同期アプリケーション連携実行基盤を利用する場合の、環境設定について説明します。
以下に、環境作成の流れを示します。
ログ定義ファイルの作成
ログ定義には管理名をひとつ割り当てます。設定した管理名の数だけ定義を行ってください。
また、運用形態に応じて、ログ定義ファイルを複数作成することも可能です。
なお、ログ定義ファイルの詳細については“19.1 ログ定義ファイルを用いたログ出力”を参照してください。
業務単位の運用を行わない場合には、デフォルトのログ定義ファイルを検索します。デフォルトのログ定義ファイルにアプリケーションで利用する管理名を記述してください。デフォルトのログ定義については“■ログの運用形態”を参照してください。
標準ログとユーザログの出力先を同じ出力先に指定し運用した場合、ログが混在することがあります。標準ログの詳細については、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(アプリケーション連携実行基盤編)”を参照してください。
また、アプリケーション連携実行基盤は起動時に定義ファイルの整合性を確認します。そのため、ログ定義ファイルの内容に誤りがある場合、誤りを示すエラーメッセージはワークユニットの起動時に出力されます。
ログ定義ファイルの格納
ログ定義ファイルを、ログの運用形態にあわせて格納します。
格納の仕方によって、ログ定義の有効範囲や優先度が変わります。
詳細については、“■ログの運用形態”を参照してください。
■ログの運用形態
ログの運用形態は、ユーザ任意で選択できます。
以下で、運用形態について説明します。
業務単位のログ運用
業務単位にログ定義ファイルを使用します。
ログ定義は、設定した業務にだけ有効です。業務単位のログ定義を設定した場合は、デフォルトのログ定義は無効になります。
デフォルトのログ運用
デフォルトのログ定義ファイルを使用します。
業務単位のログ定義を設定しない場合、デフォルトのログ定義が有効になります。
なお、運用中にログ定義ファイルの内容を修正した場合には、再配備およびワークユニットの再起動を行ってください。
■業務単位のログ運用
配備時に指定する定義ファイルの格納パスにログ定義ファイルを格納して配備することで、配備した業務だけに有効なログ定義とすることができます。
設定されたログ定義ファイルは、配備した業務内のサーバアプリケーションにだけ有効です。
注意
業務単位の定義が設定されている場合、業務単位の定義が有効となり、その業務においてデフォルトのログ定義は無効になります。
デフォルトのログ定義が無効になるため、必ず、デフォルトログ定義ファイルに定義されている標準ログの定義をコピーしてください。
■デフォルトのログ運用
以下のデフォルトログ定義ファイルを編集してください。
ファイル名は“logConf.txt”固定です。ファイル名を変更しないでください。
〔デフォルトログ定義ファイル〕 /opt/FJSVibs/conf/logConf.xml |
〔デフォルトログ定義ファイル〕 [Interstageのインストールディレクトリ]\BAS\etc\conf\logConf.xml |
設定されたログ定義ファイルは、ひとつのマシン上のC言語またはCOBOLで作成されたすべてのサーバアプリケーションに有効です。
注意
業務単位の定義が設定されている場合、業務単位の定義が有効となり、その業務においてデフォルトのログ定義は無効になります。
デフォルトのログ運用の場合、ログメッセージファイルの使用はできません。ログメッセージファイルを使用する場合は、業務単位のログ運用としてください。
デフォルトログ定義ファイルは、インストール直後の状態では書き込み権限が設定されていません。ファイルの権限を変更してから編集を行ってください。
デフォルトログ定義ファイルは、非同期アプリケーション連携実行基盤上のCOBOLで作成された業務処理実行アプリケーションからも参照されます。同一マシン上で非同期アプリケーション連携実行基盤を運用している場合は、影響などを考慮して設定してください。
デフォルトログ定義ファイル内の標準ログの定義は、削除しないでください。
■ログの運用例
ログの運用例を以下に説明します。
◆通常時は、デフォルトの定義を用いてシステムで共通のログ出力を行う運用を行い、保守時には、業務単位でより詳細なログ出力を行うためにログ出力レベルを変更する場合
業務ごとに異なる管理名を設定する。
通常時は、デフォルトログ定義ファイルに各アプリケーションで設定した管理名で定義を記述し、定義内容は共通とする。
保守時は、業務単位の定義のログ定義ファイルを作成し、各アプリケーションで使用する管理名のログ定義を記述する。その際、任意の管理名のログ出力レベルをカスタマイズする。
業務単位の定義のログ定義ファイルを定義ファイルの格納パスへ格納し、再配備およびワークユニットの再起動を行う。
元の通常運用に戻す際には、業務単位の定義のログ定義ファイルを定義ファイルの格納パスから削除し、再配備およびワークユニットの再起動を行う。
ログメッセージファイルとは、サーバアプリケーション内でフォーマット付きメッセージログ出力を行う際の、指定メッセージを記述するファイルのことを指します。
ログメッセージファイルの記述の詳細については、“19.3.1 ログメッセージファイルの記述”を参照してください。
以下に、環境作成の流れを示します。
ログメッセージファイルの作成
使用するメッセージ本文をファイルに記述します。
ログメッセージファイルの格納
ログメッセージファイルを格納します。
詳細については、“■ログメッセージファイルの運用形態”を参照してください。
■ログメッセージファイルの運用形態
ログメッセージファイルは、業務単位でだけ設定できます。
以下にログメッセージファイルのサンプルが格納されています。コピーして編集し、業務単位に配備を行ってください。
〔ログメッセージファイルのサンプル〕 /opt/FJSVibs/conf/logresource.xml |
〔デフォルトログ定義ファイル〕 [Interstageのインストールディレクトリ]\BAS\etc\conf\logresource.xml |
以下に、運用形態について説明します。
業務単位の設定
配備する業務単位にログメッセージファイルを使用します。
ログメッセージファイルは、設定した業務だけに有効です。
なお、運用中にログメッセージファイルの内容を修正した場合には、再配備およびワークユニットの再起動を行ってください。
注意
フォーマット付きメッセージログ出力で使用するメッセージが、使用するログメッセージファイルに記述されていない場合、エラーとなります。
高信頼性ログでは、フォーマット付きメッセージログ出力は使用できないため、ログメッセージファイルの設定は不要です。
ポイント
業務単位の設定を行わない場合、ログメッセージファイルは使用されません。
■業務単位の設定
配備時に指定する定義ファイルの格納パスにログメッセージファイルを格納して配備することで、有効になります。
設定されたログメッセージファイルは、配備した業務内のサーバアプリケーションだけに有効です。
ログ機能では、出力する情報に重要度を表すレベルを設定することができます。また、一定以上のレベルのログだけを出力するように設定できます。
ログ出力レベルを設定することにより、デバッグ時には多くの情報をログに出力し、本稼働時には重要なログに絞って出力するという制御が可能になります。
ログの出力レベルは整数で表され、0が最重要であり、数が大きくなるほど重要度が下がります。
ログ出力レベルを設定する場合には、サーバアプリケーション内で、ユーザ任意のログレベルでログを出力するようにしてください。
なお、レベルの詳細については、“19.1.7 ログ出力レベルの指定”を参照してください。
また、高信頼性ログでは、ログの出力レベルを設定することはできません。
COBOLで作成したサーバアプリケーションを使用する場合は、環境変数CBR_COMPOSER_MESSの指定により、COBOLのランタイムシステムが出力する実行時メッセージを汎用ログへ出力することができます。詳細は、“NetCOBOL ユーザーズガイド”または“NetCOBOL 使用手引書”を参照してください。