ダイレクトバックアップ使用手引書 - SPシリーズ -
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付録D グローバルサーバの業務データのバックアップ運用操作

グローバルサーバの業務データのバックアップ運用では、Systemwalker StorageMGR GR/CFの制御文によってバックアップ操作を行います。
ただし、一部の機能については、SSF/Backup Facility 上から実行可能です。

機能

Systemwalker StorageMGR GR/CFの制御文による操作

ダイレクトバックアップのCUI操作による実行(※)

ダイレクトバックアップのGUI操作による実行

バックアップの実行

×

×

バックアップ処理状況の参照

×

バックアップ処理のキャンセル

×

バックアップ履歴情報の参照

リストアの実行

×

リストア処理状況の参照

×

リストア処理のキャンセル

×

バックアップデータの削除

×

×

バックアップポリシーの設定

×

×

バックアップポリシーの参照

×

×

バックアップポリシーの削除

×

×

                       〇:実行可能、×:実行不可

  ※:グローバルサーバが停止時に実行してください。

本章では、ダイレクトバックアップにおける、グローバルサーバの業務データのバックアップ運用操作について説明します。

Systemwalker StorageMGR GR/CFの制御文による操作については、『OSIV Systemwalker StorageMGR GR/CF使用手引書』を参照してください。

 

D.1 グローバルサーバの業務データの復

業務サーバであるグローバルサーバが使用できなくなった場合に、SSF/Backup Facility上からグローバルサーバの業務データを復旧させる手順を説明します。

業務データの復旧は、以下の手順にそって行います。

  1. リストア対象世代の特定のため、バックアップ履歴情報の参照
  2. リストアの実行


グローバルサーバの業務データのバックアップ以外のバックアップ運用において、採取されたバックアップデータを本章の手順で復旧できません。

 

D.1.1 バックアップ履歴情報の参

最新世代以外のバックアップデータによりリストアを行う場合は、リストア対象のバックアップデータの世代番号を特定しておきます。それは、mlurestore コマンドのオプションに、相対世代番号を指定する必要があるためです。

バックアップデータの世代番号の特定は、mlugethist コマンドでSSF/Backup Facility上に管理されているバックアップ履歴情報を参照することで行えます。

グローバルサーバのバックアップ履歴情報の参照は、mlugethist コマンド以外にバックアップ管理画面を利用する方法もあります。
詳細は、本章の「バックアップデータの履歴情報の参照」を参照してください。

バックアップ履歴情報の参照は、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityにrootでログインします。
  2. バックアップ履歴情報を参照するボリューム通し番号を指定して、mlugethist コマンドを実行します。
    以下に実行例を示します。

    業務サーバ (GSHOST1) のボリューム通し番号 (VOL001) から採取した、バックアップデータの履歴情報を参照します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlugethist GSHOST1 VOL001

    Server: GSHOST1 volume: VOL001

    gen

    start_time

    advanced copy time

    end_time

    tape name

    ----------------------------------------------------------------------------

    1

    2003/09/31 02:00

    2003/09/31 01:00

    2003/09/31 03:00

    tape4

    2

    2003/09/20 02:00

    --------

    2003/09/20 03:00

    tape2,tape3

    3

    2003/09/10 02:00

    2003/09/10 01:00

    2003/09/10 03:00

    tape1

    #
     

mlugethist コマンドの詳細については、本章の「mlugethist (バックアップ履歴情報の表示)」を参照してください。

 

D.1.2 リストアの実

グローバルサーバの業務データのバックアップデータのリストアをmlurestore コマンドで行うことができます。

グローバルサーバの業務データのバックアップデータのリストアをバックアップ管理画面から行うことはできません。


リストアは、以下の手順で行います。

  1. SSF/Backup Facilityにrootでログインします。
  2. バックアップデータを採取したボリューム通し番号を指定して、mlurestore コマンドを実行します。
    以下に実行例を示します。

    業務サーバ (GSHOST1) のボリューム通し番号 (VOL001) から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータをバックアップ元へリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlurestore -g 2 GSHOST1 VOL001
    GSHOST1:VOL001 restore to GSHOST1:VOL001.

