からの経過時間(単位は秒)。 |
(注) マクロを入れ子にすることはできません。
× DIFFVALUE(DIFFVALUE((%ifInOctets%)))
例) MIB式
PrimaryValue=DIFFVALUE(%ifInOctets%)*8/TIME/%ifSpeed%*100
注意
MIB式の計算途中で0/0になった場合は、0として判断します。分子、分母共にMIBの差分を指定した場合、トラフィックが発生しない場合は0/0になります。その場合も、0として処理します。ただし、1以上/0の場合は、エラーとなります。
パラメタファイルをカスタマイズした場合、以下の項目が正しく設定されているかを確認してください。正しく設定されていない場合は、実際に監視を行った際に、syslogにエラーメッセージが出力されます。
[MIBS]セクションのキーは適切か? 英数字で64文字以内であること。
[MIBS]セクションの値の形式は適切か? 値の形式が、以下のいずれかになっていること。
x.x.・・・.x (xは数字)
x.x.・・・.x.%interface.ifindex% (xは数字)
MIB式に記述するオブジェクトの数は適切か? 9つ以内であること。
MIB式のオブジェクト名は[MIBS]セクションに定義されているか?
MIB式での括弧の数は適切か? 3組以内であること。
MIB式で利用している演算子は適切か?加算 "+" 、減算 "-"、乗算 "*"、除算 "/"。
MIB式で利用している演算子数は適切か? 9つ以内であること。
MIB式で利用しているマクロ名は適切か? 利用できるマクロは、TIMEとDIFFVALUE。
使用例
64ビットカウンタでのパケット監視の例を以下に示します。パラメタファイル内のコメントは省略しています。
[MIBS] [MonitorValue] [Log] [PrimaryAction] [SecondaryAction] |