ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編 13.0 -Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Sever(TM) 2003-, -Solaris-, -HP-UX-, -Linux-, -AIX- |
目次 索引 |
本章では、AdvancedCopy Managerテープバックアップの通常業務ボリュームのバックアップ運用について説明します。
AdvancedCopy Managerテープバックアップのバックアップおよびリストア機能について説明します。
AdvancedCopy Managerテープバックアップのバックアップは、ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のアドバンスト・コピー機能(OPC/EC機能)を使用して、ボリューム容量にかかわらず、ボリューム間のバックアップを高速に行います。さらに、そのバックアップ先ボリュームより、テープへの書き込みを行うため、業務の停止時間は、ディスクのみにバックアップする時間と同じままで、テープへのバックアップも可能となります。
ETERNUS ディスクアレイのOPC(One Point Copy)/ROPC(Remote One Point Copy)機能を用いたバックアップ機能をスナップショット型高速バックアップ、EC(Equivalent Copy)/REC(Remote Equivalent Copy)機能を用いたバックアップ機能を「同期型高速バックアップ」と呼びます。
スナップショット型高速バックアップは、バックアップ同期処理が必要ないため、自動運用する場合にあらかじめ時間を見積もる必要なく、スケジュールすることができます。ただし、スナップショット型高速バックアップでは、コピー処理を開始する前に履歴を削除するため、保存世代数が1の場合は、バックアップデータが存在しない状態ができるので、注意が必要です。
同期型高速バックアップは、バックアップ処理が完了してから履歴を削除するので、保存世代数が1の場合でもバックアップデータが存在しない状態はありません。ただし、スナップショット型高速バックアップに比べると、バックアップボリュームが1本多く必要になります。また、同期型高速バックアップは「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」を投入する前に、バックアップ同期処理が必要なため、自動運用する場合はあらかじめ同期処理に必要な時間を見積もってバックアップ同期処理を開始し、等価性維持状態になってから「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」が投入されるようにスケジュールしなければなりません。
AdvancedCopy Managerテープバックアップは、バックアップに使用する媒体(バックアップボリューム、テープ)の管理/選択を自動的に行います。
また、バックアップした履歴/世代の管理もAdvancedCopy Managerテープバックアップが行い、最新および過去の世代からのリストアが行えます。
ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のOPC機能を用いて、業務ボリュームから未使用のバックアップボリュームにコピーします。さらに、バックアップボリュームからテープへコピーを行います。
スナップショット型高速バックアップは、次のように処理が行われます。
スナップショット型高速バックアップでは、ディスクへのバックアップは図5.3の(1)の時点で完了し、バックアップ履歴情報が作成されています。実際のデータのコピー処理はETERNUS ディスクアレイのOPC機能によって内部的に行われます。
コマンドの完了タイミングは、ディスクのバックアップ履歴情報が作成された時点、もしくはテープのバックアップ履歴情報が作成された時点のいずれかを選択できます(オプション指定)。
なお、スナップショット型高速バックアップでは、QuickOPC機能を使用することで、前回のバックアップ時点からの差分データだけを物理コピーします。そのため、より高速なスナップショット型バックアップ運用が可能です。
QuickOPC機能については、本マニュアルの「QuickOPC機能によるバックアップ運用」を参照してください。
ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のEC(Equivalent Copy)/REC(Remote Equivalent Copy)機能を用いて、業務ボリュームから未使用のバックアップボリュームにコピーします。さらに、バックアップボリュームからテープへコピーを行います。
同期型高速バックアップは、次のように処理が行われます。
業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前に「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」を実行することはできません。
コマンドの完了タイミングは、ディスクのバックアップ履歴情報が作成された時点、もしくはテープのバックアップ履歴情報が作成された時点のいずれかを選択できます(オプション指定)。なお、同期型高速バックアップでは、Suspend/Resume機能を使用することで、ECによる等価性維持状態を一時中断(Suspend)/再開(Resume)することができます。Suspend/Resume機能を使用したバックアップでは、一時中断状態からの差分コピーを行うことによって、より高速な同期型バックアップ運用が可能です。
Suspend/Resume機能については、本マニュアルの「Suspend/Resume機能を使用したバックアップの処理」を参照してください。
Suspend/Resume機能とは、ECによる等価性維持状態を一時中断(Suspend)/再開(Resume)する機能です。当機能を使用し、一時中断状態からの差分コピーを行うことによって、より高速な同期型バックアップ運用が可能です。
Suspend/Resume機能は、ECを利用する同期型高速バックアップの一つです。
通常の同期型高速バックアップでは、「バックアップ同期処理開始コマンド(acmstartsync)」でECによるコピーを開始し、コピー完了後に等価状態を保持します。その後、「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」を実行してECを解除することでバックアップを行います。テープへのコピーは、通常の同期型高速バックアップと同様に、バックアップボリュームからコピーを行います。
Suspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップでは、サスペンド指定をして「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」を実行すると、ECを一時停止してバックアップ完了となりますが、ECセションは保持されます。次回の「バックアップ同期処理開始コマンド(acmstartsync)」によるEC再開時は、一時停止以降に更新されたデータのみをコピーするので、バックアップ準備時間の短縮を図ることが可能となります。
通常の同期型高速バックアップとSuspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップの比較を、以下に示します。
