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Enterprise Postgres 15 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)

第2章 データベース多重化運用のセットアップ

本章では、データベース多重化運用のセットアップの手順および確認方法について、説明します。

データベースサーバでセットアップと操作を行うユーザー

データベースサーバのセットアップと操作は、インスタンス管理者ユーザーで行います。

裁定サーバでセットアップと操作を行うユーザー

裁定サーバを利用して自動縮退を行う運用の場合に、裁定サーバでセットアップと操作を行うユーザーは以下です。

Linuxの場合

任意のOSユーザーで実施可能です。

Windowsの場合

“Administrator”権限のあるユーザー(Administratorsグループに属するOSのユーザーID)で行います。本ユーザーはサービスとしてログオンする権利が割り当てられている必要があります。

ポイント

  • Mirroring Controllerがデータベースのインスタンスに接続するユーザーとして任意のデータベーススーパーユーザーを選択することで、Mirroring Controllerのコマンドを操作するインスタンス管理者ユーザーとデータベーススーパーユーザーが異なる環境においても、データベース多重化運用を行うことが可能です。

  • データベースのインスタンスへ接続するアプリケーション名は‘mc_agent’です。

システムの時刻合わせ

セットアップを開始する前に、OSの時刻合わせ機能などを使用してプライマリサーバ、スタンバイサーバおよび裁定サーバの時刻を合わせてください。

許容誤差範囲は、1秒程度です。

許容誤差範囲を超えるような時刻のずれがあると、トラブル発生時の調査に影響することがあります。

ICMPの設定

データベースサーバのハートビート監視はOSのpingコマンドを利用しているため、管理用ネットワークおよび裁定用ネットワークにおいてICMPが利用可能なようにネットワークの設定を行ってください。詳細は各オペレーティングシステムに従ってください。

セットアップ

以下にセットアップの手順を示します。ただし、裁定サーバの手順については、裁定サーバを利用して自動縮退を行う運用の場合にのみ実施します。また、プライマリサーバおよびスタンバイサーバの手順において、裁定サーバの利用有無によって手順を区別しています。

手順

作業項目

参照先

プライマリサーバ

スタンバイサーバ

裁定サーバ

1

インストール

2.1 インストール

2

データベースサーバの準備作業

裁定サーバの準備作業

2.2 セットアップの準備作業

3

裁定サーバの設定

2.3.1 裁定サーバの設定

4

ユーザー出口の作成

2.3.2 裁定サーバのユーザー出口の作成

5

裁定プロセスの起動

2.3.3 Mirroring Controller裁定プロセスの起動

6

データベース多重化運用のセットアップ

2.4.1 プライマリサーバのデータベース多重化運用のセットアップ

7

インスタンスの作成・設定・登録

2.4.2 プライマリサーバのインスタンスの作成・設定・登録

8

ユーザー出口の作成

2.6 データベースサーバのユーザー出口の作成

9

Mirroring Controllerの起動

2.4.3 プライマリサーバのMirroring Controllerの起動

10

データベース多重化運用のセットアップ

2.5.1 スタンバイサーバのデータベース多重化運用のセットアップ

11

インスタンスの作成・設定・登録

2.5.2 スタンバイサーバのインスタンスの作成・設定・登録

12

ユーザー出口の作成

2.6 データベースサーバのユーザー出口の作成

13

Mirroring Controllerの起動

2.5.3 スタンバイサーバのMirroring Controllerの起動

14

ストリーミングレプリケーションの状態確認

2.7 ストリーミングレプリケーションの状態確認

15

接続状態の確認

2.8.1 データベースサーバでの接続状態の確認

16

接続状態の確認

2.8.1 データベースサーバでの接続状態の確認

17

接続状態の確認

2.8.2 裁定サーバでの接続状態の確認

18

アプリケーションの作成

2.9 アプリケーションの作成

19

動作確認

2.10 動作確認

以降で各手順の説明を行います。

参考