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Interstage Application Server V13.1.0 GlassFish 設計・構築・運用ガイド
FUJITSU Software

8.3.2 運用開始手順

クラウドでの運用開始手順について説明します。

AWSを使用する場合、「8.3.2.1 AWSでの運用開始手順」を参照してください。Azureを使用する場合、「8.3.2.2 Azureでの運用開始手順」を参照してください。

8.3.2.1 AWSでの運用開始手順

AWSでの運用開始手順について以下に示します。

オブジェクトストレージの作成

Amazon S3を使用します。使用用途は以下の通りです。

Amazon S3を使用するために、AWS Management Console画面の「Amazon S3」-「バケット」から、ログ退避用、オートスケーリングスクリプト格納用の2つのバケットを作成します。

詳細な設定はAWSの公式ドキュメントを参照してください。

ポイント

Auto Scaling グループがプライベートサブネットに属する場合は、プライベートサブネットの「ルートテーブル」にAmazon S3に接続するためのVPCエンドポイントを設定します。

VPCエンドポイントについては、AWSの公式ドキュメントを参照してください。

オートスケーリングスクリプトの作成

以下のスクリプトを作成します。詳細は、「8.2 オートスケーリングスクリプト」を参照してください。

作成したオートスケーリングスクリプトは、「オブジェクトストレージの作成」で作成したAmazon S3のバケットに格納してください。

オートスケールで使用する仮想サーバー(VM)イメージの作成 (スケールアウト用)

Amazon マシンイメージ(AMI)の作成手順を以下に示します。平常/ピークのシステム処理量を設計したうえで作成してください。

  1. 機能のインストール、セットアップ

    1. 以下をインストールします。

      • GlassFish 5

      • Webサーバ(Interstage HTTP Server 2.4)

      • Webサーバコネクタ(Interstage HTTP Server 2.4用)

    2. IP・ホスト一括変更ツール(ismodifyhostinfo)を実行するため、インストールした機能の自動起動を無効にします。

    3. Jakarta EEアプリケーションを運用するための設定、チューニングを行います。

      • GlassFish Serverクラスター、GlassFish Serverインスタンスの作成

      • Jakarta EEアプリケーションの配備

      • チューニング

    4. ファイアウォールを停止・無効にします。

      ファイアウォールが無効になっていることを確認してください。

  2. UpdateAdvisorのインストール(必要な場合)

    UpdateAdvisorの利用許諾への同意を行ってください。UpdateAdvisorをインストール後、初めてuamコマンドを実行したときに表示されます。

  3. AWS コマンドラインインターフェイス(AWS CLI)のインストール

    AWS CLIをインストールします。インストールの詳細はAWSの公式ドキュメントを参照してください。

  4. VMの一般化

    VMイメージ作成の前に複写元のVMから固有情報(ファイルとデータ)を削除して一般化します。

    VMの一般化の詳細は、AWSの公式ドキュメントを参照してください。

  5. VMのイメージ作成

    VMのイメージを作成します。

    VMのイメージ作成方法の詳細は、AWSの公式ドキュメントを参照してください。

オートスケールの設定とロードバランサーの作成

オートスケールの設定のポイントを以下に示します。手順の詳細は、AWSの公式ドキュメントを参照してください。

ロードバランサーの作成のポイントを以下に示します。作成手順の詳細は、AWSの公式ドキュメントを参照してください。

8.3.2.2 Azureでの運用開始手順

Azureでの運用開始手順について以下に示します。

オブジェクトストレージの作成

Azure Blob Storageを使用します。使用用途は以下の通りです。

Azure Blob Storageの作成手順を以下に示します。詳細な設定はAzureの公式ドキュメントを参照してください。

  1. ストレージアカウントの作成

    作成時の設定は以下です。

    • BLOBパブリックアクセスを無効にする

      アクセス許可のあるユーザー以外はコンテナーへアクセスできなくなります。

    • ネットワークアクセス: すべてのネットワークからのパブリックアクセスを有効にする

      Microsoft Azure portal画面からコンテナーにファイルをアップロードできるようになります。

    • その他の設定は用途に応じて選択してください。

  2. コンテナー(格納先)の作成

    ログ退避用、オートスケーリングスクリプト格納用の2つのコンテナーを作成します。

    Microsoft Azure portal画面の「ストレージアカウント」-「データストレージ」-「コンテナー」からコンテナーを作成します。

  3. Shared Access Signature(SAS)トークンの作成

    SASトークンを使用するとコンテナーへアクセスが可能になります。

    Microsoft Azure portal画面の「ストレージアカウント」-「セキュリティとネットワーク」-「Shared Access Signature」から作成します。

    作成時の設定は以下です。

    • 使用できるリソースの種類: オブジェクト

    • その他の設定は用途に応じて選択してください。

オートスケーリングスクリプトの作成

以下の2つのスクリプトを作成します。詳細は、「8.2 オートスケーリングスクリプト」を参照してください。

オートスケールで使用する仮想サーバー(VM)イメージの作成 (スケールアウト用)