Suspend/Resume機能を使用して同期型高速バックアップを行うには、同期処理開始後、等価性維持状態に達したら、「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」をサスペンド指定で実行し、同期処理を一時停止(Suspend)します。その後、世代溢れや履歴情報削除の実行によって履歴が削除されると、バックアップボリュームは履歴のないサスペンド状態になります。このとき、新たに同期処理を開始すると、履歴のないサスペンド状態のバックアップボリュームが優先的に選択され、差分コピーが開始されます。前回サスペンド時からの変更データのみをコピーするため、高速に等価性維持状態に達することができます。
Suspend/Resume機能を使用した同期型高速バックアップ運用の流れを、以下に示します。
AdvancedCopy Managerテープバックアップでは、バックアップボリュームを使用しないでテープのみにバックアップをすることもできます。この場合、アドバンスト・コピー機能を使用せずに業務ボリュームからテープへ直接データの書き込みを行います。このため、高速バックアップとはなりません。
AdvancedCopy Managerテープバックアップのリストア方法を説明します。
リストアは、バックアップ履歴情報で管理されているバックアップボリュームもしくはテープより業務ボリュームの内容を復元します。
バックアップボリュームからのリストアは、ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)が提供するOPC機能を用いて、バックアップボリュームから業務ボリュームに行われます。
履歴管理しているバックアップボリュームの内容を業務ボリュームにリストアしても、履歴管理情報が変更されることはありません。
テープからのリストアは、テープのデータを読み取ってリストア先業務ボリュームに直接書き込みます。
ディスクおよびテープの両方にデータのある履歴情報からリストアを行う場合、特に指定しなければ自動的にディスクのデータを選択し、OPCによるリストアを行います。
なお、リストア処理は、バックアップ元となる業務ボリュームに対して行われますが、リストア先を変更する事も可能です。
最新のバックアップボリューム採取時点と、リストア操作を行うまでの間に、業務ボリュームの内容を書き換えたとしても、書き換えられたデータについては保証されません。
通常業務ボリュームにおける一連のバックアップ運用の流れを、以下に記述します。
バックアップ運用を開始するにあたり、事前に以下の準備が必要です。
バックアップ運用を開始するにあたり、事前にStorage管理サーバ、テープサーバおよびStorageサーバ上でAdvancedCopy Managerテープバックアップのデーモンが起動されている必要があります。通常、システムの起動時に自動的に立ち上がりますが、何らかの理由で起動に失敗した場合および一度デーモンを停止した場合は、各サーバでデーモンを起動する必要があります。デーモンの起動については、本マニュアルの「デーモンの起動と停止」を参照してください。
Storage管理サーバにて、管理するStorageサーバを登録します。Storage管理サーバを兼ねているStorageサーバは、サーバの追加をする必要はありません。
この作業は、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「サーバ情報追加コマンド(stgxfwcmaddsrv)」で実施します。
バックアップ管理を実施する場合は、まずStorageサーバ上のデバイス情報を一旦リポジトリに格納する必要があります。
この作業は、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』に記載されている「デバイス情報取得/反映コマンド(stgxfwcmsetdev)」で実施します。
この操作は、選択したStorageサーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。
目安として、負荷のない状態で、1デバイス(パーティション)あたり約0.5秒かかりますので、参考として下さい。
各Storageサーバの環境設定を行います。
Storage管理サーバがStorageサーバを兼ねている場合、Storage管理サーバでもこの環境設定を行う必要があります。既に、Storageサーバの環境設定が行われている場合は、この作業は必要ありません。
この作業は、「Storageサーバ構成情報設定コマンド(acmsvrset)」で実施します。
初期設定では、テープサーバ名の指定は必須です。
対象のStorageサーバがSolarisまたはLinuxの場合で、Storageサーバ内にSymfowareデータベースが存在している場合は、リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリおよび作業ディレクトリを指定します。
Storageサーバで、バックアップを行う前に、以下のデバイス運用種別を設定します。
バックアップ運用 |
必要なバックアップボリュームの本数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ |
(ディスク保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ |
(ディスク保存世代数+1)本 |
この作業は、「デバイス情報設定コマンド(acmdevinfoset)」で実施します。
以下は、デバイス(/dev/dsk/c1t1d0s6)を業務ボリューム、デバイス(/dev/dsk/c1t2d1s6)をバックアップボリュームとして登録する場合のコマンド実行例です。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmdevinfoset -t /dev/dsk/c1t1d0s6 acmdevinfoset completed # /opt/FJSVswstc/bin/acmdevinfoset -b /dev/dsk/c1t2d1s6 acmdevinfoset completed #
デバイスの運用種別設定における注意事項は、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「デバイスの運用種別設定」を参照してください。
登録した業務ボリューム・バックアップボリュームの情報は、「デバイス使用状況表示コマンド(acmdevdisp)」で参照することができます。
同期型高速バックアップでバックアップボリュームが保存世代数しか用意できない場合、バックアップ履歴削除と組み合わせることによって、バックアップ運用を行うことができます。この場合、次のような運用となります。
- バックアップ同期処理開始
- 等価性維持状態の確認
- バックアップ実行(ディスクおよびテープの両方へ)
- ディスクのバックアップ履歴情報削除
- 手順1に戻る
履歴情報の削除後、次のバックアップが完了するまでの間にリストアを行う場合は、ディスクの履歴はないため、テープの履歴からのリストアとなります。
業務ボリュームの存在する筐体とは別の筐体にあるバックアップボリュームにバックアップを行う場合は、オプションの設定を行います。
オプションの設定はcheck.iniファイルを作成します。ファイルのパスおよび記述方法については、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「オプションの設定」を参照してください。
Storageサーバで登録されている業務ボリュームに対して、バックアップ先のディスクおよびテープそれぞれについて、バックアップポリシーを設定します。両方にバックアップをする運用では、それぞれの設定をする必要があります。
以下のバックアップポリシーを設定します。
バックアップを行ったデータを何世代残しておくかを意味します。
バックアップを実行してから次のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。ここで指定した日数を超えた場合は、実行状態表示コマンドに経過日数が表示されます。
