ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編 13.0 -Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Sever(TM) 2003-, -Solaris-, -HP-UX-, -Linux-, -AIX- |
目次 索引 |
本章では、Symfowareのバックアップ運用について説明します。
Symfowareのバックアップ運用は、管理対象のStorageサーバがSolarisまたはLinuxの場合のみ有効となります。
AdvancedCopy Managerによってバックアップ運用を行うSymfowareのデータベーススペースは、rawデバイス上に配置されたもののみです。
AdvancedCopy Managerテープバックアップは、ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のディスクボリュームに配置されたSymfowareのデータベーススペースを、業務ボリュームとして管理します。
そのため、AdvancedCopy Managerテープバックアップでは、Symfowareのデータベースの格納構造を意識せずに、データベーススペースという物理的に配置された構造で、バックアップ/リカバリを行うことができます。
Symfowareは、Storageサーバ内に配置されたデータベーススペースやロググループを、いろいろな業務の用途に合わせて、複数の動作環境を作成することができます。この動作環境を、RDBシステム名という名前で区別します。AdvancedCopy Managerテープバックアップは、このRDBシステム名を元に、動作環境内のデータベースの表間のリレーションの整合性を破壊することなく、バックアップ/リカバリを行います。
Symfowareの概要全般については、『Symfoware(R) Server RDB 管理者ガイド』を参照してください。
AdvancedCopy Managerテープバックアップでは、Symfowareのデータベーススペースを、データベーススペース単位またはロググループ単位で、バックアップを行うことができます。
AdvancedCopy Managerテープバックアップでは、バックアップ対象とするデータベーススペースが配置されているスライスを業務ボリュームとします。
データベーススペース単位のバックアップでは、その業務ボリュームをバックアップ退避先ボリューム(バックアップボリューム)およびテープにバックアップします。
ロググループ単位のバックアップでは、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースをそれぞれ業務ボリュームとして定義し、そのすべての業務ボリュームをバックアップします。
ロググループ単位でバックアップする場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているスライスを、それぞれ業務ボリュームとして登録しておく必要があります。ひとつでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerテープバックアップは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップすることができず、データベースのリカバリ時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。
Symfowareのデータベーススペースは、バックアップ先にテープのみを指定してバックアップを実施することはできません。
AdvancedCopy Managerテープバックアップは、バックアップ時に、データベースのリカバリに必要なデータを格納したリカバリ制御ファイルを作成し、バックアップした世代毎に管理します。テープにバックアップを行うと、データベーススペースのデータと共にこのリカバリ制御ファイルもテープへ格納します。
AdvancedCopy Managerテープバックアップでは、Symfowareのデータベーススペース単位またはロググループ単位でのデータベーススペースのリカバリが行えます。
AdvancedCopy Managerテープバックアップのリカバリは、次のように処理が行われます。
アーカイブログファイルに、アーカイブログがいっぱいになると、Symfowareのコマンドや、データベーススペースを使用する利用者のアプリケーションが無応答になるため、アーカイブログを外部媒体に退避することがありますが、AdvancedCopy Managerテープバックアップは、外部媒体に保管したアーカイブログ退避ファイル名を書いたファイル(アーカイブログ退避先名が列挙されたファイル)を指定してリカバリすることができます。
「アーカイブログ退避先名が列挙されたファイル」に指定したファイルに、テープに退避されたアーカイブログ退避ファイルを記述した場合は、リカバリを行うことができません。
また、リカバリ時には、「Storageサーバ構成情報設定コマンド(acmsvrset)」で指定した作業ディレクトリを使用します。
アーカイブログを退避する運用の場合、データベーススペースのリカバリに必要な退避アーカイブログの対応を知る必要があります。 AdvancedCopy Managerテープバックアップは、そのために必要なロググループ単位に行われるアーカイブログ退避処理と、データベーススペース単位に行われるバックアップ/リカバリの対応管理を行います。データベースの管理者は、単純にアーカイブログ退避状況の記録のみを行えばよくなります。具体的な運用としては、アーカイブログの退避作業をシェルスクリプト化し、Storageサーバ上のファイルに履歴を記録する形態を推奨します。
Symfowareのバックアップ運用の設計は、以下の手順で行います。
AdvancedCopy Managerテープバックアップで、Symfowareのデータベーススペース単位、またはロググループ単位のデータベーススペースのバックアップ/リカバリを行う環境を作成するためには、事前にデータベースの管理者が、業務の用途に合わせてSymfowareの動作環境を作成する必要があります。
バックアップ運用を行うサーバを決定します。バックアップ運用を行うサーバには、次のものがあります。
