ここでは、L-Serverの仕様変更について説明します。下記の手順で、L-Serverの仕様変更を行います。
【Solarisゾーン】
CPU数とCPU性能の値から、非大域ゾーンに設定するcap値を計算します。
詳細は、「導入ガイド CE」の「8.7.7 L-Server作成」を参照してください。
サーバ管理製品で管理されていないVMホスト上の仮想マシンと関連付いているL-Serverについては、RORコンソールから仕様変更はできません。大域ゾーンから変更してください。
GUIでの手順
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューから[設定変更]-[仕様]を選択します。
[L-Serverの仕様変更]ダイアログが表示されます。
値を変更します。
[L-Serverの仕様変更]ダイアログの各項目には、現在設定されている値が表示されます。変更した項目には、項目名の前にアスタリスク("*")が付加されます。
指定できる値の範囲については、「16.2.2 [サーバ]タブ」または「16.3.2 [サーバ]タブ」を参照してください。
[OK]ボタンをクリックします。
仮想L-Serverの電源がONの状態で仕様変更した場合、仮想L-Serverの構成だけが変更されます。
仮想L-Serverの電源がONの状態で仕様変更した場合は、各OSの手順に従って、変更した構成をOSに認識させます。
コマンドでの手順
rcxadm lserver modifyまたはrcxadm lserver setを実行します。
rcxadm lserver modifyコマンドとrcxadm lserver setコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.6 rcxadm lserver」を参照してください。
仮想L-Serverの電源がONの状態で仕様変更した場合、仮想L-Serverの構成だけが変更されます。
仮想L-Serverの電源がONの状態で仕様変更した場合は、各OSの手順に従って、変更した構成をOSに認識させます。
仕様変更できる項目
物理L-Serverと仮想L-Serverの場合では、仕様変更できる項目が異なります。
物理L-Serverの仕様変更
以下の項目は、物理L-Serverの電源がOFFの状態で変更できます。
FCパス
ブートモード
CPU性能 (注)
CPU数 (注)
メモリサイズ (注)
注) ブレードサーバの場合に指定できます。L-Serverへのリソースの割当てと解放で、"電源切断時のサーバ解放"を設定し、CPUとメモリを変更したあと、L-Serverを起動すると、変更した条件を元に物理サーバが選択されます。
仮想L-Serverの仕様変更
以下の項目は、仮想L-Serverの電源がONの状態で変更できます。詳細は、VM製品のマニュアルを参照してください。
CPU性能
【OVM for SPARC】
CPU性能の変更はできません。
CPU数
メモリサイズ
OS種別(イメージが配付されていない場合)
【OVM for x86 2.2】【Solarisゾーン】【OVM for SPARC】【Citrix Xen】【OVM for x86 3.x】
イメージの配付の有無および電源状態にかかわらず、OS種別は変更できません。
【KVM】
OS種別(イメージが配付されていない場合)の仮想L-Serverの仕様を変更する際に、KVMでは、ユーザーはインストール予定のOS種別を意識した設定を行う必要があります。
OS種別が、仮想L-ServerにインストールされているOSと異なる場合、L-Serverの動作は保証されません。
電源ON状態での仕様変更ができる項目は、VM管理製品によって異なります。詳細は、「表17.11 電源ON状態で変更できる項目」を参照してください。なお、Citrix XenServerは、電源ON状態での仕様変更はできません。
リソース名 | 変更 | VMware | Hyper-V | KVM | Solarisゾーン | OVM for SPARC | OVM for x86 3.x | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Solaris10 | Solaris11 | |||||||
CPU数 | 追加 | ○ (注1) | × | × | ○ (注2) | ○ | ○ | × |
削減 | × | × | × | ○ (注2) | ○ | ○ | × | |
CPU性能 | 追加 | ○ | ○ | ○ | ○ (注2) | ○ | × | ○ |
削減 | ○ | ○ | ○ | ○ (注2) | ○ | × | ○ | |
メモリサイズ | 追加 | ○ (注1) | × | ○ | ○ (注2) | ○ | ○ | × |
削減 | × | × | ○ | ○ (注2) | ○ | ○ | × | |
OS種別 | 変更 | × | ○ | ○ | × | × | × | × |
注1) メモリ/CPUホットプラグが有効化されている場合に変更できます。本製品で作成した仮想L-Serverはメモリ/CPUホットプラグが有効化されています。
注2) 変更した値が、実仮想マシン上で有効になるのは、再起動後です。