ディスクバックアップポリシーの設定は、「ディスクバックアップポリシー設定コマンド(acmbkpolset)」で行います。
以下は、デバイス(/dev/dsk/c1t1d0s6)の保存世代数を3に設定する場合のコマンド実行例です。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbkpolset -s 3 /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmbkpolset completed #
設定したディスクバックアップポリシーの情報は、「ディスクバックアップポリシー表示コマンド(acmbkpoldisp)」で参照できます。
テープバックアップ管理クラスを設定します。管理クラスには以下を設定します。
世代管理のバックアップを実行した際に、バックアップデータを格納するストレージ・プール名です。
バックアップデータを何世代残しておくかを意味します。
日数管理のバックアップを実行した際に、バックアップデータを格納するストレージ・プール名です。
バックアップデータを何日残しておくかを意味します。
テープバックアップ管理クラスの設定は、「テープバックアップ管理クラス設定コマンド(acmtpmgmtclassset)」で行います。
以下は、世代管理のバックアップをCOPYPOOLに5世代、日数管理のバックアップをARCPOOLに30世代保持するテープバックアップ管理クラスACM_CLASS1を作成する場合のコマンド実行例です。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmtpmgmtclassset -g COPYPOOL -d ARCPOOL -s 5 -t 30 ACM_CLASS1 ACM_CLASS1 acmtpmgmtclassset completed #
設定したテープバックアップ管理クラスの情報は、「テープバックアップ管理クラス表示コマンド(acmtpmgmtclassdisp)」で参照できます。
テープバックアップポリシーを設定します。テープバックアップポリシーには以下を設定します。
バックアップ時に使用するテープバックアップ管理クラス名です。バックアップを実行すると、指定されたテープバックアップ管理クラスに設定されているストレージ・プールにデータを格納します。また、テープバックアップ管理クラスに設定されている保存世代数、保存日数に従ってバックアップ管理を行います。
世代管理のバックアップを実行してから次の世代管理のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。ここで指定した日数を超えた場合は、「実行状態表示コマンド(acmexecstat)」にてバックアップを促します。
日数管理のバックアップを実行してから次の日数管理のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。ここで指定した日数を超えた場合は、「実行状態表示コマンド(acmexecstat)」にてバックアップを促します。
テープバックアップポリシーの設定は、「テープバックアップポリシー設定コマンド(acmtpbkpolset)」で行います。
以下は、デバイス(/dev/dsk/c1t1d0s6)に対し、世代管理バックアップの間隔日数を10日、テープバックアップ管理クラスをACM_CLASS1としてテープバックアップポリシーを設定する場合のコマンド実行例です。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmtpbkpolset -i 10 -c ACM_CLASS1 /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmtpbkpolset completed #
設定したテープバックアップポリシーの情報は、「テープバックアップポリシー表示コマンド(acmtpbkpoldisp)」で参照できます。
AdvancedCopy Managerテープバックアップでのバックアップは、基本的に業務ボリュームがアンマウントされた状態で処理を行う必要があります。そのため、バックアップ/リストアの実行時に、前後処理スクリプトを使用して業務ボリュームのアンマウント/マウント操作を行っています。
バックアップ/リストアの実行時に業務ボリュームがアンマウントできない場合は、バックアップ/リストア処理は実行されません。
また、バックアップ履歴のテープへのコピーの実行時には、バックアップボリュームに対して前処理を行います。テープへコピー実行時は、テープへの書き込みを行う前に、バックアップボリュームのアンマウント操作を行っています。なお、テープへの書き込みが完了しても、バックアップボリュームはマウントされません。
前後処理スクリプトの詳細については、本マニュアルの付録「バックアップ/リストア/テープコピーの前後処理」を参照してください。
運用が以下のいずれかに該当する場合は、バックアップ前後処理スクリプトをカスタマイズする必要があります。
カスタマイズ方法については、本マニュアルの付録「バックアップ/リストア/テープコピーの前後処理」を参照してください。
AdvancedCopy Managerテープバックアップのバックアップ運用では、バックアップボリュームとして登録されているボリューム群から、業務ボリュームの容量と同一のボリュームを、AdvancedCopy Managerテープバックアップが自動的に選択し、バックアップ先として利用します。
しかし、運用の都合上、バックアップ先ボリュームを意識したい場合は、あらかじめ「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成しておく必要があります。
デバイスマップファイルは、バックアップを行うStorageサーバ上の任意の場所に作成します。このファイルをバックアップ実行時に指定する事で、バックアップ先を意識した運用が可能となります。
複数世代管理を行う場合は、デバイスマップファイルを複数用意する必要があります。
また、バックアップもしくは同期処理の開始時に使用できるデバイスマップファイルは、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 未使用のバックアップボリュームを指定している
- そのバックアップで削除される履歴で使用されているバックアップボリュームを指定している
そのため、バックアップボリュームを複数使用する運用の場合は、バックアップボリュームの状況に合わせてデバイスマップファイルを使い分ける必要があります。
デバイスマップファイルの記述方法は、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「デバイスマップファイルの記述方法」を参照してください。
テープバックアップ運用では、同時に動作するバックアップ/リストアの数と、テープライブラリ装置のドライブ数を考慮したスケジュールをする必要があります。この場合、バックアップ/リストアの数は、Storageサーバ内に閉じた数ではなく、全Storageサーバの合計を意識する必要があります。
ドライブ数の方が少ない場合、後から動作したいくつかのバックアップ/リストアはドライブ待ちとなります。先に動作したバックアップ/リストアが完了してドライブが空くと、ドライブ待ちとなっていたバックアップ/リストアのテープI/O処理が開始されます。この場合、バックアップ/リストア時間は、実際にテープI/Oを行っている時間にドライブ待ちをしている時間も加えた時間となります。
以下に、ドライブ2台の環境で、同時に3本の業務ボリュームのバックアップを実行した場合のバックアップ処理時間を示します。
よって、バックアップスケジュールは、以下の2点を考慮します。
