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Site Recovery for Red Hat(R) OpenStack Platform V1.0 運用ガイド
FUJITSU Software

第7章 運用 - 切戻し

本項では切戻しについて説明します。

切戻しの準備【サイト:本番サイト、災対サイト】

切戻しの準備の流れ

figure5-0 figure5-1

Red Hat(R) OpenStack Platform構築前に行う手順

復旧する本番サイトで、Red Hat(R) OpenStack Platform構築前に、RECの事前準備をします。 「切戻しの準備の流れ」のシーケンスに従って、「(2)コピー先ボリュームの作成」~「(5)コピーの実行」を実施してください。実施の際に、「災対サイト」を「本番サイト」に読み替えてください。

運用開始前に実施する手順

復旧する本番サイトの運用開始前にRECの設定をします。 「切戻しの準備の流れ」のシーケンスに従って、「本番サイトの設定ファイル編集【サイト:本番サイト】」~「SRユーザーへの権限委譲【サイト:災対サイト】」を実施してください。実施の際に、「災対サイト」を「本番サイト」に読み替えてください。

バックアップ【サイト:災対サイト】

被災によって本番運用を代替している災対サイトのバックアップをします。 「運用 - フルバックアップ」に従って、災対サイトのフルバックアップを実施してください。実施の際に、「本番サイト」を「災対サイト」に読み替えてください。

切替え【サイト:本番サイト】

切替えの流れ

figure5-2

切替えの手順

本番サイトに災対サイトのバックアップ資産のリストアをします。 「切替えの流れ」のシーケンスに従って、「RECのコピーセッションの削除」、「リストア開始」~「リストア完了」を実施してください。実施の際に、「災対サイト」を「本番サイト」に読み替えてください。

検証環境の復旧【サイト:災対サイト】

検証環境の復旧の流れ

figure5-3

災対サイトの設定ファイル編集【サイト:災対サイト】

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードの台数分

以下の設定ファイルを編集します。

  • /etc/opt/FJSVrcxsr/rcxsr.conf
  • /etc/opt/FJSVrcxsr/hostname_map

設定内容は「設定ファイル」を参照してください。

OpenStackのサービス停止

(1) コンピュートノードのサービス停止

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコンピュートノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コンピュートノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを停止します。

systemctl stop openstack-*.service neutron-*.service

下記を参照し、サービスが停止したことの確認を実施してください。

コンピュートノード」を確認してください。

(2) cinder-volumeサービス停止

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、openstack-cinder-volumeサービスを停止します。

pcs resource disable openstack-cinder-volume

下記を参照し、サービスが停止したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

(3) cinder-volumeサービス以外のOpenStackのサービス停止

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを停止します。

systemctl stop httpd.service openstack-*.service neutron-*.service

下記を参照し、サービスが停止したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

注意

最後のコントロールノードのサービスの停止時に下記のようなメッセージが表示されますが 問題ありません。

Broadcast message from systemd-journald@<ホスト名> (時刻):

haproxy[<プロセスID>]: proxy <プロキシ名> has no server available!

検証環境用のボリュームへの切替え

(1) Glanceのバックエンドの切替え

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

Glanceのバックエンドに使用するNFS用ボリュームを検証環境用のボリュームに切替えてください。

Glanceのバックエンドに使用するNFS用ボリュームの切替えに伴うGlanceの設定については、Red Hat OpenStack Platformのドキュメントを参照してください。

(2) Cinderバックアップ格納先の切替え

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

Cinderのバックアップ格納先に使用するNFS用ボリュームを検証環境用のボリュームに切替えてください。

Cinderのバックアップ格納先に使用するNFS用ボリュームの切替えに伴うCinderの設定については、Red Hat OpenStack Platformのドキュメントを参照してください。

(3) 本製品の作業ディレクトリの切替え

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリュームを「本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリュームの作成」で作成したボリュームに切替えてください。

下記のディレクトリに、本製品の作業ディレクトリとして、NFS共有をマウントします。

  • ディレクトリ

    /var/opt/FJSVrcxsr/mnt

すべてのコントロールノードで同じNFS共有をマウントしてください。

OS起動時に自動的にマウントするには、/etc/fstabに設定を記載してください。

  • /etc/fstabの記載例
server:/remote/export /var/opt/FJSVrcxsr/mnt nfs defaults 0 0

/etc/fstabの構文についてはOSのドキュメントを参照してください。

データベースの復旧

以下のコマンドを実行し、本製品の作業ディレクトリがマウントされていることを確認します。

# mount | grep /var/opt/FJSVrcxsr/mnt

上記コマンドは、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

# mount | grep /var/opt/FJSVrcxsr/mnt
192.168.200.21:/var/nfs/siterecovery on /var/opt/FJSVrcxsr/mnt type nfs4 (rw,relatime,vers=4.1,rsize=1048576,wsize=1048576,namlen=255,hard,proto=tcp,port=0,timeo=600,retrans=2,sec=sys,clientaddr=192.168.200.144,local_lock=none,addr=192.168.200.21)

本製品の作業ディレクトリがマウントされていない場合は、「(3) 本製品の作業ディレクトリの切替え」を実施してください。

以下のコマンドを実行し、データベースを復旧します。

rcx_srosp_stash pop system

上記コマンドは、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

OpenStackのサービス起動

(1) cinder-volumeサービス以外のOpenStackのサービス起動

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、起動対象のOpenStackサービスを確認します。

systemctl list-unit-files openstack-*.service neutron-*.service | grep -v "neutron-.*-cleanup" | awk '$2=="enabled"{print $1}'

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを起動します。NAMEには上記で確認したサービスを入れてください。

systemctl start NAME...

下記を参照し、サービスが起動したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

(2) cinder-volumeサービス起動

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、cinder-volumeサービスを起動します。

pcs resource enable openstack-cinder-volume

下記を参照し、サービスが起動したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

(3) コンピュートノードのサービス起動

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコンピュートノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コンピュートノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、起動対象のOpenStackサービスを確認します。

systemctl list-unit-files openstack-*.service neutron-*.service | grep -v "neutron-.*-cleanup" | awk '$2=="enabled"{print $1}'

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを起動します。NAMEには上記で確認したサービスを入れてください。

systemctl start NAME...

下記を参照し、サービスが起動したことの確認を実施してください。

コンピュートノード」を確認してください。

インスタンスの復旧

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、インスタンスを復旧します。

rcx_srosp_stash pop instance