【VMware】【Hyper-V】【Citrix Xen】
L-Serverに対してCPU予約性能、メモリ予約容量、初期メモリ量を設定している場合に、CPU性能やメモリサイズをそれらの値よりも小さくなる値へ変更できません。コマンドを使用して変更するか、VM管理製品で変更してください。(注)
【VMware】
メモリサイズを変更した場合、メモリ制限値も合わせて変更されます。
ただし、メモリ制限値が"制限なし"の場合は、メモリサイズだけが変更されます。
メモリ制限値の設定を変更する場合、VM管理製品で変更してください。 (注)
設定方法については、VM管理製品のマニュアルを参照してください。
仮想L-Serverと関連付けられている仮想マシンに、VMware FTが設定されている場合、サーバの冗長化設定は変更できません。
既存のVMゲストを仮想L-Serverへ関連付ける場合は、VM管理製品からメモリ/CPUホットプラグが有効化されているかを確認してください。
有効化されていない場合は、VM管理製品から設定を有効化してください。VM管理製品からメモリ/CPUホットプラグを有効化する方法についてはVM管理製品のマニュアルを参照してください。
【Hyper-V】
L-Serverに対して、メモリ容量と初期メモリ量の変更を指定せず、動的メモリを無効から有効に変更した場合、仮想マシンの以下の項目が、メモリサイズと同じになります。
初期メモリ量(StartupRAM)
最大メモリ
動的メモリやメモリ割当て優先度を使用する場合、VMホストは以下のどれかである必要があります。
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2 SP1以降
Microsoft(R) Windows Server(R) 2012以降
SCVMMは、対象のVMホストを管理できる以下のどれかである必要があります。
System Center Virtual Machine Manager 2008 R2 SP1以降
System Center 2012 Virtual Machine Manager以降
L-Serverの仕様変更で、動的メモリを有効、またはメモリ割当て優先度を設定する場合、上記のVMホストとSCVMMが存在しないとL-Serverの仕様変更は失敗します。
電源ON状態での、動的メモリ設定の最大メモリ値の変更には対応していません。
【KVM】
VM固有情報定義ファイルのmemory_hotplugにfalseを設定した場合、作成されたL-Serverの最大メモリ量はメモリサイズと同じ値に変更されます。
また、この仕様変更は電源ON状態ではできません。
【OVM for SPARC】
コア単位でCPUを割り当てるため、CPU性能を指定した場合でも物理サーバのCPU性能になります。
仮想L-Serverが停止している場合、VM管理製品によりメモリサイズは4MB単位で切り下げられます。
仮想L-Serverが起動している場合、VM管理製品によりメモリサイズは256MB単位で切り上げられます。
仮想サーバのメモリの使用状態によっては、指定通りのメモリ容量に設定されない場合があります。
CPU数やメモリサイズを変更した場合は、サービスプロセッサに構成情報を保存する必要があります。
本製品ではCPU数やメモリサイズの変更に伴い、構成情報を自動保存します。
本製品における構成情報の自動保存機能を無効化する場合は、構成情報保存の実行可否を設定する定義ファイルに定義を追加してください。定義ファイルの詳細については、「導入ガイド CE」の「8.8.1 定義ファイルの作成」を参照してください。
仮想L-Serverの仕様変更で、Solarisゾーン上に構築したすべての非大域ゾーンの資源量よりも多い資源をゲストドメインに割り当ててください。
Solarisゾーン上に構築したすべての非大域ゾーンの資源量よりも少ない資源を割り当てた場合、以下の現象が発生する可能性があります。
非大域ゾーンが起動できなくなる
非大域ゾーンの性能が劣化する
注) VM管理製品に対して定期的に問い合わせ、変更した値がL-Serverの構成に反映されます。定期的な問合せによるL-Serverの構成の反映については、「17.2 変更」を参照してください。
注意
スナップショットをリストアした直後は、L-ServerとVM管理製品が管理するVMゲストの構成に差分が生じる場合があります。
CPU情報を変更する場合、VMプールに登録されているVMホストのCPU性能、またはCPU数以内の値を指定してください。
オーバーコミットを使用する場合、VMホストのCPU性能を超えた値を指定できます。
VMゲストの構成の差分は、VM管理製品に対して定期的に問い合わせ、L-Serverの構成に反映されます。
定期的な問い合わせによるL-Serverの構成の反映については、「17.2 変更」を参照してください。
仮想マシンを割当て済みのL-Serverに対してサーバ冗長化の値を変更した場合、L-Serverの属性だけが変更され、仮想マシンは何も変更されません。
【Solarisゾーン】
CPUのCAP値を指定していないL-Serverに対してCPUの設定を変更するとき、必ずCPU数とCPU性能の両方の値を変更してください。