複数のStorageサーバを一元管理、集中操作します。Storage管理サーバは、Storageサーバ、テープサーバを兼ねることができます。
AdvancedCopy Managerテープバックアップの運用を行います。Storageサーバは、テープサーバを兼ねることができます。
テープへのバックアップ管理を行います。
すべてのStorageサーバには、AdvancedCopy Managerテープバックアップが使用する内部コード系(Storage管理サーバへAdvancedCopy Managerテープバックアップをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。
バックアップ対象とするSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたスライスを決定します。
AdvancedCopy Managerでは、バックアップ対象となるSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたスライスのことを「業務ボリューム」と呼びます。
業務ボリュームは以下のようにスライスの割り当てを行う必要があります。
- VTOCを含まないようにスライスを作成してください。
- 同一ディスク内には、重複しないようにスライスを作成してください。
ロググループ単位でバックアップする場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているスライスを、それぞれ業務ボリュームとして登録しておく必要があります。ひとつでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerテープバックアップは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップすることができず、データベースのリカバリ時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。
システムが格納されているスライスや、AdvancedCopy Managerテープバックアップがインストールされているスライスは、バックアップ対象としないでください。
ボリューム全体を定義したスライスは、業務ボリュームとして登録しないでください。
業務ボリュームまたはロググループに対して設定するバックアップポリシーを決定します。
ロググループに対して設定した場合、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームに対してバックアップポリシーが設定されます。
バックアップ先のディスクおよびテープそれぞれについて設定します。
ディスクバックアップポリシーには以下の条件項目があります。
保存世代数とはバックアップを行ったデータを何世代残しておくかを意味します。
スナップショット型高速バックアップは、最初に最古の世代を世代管理より解放します。そのため、バックアップ起動中にシステムダウンなどの障害が発生した場合は、バックアップしたデータが必要世代数分存在しない可能性がありますので、直ちにバックアップを再実行することをお勧めします。
スナップショット型高速バックアップで、保存世代数を1として運用する場合は、バックアップデータをテープなどに退避する運用を併用することをお勧めします。
同期型高速バックアップは、最古の世代を世代管理より解放するのは、最新世代のバックアップを完了してからです。そのため、(保存世代数+1)本のバックアップボリュームが必要です。
バックアップ未実施の警告を表示する基準日数を意味します。
最後にバックアップした日より間隔日数を超えた場合に、「実行状態表示コマンド(acmexecstat)」を実行し、遅れが出ていることを表示します。
間隔日数を設定しても、自動的にバックアップが行われるわけではありません。
ディスクバックアップポリシーの設定は、「ディスクバックアップポリシー設定コマンド(acmbkpolset)」で行います。
テープバックアップ管理クラスを設定します。管理クラスには以下を設定します。
世代管理のバックアップを実行した際に、バックアップデータを格納するストレージ・プール名です。
バックアップデータを何世代残しておくかを意味します。
日数管理のバックアップを実行した際に、バックアップデータを格納するストレージ・プール名です。
バックアップデータを何日残しておくかを意味します。
テープバックアップ管理クラスの設定は、「テープバックアップ管理クラス設定コマンド(acmtpmgmtclassset)」で行います。
テープバックアップポリシーを設定します。テープバックアップポリシーには以下を設定します。
バックアップ時に使用するテープバックアップ管理クラス名です。バックアップを実行すると、指定されたテープバックアップ管理クラスに設定されているストレージ・プールにデータを格納します。また、テープバックアップ管理クラスに設定されている保存世代数、保存日数に従ってバックアップ管理を行ないます。
世代管理のバックアップを実行してから次の世代管理のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。ここで指定した日数を超えた場合は、「実行状態表示コマンド(acmexecstat)」にてバックアップを促します。
日数管理のバックアップを実行してから次の日数管理のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。ここで指定した日数を超えた場合は、「実行状態表示コマンド(acmexecstat)」にてバックアップを促します。
テープバックアップポリシーの設定は、「テープバックアップポリシー設定コマンド(acmtpbkpolset)」で行います。
バックアップボリュームを準備します。
AdvancedCopy Managerでは、業務ボリュームのバックアップ先スライスのことを「バックアップボリューム」と呼びます。バックアップボリュームは、ETERNUS ディスクアレイに配置する必要があります。
バックアップボリュームのサイズは、業務ボリュームと同じである必要があります。また、バックアップボリュームの数は、バックアップの運用によって、以下の様に異なります。
バックアップ運用 |
必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ運用の場合 |
保存世代数 本 |
同期型高速バックアップ運用の場合 |
(保存世代数 + 1)本 |
すでに複数の業務ボリュームにバックアップポリシーが設定されている状態で、新たに登録された業務ボリュームにバックアップポリシーを登録する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。
バックアップ運用 |
必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ運用の場合 |
(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ運用の場合 |
(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+登録されている業務ボリューム数+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本 |
ロググループを指定してバックアップポリシーを設定する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。
バックアップ運用 |
必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ運用の場合 |
(ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ運用の場合 |
(ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本 |
バックアップボリュームは以下のようにスライスの割り当てを行う必要があります。
- VTOCを含まないようにスライスを作成してください。
- 同一ディスク内には、重複しないようにスライスを作成してください。バックアップボリューム内には、通常のスライス2のようなボリューム全体を意味するスライスは作成する必要はありません。
Symfowareのバックアップ運用では、次のディレクトリを設定する必要があります。
リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリとは、バックアップ時に作成されるリカバリ制御ファイルの格納先です。リカバリ制御ファイルに必要な容量は、1業務ボリュームを1世代分バックアップすると約1Mバイトになります。
N個の業務ボリュームをM世代保存する場合に必要な容量は、次のようになります。
バックアップ運用 |
必要な容量(単位 Mbyte) |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ |
N × M |
同期型高速バックアップ |
N × (M + 1) |
バックアップ運用開始時にリカバリ制御ファイル出力先ディレクトリを設定していない場合は、以下のディレクトリを使用します。
/etc/opt/FJSVswsts/SymfoWARE/Recovery
/etc/opt/FJSVswsts/論理ノード名(*1)/SymfoWARE/Recovery
(*1)クラスタセットアップ時に指定したAdvancedCopy Managerの論理ノード名
作業ディレクトリとは、リストア時にデータベースのリカバリ作業を行うための作業ディレクトリです。バックアップ運用開始時に作業ディレクトリを設定していない場合は、以下のディレクトリを使用します。
/var/opt/FJSVswsts/SymfoWARE
Symfowareにおける一連のバックアップ運用の流れを以下に記述します。
バックアップ運用を開始するにあたり、事前に以下の準備が必要です。
バックアップ運用を開始するにあたり、事前にStorage管理サーバ、Storageサーバ上でデーモンを起動する必要があります。
通常、システムの起動時に自動的に立ち上がりますが、何らかの理由で起動に失敗した場合および一度デーモンを停止した場合は、各サーバでデーモンを起動する必要があります。デーモンの起動については、本マニュアルの「デーモンの起動と停止」を参照してください。
Storage管理サーバにて、管理するStorageサーバを登録します。Storage管理サーバを兼ねているStorageサーバは、サーバの追加をする必要はありません。
Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「サーバ情報追加コマンド(stgxfwcmaddsrv)」で実施します。
バックアップ管理を実施する場合は、まずStorageサーバ上のデバイス情報を一旦リポジトリに格納する必要があります。
この作業は、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』に記載されている「デバイス情報取得/反映コマンド(stgxfwcmsetdev)」で実施します。
Symfoware情報を取得するためには、事前にSymfoware Server Advanced Backup Controll 6.x以降が動作している必要があります。デバイス情報取得後にSymfoware Server Advanced Backup Controllerをインストールした場合は、再度デバイス取得を実施してください。
各Storageサーバの環境設定を行います。
Storage管理サーバがStorageサーバを兼ねている場合、Storage管理サーバでもこの環境設定を行う必要があります。既に、Storageサーバの環境設定が行われている場合は、この作業は必要ありません。
この作業は、「Storageサーバ構成情報設定コマンド(acmsvrset)」で実施します。
初期設定では、テープサーバ名の指定は必須です。
対象のStorageサーバがSolarisまたはLinuxの場合で、Storageサーバ内にSymfowareデータベースが存在している場合は、リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリおよび作業ディレクトリを指定します。
バックアップを行いたいSymfowareのデータベーススペースを構築したスライスを業務ボリューム、バックアップ先となるボリュームをバックアップボリュームとして定義します。
「デバイス情報設定コマンド(acmdevinfoset)」を用いて、バックアップを行いたいSymfowareのデータベーススペースを構築したスライスを、業務ボリュームとして定義します。
ロググループの場合は、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているスライスを、それぞれ個別に業務ボリュームとして登録する必要があります。ひとつでも登録から漏れるとAdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップすることができず、データベースのリカバリ時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。
Symfowareのデータベーススペースが設定されていないデバイスを、Symfoware用の業務ボリュームとして設定することはできません。
Symfoware用の業務ボリュームに割り当てられたRDBシステム名やデータベーススペース名、ロググループ名等を変更した場合は、以下の手順で業務ボリュームとして登録しなおしてください。
- 既に登録した業務ボリュームのバックアップ履歴情報を「履歴情報削除コマンド(acmhistdel)」ですべて削除します。
- 既に登録した業務ボリュームのバックアップポリシーをすべて削除します。
- 「デバイス情報設定コマンド(acmdevinfoset)」を使用して業務ボリュームの登録から削除します。
- 再度、本マニュアルの「Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を行います。
- 「デバイス情報設定コマンド(acmdevinfoset)」を使用して業務ボリュームとして登録し直します。
ロググループに含まれる業務ボリュームを登録から削除する場合は、その業務ボリュームのバックアップポリシーおよびバックアップ履歴情報をすべて削除してから、業務ボリュームの登録から削除してください。
「デバイス情報設定コマンド(acmdevinfoset)」を用いて、バックアップ先とするバックアップボリュームを設定してください。既にバックアップボリュームを登録してある場合は、この操作は不要です。
バックアップ管理が必要とするバックアップボリュームの本数については、本マニュアルの「バックアップボリュームの準備」を参照してください。
バックアップボリュームとして登録したパーティション(スライス)の構成などを変更する場合は、構成を変更する前に一旦バックアップボリュームの登録から削除し、構成変更後に再度Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込みを行ってから、「デバイス情報設定コマンド(acmdevinfoset)」で登録し直す必要があります。
業務ボリュームの存在する筐体とは別の筐体にあるバックアップボリュームにバックアップを行う場合は、オプションの設定を行います。
オプションの設定はcheck.iniファイルを作成します。ファイルのパスおよび記述方法については、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「オプションの設定」を参照してください。
「ディスクバックアップポリシー設定コマンド(acmbkpolset)」、「テープバックアップ管理クラス設定コマンド(acmtpmgmtclassset)」、および「テープバックアップポリシー設定コマンド(acmtpbkpolset)」を用いて、業務ボリュームまたはロググループにバックアップポリシーを設定します。
ロググループに対して設定した場合、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームに対してバックアップポリシーが設定されます。
バックアップポリシーの詳細は、本マニュアルの「バックアップポリシーの決定」を参照してください。
ディスクバックアップポリシーの設定時には、バックアップ運用に必要なバックアップボリュームが登録されている必要があります。バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数については、本マニュアルの「バックアップボリュームの準備」を参照してください。
登録されているバックアップポリシーは、「ディスクバックアップポリシー表示コマンド(acmbkpoldisp)」および「テープバックアップポリシー表示コマンド(acmtpbkpoldisp)」で表示することができます。
登録されているロググループに新たにデータベーススペースを追加し、業務ボリュームとして設定した場合は、再度、ロググループ単位でバックアップポリシーの設定を行ってください。
AdvancedCopy Managerのバックアップ運用では、バックアップボリュームとして登録されているボリューム群から、業務ボリュームの容量と同一のボリュームを、AdvancedCopy Managerが自動的に選択し、バックアップ先として利用します。
しかし、運用の都合上、バックアップ先ボリュームを意識したい場合は、あらかじめ「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成しておく必要があります。
デバイスマップファイルは、バックアップを行うStorageサーバ上の任意の場所に作成します。このファイルをバックアップ実行時に指定する事で、バックアップ先を意識した運用が可能となります。
複数世代管理を行う場合は、デバイスマップファイルを複数用意する必要があります。
また、バックアップもしくは同期処理の開始時に使用できるデバイスマップファイルは、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 未使用のバックアップボリュームを指定している
- そのバックアップで削除される履歴で使用されているバックアップボリュームを指定している
そのため、バックアップボリュームを複数使用する運用の場合は、バックアップボリュームの状況に合わせてデバイスマップファイルを使い分ける必要があります。
デバイスマップファイルの記述方法は、Storageサーバの各OSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「デバイスマップファイルの記述方法」を参照してください。