また、ドライブ待ちが発生するような場合、各Storageサーバ間でドライブの割り当てに偏りが生じないよう、上限値を設定することができます。本マニュアルの「バックアップ運用の設計」を参照してください。
AdvancedCopy Managerテープバックアップのバックアップの運用について説明します。
バックアップ運用を行う前に、本マニュアルの「事前準備」を参照して、バックアップ運用に必要な環境設定を行ってください。
スナップショット型高速バックアップは、以下の手順にて行います。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -m BOTH -w /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmbackup DISK backup completed, TAPE backup started #
QuickOPC機能を用いたバックアップ実行は、本マニュアルの「QuickOPC機能によるバックアップ運用」の「バックアップの実行」を参照してください。
業務ボリュームの同期型高速バックアップは以下の手順で行います。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmstartsync /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmstartsync completed #
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmsyncstat /dev/dsk/c1t1d0s6 Server Transaction-Disk Backup-Disk Status Execute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t2d1s6 equivalent 100% #
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -m BOTH -w /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmbackup DISK backup completed, TAPE backup started #
同期処理(ECセション)のキャンセルは、「バックアップ同期処理キャンセルコマンド(acmcancelsync)」で行います。同期処理キャンセルコマンドでキャンセルされる同期処理の状態は以下のとおりです。
オプション指定をせずに同期処理のキャンセルを行った場合は、同期処理中または等価性維持状態のECセションをキャンセルします。
1つの業務ボリュームに複数の同期処理(ECセション)が存在する場合、バックアップボリュームを指定して特定のECセションのみをキャンセルすることができます。また、全同期処理指定によって、業務ボリュームのすべての同期処理を一括でキャンセルすることができます。
業務ボリュームのSuspend/Resume機能を使用したバックアップは以下の手順で行います。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmstartsync /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmstartsync completed #
同期処理開始時に、サスペンド中のバックアップボリュームが存在する場合は、以下のデバイスを優先的に選択して、ECを再開(差分コピーを開始)します。
サスペンド中のバックアップボリュームが存在しない場合は、ECが開始(全面コピーを開始)されます。
同期処理開始時のバックアップボリューム選択を、図5.8に示します。
デバイスマップ指定で同期処理を開始する場合、他の業務ボリュームとサスペンド中のバックアップボリュームをバックアップ先として使用することはできません。バックアップボリュームがどの業務ボリュームとサスペンド中なのかを調べるには、「バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(acmsyncstat)」を使用して確認することができます。
同期処理実行状況表示コマンドで表示される実行状態を、図5.9に示します。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmsyncstat /dev/dsk/c1t1d0s6 Server Transaction-Disk Backup-Disk Status Execute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t2d1s6 equivalent 100% #
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -m BOTH -w -suspend /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmbackup DISK backup completed, TAPE backup started #
同期処理(ECセション)のキャンセルは、「バックアップ同期処理キャンセルコマンド(acmcancelsync)」で行います。同期処理キャンセルコマンドでキャンセルされる同期処理の状態は以下のとおりです。
サスペンド指定のバックアップ実行後は、履歴を削除しても、サスペンド状態が保持されます。サスペンド中のECセションは、同期処理のキャンセルを行わない限り解除されません。
オプション指定をせずに同期処理のキャンセルを行った場合は、同期処理中または等価性維持状態のECセションをキャンセルします。
1つの業務ボリュームに複数の同期処理(ECセション)が存在する場合、バックアップボリュームを指定して特定のECセションのみをキャンセルすることができます。また、全同期処理指定によって、業務ボリュームのすべての同期処理を一括でキャンセルすることができます。
同期処理キャンセル実行時の動作を以下に示します。
テープのみへのバックアップは、以下の手順にて行います。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -m TAPE /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmbackup completed #
ディスクに採取したバックアップデータを後からテープにコピーすることができます。この機能によりテープに格納したデータは、バックアップ履歴として管理されます。このとき、コピー元のディスクのバックアップ履歴と同じ世代番号として管理されます。
この機能の利用は以下の場合が考えられます。
この場合、バックアップ時には、バックアップ先をディスクのみに指定(-mオプションにDISKを指定)します。
この場合、ディスクへのバックアップは成功しているので、テープを追加後、テープへのコピー機能を利用することにより、テープのバックアップ履歴を作成することができます。
テープへのコピーは、以下の手順にて行います。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmhistdisp /dev/dsk/c1t1d0s6 Generation Management Backup Server=server1 Device/dev/dsk/c1t1d0s6 Mount-Point=/mnt/Tran1 (ufs) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute Tape-Gen 1 10 2004/11/12 22:00 /dev/dsk/c1t0d2s6 succeeded ---- 1 2 9 2004/11/11 22:00 /dev/dsk/c1t0d4s6 succeeded ---- - Day Management Backup Server=server1 Device=/dev/dsk/c1t1d0s6 Mount-Point=/mnt/Tran1 (ufs) TapeCopy-Date Backup-Date Expiration-Date #
