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Site Recovery for Red Hat(R) OpenStack Platform V1.0 運用ガイド
FUJITSU Software

第6章 運用 - 切替え

切替えの流れ

figure4-0

検証環境退避【サイト:災対サイト】

RECのコピーセッションの削除

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : AdvancedCopy Manager CCMのインストール先サーバ
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

本番サイト、災対サイト間のRECをすべて停止します。

accopy fcancel -a <diskArrayName> -sa <srcDiskArrayName> -ta <dstDiskArrayName>

accopy fcancelコマンドの詳細はAdvancedCopy Manager CCMのコマンドリファレンスを参照してください。

検証環境の退避

(1) データベースの退避

以下のコマンドを実行し、本製品の作業ディレクトリがマウントされていることを確認します。

# mount | grep /var/opt/FJSVrcxsr/mnt

上記コマンドは、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

# mount | grep /var/opt/FJSVrcxsr/mnt
192.168.200.21:/var/nfs/siterecovery_kensyo on /var/opt/FJSVrcxsr/mnt type nfs4 (rw,relatime,vers=4.1,rsize=1048576,wsize=1048576,namlen=255,hard,proto=tcp,port=0,timeo=600,retrans=2,sec=sys,clientaddr=192.168.200.144,local_lock=none,addr=192.168.200.21)

本製品の作業ディレクトリがマウントされていない場合は、「本製品の作業ディレクトリの設定」を実施してください。

以下のコマンドを実行し、データベースを退避します。

rcx_srosp_stash system

上記コマンドは、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

(2) インスタンスの退避

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、システムのバックアップを取得します。

rcx_srosp_stash instance

インスタンスの退避の詳細は、以下のコマンドで確認できます。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回
rcx_srosp_stash info

注意

データベースおよび、インスタンスを退避していない状態で本コマンドを実行した場合、インスタンス数および、ボリューム数の情報は表示されません。

切替え【サイト:災対サイト】

OpenStackのサービス停止

(1) コンピュートノードのサービス停止

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコンピュートノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コンピュートノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを停止します。

systemctl stop openstack-*.service neutron-*.service

下記を参照し、サービスが停止したことの確認を実施してください。

コンピュートノード」を確認してください。

(2) cinder-volumeサービス停止

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、openstack-cinder-volumeサービスを停止します。

pcs resource disable openstack-cinder-volume

下記を参照し、サービスが停止したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

(3) cinder-volumeサービス以外のOpenStackのサービス停止

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを停止します。

systemctl stop httpd.service openstack-*.service neutron-*.service

下記を参照し、サービスが停止したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

注意

最後のコントロールノードのサービスの停止時に下記のようなメッセージが表示されますが 問題ありません。

Broadcast message from systemd-journald@<ホスト名> (時刻):

haproxy[<プロセスID>]: proxy <プロキシ名> has no server available!

RECのコピー先ボリュームへの切替え

(1) Glanceのバックエンドの切替え

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

Glanceのバックエンドに使用するNFS用ボリュームを「(2) コピー先ボリュームの作成」で作成したコピー先のボリュームに切替えてください。

Glanceのバックエンドに使用するNFS用ボリュームの切替えに伴うGlanceの設定については、Red Hat OpenStack Platformのドキュメントを参照してください。

本手順で切り替える前の検証環境用のボリュームは「(1) Glanceバックエンドの切替え」で使用します。

(2) Cinderバックアップ格納先の切替え

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

Cinderのバックアップ格納先に使用するNFS用ボリュームを「(2) コピー先ボリュームの作成」で作成したコピー先のボリュームに切替えてください。

Cinderのバックアップ格納先に使用するNFS用ボリュームの切替えに伴うCinderの設定については、Red Hat OpenStack Platformのドキュメントを参照してください。

本手順で切り替える前の検証環境用のボリュームは「(2) Cinderバックアップ格納先の切替え」で使用します。

(3) 本製品の作業ディレクトリの切替え

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

本製品の作業ディレクトリに使用するNFS用ボリュームを「(2) コピー先ボリュームの作成」で作成したコピー先のボリュームに切替えてください。

下記のディレクトリに、本製品の作業ディレクトリとして、NFS共有をマウントします。

  • ディレクトリ

    /var/opt/FJSVrcxsr/mnt

すべてのコントロールノードで同じNFS共有をマウントしてください。

OS起動時に自動的にマウントするには、/etc/fstabに設定を記載してください。

  • /etc/fstabの記載例
server:/remote/export /var/opt/FJSVrcxsr/mnt nfs defaults 0 0

/etc/fstabの構文についてはOSのドキュメントを参照してください。

リストア開始

以下のコマンドを実行し、本製品の作業ディレクトリがマウントされていることを確認します。

# mount | grep /var/opt/FJSVrcxsr/mnt

上記コマンドは、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

# mount | grep /var/opt/FJSVrcxsr/mnt
192.168.200.21:/var/nfs/siterecovery on /var/opt/FJSVrcxsr/mnt type nfs4 (rw,relatime,vers=4.1,rsize=1048576,wsize=1048576,namlen=255,hard,proto=tcp,port=0,timeo=600,retrans=2,sec=sys,clientaddr=192.168.200.144,local_lock=none,addr=192.168.200.21)

本製品の作業ディレクトリがマウントされていない場合は、「(3) 本製品の作業ディレクトリの切替え」を実施してください。

以下のコマンドを実行し、リストアするバックアップデータを指定します。

rcx_srosp_restore begin <backup_name>

上記コマンドは、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

データベースのリストア

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、データベースをリストアします。

rcx_srosp_restore system

OpenStackのサービス起動

(1) cinder-volumeサービス以外のOpenStackのサービス起動

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コントロールノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、起動対象のOpenStackサービスを確認します。

systemctl list-unit-files openstack-*.service neutron-*.service | grep -v "neutron-.*-cleanup" | awk '$2=="enabled"{print $1}'

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを起動します。NAMEには上記で確認したサービスを入れてください。

systemctl start NAME...

