ETERNUS SF Recovery Manager for Oracle 13.1.0 説明書 - Solaris(TM) Operating System -
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付録A 留意事項

Recovery Manager for Oracleのバックアップ/リカバリー運用における留意事項について説明します。

ディスク資源の配置に関する留意事項は、「ディスク資源配置」を参照してください。

A.1 Oracle Databaseにおける制限事項 

A.1.1 Automatic Storage Management (10g) 

Recovery Manager for Oracleは、Automatic Storage Managementをサポートしていません。
Recovery Manager for Oracleを使用してバックアップ/リカバリー運用を行う場合は、Automatic Storage Managementを使用しないでください。

Automatic Storage Managementについては、「Oracle Database 管理者ガイド」を参照してください。

A.1.2 Oracle Managed Files 

Recovery Manager for Oracleは、Oracle Managed Filesをサポートしていません。
Recovery Manager for Oracleを使用してバックアップ/リカバリー運用を行う場合は、Oracle Managed Filesを使用しないでください。

Oracle Managed Filesについては、「Oracle Database 管理者ガイド」を参照してください。

A.1.3 表領域のPoint-in-Timeリカバリ(TSPITR) 

Recovery Manager for Oracleでは、表領域のPoint-in-Timeリカバリ(TSPITR)をサポートしていません。

表領域のPoint-in-Timeリカバリ(TSPITR)については、「Oracle Database バックアップおよびリカバリ基礎」および「Oracle Database バックアップおよびリカバリ・アドバンスト・ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

A.1.4 Voting disk 

Recovery Manager for Oracleは、Voting Disk(投票ディスク)のバックアップ/リカバリーを行いません。

Voting Disk(投票ディスク)については、「Oracle Real Application Clusters 管理者ガイド」を参照してください。

A.1.5 Oracle9i RAC環境 

Recovery Manager for Oracleは、Shared Configuration Fileのバックアップ/リカバリーを行いません。

Shared Configuration Fileについては、「Oracle9i Real Application Clusters セットアップおよび構成」マニュアルを参照してください。

A.1.6 Oracle RAC 10g Release1環境 

Recovery Manager for Oracleは、Oracle Cluster Registryのバックアップ/リカバリーを行いません。

Oracle Cluster Registryについては、「Oracle Real Application Clusters 管理者ガイド」を参照してください。

A.2 データベース設計上の注意事項 [一部EE] 

A.2.1 データベースオブジェクト名 

データベースオブジェクト名には、Oracleの「スキーマ・オブジェクトネーミング規則」に従った文字列を使用してください。
ただし、マルチバイト文字や特殊記号を含む、二重引用符(")で囲む必要のあるオブジェクト名、および、Oracle Recovery Managerの予約語はサポート対象外です。

A.2.2 データベース資源の配置 [EE] 

データベース運用形態がクラスタの場合、すべてのデータベース資源を共有ディスク上に配置してください。
なお、シングルサーバ構成の場合は特に制約はありません。

A.2.3 UNDO表領域 

UNDO表領域名の先頭文字列は、必ず、“UNDO"で開始してください。

A.2.4 一時表領域 

一時表領域は、以下の制限に従って作成してください。

A.2.5 データファイル(表領域) 

データファイル(表領域)をRAWデバイス上に作成する場合は、シンボリックリンクではなく、直接、RAWデバイス名を指定してください。

A.2.6 パスワードファイル認証 

Recovery Manager for Oracleを使用する場合、パスワードファイル認証は必須です。また、パスワードファイルを複数のインスタンスで共有することはできません。
初期化パラメータは「remote_login_passwordfile=exclusive」にしてください。

パスワードファイル認証については、「Oracle Database 管理者ガイド」を参照してください。

A.2.7 tnsnames.oraについて 

Recovery Manager for Oracleは、ターゲットデータベースに Net Services接続を行います。
必ず、$ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.oraファイルにターゲットデータベースへの Net Services接続のための情報を定義してください。
$ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.oraファイルに Net Servicesの定義を行う際は、以下の点に注意が必要です。

Net Services接続およびtnsnames.oraファイルについては、「Oracle Net Services 管理者ガイド」を参照してください。

A.2.8 リスナーについて 

ターゲットデータベース接続用リスナーは、静的サービス構成で定義してください。
Recovery Manager for Oracleは、Java Database Connectivityを使用してデータベースへの接続を行います。リスナーを動的サービス構成で定義している場合、データベースがオープン以外の状態では接続できないため、リカバリーに失敗することがあります。

静的サービス構成のlistener.ora設定

LISTENER =
(DESCRIPTION_LIST =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS_LIST =
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = hostname)(PORT = 1521))
)
)
)

