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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.3 (伝送路二重化機能編)

7.6 hanetparamコマンド

【名前】

hanetparam - 各二重化方式における設定情報の変更

【形式】

/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam {-w sec | -m times | -l times | -p sec | -o times | -d {plumb | unplumb} | -c {on | off} | -s {on | off}}
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam print

【機能説明】

各二重化方式における設定情報の変更を行います。

【オプション】

以下のオプションが指定できます。


<高速切替方式の場合に有効なオプション>
-w value

伝送路を監視する間隔(value)を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~300です。0を指定した場合は監視を行いません。初期値として5(秒)が設定されています。本オプションは高速切替方式の場合のみ有効です。


-m value

伝送路異常検出時にメッセージ出力(メッセージ番号:800,801)する場合、メッセージ出力までの連続監視回数(value)を指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合はメッセージ出力を行いません。初期値として0(メッセージ出力しない)が設定されています。本オプションは高速切替方式の場合のみ有効です。


-l value

仮想インタフェースが使用している伝送路がすべて異常となった場合、クラスタ切替えを行うか否かを指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合は、クラスタ切替えを行いません。クラスタ切替えを行う場合は、クラスタ切替えを行うまでの連続監視回数を1~100の範囲で指定します。初期値として5(5回連続して全伝送路異常を検出した場合、クラスタ切替えを行う)が設定されています。本オプションは高速切替方式で、かつクラスタ運用の場合のみ有効です。


-c value

システム起動前に、既に仮想インタフェースが使用するすべての伝送路で異常が発生していた場合、クラスタアプリケーション起動後直ちにクラスタ切替えを行うか否かを指定します。指定可能な値は、“on”または“off”です。“on ”を指定した場合、クラスタアプリケーション起動後直ちにクラスタ切替えを行います。“off”を指定した場合は、クラスタアプリケーション起動直後はクラスタ切替えを行いません。初期値として、“off”が設定されています。本パラメタは高速切替方式で、かつクラスタ運用の場合のみ有効です。


-s value

仮想インタフェースが使用している物理インタフェースの状態が変化(伝送路異常検出、または復旧)した場合に、メッセージ出力を行うか否かを指定します。指定可能な値は、“on”または“off”です。 “on”を指定した場合、メッセージを出力(メッセージ番号:990,991,992)します。“off”を指定した場合にはメッセージを出力しません。初期値として、“off”が設定されています。本パラメタは高速切替方式の場合のみ有効です。


<NIC切替方式の場合に有効なオプション>
-p value

待機パトロール機能による運用NICと待機NIC間の経路に対して、監視間隔(value)を秒単位で指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合は監視を行いません。
ユーザコマンド実行機能(待機パトロール異常、復旧検出時のユーザコマンド実行)を設定している場合は、本パラメタに0を指定しないでください。0を指定した場合、ユーザコマンド実行が機能しません。
初期値として15(秒)が設定されています。本オプションはNIC切替方式で、かつ待機パトロール機能使用時のみ有効です。


-o value

待機パトロール機能による伝送路異常検出時、メッセージ出力(メッセージ番号:875)までの連続監視回数(value)を指定します。指定可能範囲は、0~100です。0を指定した場合はメッセージ出力を停止し、待機パトロール機能による監視を無効化します。
ユーザコマンド実行機能(待機パトロール異常、復旧検出時のユーザコマンド実行)を設定している場合は、本パラメタに0を指定しないでください。0を指定した場合、ユーザコマンド実行が機能しません。
初期値として3(回)が設定されています。本オプションはNIC切替方式で、かつ待機パトロール機能使用時のみ有効です。なお、待機パトロール開始直後は、連続監視回数は、本オプションでの設定値×2となります。


-d value

待機インタフェースの非活性方法(value)を指定します。指定可能な値は、“plumb”または“unplumb”です。“plumb”を指定した場合、待機インタフェースを非活性状態にし、IPアドレスに“0.0.0.0”を設定します。これにより上位アプリケーションとして“INTERSTAGE Traffic Director”等を使用することができます。また、“unplumb”を指定した場合は、待機インタフェースを非活性後、未使用状態にします。初期値として“unplumb”が設定されています。