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmtphistcopy -g 2 /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmtphistcopy completed #
バックアップ状態の確認は、「実行状態表示コマンド(acmexecstat)」および「履歴情報表示コマンド(acmhistdisp)」で行えます。
実行状態表示コマンドでは、以下の状態を確認することができます。
テープへのバックアップでは、テープ書き込みが完了もしくはエラー終了した場合、実行状態表示コマンドでは表示されないため、バックアップ履歴が作成されているかどうかを履歴情報表示コマンドで確認する必要があります。
テープのみもしくはディスクおよびテープ両方へのバックアップを実施した場合に、テープへのバックアップが完了したかどうかを確認する手順は以下のとおりです。
<acmexecstatコマンドでテープへのバックアップ状況を確認します。>
# /opt/FJSVswstc/bin/acmexecstat /dev/dsk/c1t1d0s6 Generation Management Backup Server Device Last-Backup-Date DiskInterval Status Mount-Point (Method) DiskExecute TapeInterval TapeEcecute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 2004/12/10 12:20 DELAY=1 EXEC /usr2 (ufs) sync(22%) OK Writing(50%) Day Management Backup Server Device Last-Backup-Date Status Mount-Point (Method) TapeInterval TapeEcecute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 2004/12/11 12:20 IDLE /usr1 (ufs) OK ----
<テープ書き込み中(Writing)のため、しばらくして再度acmexecstatコマンドで確認します。>
Generation Management Backup Server Device Last-Backup-Date DiskInterval Status Mount-Point (Method) DiskExecute TapeInterval TapeEcecute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 2004/12/10 12:20 DELAY=1 IDLE /usr2 (ufs) ---- OK ---- Day Management Backup Server Device Last-Backup-Date Status Mount-Point (Method) TapeInterval TapeEcecute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 2004/12/11 12:20 IDLE /usr1 (ufs) OK ----
<テープ書き込みが終了している(----)ので、バックアップ履歴を確認します。>
# /opt/FJSVswstc/bin/acmhistdisp /dev/dsk/c1t1d0s6 Generation Management Backup Server=node1 Device=/dev/dsk/c1t1d0s6 Mount-Point=/mnt/Tran1 (ufs) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute Tape-Gen 1 1 2004/12/11 12:20 /dev/dsk/c1t0d2s3 succeeded ---- 1 Day Management Backup Server=node1 Device=/dev/dsk/c1t1d0s6 Mount-Point=/mnt/Tran1 (ufs) TapeCopy-Date Backup-Date Expiration-Date #
<バックアップ履歴が新規に作成されているため、テープへのバックアップが成功したことがわかります。>
本節では、バックアップしたボリューム/データの復元方法について説明します。
バックアップで退避したボリューム内の全データを復元する場合は、以下の手順となります。
以下は、最新のバックアップ履歴からリストアする場合のコマンド実行例です。
[Solarisの場合]
# /opt/FJSVswstc/bin/acmrestore /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmrestore completed #
-g, -v, -t すべてを省略した場合は、世代管理されているバックアップ履歴の中で最新のものが選択されます。日数管理のバックアップ履歴が最新であっても、選択されません。
最新のバックアップデータを復旧させたい場合で、最新のバックアップ履歴が日数管理のものである場合は、-tオプション指定で実行してください。
ファイル単位にリストアする場合は、以下の手順となります。
リストア状態の確認は、「実行状態表示コマンド(acmexecstat)」で行えます。
実行状態表示コマンドでは、以下の状態を確認することができます。
OPCによる物理コピー状況は[DiskExecute]フィールド、テープからの読み込み状況は[TapeExecute]フィールドより判断できます。
<acmexecstatコマンドでリストア状況を確認します。>
# /opt/FJSVswstc/bin/acmexecstat /dev/dsk/c1t1d0s6 Generation Management Backup Server Device Last-Backup-Date DiskInterval Status Mount-Point (Method) DiskExecute TapeInterval TapeEcecute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 2004/12/10 12:20 OK EXEC /usr2 (ufs) ---- OK Reading(50%) Day Management Backup Server Device Last-Backup-Date Status Mount-Point (Method) TapeInterval TapeEcecute server1 /dev/dsk/c1t1d0s6 2004/12/11 12:20 IDLE /usr1 (ufs) OK ---- #
上の例では、テープのバックアップデータをテープから読み込み中(リストア中)であることがわかります。
バックアップを行った履歴の参照、削除が行えます。
バックアップ履歴情報は業務ボリュームに対して世代管理、および日数管理しているバックアップデータのバックアップボリューム名、テープ名、バックアップ日時等の情報を保存しています。
バックアップ履歴は「履歴情報表示コマンド(acmhistdisp)」で表示します。