SID_LIST_LISTENER =
(SID_LIST =
(SID_DESC =
(SID_NAME = sid)
(ORACLE_HOME = /oracle/app/oracle/product/101)
(GLOBAL_DBNAME = orcl.world)
)
)


hostname : ホスト名
SID_LIST_LISTENER : リスナーでサービスされるデータベースのSID
sid
: SID

また、ターゲットデータベースがRAC運用の場合、以下の点に注意が必要です。

A.2.9 HAクラスタ環境構築 [EE] 

HAクラスタ運用環境を構築する場合は、以下の点に注意してください。

A.2.10 HAクラスタ構成時のパスワードファイル認証[EE] 

HAクラスタ環境を構成するノード間でパスワードファイルが異なると、フェールオーバーした際に、データベースが起動しないことがあります。
以下の作業を行った後は、パスワードファイルを待機ノードに複写し、両ノードで同じ設定内容のパスワードファイルを使用してください。

パスワードファイル認証、および、パスワードファイルの変更については、「Oracle Database 管理者ガイド」を参照してください。

A.2.11 RAC環境構築 [EE] 

RAC運用環境を構築する場合は、以下の点に注意してください。

A.3 運用環境構築時の注意事項 

A.3.1 PRIMECLUSTER Global Disk Services 

Recovery Manager for Oracleは、PRIMECLUSTER Global Disk Services(以降、“GDS”と略します)上に作成されたデータベースのバックアップ/リカバリー運用をサポートしています。
GDS上に作成されたデータベースのバックアップ/リカバリー運用を行う場合、以下の制限があります。

A.3.2 テープへのバックアップ 

Recovery Manager for Oracleは、テープへのバックアップ機能を提供していません。
Recovery Manager for Oracleがディスク上の領域にバックアップしたデータは、テープへバックアップすることを推奨します。
テープへバックアップすることにより、リスクの分散が図れます。
テープへのバックアップ対象は、以下の領域です。

各バックアップ領域については、「ディスク資源配置」を参照してください。
各データのバックアップ先の確認方法は、「運用環境設定」を参照してください。

テープへバックアップする場合の注意事項は、以下のとおりです。

A.4 運用時の注意事項 [一部EE] 

A.4.1 パスワードもしくは権限の変更 

以下の作業を行った場合、パスワードファイルを再作成し、「運用環境設定」でSYSパスワードを設定しなおしてください。

A.4.2 ターゲットデータベースの構成変更 

ターゲットデータベースの変更を行った場合は、速やかにバックアップを行ってください。
ターゲットデータベースの変更とは、制御ファイル、オンラインREDOログ およびデータファイルの追加、削除、変更のことを意味します。
ターゲットデータベースの変更後、バックアップを行う前にターゲットデータベースに異常が発生した場合、正常にリカバリーができないことがあります。

A.4.3 バックアップ 

バックアップを行う場合は、以下の点に注意してください。

A.4.4 旧アーカイブログファイル削除 

旧アーカイブログファイル削除を行う場合は、以下の点に注意してください。

A.4.5 バックアップ初期化 

バックアップ初期化を行う場合は、以下の点に注意してください。

A.4.6 アーカイブログファイルバックアップ 

アーカイブログファイルバックアップを行う場合は、以下の点に注意してください。

A.4.7 DBチェック 

DBチェックを行う場合は、以下の点に注意してください。

A.4.8 リカバリー 

リカバリーを行う場合は、以下の点に注意してください。

A.4.9 オートリカバリー 

以下の場合、正常にオートリカバリーができないことがあります。

A.4.10 カスタムリカバリー 

カスタムリカバリーを行う場合、以下の点に注意してください。

A.4.11 実行ログファイルの保存期間 

「実行ログ保存期間」を経過した実行ログファイルは、旧アーカイブログファイル削除を実行すると削除されます。「実行ログ保存期間」については、「運用環境設定」を参照してください。

A.4.12 クラスタ運用時の操作 [EE] 

クラスタ運用の場合、バックアップ操作およびリカバリー操作は、クラスタリソースがオンライン状態のノード(以降、“プライマリノード”と称します)もしくは論理ホストにログインして実施してください。

A.4.13 RAC運用時のバックアップ [EE] 

RAC運用環境でバックアップを行う場合、インスタンス番号が一番小さいインスタンス(以降、“プライマリインスタンス”と称します)が動作していれば、プライマリインスタンスで実行してください。ただし、プライマリインスタンスが停止状態の場合は、プライマリインスタンス以外でバックアップを行うことができます。

A.4.14 クラスタ運用時のリカバリー [EE] 