Symfowareのバックアップ運用について説明します。
バックアップ運用を行う前に、本マニュアルの「事前準備」を参照して、バックアップ運用に必要な環境設定を行ってください。
Symfowareのスナップショット型高速バックアップは、業務ボリュームまたはロググループを指定して、「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」を用いて行います。ディスクおよびテープへのバックアップは、-mオプションにBOTH を指定して実行します。ロググループ指定によるバックアップを行う場合、そのロググループに含まれる業務ボリュームすべてを一度にバックアップします。
次に挙げる方法でバックアップを行うことができます。
バックアップ方法 |
説明 |
---|---|
通常ダンプ |
アーカイブログ運用中(通常運用中)のデータベースをバックアップします。 |
参照ダンプ |
長期保存等の目的のためにアーカイブログ運用から切り離されたデータベースをバックアップします。 |
注)参照ダンプでバックアップする場合、Symfowareの"rdbrtr"コマンドを用いて、バックアップする業務ボリューム内の全DSI(実表に対してその格納構造を表現するもの)に更新抑止を設定(データ書き込み不可状態)する必要があります。
ロググループに含まれる業務ボリュームを個別にバックアップする場合は、参照ダンプは指定できません。
Symfowareでは、テープのみを指定したバックアップはできません。
Symfowareの同期型高速バックアップは、以下の手順で行います。
バックアップ方法 |
説明 |
---|---|
通常ダンプ |
アーカイブログ運用中(通常運用中)のデータベースをバックアップします。 |
参照ダンプ |
長期保存等の目的のためにアーカイブログ運用から切り離されたデータベースをバックアップします。 |
注)参照ダンプでバックアップする場合、Symfowareの"rdbrtr"コマンドを用いて、バックアップする業務ボリューム内の全DSI(実表に対してその格納構造を表現するもの)に更新抑止を設定(データ書き込み不可状態)する必要があります。
業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前に「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」を実行すると、コマンドはエラーとなります。
Symfowareでは、テープのみを指定したバックアップはできません。
同期型高速バックアップでは、同期処理を停止または一時停止(サスペンド)することによりバックアップが作成されます。「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」をサスペンド指定で実施すると、Suspend/Resume機能により、同期処理を一時停止(サスペンド)してバックアップを行います。
ディスクに採取したバックアップデータを後からテープにコピーすることができます。この機能によりテープに格納したデータは、バックアップ履歴として管理されます。このとき、コピー元のディスクのバックアップ履歴と同じ世代番号として管理されます。
テープへのコピーは、以下の手順にて行います。
スナップショット型高速バックアップおよび同期型高速バックアップで退避したデータの復元には、「リストア実行コマンド(acmrestore)」を用います。
Symfowareのリカバリは、業務ボリュームまたはロググループを指定して、「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」でバックアップされた履歴管理されているバックアップボリュームもしくはテープから、「リストア実行コマンド(acmrestore)」を用いて行います。
ロググループを指定してリカバリを行う場合、ロググループに含まれる業務ボリュームを一度にリカバリします。
また、“-bundle”オプションを使用して同一ロググループの複数の業務ボリュームを一括してリカバリすることも可能です。これを、バンドル・リカバリと呼びます。
RAIDグループ内に複数のデータベーススペースが配置されている場合、これらのデータベーススペースを一括してリカバリすることにより、ログ適用にかかる時間が短縮され、リカバリ時間が短縮されます。
リカバリは、次に挙げる方法で実行することができます。
リカバリするデータのバックアップした方法(通常ダンプ/参照ダンプ)によって、指定できるリカバリ方法が異なります。次に示すような組み合わせで指定することができます。
バックアップ単位 |
バックアップ方法 |
リカバリ単位 |
リカバリ方法 |
||
---|---|---|---|---|---|
最新状態への復旧 |
リカバリ終了点を指定した特定時点への復旧 *1 |
バックアップ時点への復旧 |
|||
業務ボリューム |
通常ダンプ |
ロググループ |
○ |
○ |
○ |
同一ロググループの複数の業務ボリューム |
○ |
○ |
○ |
||
業務ボリューム |
○ |
× |
× |
||
ロググループ |
通常ダンプ |
ロググループ |
○ |
○ |
○ |
同一ロググループの複数の業務ボリューム |
○ |
○ |
○ |
||
業務ボリューム |
○ |
× |
× |
||
参照ダンプ |
ロググループ |
○ |
× |
○ |
|
同一ロググループの複数の業務ボリューム |
○ |
× |
○ |
||
業務ボリューム |
○ |
× |
× |
( ○:可能 ×:不可能 )
*1 |
: |
データベースの管理者が、業務運用中にSymfowareの"rdbsetrp"コマンドを用いてリカバリポイントを設定します。そのリカバリポイントはデータベースのリカバリ時まで覚えておく必要があります。 |
すべての方法において、リカバリ対象となるデータベーススペースがアクセス禁止状態になっている必要があります。アクセス禁止状態にするには、Symfowareが提供するコマンドの"rdbinh"コマンドを用いて行います。コマンドの詳細は、『Symfoware(R) Server RDB 管理者ガイド』を参照してください。
