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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.3 (伝送路二重化機能編)

3.3.2 NIC切替方式

他の仮想インタフェースで使用していない物理インタフェースを使用して構成情報を追加する場合の手順を以下に示します。

  1. 仮想インタフェース情報の設定をhanetconfig createコマンドで行います。詳細は“7.1 hanetconfigコマンド”を参照してください。

  2. 待機パトロール情報の設定をhanetconfig createコマンドで行います。(待機パトロール機能使用時のみ)詳細は“7.1 hanetconfigコマンド”を参照してください。

  3. 監視先情報の設定をhanetpoll createコマンドで行います。詳細は“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。

既に定義されている仮想インタフェースで使用している物理インタフェースを共有して構成情報を追加する場合の手順を以下に示します。(NIC共有機能使用時)

  1. 仮想インタフェースの設定をhanetconfig copyコマンドで行います。詳細は“7.1 hanetconfigコマンド”を参照してください。

  2. 待機パトロール情報の設定をhanetconfig createコマンドで行います。(待機パトロール機能使用時のみ)なお、既に物理インタフェースを共有している仮想インタフェースにおいて待機パトロール機能が設定されている場合には設定する必要はありません。詳細は“7.1 hanetconfigコマンド”を参照してください。

  3. 監視先情報の設定をhanetpoll copyコマンドで行います。詳細は“7.7 hanetpollコマンド”を参照してください。

共有IP構成のノングローバルゾーンを使用した構成の場合

NIC切替方式で二重化した物理インタフェースをノングローバルゾーンで使用する場合、以下の手順により、構成情報の追加を行います。

  1. 仮想インタフェースの設定をhanetconfig createコマンドで行います。

  2. 待機パトロール情報の設定をhanetconfig createコマンドで行います。(待機パトロール機能使用時のみ)なお、既に物理インタフェースを共有している仮想インタフェースにおいて待機パトロール機能が設定されている場合には設定する必要はありません。

  3. 監視先情報の設定をhanetpoll createコマンドで行います。

  4. 待機インタフェースの非活性方法をhanetparamコマンドの-dオプションで“plumb”に変更します。

  5. 追加した仮想インタフェースをstrhanetコマンドで活性化します。

  6. 追加した監視先情報の設定をhanetpoll onコマンドで有効化します。

  7. ノングローバルゾーンの作成を行います。作成方法については“C.5 Solarisゾーンにおける伝送路二重化の構築手順”を参照してください。

  8. ノングローバルゾーンの起動を行います。ノングローバルゾーンを起動することにより、仮想インタフェース(sha0)で二重化した物理インタフェースの内、プライマリインタフェース(hme0)に論理インタフェース(hme0:X)が付加されます。この時、IPアドレスはノングローバルゾーン作成時に指定したIPアドレスが割り当てられます。

注意

  • NIC切替方式では、切替え時に物理インタフェースの活性/非活性処理を行いますが、デフォルトではログファイルには記録されません。動作履歴を詳細に把握したい場合には、“3.2.3 syslogの設定”に示す設定を行ってください。

  • タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式において、複数の仮想インタフェースで同一物理インタフェースを使用する構成となる場合には、待機パトロール機能は1つの仮想インタフェースに対してのみ設定し、その他の仮想インタフェースに対しては設定しないでください。なお、仮想インタフェースごとに待機パトロール機能を設定する必要はありません。

  • タグVLANインタフェースを使用したNIC切替方式において、二重化する物理インタフェースのうち、1つのみをNIC共有する構成はできません。

  • タグVLANを使用する仮想インタフェースに対して待機パトロール機能を設定した場合は、同一物理回線を使用する他のタグVLANインタフェースでの通信に影響を与えないように、セカンダリインタフェースに対するローカルMACアドレスの設定が次回のシステム再起動時まで保留されます。このため、設定後に待機パトロール機能を有効とするためには、システムの再起動が必要です。

  • 物理IP引継ぎIIのクラスタ環境以外の場合、以下のように設定してください。物理IP引継ぎIIのクラスタ環境については、“B.4.10 クラスタシステムによる設定例(物理IP引継ぎII)”を参照してください。
    [Solaris 10の場合]
    hanetconfigコマンドの’-i’オプションまたは’-e’オプションで物理IPアドレスを指定する場合、必ず“/etc/hostname.interface”で設定したIPアドレスと同一のIPアドレスを指定してください。
    [Solaris 11の場合]
    hanetconfigコマンドの’-i’オプションまたは’-e’オプションで物理IPアドレスを指定する場合、必ずipadm(1M)コマンドで設定したIPアドレスと同一のIPアドレスを指定してください。
    Solaris 10で物理IP引継ぎIIのクラスタ環境を設定する場合は、“/etc/hostname.interface”を空ファイルとして作成してください。

  • 使用するHUBがSTP(スパニングツリープロトコル)を使用する設定となっている場合、HUB監視機能により伝送路に異常が発生していないにも関わらずNICの切替えが発生することがあります。この場合、HUB監視機能の監視パラメータをチューニングする必要があります。監視パラメータのチューニング方法については“7.7 hanetpollコマンド”および“F.2.3.1 NIC切替方式で監視先が故障していないのに切替えが発生する”を参照してください。

  • NIC切替方式で束ねる物理インタフェースをSolarisゾーンのネットワーク設定に指定する場合は、待機インタフェースの非活性方法をhanetparamコマンドの’-d’オプションで“unplumb”から“plumb”に変更する必要があります。変更方法の詳細については“7.6 hanetparamコマンド”を参照してください。