    Is  GSHOST1:VOL001 MLU0001 ? [y/n]: y
    mlurestore completed
    #
     

mlurestore コマンドの詳細については、本章の「mlurestore (リストアの実行)」を参照してください。


リストアが失敗すると、コマンドを実行した端末に失敗した原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

D.2 バックアップ管理画面で可能な機 

グローバルサーバの業務データのバックアップにおいて、バックアップ管理画面で可能な機能について説明します。

 

D.2.1 処理状況および処理結果の参 

グローバルサーバの業務データのバックアップでは、SP実行履歴画面において、以下の処理状況および処理結果を参照することができます。


グローバルサーバの業務データのバックアップでは、各処理状況の[詳細情報]は、参照できません。

 

SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。

 

SP実行履歴画面は、バックアップ管理画面とは独立して表示されます。画面を閉じるには、[ファイル]メニューの[終了]を押すか、画面右上の[×]ボタンを押します。


SP実行履歴画面を表示させた後は、その画面に表示されている処理から、参照する処理を探してください。

SP実行履歴画面での表示情報は、自動的には更新されません。SP実行履歴画面にある[表示]メニューの[最新の情報に更新]を押すことで、表示情報を最新の情報に更新できます。

 

D.2.2 実行中の処理のキャンセ

グローバルサーバの業務データのバックアップでは、SP実行履歴画面において、実行中の以下の処理をキャンセルすることができます。


SP実行履歴画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「SP実行履歴画面」を参照してください。


以下に、キャンセルする方法について説明します。

  1. 実行中処理の処理状況をSP実行履歴画面で確認します。
    (以下は、バックアップ処理の例です。)
  2. SP実行履歴画面に表示された処理のうち、キャンセルする処理を選択します。

  3. SP実行履歴画面にある[操作]メニューの[キャンセル]を選択します。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。

  4. ダイアログボックスにある[OK]ボタンを押します。
    [OK]ボタンが押されると、選択した処理がキャンセルされます。
     

    操作を中止する場合は、ダイアログボックスにある[キャンセル]ボタンを押してください。[キャンセル]ボタンを押すと、何も処理されずにダイアログボックスが閉じられます。


バックアップ処理のキャンセルが成功すると、ダイアログボックスに「バックアップのキャンセルに成功しました。」と表示され、リストア処理のキャンセルが成功すると、ダイアログボックスに「リストアのキャンセルに成功しました。」と表示されます。

バックアップ処理のキャンセルが失敗すると、ダイアログボックスに「バックアップのキャンセルに失敗しました。」と表示され、リストア処理のキャンセルが失敗すると、ダイアログボックスに「リストアのキャンセルに失敗しました。」と表示されます。
また、[詳細>>]ボタンを押して表示される画面に失敗原因を示すメッセージが表示されます。

メッセージの意味と対処方法については、「付録A メッセージと対処方法」を参照してください。

 

D.2.3 バックアップデータの履歴情報の参

グローバルサーバの業務データのバックアップでは、バックアップデータに対する履歴情報をグローバルサーバのバックアップ履歴一覧画面を表示させることで参照できます。


グローバルサーバのバックアップ履歴一覧画面の表示方法については、「第19章 バックアップ管理画面」の「グローバルサーバのバックアップ履歴一覧画面」を参照してください。

 

D.3 グローバルサーバの業務データのバックアップのためのコマン 

グローバルサーバの業務データのバックアップにおける、SSF/Backup Facility上から実行可能なコマンドについて説明します。

グローバルサーバの業務データのバックアップ以外のバックアップ運用において、採取されたバックアップデータに対して本章のコマンドは使用できません。

 

D.3.1 mlugethist (バックアップ履歴情報の表示)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlugethist [-g 世代番号 ] [業務サーバ名 ボリューム通し番号]

 