ロググループに含まれる業務ボリュームを個別にリカバリする場合は、最新状態へ復旧するリカバリ方法のみ行うことができます。この場合、ロググループ内の表間のリレーションはデータベースの管理者の責任で整合させる必要があります。
“最新状態への復旧”、“特定時点への復旧”を行う場合、アーカイブログファイルが外部媒体に保管されていれば、リカバリ時に必要なアーカイブログ退避ファイル名を列挙したファイルを、リカバリを行う業務ボリュームが存在するStorageサーバに作成しておき、リカバリ時に指定する必要があります。このファイルの記述方法は、『Symfoware(R) Server RDB管理者ガイド』を参照してください。
リストア実行コマンドで実行したリカバリが、作業ディレクトリの空き容量不足で失敗した場合、“-w”オプションを使用して、一時的に別のディレクトリを作業ディレクトリとして再実行することにより、リカバリが可能になります。“-w”オプションの詳細は、本マニュアルの「リストア実行コマンド(acmrestore)」を参照してください。
“リカバリ終了点を指定した特定時点への復旧”もしくは“バックアップ時点への復旧”を行う場合、Symfowareの管理情報を復旧する処理が行われます。この処理はリカバリの実行処理の一部として実施されるため、コマンドの処理に時間がかかります。
データベーススペース単位にバックアップを実施した場合、ロググループ単位リカバリまたはバンドル・リカバリでは、世代指定に相対世代番号を指定するようにしてください。これは、以下の例のようにデータベーススペース単位にバックアップを実施した場合、特定の業務ボリューム(データベーススペース)の履歴が更新されるため、相対世代番号に対する絶対世代番号がそろわない状態が発生するからです。
(例)ロググループ(LOG1/RDB1)にデータベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)が存在する場合
1日目:データベーススペース1(DB1.DBSP1)をバックアップ
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup /dev/dsk/c1t0d0s1 /dev/dsk/c1t0d0s1 acmbackup completed # |
2日目:データベーススペース(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)を個別にバックアップ
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup /dev/dsk/c1t0d0s1 /dev/dsk/c1t0d0s1 acmbackup completed # /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup /dev/dsk/c1t0d0s4 /dev/dsk/c1t0d0s4 acmbackup completed # |
履歴情報の表示
# /opt/FJSVswstc/bin/acmhistdisp -l -n LOG1/RDB1 Generation Management Backup Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point = DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute ArcSerial Tape-Gen CopyID Pool-Name Backup-Tape 1 2 2004/12/12 22:00 /dev/dsk/c1t0d2s4 succeeded ---- 5 1 1 TapePool4 LT00059 2 1 2004/12/11 22:00 /dev/dsk/c1t0d2s1 succeeded ---- 5 2 1 TapePool4 LT00060 Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s4 Mount-Point = DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute ArcSerial Tape-Gen CopyID Pool-Name Backup-Tape 1 1 2004/12/12 23:00 /dev/dsk/c1t0d2s3 succeeded ---- 5 1 1 TapePool4 LT00058 Day Management Backup Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point = DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) TapeCopy-Date Backup-Date ArcSerial Expiration-Date Pool-Name Backup-Tape Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s4 Mount-Point = DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) TapeCopy-Date Backup-Date ArcSerial Expiration-Date Pool-Name Backup-Tape # |
以上のような履歴を使用したロググループ単位リカバリまたはバンドル・リカバリでは、指定するオプションによって使用されるバックアップデータが異なります。上記の場合、相対世代番号を指定した方が両データベーススペースとも2日目のバックアップデータが使用されるため、リカバリ後のデータベースの整合性を保つことができます。
世代番号の種類 |
指定オプション |
リカバリに使用されるバックアップデータ |
|
---|---|---|---|
DB1.DBSP1 |
DB1.DBSP2 |
||
ディスクの相対世代番号 |
-g 1 -m DISK |
2日目のバックアップデータ |
2日目のバックアップデータ |
絶対世代番号 |
-v 1 |
1日目のバックアップデータ |
|
テープの相対世代番号 |
-g 1 -m TAPE |
2日目のバックアップデータ |
2日目のバックアップデータ |