なお、以下の場合は、“plumb”を指定してください。

  • 共有IP構成のノングローバルゾーンのネットワークを、NIC切替方式を利用して高信頼化する場合

  • LACPモードがactiveに設定されているLinkAggregationを、NIC切替方式を利用して高信頼化する場合

“plumb”を指定していない場合は、NIC切替え後に通信ができなくなります。

設定値

インタフェースの状態

運用インタフェース

待機インタフェース

状態

IPアドレス

論理I/Fの割り当て

状態

IPアドレス

論理I/Fの割り当て

unplumb

活性状態

あり

未使用状態

不可

plumb

活性状態

あり

非活性状態

なし (0.0.0.0)


<全方式で有効なオプション>
print

設定情報の内容を出力します。出力形式は以下の通りです。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam print
   Line monitor interval(w)           :5
   Line monitor message output (m)    :0
   Cluster failover (l)               :5
   Standby patrol interval(p)         :15
   Standby patrol message output(o)   :3
   NIC switching mode(d)              :Unplumb
   Cluster failover in unnormality (c):OFF
   Line status message output (s)     :OFF

表示

内容

Line monitor interval (w)

伝送路を監視する間隔

Line monitor message output (m)

メッセージ出力までの連続監視回数

Cluster failover (l)

クラスタ切替えを行うまでの連続監視回数

Standby patrol interval (p)

待機パトロールの監視間隔

Standby patrol message output (o)

待機パトロール異常時のメッセージ出力までの連続監視回数

NIC switching mode (d)

NIC切替方式の待機インタフェースの非活性方法

NIC switching mode (d)

Unplumb

待機インタフェースを非活性化し、未使用状態にします。

Plumb

待機インタフェースを非活性化しIPアドレスに“0.0.0.0”を設定します。

Cluster failover in unnormality(c)

クラスタアプリケーション起動時、全伝送路に異常が発生した場合の動作

Cluster failover in unnormality(c)

ON

直ちにクラスタ切替えを行います。

OFF

クラスタアプリケーション起動時はクラスタ切替えは行いません。

Line status message output (s)

物理インタフェースの状態が変化した場合のメッセージ出力有無

Line status message output (s)

ON

メッセージを出力します。

OFF

メッセージを出力しません。

【関連項目】

hanetpoll

【注意事項】

【使用例】

<高速切替方式の場合の例>

(1) 伝送路監視間隔の設定例

5秒間隔で監視を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -w 5

(2) 伝送路異常検出時のメッセージ出力有無の設定例

通信相手に対し5回連続で監視異常を検出した際にメッセージ出力を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -m 5

(3) クラスタ切替え有無の設定例

通信相手と5回連続して監視が失敗した場合に、クラスタ切替えを行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -l 5

(4) クラスタアプリケーション起動時に全伝送路異常が発生していた場合の動作設定例

クラスタアプリケーション起動時、全伝送路異常の場合に、クラスタ切替えを行う場合のコマンド例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -c on

(5) 仮想インタフェースが使用している物理インタフェースの状態が変化した場合のメッセージ出力有無の設定例

仮想インタフェースが使用している物理インタフェースの状態が変化した場合に、メッセージ出力を行う場合のコマンド例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -s on

<NIC切替方式の場合の例>

(1) 待機パトロールの監視間隔の設定例

5秒間隔で監視を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -p 5

(2) 待機パトロール異常検出時のメッセージ出力有無の設定例

通信相手と5回連続で通信が行えない時にメッセージ出力を行う場合の例を示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -o 5

(3) 待機インタフェースの非活性方法変更の設定例(NIC切替方式の場合有効)

待機インタフェースを非活性化し、IPアドレスに“0.0.0.0”を設定する場合の例を示します。(上位アプリケーションに“INTERSTAGE Traffic Director”等を使用する場合、またはSolarisゾーンを使用する場合)

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam -d plumb

<全方式共通の例>

(1) 設定内容の表示例

hanetparamコマンドで設定した内容を表示します。

# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetparam print