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Symfoware Active DB GuardV12.6.0 運用ガイド
FUJITSU Software

5.6.1 データベースのリカバリ方法

バックアップセンタ運用の対象資源において、複写元システムのデータベースの運用中に起きた異常終了からのリカバリに対応する、複写先システムのデータベースのリカバリ方法を説明します。

複写元システムのデータベースのリカバリ方法

複写元システムのデータベースのリカバリ方法については、Symfoware Serverのリカバリ方法に従います。

複写先システムのデータベースのリカバリの必要性

複写元システムのデータベースのリカバリ方法によっては、複写先システムのデータベースだけでなくバックアップセンタ運用の資源もリカバリする必要があります。
複写元システムのデータベースのリカバリ方法に対応した複写先システムのデータベースのリカバリの必要性を示します。

表5.4 複写元システムのデータベースのリカバリ方法と複写先システムのデータベースのリカバリの必要性

複写元システムのデータベースのリカバリ方法

複写先システムの
データベースのリカバリ

利用者アプリケーションの異常終了からのリカバリ

不要

Symfoware Serverのシステムダウンからのリカバリ

不要

ある時点までのリカバリ

必要(注1)

RDBのシステムファイル資源のリカバリ

必要(注2)(注3)

注1)“5.6.1.2 リカバリポイントを利用したリカバリ”を参照してください。
注2)“5.6.1.1 RERUNログの連続性を保証できないリカバリ”を参照してください。
注3)“5.5 複写元システムのRDBシステムファイルの異常”を参照してください。

参照

複写元システムのデータベースのリカバリ方法の詳細については“Symfoware Server RDB運用ガイド”を参照してください。

5.6.1.1 RERUNログの連続性を保証できないリカバリ

ロールバック不可からのリカバリなど、RERUNログの連続性を保証できないリカバリを行った場合には、全件複写による複写先システムのデータベースのリカバリやRLPの復旧(RLP環境の初期化、またはRLPの再作成)が必要です。

複写先システムのデータベースのリカバリ単位

以下の全件複写によりリカバリする必要があります。

RERUNログ反映が継続不可能な複写元システムのデータベースのリカバリ方法

障害が発生した直前まで戻らないようなリカバリ操作を行った場合は、複写元システムのデータベースのリカバリ後、利用者業務が再開された以降に、利用者アプリケーションの更新により発生したRERUNログを継続して複写先システムでログ反映することはできません。この場合は、複写先システムを全件複写によりリカバリする必要があります。

参照

5.6.1.2 リカバリポイントを利用したリカバリ

複写元システムのデータベースのリカバリを行う場合、複写元システムの利用業務によっては、業務と整合性の合う地点までデータベースの巻き戻しが必要なときがあります。このようにある特定の時点までリカバリしたい場合、リカバリポイントを指定したSymfoware Serverのメディアリカバリ機能によりリカバリを行うことが可能です。

複写元システムのデータベースがリカバリポイントを指定してリカバリを行う場合、複写先システムのデータベースも同様にリカバリを行います。

リカバリポイントを利用したリカバリ操作の流れを以下に示します。

操作の手順

複写元システム

  1. 利用者業務を停止します。

  2. rdbbcswhコマンドを実行して、RLCファイルを強制交替します。

    $ rdbbcswh -p RLP名
  3. rdbbcofflineコマンドを実行して、RLPを切り替えオフラインにします。

    $ rdbbcoffline -p RLP名 -m switch
  4. リカバリポイントを指定したSymfoware Serverのメディアリカバリ機能によりデータベースをリカバリします。

  5. データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、RLP管理オブジェクトを初期化します。

  6. データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、データベース定義の関連付けを実施します。

  7. rdbbconlineコマンドを実行して、RLPをオンラインにします。

  8. 利用者業務を再開します。

複写先システム

  1. rdbbcextコマンドおよびrdbbcrefコマンドの実行を停止します。なお、残存するRERUNログがないようにすべてのRERUNログを反映する必要があります。

  2. rdbbcofflineコマンドを実行して、RLPを切り替えオフラインします。

    $ rdbbcoffline -p RLP名 -m switch
  3. 複写元システムのデータベースと同じリカバリポイントを利用してSymfoware Serverのメディアリカバリ機能によりデータベースをリカバリします。

  4. データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、RLP管理オブジェクトを初期化します。

  5. データベースのリカバリでRLP管理オブジェクトもリカバリした場合は、データベース定義の関連付けを実施します。

  6. rdbbconlineコマンドを実行して、RLPをオンラインにします。

  7. rdbbcextコマンドおよびrdbbcrefコマンドを実行し、RERUNログの抽出と反映を再開します。

    $ rdbbcext -p RLP名
    $ rdbbcref -a -p RLP名

注意

複写先システムでリカバリポイントを利用してリカバリする場合、RLCファイルやRERUNログ抽出ファイルなどすべてのRERUNログの反映処理を完了した後に、RLPを切り替えオフラインにしてからリカバリを実施します。

参照

  • ある時点までのリカバリおよびリカバリポイントについての詳細は“Symfoware Server RDB運用ガイド”を参照してください。

  • RLPのオンラインについては“2.1.3 RLPのオンライン”を参照してください。

  • RLP管理オブジェクトの初期化については“Active DB Guard 設計・セットアップガイド”の“RLP管理オブジェクトの初期化”を参照してください。

  • データベース資源の関連付けについては“Active DB Guard 設計・セットアップガイド”の“システム間のデータベース資源の関連付け”を参照してください。

  • Symfoware Serverのメディアリカバリ機能の詳細については“Symfoware Server RDB運用ガイド”を参照してください。

  • 複写先システムでリカバリポイントを利用してリカバリする場合の注意事項については“2.5 リカバリポイントの利用”を参照してください。