ロググループ単位にバックアップを実施した場合、データベーススペース単位バックアップや履歴の削除で絶対世代番号がそろっていない状態でも、ロググループ単位バックアップの絶対世代番号はそろいます。これは、以下の例のように絶対世代番号が小さい業務ボリューム(データベーススペース)の番号が、絶対世代番号が大きい業務ボリューム(データベーススペース)の番号に合わせられるからです。よって、絶対世代番号が小さい業務ボリューム(データベーススペース)では、途中の絶対世代番号が抜けた状態になります。
(例)ロググループ(LOG1/RDB1)にデータベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)が存在する場合
1日目:データベーススペース1(DB1.DBSP1)をバックアップ
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup /dev/dsk/c1t0d0s1 /dev/dsk/c1t0d0s1 acmbackup completed # |
2日目:データベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)をロググループ単位でバックアップ
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -n LOG1/RDB1 LOG1/RDB1 acmbackup completed # |
履歴情報の表示
# /opt/FJSVswstc/bin/acmhistdisp -l -n LOG1/RDB1 Generation Management Backup Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point = DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute ArcSerial Tape-Gen CopyID Pool-Name Backup-Tape 1 2 2002/12/12 22:00 /dev/dsk/c1t0d2s4 succeeded ---- 5 1 1 TapePool4 LT00059 2 1 2002/12/11 22:00 /dev/dsk/c1t0d2s1 succeeded ---- 5 1 1 TapePool4 LT00060 Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s4 Mount-Point = DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute ArcSerial Tape-Gen CopyID Pool-Name Backup-Tape 1 2 2002/12/12 22:00 /dev/dsk/c1t0d2s3 succeeded ---- 5 1 1 TapePool4 LT00058 Day Management Backup Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point = DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) TapeCopy-Date Backup-Date ArcSerial Expiration-Date Pool-Name Backup-Tape Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s4 Mount-Point = DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) TapeCopy-Date Backup-Date ArcSerial Expiration-Date Pool-Name Backup-Tape # |
以上のような履歴を使用したロググループ単位リカバリまたはバンドル・リカバリでは、相対世代番号に対する絶対世代番号がそろっているため、どちらの世代指定でも使用されるバックアップデータに違いはありません。
世代番号の種類 |
指定オプション |
リカバリに使用されるバックアップデータ |
|
---|---|---|---|
DB1.DBSP1 |
DB1.DBSP2 |
||
ディスクの相対世代番号 |
-g 1 -m DISK |
2日目のバックアップデータ |
2日目のバックアップデータ |
絶対世代番号 |
-v 2 |
||
テープの相対世代番号 |
-g 1 -m TAPE |
2日目のバックアップデータ |
2日目のバックアップデータ |
ただし、"-v 1"を指定した場合は、データベーススペース2(DB1.DBSP2)のバックアップデータが存在しないため、リストアコマンドはエラーになります。
日数管理指定のバックアップ履歴は、ロググループ単位でバックアップをしても、データベーススペース間で日数管理開始日時が異なることがあります。これは、日数管理開始日時が、データベーススペース単位で記録されているためです。
この場合、リカバリに指定する日数管理開始日時は、どのデータベーススペースの日時を指定しても同じ履歴がリカバリされます。
(例)データベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)をロググループ単位でバックアップ
テープが1本しかないため、データベーススペース1の書き込み完了後に、データベーススペース2の書き込みが開始された。
# /opt/FJSVswstc/bin/acmbackup -m DISK -n LOG1/RDB1 LOG1/RDB1 acmbackup completed # /opt/FJSVswstc/bin/acmtphistcopy -b DAY -n LOG1/RDB1 LOG1/RDB1 acmtphistcopy completed # |
履歴情報の表示