VMのイメージの作成手順を以下に示します。平常/ピークのシステム処理量を設計したうえで作成してください。

  1. 機能のインストール、セットアップ

    1. 以下をインストールします。

      • GlassFish 5

      • Webサーバ(Interstage HTTP Server 2.4)

      • Webサーバコネクタ(Interstage HTTP Server 2.4用)

    2. IP・ホスト一括変更ツール(ismodifyhostinfo)を実行するため、インストールした機能の自動起動を無効にします。

    3. Jakarta EEアプリケーションを運用するための設定、チューニングを行います。

      • GlassFish Serverクラスター、GlassFish Serverインスタンスの作成

      • Jakarta EEアプリケーションの配備

      • チューニング

    4. ファイアウォールを停止・無効にします。

      ファイアウォールが無効になっていることを確認してください。

  2. スケールインスクリプトの格納

    スケールインスクリプトを任意の場所に格納します。

  3. UpdateAdvisorのインストール(必要な場合)

    UpdateAdvisorの利用許諾への同意を行ってください。UpdateAdvisorをインストール後、初めてuamコマンドを実行したときに表示されます。

  4. AzCopyのインストール

    AzCopyをインストールし、任意の場所に格納します。スケールインスクリプトで使用します。

  5. jqコマンドのインストール

    jqコマンドをインストールし、任意の場所に格納します。スケールインスクリプトで使用します。

  6. スケールインスクリプトの設定


    タスクスケジューラの設定


    以下の手順を実施し、タスクスケジューラの設定を行います。

    スケールインスクリプトを実行するための推奨の設定について示します。設定方法の詳細はOSのドキュメントを参照してください。

    1. 「タスクの作成」をクリックします。

    2. 「全般」タブを設定します。

      • 名前

        任意の名前を入力します。

      「セキュリティ オプション」に以下を設定します。

      • タスクの実行時に使うユーザー アカウント

        スケールインスクリプトを実行するOSのユーザーアカウント名(管理者アカウント)を指定します。

      • 「ユーザーがログオンしているかどうかにかかわらず実行する」を選択します。

      • 「最上位の特権で実行する」にチェックを入れます。


        図8.1 「全般」タブの設定 (Windows Server 2022の画面例)


    3. 「トリガー」タブを設定します。

      「新規」から以下を設定したトリガーを作成します。

      • タスクの開始

        「スタートアップ時」を指定します。

      「詳細設定」に以下を設定します。

      • 遅延時間を指定する

        「1分間」を指定します。

      • 「有効」にチェックを入れます。


        図8.2 「トリガー」タブの設定 (Windows Server 2022の画面例)


    4. 「操作」タブを設定します。

      「新規」から以下を設定した操作を作成します。

      • 操作

        「プログラムの開始」を選択します。

      • プログラム/スクリプト

        powershell.exeを絶対パスで指定します。

        例.C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe

      • 引数の追加

        「-ExecutionPolicy Bypass -file "<スケールインスクリプトの絶対パス>"」を指定します。

        例.-ExecutionPolicy Bypass -file "C:\Tools\scale_in.ps1"


        図8.3 「操作」タブの設定 (Windows Server 2022の画面例)


    5. 「条件」タブを設定します。

      すべてのチェックボックスのチェックを外します。


      図8.4 「条件」タブの設定 (Windows Server 2022の画面例)


    6. 「設定」タブを設定します。

      • 「タスクを要求時に実行する」にチェックを入れます。

      • 「スケジュールされた時刻にタスクを開始できなかった場合、すぐにタスクを実行する」にチェックを入れます。

      • 「タスクが失敗した場合の再起動の間隔」に「1分間」を指定します。

        「再起動試行の最大数」に最大数(999)を指定します。

      • 「タスクを停止するまでの時間」に任意の値を設定します。

      • 「要求時に実行中のタスクが終了しない場合、タスクを強制的に停止する」にチェックを入れます。


        図8.5 「設定」タブの設定 (Windows Server 2022の画面例)



    cronの設定


    以下の手順を実施し、cronの設定を行います。

    スケールインスクリプトを実行するための推奨の設定について示します。設定方法の詳細はOSのドキュメントを参照してください。

    1. OSのシステム管理者にユーザーを切り替えます。

      $ sudo su -
    2. crontabコマンドの-eオプションを実行します。

      # crontab -e
    3. スケールインスクリプトを登録します。

      @reboot bash /root/scale_in.sh

      スケールインスクリプトの格納先を指定してください。

    4. crontabコマンドの-lオプションを実行し、スケールインスクリプトが登録されていることを確認します。

      # crontab -l
      @reboot bash /root/scale_in.sh
  7. VMの一般化

    VMイメージ作成の前に複写元のVMから固有情報(ファイルとデータ)を削除して一般化します。

    VMの一般化の詳細は、Azureの公式ドキュメントを参照してください。

  8. VMのイメージ作成

    VMのイメージを作成します。

    VMのイメージ作成方法の詳細は、Azureの公式ドキュメントを参照してください。



オートスケールの設定とロードバランサーの作成

オートスケールの設定のポイントを以下に示します。手順の詳細は、Azureの公式ドキュメントを参照してください。

ロードバランサーの作成のポイントを以下に示します。作成手順の詳細は、Azureの公式ドキュメントを参照してください。