バックアップ履歴の削除は、「履歴情報削除コマンド(acmhistdel)」で行います。
通常のバックアップ履歴とサスペンド指定のバックアップ履歴の削除を以下に示します。
実行中のバックアップ処理をキャンセルすることはできません。
ディスクからのリストアを行った場合、実行中のOPC物理コピーは、「リストアキャンセルコマンド(swstcancelrest)」 でキャンセルすることができます。OPC物理コピー実行中かどうかは、「リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)」で確認できます。
各コマンドの詳細は、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「各種コマンド」を参照してください。
バックアップ運用を構成するStorageサーバ/デバイスが変更となった場合、AdvancedCopy Managerテープバックアップの設定情報を変更する必要があります。本節では、各種変更に伴う設定情報の変更方法を説明します。
現在のETERNUS ディスクアレイの環境に、ETERNUS ディスクアレイを追加した場合、以下の手順で設定情報を変更します。以下の手順はすべてテープサーバ上で行います。
# /opt/FJSVswstm/bin/tbogetoluinfo -l 200.30.40.30 200.30.40.30 completed. [total olu = 3] /var/opt/FJSVmplb/mplb_ext.conf was update. #
# mplbconfig -q #
現在のETERNUS ディスクアレイの環境から、ETERNUS ディスクアレイを削除する場合、以下の手順で設定情報を変更します。以下の手順はすべてテープサーバ上で行います。
任意のStorageサーバにデバイスを追加した場合、以下の方法でAdvancedCopy Managerテープバックアップのバックアップ運用に組み込みます。
デバイスの削除は、削除するデバイスの種類により異なります。以下にデバイスの種類に応じた削除手順を説明します。
業務ボリュームを削除する場合は、以下の手順となります。なお、本作業は、必ず、削除対象の業務ボリュームを撤去する前に実施してください。
# /opt/FJSVswstc/bin/acmhistdel -z /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmhistdel completed #
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbkpoldel /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmbkpoldel completed # # /opt/FJSVswstc/bin/acmtpbkpoldel /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmtpbkpoldel completed #
# /opt/FJSVswstc/bin/acmdevinfoset -o /dev/dsk/c1t1d0s6 acmdevinfoset completed #
バックアップボリュームを削除する場合は、以下の手順となります。なお、本作業は、必ず、削除対象のバックアップボリュームを撤去する前に実施してください。
ボリュームが未使用の状態とは、該当のボリュームがバックアップ履歴に存在しない状態です。バックアップ履歴に存在している場合は、バックアップ履歴を削除してください。同じバックアップ履歴が、テープにも存在する場合は、テープの履歴は削除する必要はありません。詳細は、「履歴情報削除コマンド(acmhistdel)」を参照してください。既に未使用の場合は、次へ進みます。
以下は、コマンド実行例です。
# /opt/FJSVswstc/bin/acmhistdel -m DISK -g 1 /dev/dsk/c1t1d0s6 /dev/dsk/c1t1d0s6 acmhistdel completed #
# /opt/FJSVswstc/bin/acmdevinfoset -o /dev/dsk/c1t2d1s6 acmdevinfoset completed #
バックアップボリュームを削除すると、設定済みのバックアップポリシーを満たさない状態(バックアップボリューム数が保存世代数より少なくなるなど)になる場合があり、この場合、その後のバックアップ運用が継続できなくなってしまいます。この為、バックアップボリュームを削除する場合には、必ず、事前に、設定済みのバックアップポリシーを確認してから行うようにしてください。
なお、前述のようにバックアップボリュームに余裕がない場合は、替わりとなるバックアップボリュームを登録後、目的のバックアップボリュームを削除するようにしてください。
バックアップ業務にStorageサーバを追加する場合は、以下の手順となります。
Storageサーバを削除する場合は、以下の手順となります。なお、本作業は、必ず、削除対象のStorageサーバを撤去する前に実施してください。
サーバ情報削除コマンド(stgxfwcmdelsry)で実施します。詳細は、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「各種コマンド」を参照してください。
バックアップ運用を停止する場合、Storageサーバ上のデーモンを停止します。通常、システムの停止時に自動的に停止します。
何らかの理由でデーモンを停止したい場合は、個別に停止させる事も可能です。詳細は、本マニュアルの「デーモンの起動と停止」を参照してください。
SDXオブジェクトをバックアップ/リストアする運用について説明します。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
GDSの詳細については、GDSのマニュアル『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書』を参照してください。
SDXオブジェクトのバックアップは、以下のプラットフォームでサポートします。
テープバックアップ運用可能な運用単位は、以下です。
論理ボリューム単位のバックアップはできません。
次のSDXオブジェクト(ボリューム)は、AdvancedCopy Managerテープバックアップで運用することができません。
同期処理の開始やスナップショット型バックアップの開始において、「業務ボリュームを構成するスライス数」と「業務ボリュームに関連付けられている全てのバックアップボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、コピー元ボリューム(バックアップ処理における業務ボリューム、リストア処理におけるバックアップボリューム)がINVALID状態である場合は、コピー処理を実行できません。
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、"sdxinfo -e long"を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
GDS Snapshotと連携せず、AdvancedCopy Managerテープバックアップの機能だけで行う運用です。論理ボリュームがどの物理ボリュームから構成されているかを把握した設計・運用が必要です。
AdvancedCopy Managerテープバックアップコマンドに指定する場合は、論理ボリューム名とAdvancedCopy Managerデバイス名を組み合わせた以下の形式の名前を使用します。
dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名:sdxinfoのDEVNAMの値
SDXオブジェクトの運用上の注意点については、本マニュアルの「SDXオブジェクトの運用の注意」をご覧ください。
筐体間ミラーを行っている場合、筐体障害の場合も、OPCによりリストアする必要があるときは、ミラーの両系をバックアップする必要があります。この場合、バックアップボリュームは、論理ボリュームの容量ではなく、物理ボリュームの容量分が必要です。
SymfowareのDBSPを筐体間ミラーしている場合、業務ボリュームとしてはどちらか一方の筐体にあるボリュームしか登録できません。したがって、バックアップ運用している筐体が筐体障害となった場合は、筐体障害から回復するまでバックアップ/リカバリができません。
バックアップ運用の設計を行う場合の注意事項は、本マニュアルの「SDXオブジェクトの運用の注意」を参照してください。
バックアップ運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイス情報の取得については、本マニュアルの「Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。
業務で使用している論理ボリュームを構成するスライスを、業務ボリュームとして登録します。# /opt/FJSVswstc/bin/acmdevinfoset -t /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 acmdevinfoset completed #
SDXオブジェクトのスライスをバックアップボリュームに登録することはできません。
一般スライスのバックアップボリュームを使用します。# /opt/FJSVswstc/bin/acmdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d2s6 acmdevinfoset completed #
業務ボリュームがクラスタのリソースに登録されている場合、バックアップ前処理スクリプトにて業務ボリュームのアンマウントを行わないようにバックアップ前処理スクリプトを修正します。修正方法は、OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の付録「バックアップ/リストアの前後処理」の業務ボリュームをアンマウントしたくない場合の手順を参照してください。
以下は、コマンド実行例です。# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 acmbackup completed #
クラスタリソースに登録されている業務ボリュームでは、テープのみを指定したバックアップは実施しないでください。テープのみへのバックアップでアンマウントを行わない場合は、採取したバックアップデータの整合性を確認することができないためです。
バックアップを実行できるのは、論理ボリュームを構成するSDXオブジェクトの状態が以下の状態になっている場合です。これ以外の状態になっている場合は、バックアップを実行することはできません。(SDXオブジェクトの状態は、SafeDISK/PRIMECLUSTER GDSのsdxinfoコマンドを用いてAdvancedCopy Managerテープバックアップが確認します)
- ボリュームの状態が、"ACTIVE(起動中)"またはSTOP(停止)のとき
- 物理ディスクの状態が、"ENABLE(動作可)"のとき
- スライスの状態が、"ACTIVE(起動中)"または"TEMP(切り離し中)"のとき
次のような場合、前後処理スクリプトは実行されません。
- SDXオブジェクトのスライスがTEMP
「リストア実行コマンド(acmrestore)」でリストアを実施します。
以下は、コマンド実行例です。
# /opt/FJSVswstc/bin/acmrestore /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 acmrestore completed #
なお、業務ボリューム(リストア先ボリューム)が、クラスタのリソースに登録されている場合に、SDXオブジェクトのスライスのバックアップデータをリストアする手順は以下です。
# sdxvolume -N -c クラス名 # |
# sdxslice -M -c クラス名 -d ミラー先ディスク名 -v ボリューム名 -a jrm=off # |
高速等価性回復モードのオフ(-a jrm=off)は必ず指定してください。これをオフにしないでリストアをした場合、リストア後にミラーボリュームの組み込みを行うと、リストア前のデータに戻ってしまいます。
# /opt/FJSVswstf/bin/stgfwcom start # |
# sdxslice -R -c クラス -d ミラー先ディスク名 -v ボリューム名 # |
# sdxvolume -F -c クラス名 # |
ここでは、VxVM(VERITAS Volume Manager)配下のボリュームに対するバックアップ運用について説明します。
プラットフォームごとに運用可能な形態を示します。
プラットフォーム |
論理ボリュームが存在する物理スライス単位のバックアップ運用 |
ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用 |
---|---|---|
Solaris |
○ |
○ |
HP-UX |
× |
○ |
AIX |
× |
○ |
VxVMボリュームをバックアップ対象とする場合に、VxVMの論理ボリュームが存在する物理スライス単位にバックアップを行います。
VxVMの論理ボリュームが存在する物理スライス単位の基本的運用を理解した上でご利用ください。基本的運用は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書(Solaris版)』の「VxVMボリュームの運用」内の「論理ボリュームが存在する物理スライス単位のバックアップ運用」を参照してください。
VxVMボリュームをバックアップ対象とする場合に、VxVMボリュームを構成する物理ディスク単位にバックアップを行います。
バックアップ運用は、ディスクグループとしての整合性を保つ必要があることから、ディスクグループ内のすべての物理ディスクの同期をとって操作する必要があります。
VxVMボリュームを構成する物理ディスク単位の基本的運用を理解した上でご利用ください。基本的運用は、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書』の「VxVMボリュームの運用」内の「ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用」を参照してください。
ディスクグループ内のすべての物理ディスクに対する同期をとって操作します。
必要な前後処理はバックアップ操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には前後処理を動作させないようにします。
ディスクとテープ両方へのバックアップでは、テープ書き込み中にStorageサーバの再起動が発生すると、業務ボリュームとバックアップボリュームが同じ構成となり、Storageサーバ起動時にVxVMで不整合が発生します。(クラスタシステムの場合はノード切り替えで発生します。)そのため、ディスクとテープ両方にバックアップを行う場合は、以下の手順でバックアップ履歴を作成してください。
以下に、テープへのバックアップの前後で実施する前後処理を示します。
ボリューム種別 |
前処理 |
後処理 |
---|---|---|
業務ボリューム |
|
|
ディスクへのバックアップは、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書』の「VxVMボリュームの運用」内の「ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用」を参照してください。
