RLP環境の初期化の実施によるRLPの復旧について説明します。
RLP環境の初期化は、RLPが使用不可になった場合のRLPの復旧で使用します。
RLP環境の初期化は、以下のようなときに使用します。
複写元システムと複写先システムでデータベースの不整合が発生した場合の、データベースの整合性合せを実施するとき
RLC容量不足によるRLP閉塞が発生したとき
その他、RLPを構成する資源の媒体に異常がない場合に、RLPの復旧を実施するとき
RLPを構成する資源の媒体に異常がある場合は、RLP環境の初期化は使用できません。RLPの再作成によりRLPの復旧を行います。
RLP環境の初期化の実施によるリカバリを行う場合、以下の条件を満たしている必要があります。
rdbbcrlpコマンドを実行し、RLPの運用状態を表示できること、かつ
以下の資源の媒体が正常であること
BCログ管理ファイル
RLP管理オブジェクト
RLM
RLCファイル
RERUNログ引継ぎファイル
RERUNログ抽出ファイル
RLP環境の初期化は、Symfoware Serverが起動状態で実施する必要があります。
RLP環境の初期化の実施によるRLPの復旧の手順を以下に示します。
操作の手順
複写元システム
Symfoware Serverがダウンしている場合は、Symfoware Serverを再起動します。
利用者業務を停止します。
rdbbcrlpコマンドを実行し、RLPの運用状態を表示します。
$ rdbbcrlp -V -O -p RLP名
以下のメッセージが表示される場合は、RLP環境の初期化は実行できません。RLPの再作成を行ってください。
rdb: ERROR: qdg20230u:RLP'RLP名'が閉塞されています
RLP環境の初期化を行うため、rdbbcofflineコマンドを実行して、RLPを終了オフラインにします。
$ rdbbcoffline -p RLP名 -m term
RLP環境の初期化で対象としたRLPが以下の場合には、順序番号の確認を行います。
スケーラブルログ運用でない場合
スケーラブルログ運用の場合に、再作成対象のRLPがシステムロググループに作成されているとき
Symfoware Serverのrdbexecsqlコマンドにより、順序番号を生成することにより順序番号を確認します。
ACMのswsrpstatコマンドを実行して、RLMとRLCのボリュームの状態を確認します。等価性コピーのセッションが残っている場合は、等価性コピーを解除します。
rdbbcinitコマンドのhオプションを実行し、RLP環境を初期化します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -h
rdbbcinitコマンドのcオプションを実行し、相手システムのRLP環境の初期化が完了しているか確認します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -c
rdb: INFO: qdg20210i:rdbbcinitが正常終了しました 復帰コード 00
rdbbcmapコマンドを実行して、データベース定義の関連付けをシステム間で実施します。
$ rdbbcmap -E -p RLP名 資源識別子抽出ファイル名
データベースの整合性合せを実施します。
運用中に作成されたすべてのRLC退避ファイルを削除します。
rdbbconlineコマンドを実行して、RLPをオンラインにします。
$ rdbbconline -p RLP名 -m capture
利用者業務を再開します。
複写先システム
Symfoware Serverがダウンしている場合は、Symfoware Serverを再起動します。
rdbbcrlpコマンドを実行し、RLPの運用状態を表示します。
$ rdbbcrlp -V -O -p RLP名
以下のメッセージが表示される場合は、RLP環境の初期化はできません。RLPの再作成を行ってください。
rdb: ERROR: qdg20230u:RLP'RLP名'が閉塞されています
RLP環境の初期化を行うため、rdbbcofflineコマンドを実行して、RLPを終了オフラインにします。
$ rdbbcoffline -p RLP名 -m term
ACMのswsrpstatコマンドを実行して、RLMとRLCのボリュームの状態を確認します。等価性コピーのセッションが残っている場合は、等価性コピーを解除します。
rdbbcinitコマンドのhオプションを実行し、RLP環境を初期化します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -h
rdbbcinitコマンドのcオプションを実行し、相手システムのRLP環境の初期化が完了しているか確認します。
$ rdbbcinit -p RLP名 -c
rdb: INFO: qdg20210i:rdbbcinitが正常終了しました 復帰コード 00
RLP環境の初期化で対象としたRLPが以下の場合には、順序定義の再作成を行います。
スケーラブルログ運用でない場合
スケーラブルログ運用の場合に、再作成対象のRLPがシステムロググループに作成されているとき
Symfoware Serverのrdbddlexコマンドを実行して、順序定義を再作成(削除と定義)します。
rdbbcmapコマンドを実行して、データベース定義の関連付けをシステム間で実施します。
$ rdbbcmap -R -p RLP名 資源識別子抽出ファイル名
データベースの整合性合せを実施します。
運用中に作成されたすべてのRLC退避ファイルを削除します。
rdbbconlineコマンドを実行して、RLPをオンラインにします。
$ rdbbconline -p RLP名 -m reflect
rdbbcextコマンドおよびrdbbcrefコマンドを実行し、RERUNログの抽出と反映を再開します。
$ rdbbcext -p RLP名
$ rdbbcref -a -p RLP名
注意
格納データを暗号化している場合でも、rdbbcmapコマンドを使用して作成した資源識別子抽出ファイルは暗号化されません。資源識別子抽出ファイルを相手システムに転送するときは、opensslコマンドなどのツールを使用して資源識別子抽出ファイルを暗号化してください。また、資源識別子の登録が完了した時点で、資源識別子抽出ファイルを破棄してください。
ポイント
RLP環境の初期化を行う際は、両システムでRLP環境の初期化を行う必要があります。
参照
RLPの再作成については“5.20 RLPの再作成”を参照してください。
RLPの運用状態表示については“3.2.1 RLPの運用情報表示”を参照してください。
Symfoware Serverのrdbexecsqlコマンドおよびrdbddlexコマンドについては“Symfoware Server コマンドリファレンス”を参照してください。
順序番号の確認については“4.7.2.1 順序番号の確認”を参照してください。
等価性コピーの解除の手順については“A.3 等価性コピーの解除”を参照してください。
順序定義の再作成については“4.7.2.2 順序の再作成”を参照してください。
rdbbcinitコマンドの実行により初期化する資源については“5.22.1 複写元システムでの誤操作による終了オフラインからのリカバリ”を参照してください。
システム間の関連付けについては“Active DB Guard 設計・セットアップガイド”の“システム間のデータベース資源の関連付け”を参照してください。