下記を参照し、サービスが起動したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

(2) cinder-volumeサービス起動

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、cinder-volumeサービスを起動します。

pcs resource enable openstack-cinder-volume

下記を参照し、サービスが起動したことの確認を実施してください。

コントロールノード」を確認してください。

(3) コンピュートノードのサービス起動

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : すべてのコンピュートノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : コンピュートノードごとに1回

以下のコマンドを実行し、起動対象のOpenStackサービスを確認します。

systemctl list-unit-files openstack-*.service neutron-*.service | grep -v "neutron-.*-cleanup" | awk '$2=="enabled"{print $1}'

以下のコマンドを実行し、OpenStackサービスを起動します。NAMEには上記で確認したサービスを入れてください。

systemctl start NAME...

下記を参照し、サービスが起動したことの確認を実施してください。

コンピュートノード」を確認してください。

ボリュームのリストア

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、ボリュームを一括でリストアします。

rcx_srosp_restore volume

リストア済みボリュームの確認方法は「リストア済みボリュームの確認」を参照してください。

インスタンスのリストア

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : リストアするインスタンス台数分

以下のコマンドを実行し、インスタンスをリストアします。

rcx_srosp_restore instance <instance_id>

<instance_id>は、「(1)NovaのインスタンスにアタッチされたCinderのボリュームのバックアップ」および 「(1)インスタンスにアタッチされたCinderボリュームのバックアップ 【サイト:本番サイト】」 で控えたものを使用してください。

<instance_id>がわからない場合は「リストア前のNovaインスタンスidを控え忘れた場合」を参照し <instance_id>を確認してください。

注意

復旧済みのインスタンスが残っている場合、rcx_srosp_restore instanceコマンドを実行してもインスタンスはリストアされません。 本手順を実施する前に、以下の手順を参照し、復旧済みインスタンスを削除してください:

openstack server delete <instance_id>

<instance_id>にはrcx_srosp_restore instanceコマンド実行時に出力されたIDを指定してください。

上記コマンド実行後、インスタンス削除が完了したことを確認します。以下のコマンドを実行し、出力がないことを確認してください:

openstack server list --all-projects | grep <instance_id>

<instance_id>にはrcx_srosp_restore instanceコマンド実行時に出力されたIDを指定してください。 出力がある場合、インスタンス削除はまだ完了していないので、しばらく待ってから再度確認してください。

※上記コマンドを実行するために、admin権限を持つOpenStackユーザーのクレデンシャルファイル(ここではopenrcとします)を読み込むことが必要です。 クレデンシャルファイルについては「OpenStackコマンドの実行について」を参照してください。

インスタンス削除完了後に、「残存ポートの削除」に記載される手順を参照し、残存ポートの有無を確認してください。 ポートが残存する場合は、手順に従い、ポートを削除してください。

リストア済みインスタンスの確認方法は「リストア済みインスタンスの確認」を参照してください。

Cinderバックアップからのリストア

本手順は、インスタンスのリストア後に、ゲストOSが起動しなかった場合などに、Cinderバックアップからインスタンス(ボリューム)を復旧します。

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : リストアするインスタンス台数分

以下のコマンドを実行し、Cinderバックアップからインスタンスをリストアします。

rcx_srosp_restore instance <instance_id> --from-backup

注意

復旧済みのインスタンスが残っている場合、rcx_srosp_restore instanceコマンドを実行してもインスタンスはリストアされません。 本手順を実施する前に、以下の手順を参照し、復旧済みインスタンスを削除してください:

openstack server delete <instance_id>

<instance_id>にはrcx_srosp_restore instanceコマンド実行時に出力されたIDを指定してください。

上記コマンド実行後、インスタンス削除が完了したことを確認します。以下のコマンドを実行し、出力がないことを確認してください:

openstack server list --all-projects | grep <instance_id>

<instance_id>にはrcx_srosp_restore instanceコマンド実行時に出力されたIDを指定してください。 出力がある場合、インスタンス削除はまだ完了していないので、しばらく待ってから再度確認してください。

※上記コマンドを実行するために、admin権限を持つOpenStackユーザーのクレデンシャルファイル(ここではopenrcとします)を読み込むことが必要です。 クレデンシャルファイルについては「OpenStackコマンドの実行について」を参照してください。

インスタンス削除完了後に、「残存ポートの削除」に記載される手順を参照し、残存ポートの有無を確認してください。 ポートが残存する場合は、手順に従い、ポートを削除してください。

リストア済みインスタンスの確認方法は「リストア済みインスタンスの確認」を参照してください。

リストア完了

本手順は、以下の条件で実施してください。

  • 手順実施サイト : 災対サイト
  • 手順実施サーバ : メイン作業用コントロールノード
  • 手順実施ユーザー : インフラ管理者
  • 手順実施回数 : 1回

以下のコマンドを実行し、リストアを完了します。

rcx_srosp_restore end