ディスクグループ内のすべての物理ディスクに対する同期をとって操作します。
必要な前後処理はテープコピー操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には前後処理を動作させないようにします。
テープコピーを行う前に、バックアップボリュームに対してディスクグループの再構成を行うようにしてください。これは、ディスクグループの再構成を行っていないバックアップボリュームからテープコピーを実施した場合、テープコピー中にStorageサーバの再起動が発生すると、業務ボリュームとバックアップボリュームが同じ構成となり、Storageサーバ起動時にVxVMで不整合が発生するためです。(クラスタシステムの場合はノード切り替えで発生します。)
以下に、テープコピーの前後で実施する前後処理を示します。
ボリューム種別 |
前処理 |
後処理 |
---|---|---|
バックアップボリューム |
|
|
ディスクグループ内のすべての物理ディスクに対する同期をとって操作します。
必要な前後処理はリストア操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には前後処理を動作させないようにします。
リストア可能なバックアップ履歴は、以下に記載されている方法で採取したバックアップ履歴のみです。
- バックアップの実行
- テープコピーの実行
以下に、テープからのリストアの前後で実施する前後処理を示します。
ボリューム種別 |
前処理 |
後処理 |
---|---|---|
リストア先ボリューム |
|
|
*1: ディスクグループの再構成を行う条件は、以下の表に示します。
テープ上のバックアップ履歴作成方法 |
リストア先 |
ディスクグループの再構成 |
---|---|---|
テープへ直接バックアップ |
業務ボリューム |
不要 |
業務ボリューム以外のボリューム |
必要 |
|
テープコピー |
すべてのボリューム |
必要 |
ディスクからのリストアは、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書』の「VxVMボリュームの運用」内の「ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用」を参照してください。
ここでは、LVM(Logical Volume Manager)配下のボリュームに対するバックアップ運用について説明します。
プラットフォームごとに運用可能な形態を示します。
プラットフォーム |
ボリュームグループ単位の運用 |
ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用 |
---|---|---|
HP-UX |
○ |
○ |
AIX |
○ |
○ |
LVMボリュームをバックアップ対象とする場合に、LVMのボリュームグループ単位にバックアップを行います。
LVMのボリュームグループ単位の基本的運用を理解した上でご利用ください。基本的運用は、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書』の「LVMボリュームの運用」内の「ボリュームグループ単位の運用」を参照してください。
LVMボリュームをバックアップ対象とする場合に、LVMボリュームを構成する物理ディスク単位にバックアップを行います。
バックアップ運用は、ディスクグループとしての整合性を保つ必要があることから、ディスクグループ内のすべての物理ディスクの同期をとって操作する必要があります。
LVMボリュームを構成する物理ディスク単位の基本的運用を理解した上でご利用ください。基本的運用は、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書』の「LVMボリュームの運用」内の「ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用」を参照してください。
ディスクグループ内のすべての物理ディスクに対する同期をとって操作します。
必要な前後処理はバックアップ操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には前後処理を動作させないようにします。
ディスクとテープ両方へのバックアップでは、テープ書き込み中にStorageサーバの再起動が発生すると、業務ボリュームとバックアップボリュームが同じ構成となり、Storageサーバ起動時にVxVMで不整合が発生します。(クラスタシステムの場合はノード切り替えで発生します。)そのため、ディスクとテープ両方にバックアップを行う場合は、以下の手順でバックアップ履歴を作成してください。
以下に、テープへのバックアップの前後で実施する前後処理を示します。
ボリューム種別 |
前処理 |
後処理 |
---|---|---|
業務ボリューム |
|
|
ディスクへのバックアップは、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書』の「LVMボリュームの運用」内の「ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用」を参照してください。
ディスクグループ内のすべての物理ディスクに対する同期をとって操作します。
必要な前後処理はテープコピー操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には前後処理を動作させないようにします。
テープコピーを行う前に、バックアップボリュームに対してディスクグループの再構成を行うようにしてください。これは、ディスクグループの再構成を行っていないバックアップボリュームからテープコピーを実施した場合、テープコピー中にStorageサーバの再起動が発生すると、業務ボリュームとバックアップボリュームが同じ構成となり、Storageサーバ起動時にVxVMで不整合が発生するためです。(クラスタシステムの場合はノード切り替えで発生します。)
以下に、テープコピーの前後で実施する前後処理を示します。
ボリューム種別 |
前処理 |
後処理 |
---|---|---|
バックアップボリューム |
|
|
ディスクグループ内のすべての物理ディスクに対する同期をとって操作します。
必要な前後処理はリストア操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には前後処理を動作させないようにします。
リストア可能なバックアップ履歴は、以下に記載されている方法で採取したバックアップ履歴のみです。
- バックアップの実行
- テープコピーの実行
以下に、テープからのリストアの前後で実施する前後処理を示します。
ボリューム種別 |
前処理 |
後処理 |
---|---|---|
リストア先ボリューム |
|
|
*1: ディスクグループの再構成を行う条件は、以下の表に示します。
テープ上のバックアップ履歴作成方法 |
リストア先 |
ディスクグループの再構成 |
---|---|---|
テープへ直接バックアップ |
業務ボリューム |
不要 |
業務ボリューム以外のボリューム |
必要 |
|
テープコピー |
すべてのボリューム |
必要 |
ディスクからのリストアは、各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manage 運用手引書』の「LVMボリュームの運用」内の「ディスクグループを構成する物理ディスク単位のバックアップ運用」を参照してください。
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