# /opt/FJSVswstc/bin/acmhistdisp -l -n LOG1/RDB1 Generation Management Backup Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point = DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute ArcSerial Tape-Gen CopyID Pool-Name Backup-Tape 1 6 2004/03/01 10:20 /dev/dsk/c2t16d32s1 succeeded ---- 1 ---- ---- ---- ---- Server = SV01 Device = /dev/dsk/c1t0d0s4 Mount-Point = DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) Generation Version Backup-Date Backup-Device Status Execute ArcSerial Tape-Gen CopyID Pool-Name Backup-Tape 1 6 2004/03/01 10:20 /dev/dsk/c2t16d32s4 succeeded ---- 1 ---- ---- ---- ---- Day Management Backup Server=SV01 Device=/dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point=DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) TapeCopy-Date Backup-Date ArcSerial Expiration-Date CopyID Pool-Name Backup-Tape 2004/03/01 10:35:02 2004/03/01 10:30 1 2004/03/01 10:35:02 TapePool5 LT00040 Server=SV01 Device=/dev/dsk/c1t0d0s4 Mount-Point=DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE) TapeCopy-Date Backup-Date ArcSerial Expiration-Date CopyID Pool-Name Backup-Tape 2004/03/01 10:40:05 2004/03/01 10:30 1 2004/03/01 10:40:05 TapePool5 LT00040 # |
以上のように同時にバックアップをしても日数管理開始日時が異なる履歴を使用したロググループ単位リカバリまたはバンドル・リカバリでは、どちらの日時を指定しても使用されるバックアップデータに違いはありません。
指定した日時 |
リカバリに使用されるバックアップデータ |
|
---|---|---|
DB1.DBSP1 |
DB1.DBSP2 |
|
-t "2004/03/01 10:35:02" |
TapeCopy-Dateが"2004/03/01 10:35:02"のデータ |
TapeCopy-Dateが"2004/03/01 10:40:05"のデータ |
-t "2004/03/01 10:40:05" |
バンドル・リカバリを実行するには、あらかじめ「デバイスリストファイル」という一括してリカバリしたい業務ボリュームを列挙したファイルを作成しておく必要があります。デバイスリストファイルの詳細は、本マニュアルの「デバイスリストファイルの記述方法」を参照してください。
デバイスリストファイルは、リカバリを行うStorageサーバ上の任意の場所に作成します。このファイルをリカバリ実行時に指定することで、複数の業務ボリュームを一括してリカバリすることができます。
デバイスリストファイルの記述例を以下に示します。
デバイスリストファイル作成時の規則を以下に示します。
リストア実行コマンドで-bundleオプションが指定された場合、デバイスリストファイルに記述された業務ボリューム全てがリストアの対象となります。以下の場合、リストア処理はエラーとなります。
- 業務ボリュームに関する記述が1件もなかったとき。
- 業務ボリュームに関する記述は存在するが、記述形式に誤りがあったとき。
- 業務ボリュームがSymfowareのボリュームでなかったとき。
- 業務ボリュームが複数のロググループにまたがっていたとき。
- 業務ボリュームに関する記述行以外に不正行が存在したとき。
- 以下の例のように、1つの業務ボリュームを複数指定したとき。
「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」で行ったバックアップの履歴情報を、表示および削除することができます。
「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」で行ったバックアップの履歴情報は、「履歴情報表示コマンド(acmhistdisp)」を用いて確認することができます。
「バックアップ実行コマンド(acmbackup)」で行ったバックアップの履歴情報は、「履歴情報表示コマンド(acmhistdisp)」を用いて削除することができます。
バックアップ運用を停止する場合、Storageサーバ上のデーモンを停止します。通常、システムの停止時に自動的に停止します。何らかの理由でデーモンを停止したい場合は、個別に停止させる事も可能です。詳細は、本マニュアルの「デーモンの起動と停止」を参照してください。
AdvancedCopy Managerは、SDXオブジェクト上に配置されたSymfowareデータベーススペースをバックアップすることができます。
運用の詳細については、本マニュアルの「SDXオブジェクトの運用」を参照してください。
SDXオブジェクト上にSymfowareデータベーススペースを配置し、論理ボリューム単位でバックアップ運用する場合は、以下の注意点があります。
- ロググループ単位の運用を行う場合は、ロググループに属するSymfowareのデータベーススペースを全てSDXオブジェクト上に作成する必要があります。そうでない場合は、データベーススペース単位の運用のみ可能となります。
- ―ルートクラスに配置されたSymfowareデータベーススペースは、バックアップ運用できません。ローカルクラスまたは共用クラスにデータベーススペースを配置してください。
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