■機能説明

このコマンドは、バックアップ運用で採取されたバックアップデータの履歴情報を表示するコマンドです。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。

表示項目

説明

server

業務サーバ名を表示します。

volume

ボリューム通し番号を表示します。

gen

バックアップデータの相対世代番号です。相対世代番号は、1から始まる整数で、古い世代ほど数字が大きくなります。

start_time

ダイレクトバックアップサーバがバックアップを開始した日時です。
YYYY /MM /DD hhmm 」形式で表示されます。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分を示します。
表示日時は、SSF/Backup Facility上の日時が適用されます。

advanced copy time

一時ボリュームへOPCまたはEC切断を実行した日時です。
YYYY /MM /DD hhmm 」形式で表示されます。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分を示します。
OPC/ECを行わないバックアップの場合は、"--------"を表示します。
表示日時は、業務サーバ上の日時が適用されます。

end_time

ダイレクトバックアップサーバがバックアップを終了した日時です。
YYYY /MM /DD hhmm 」形式で表示されます。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分を示します。
表示日時は、SSF/Backup Facility上の日時が適用されます。

tape name

保存先のテープ名を表示します。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-g

表示する履歴情報の世代数をgenerationに指定します。
generationには1以上の整数を指定することができます。例えば、generationに5を指定した場合は、最新世代を含めて5世代分の履歴情報が表示されます。
このオプションを省略すると、すべての世代の履歴情報が表示されます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。これらのオペランドは省略することもできます。

オペランド

説明

業務サーバ名

ボリューム通し番号 を保有している業務サーバ名を指定します。

ボリューム通し番号

バックアップデータを採取した、ボリューム通し番号を指定します。
このオペランドに複数のボリューム通し番号を指定することはできません。
このオペランドを省略すると、ダイレクトバックアップサーバが管理している、すべてのボリューム通し番号に対するバックアップデータの履歴情報を表示します。この時、バックアップ履歴情報のないボリューム通し番号については表示されません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. 業務サーバ (GSHOST1) のボリューム通し番号 (VOL001) から採取した、バックアップデータの履歴情報を参照します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlugethist GSHOST1 VOL001

    Server: GSHOST1 volume: VOL001

    gen

    start_time

    advanced copy time

    end_time

    tape name

    ----------------------------------------------------------------------------

    1

    2003/09/31 02:00

    2003/09/31 01:00

    2003/09/31 03:00

    tape4

    2

    2003/09/20 02:00

    --------

    2003/09/20 03:00

    tape2,tape3

    3

    2003/09/10 02:00

    2003/09/10 01:00

    2003/09/10 03:00

    tape1

    #

  2. ダイレクトバックアップサーバが管理している、すべてのボリューム通し番号に対するバックアップデータの履歴情報を2世代分のみ参照します。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlugethist -g 2

    Server: GSHOST1 volume: VOL001

    gen

    start_time

    advanced copy time

    end_time

    tape name

    ----------------------------------------------------------------------------

    1

    2003/09/31 02:00

    2003/09/31 01:00

    2003/09/31 03:00

    tape4

    2

    2003/09/20 02:00

    --------

    2003/09/20 03:00

    tape2,tape3

     

    Server: GSHOST1 volume: VOL002

    gen

    start_time

    advanced copy time

    end_time

    tape name

    ----------------------------------------------------------------------------

    1

    2003/09/31 04:00

    2003/09/31 03:00

    2003/09/31 05:00

    tape5

    2

    2003/09/20 04:00

    --------

    2003/09/20 05:00

    tape6

    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

-g オプションで指定された世代数分の履歴情報のないボリューム通し番号については、ダイレクトバックアップサーバで管理されている世代数の履歴情報が表示されます。
なお、コマンドに指定された条件において表示する履歴情報が存在しない場合は、“No backup data.”と表示されます。

本コマンドでは、グローバルサーバの業務データのバックアップ以外のバックアップ運用において採取した、バックアップデータの履歴情報を表示することはできません。

 

■関連項目

mlurestore

 

D.3.2 mlurestore (リストアの実行)