クラスタ運用環境でリカバリーを行う場合、クラスタを構成するすべてのノードが起動されていなければ、リカバリー処理が失敗します。
必ず、すべてのノードを復旧した後に、リカバリーを実行してください。
また、データベースファイルを配置しているすべてのGDSボリュームおよびファイルシステムがサーバより正常にアクセスできることを確認した後に、リカバリーを実行してください。

A.4.15 RAC運用時のリカバリー [EE] 

RAC運用環境でリカバリーを行う場合、プライマリインスタンスで実行してください。
RACを構成する全インスタンスが停止状態の場合は、「全体リカバリー」でリカバリーを行うことを推奨します。「オートリカバリー」でリカバリーを行った場合、正常にリカバリーができないことがあります。

A.5 アドバンスト・コピー機能使用時の注意事項 [EE]

A.5.1 リカバリー直後のバックアップ 

OPC/ECバックアップ運用時、リカバリー直後にバックアップを行うと、直前に実施したOPCリストアの物理コピーが完了していないことが原因で、バックアップに失敗することがあります。
OPC/ECバックアップに失敗した場合、実行ログファイル内にAdvancedCopy Managerのメッセージが出力されていないか確認してください。
OPCリストアの物理コピー中であることが原因でバックアップに失敗した場合は、OPCリストアの物理コピー状況をAdvancedCopy Managerのバックアップ管理画面で確認し、OPCリストアの物理コピーが完了した後、バックアップを再実行してください。

AdvancedCopy Managerのメッセージは、「ETERNUS SF AdvancedCopy Manager メッセージ説明書」を参照してください。

A.5.2 ECバックアップ 

ECバックアップを使用する場合、以下の点に注意が必要です。

A.5.3 データファイル(表領域)のリストア 

データファイル(表領域)がファイルシステム上にある場合、データファイル(表領域)のリストアはRMANリストアで行います。「データファイルバックアップ方法」が「OPC」、「EC」または「差分OPC」の場合でも、OPCリストアは行いません。

A.6 その他の注意事項 

A.6.1 コマンドの同時実行 

同一データベースに対して、Recovery Manager for Oracleのコマンドを多重実行してはいけません。必ず、前に実行したコマンドが復帰した後、実行するようにしてください。

A.6.2 アンインストール 

Recovery Manager for Oracleのアンインストールを行う場合、以下の点に注意が必要です。

A.6.3 アーカイブログファイルの削除 

バックアップ運用にRecovery Manager for Oracleを使用している場合、必ず、Recovery Manager for Oracleを使用して旧アーカイブログファイルの削除を行ってください。Recovery Manager for Oracleの機能を使用せずに削除した場合、次回のバックアップが異常終了することがあります。

A.6.4 Recovery Manager for Oracle以外のリカバリー 

バックアップ運用にRecovery Manager for Oracleを使用している場合、Recovery Manager for Oracleのバックアップ対象であるファイルのリストアおよびリカバリーをRecovery Manager for Oracleを使用しない方法で実施しないでください。
Recovery Manager for Oracleを使用せずにリストアもしくはリカバリーをした場合、Recovery Manager for Oracleでバックアップ/リカバリーができなくなります。

Recovery Manager for Oracleを使用せずにリストアもしくはリカバリーをした場合は、以下の作業を実施してください。

  1. リカバリ・カタログの再作成
  2. バックアップ初期化
  3. オンラインバックアップ

A.6.5 オフラインバックアップのリストア 

Recovery Manager for Oracleでは、Recovery Manager for Oracleを使用せずに採取したバックアップデータのリストアを行うことはできません。

Recovery Manager for Oracleを使用せずに採取したバックアップデータのリストアを行った場合は、以下の作業を実施してください。

  1. リカバリ・カタログの再作成
  2. バックアップ初期化
  3. オンラインバックアップ

A.6.6 システム日付の変更 

Recovery Manager for Oracleは、Oracle DatabaseのRMAN機能を使用し、時間によるバックアップ/リカバリーの運用管理を行っています。システム日付を進める場合は問題ありませんが、過去に戻す場合、バックアップ/リカバリー処理に異常が発生することがあります。

A.6.7 バックアップ運用変更時の注意 

データファイルバックアップ方法やバックアップ管理世代数を変更すると、バックアップを管理している情報の不整合が発生し、リカバリーの際に正しくリカバリーができないことがあります。
このような運用変更を行う場合は、事前に Recovery Manager for Oracleのサポート部門へお問い合わせください。

A.6.8 Oracle Database製品パッチ適用時の注意 

Oracle Database製品のパッチを適用した場合、リカバリ・カタログ・データベースに対して、パッチ適用後の処理が必要です。
詳細については、Recovery Manager for Oracleのサポート部門へお問い合わせください。


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