システム運用中の疑問点について説明します。
Q: ボリュームの等価性コピー処理中はアプリケーションを止める必要があるか。動作していても構わないとすれば、アプリケーション性能への影響はあるか。
A
アプリケーションを停止させる必要はありませんが、いくらか性能への影響はあります。アプリケーションのレスポンス悪化が深刻な場合は、等価性コピー処理をいったん中断したり、コピー負荷を調整したりすることができます。
コピーの中断方法:
# sdxcopy -I -c クラス名 -v ボリューム名 |
コピーの再開方法:
# sdxcopy -B -c クラス名 -v ボリューム名 |
コピー負荷の調整方法:
# sdxcopy -P -c クラス名 -v ボリューム名 -e delay=遅延時間 |
コピーの進み具合を確認する方法:
# sdxinfo -S -c クラス名 -o ボリューム名 -e long |
参照
詳しくは、「B.1.10 sdxcopy - 等価性コピー操作」および「B.1.6 sdxinfo - オブジェクトの構成および状態情報の表示」を参照してください。
Q: ボリュームのサイズを変更する方法を知りたい。
A
sdxvolume -S コマンドを使用して、業務運用中にボリュームを拡張することができます。詳細については、「1.3.7 オンラインボリューム拡張」を参照してください。
ボリュームへのアクセスを停止してボリュームのサイズを変更する場合の手順は、以下のとおりです。
ボリュームを使用しているアプリケーションを停止してください。
必要に応じて、ボリューム内のデータをバックアップしてください。
ボリュームを削除してください。
ボリュームが存在していたグループ内に必要なサイズのボリュームが作成できるかどうかを確認してください。確認方法は以下のとおりです。
# sdxinfo -V -c クラス名 -o グループ名 |
で出力されたボリューム情報のうち、STATUS フィールドが FREE となっているボリュームが空いています。BLOCKS フィールドがそのサイズを示しています。空いているボリュームが複数ある場合は、そのうち最も大きなサイズが作成可能な最大サイズです。
手順 4. にて、グループ内に必要なサイズが確保できない場合は、別のボリュームをバックアップしたうえで削除するか、あるいは別のグループを作成してください。
新しいサイズを指定してボリュームを作成してください。このとき、手順 3. にて削除したボリュームと同じ名前を指定すれば、以降のデバイス定義情報の変更作業が軽減できます。
必要に応じて、/etc/fstab などのデバイス定義情報を更新してください。
手順 2. にて採取したバックアップデータをリストアしてください。
Q: システムがブートできなくなった。復旧方法を知りたい。【EFI】
A
「D.1.5 システムディスクに関する異常【EFI】」を参照してください。
Q: テストにおいて I/O エラー状態を発生させた場合の復旧時間を短縮したい。
A
sdxfix -D コマンドは、復旧対象のディスクのリードチェックを行うため、ディスクの容量によっては実行時間が長くなる場合があります。
-x NoRdchk オプションを指定すると、リードチェックが省略され、実行時間を短縮することができます。-x NoRdchk オプションは、テストにおいて I/O エラー状態を発生させたなどリードチェックが不要であることが明白な場合のみ使用可能です。詳細は、「B.1.9 sdxfix - 故障したオブジェクトの復旧」を参照してください。
Q: 共用クラスのプロキシボリュームを分離したとき、特定のノード以外ではプロキシボリュームが起動されないようにしたい。
A
分離を行う前に、プロキシボリュームの起動を抑止したいノードにおいて、sdxattr - V コマンド使用してプロキシボリュームの起動ロック属性を設定してください。起動ロック属性の詳細については、「1.3.5.4 起動ロック」、「B.1.7 sdxattr - オブジェクトの属性値変更」を参照してください。
Q: 結合状態のプロキシボリュームが自動的に分離されることはあるか。
A
マスタボリュームに ACTIVE 状態のスライスが 1 つしか存在しない状態で、そのスライスで I/O エラーが発生すると、そのマスタボリュームに対してソフトコピー機能によって結合されている STOP 状態または INVALID 状態のプロキシボリュームは、自動的に分離されます。