■形式

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlurestore  [-g  世代番号 ]  [-v  リストア先業務サーバ名 リストア先ボリューム通し番号 ]  業務サーバ名  ボリューム通し番号

/opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlurestore  [-s]  [-g  世代番号 ]  [ -l  -v  リストア先ディスクアレイ装置名リストア先論理ユニット番号 ]  業務サーバ名  ボリューム通し番号

 

■機能説明

このコマンドは、指定したボリューム通し番号から採取されたバックアップデータをリストアするコマンドです。

リストア先にはバックアップ元以外に、ETERNUS6000に存在するバックアップ元と同じサイズのボリューム通し番号または論理ユニットを任意で指定することができます。

このコマンドを実行すると、リストアに対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

このコマンドでは、任意の世代のバックアップデータをリストアすることができます。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。これらのオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

リストア先に論理ユニット番号 (-l オプション) を指定した場合に、リストアの実行に対する確認メッセージの出力を行いません。

-g

リストアするバックアップデータの相対世代番号を10進数で世代番号 に指定します。
このオプションを省略すると、最新(相対世代番号1)のバックアップデータがリストアされます。

-v

リストア先に任意の業務ボリューム通し番号をリストア先ボリューム通し番号 に指定してリストアします。なお、リストア先業務サーバ名 には、指定する業務ボリューム通し番号を保有している業務サーバ名を指定します。
このオプションを省略すると、バックアップ元の業務ボリュームにリストアされます。

-l

リストア先に任意の論理ユニット番号をMLUxxxx(xxxxは16進数4桁)の形式で論理ユニット番号 に指定してリストアします。なお、リストア先ディスクアレイ装置名には、指定する論理ユニットを保有しているETERNUS6000の名前を指定します。
このオプションは、-v オプションと同時に指定してください。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。これらのオペランドは省略できません。

オペランド

説明

業務サーバ名

ボリューム通し番号 を保有している業務サーバ名を指定します。

ボリューム通し番号

バックアップデータを採取した、ボリューム通し番号を指定します。
このオペランドに複数のボリューム通し番号を指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. 業務サーバ (GSHOST1) のボリューム通し番号 (VOL001) から採取した、最新世代のバックアップデータをバックアップ元へリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlurestore GSHOST1 VOL001
    GSHOST1:VOL001 restore to GSHOST1:VOL001.
    Is  GSHOST1:VOL001 MLU0001 ? [y/n]: y
    mlurestore completed
    #

  2. 業務サーバ (GSHOST1) のボリューム通し番号 (VOL001) から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータを業務サーバ (GSHOST1) のボリューム通し番号 (VOL002) へリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlurestore -g 2 -v GSHOST1:VOL002 GSHOST1 VOL001
    GSHOST1:VOL001 restore to GSHOST1:VOL002.
    Is GSHOST1:VOL002 MLU0002 ? [y/n]: y
    mlurestore completed
    #

  3. 業務サーバ (GSHOST1) のボリューム通し番号 (VOL001) から採取した、相対世代番号 (3) のバックアップデータをディスクアレイ装置名(E6KO1) の論理ユニット番号 (MLU0003) へリストアします。この時、-s オプションで確認メッセージを出力させません。

    # /opt/FJSVfbupp/usr/bin/mlurestore -s -g 3 -l -v E6KO1:MLU0003 GSHOST1 VOL001
    mlurestore completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドでは、SSF/Backup Facilityに接続されたETERNUS6000以外のボリューム通し番号、または論理ユニットにリストアすることはできません。

リストア先にボリューム通し番号を指定した場合もしくは、リストア先を省略した場合は、-sオプションが無効になります。

コマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのリストア要求をキャンセルすることはできません。

リストア処理のキャンセルについては、本章の「実行中の処理のキャンセル」を参照してください。


本コマンドでは、グローバルサーバの業務データのバックアップ以外のバックアップ運用において採取した、バックアップデータをリストアすることはできません。

 

■関連項目

mlugethist

 


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