【名前】
hanetconfig - 伝送路二重化機能の構成定義の設定・変更・削除・表示
【形式】
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig command [args]
【機能説明】
hanetconfig コマンドは、伝送路二重化機能の運用に必要な構成情報の設定、および設定内容の変更/削除/表示を行います。
command | 処理概要 | 実行権限 |
---|---|---|
create | 構成情報の作成 | スーパユーザ |
copy | 構成情報の複製 | スーパユーザ |
構成情報の表示 | 一般ユーザ | |
modify | 構成情報の変更 | スーパユーザ |
delete | 構成情報の削除 | スーパユーザ |
version | バージョンの表示 | 一般ユーザ |
(1) create コマンド
伝送路二重化機能を使用するためには、構成情報の作成を行わなければなりません。本情報は、create コマンドによって作成します。createコマンドでは、仮想インタフェース上に存在する複数の論理仮想インタフェースの情報も作成します。コマンドの実行形式は以下の通りです。
仮想インタフェース作成時
高速切替方式(IPv4): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create [inet] -n devicename -m t -i ipaddress -t interface1[,interface2,...] 高速切替方式(IPv6): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n devicename -m t -t interface1[,interface2,...] GS/SURE連携方式(物理インタフェース定義): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n devicename -m n -i ipaddress -t interface GS/SURE連携方式(仮想インタフェース定義): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n devicename -m c -i ipaddress -t interface1[,interface2,...] NIC切替方式(IPv4:論理IPアドレス引継ぎ機能): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create [inet] -n devicename -m d -i ipaddress1 -e ipaddress2 -t interface1[,interface2] NIC切替方式(IPv6:論理IPアドレス引継ぎ機能): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n devicename -m d -i ipaddress/prefix -t interface1[,interface2] NIC切替方式(物理IPアドレス引継ぎ機能): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n devicename -m e -i ipaddress1 [-e ipaddress2] -t interface1[,interface2] 待機パトロール機能(異常発生時自動切戻し、または即時自動切戻し): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n devicename -m {p | q} [-a MAC_address] -t interface |
論理仮想インタフェース作成時
高速切替方式(IPv4): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create [inet] -n devicename -i ipaddress 高速切替方式(IPv6): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n devicename -i ipaddress/prefix |
仮想インタフェースに設定するIPアドレスの形式を指定します。
inet | : IPv4アドレス |
省略時は、inetが指定されたものとして処理されます。本オプションは、他のオプションに先立ち、最初(createの文字列の直後)に指定する必要があります。
本オプションは、高速切替方式(運用モード’t’)またはNIC切替方式(論理IPアドレス引継機能の運用モード”d”)の場合のみ有効です。
新規に作成する構成情報の仮想インタフェース名、または論理仮想インタフェース名を指定します。仮想インタフェース名は、”sha”の文字列に数値(0~255)を付けた形式 (例えば、sha0、sha10等) で指定してください。また、論理仮想インタフェース名は、“仮想インタフェース名:数値(2~64)”の形式 (例えば、sha0:2、sha10:5等) で指定してください。この形式以外を指定した場合はメッセージが出力され、本コマンドは異常終了します。なお、論理仮想インタフェースは運用モード”t”の場合のみ設定する事ができます。
運用モード(伝送路二重化方式の種別)を指定します。devicenameが論理仮想インタフェースの場合は、対応する仮想インタフェースの運用モードと同じになります。
高速切替方式を使用する場合に指定します。本モードにより、高速切替方式で使用する仮想インタフェースが作成されます。
GS/SURE連携方式を使用する場合に指定します。本モードにより、GS/SURE連携方式における物理インタフェース(実際に通信に使用されるインタフェース)が作成されます。
GS/SURE連携方式を使用する場合に指定します。本モードにより、運用モード”n”で作成した物理インタフェースを束ねた仮想インタフェースが作成されます。
NIC切替方式において論理IPアドレス引継ぎを行う場合に指定します。本運用モードでは、物理IPアドレスおよび論理IPアドレスを活性化します。
NIC切替方式において物理IPアドレス引継ぎを行う場合に指定します。本運用モードでは、論理IPアドレスは使用しません。
NIC切替方式の待機パトロール機能を使用して、異常発生時に自動切戻しを行う場合に指定します。本運用モードでは、NIC切替え後に旧運用系NICが復旧した場合、自動的に待機NICとして組込み、現在使用しているNICで異常が発生した場合、旧運用NICへ切戻しを行います。
NIC切替方式の待機パトロール機能を使用して、即時自動切戻しを行う場合に指定します。本運用モードでは、NIC切替え後に旧運用系NICが復旧した場合、直ちに切戻しを行います。
以下に各運用モードで指定可能なオプションの一覧を示します。
運用モード | 指定パラメタ | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
inet|inet6 | -n | -i | -e | -a | -t | |
‘t’(高速切替方式) | ○ | ○ | ○(*8) | × | × | ○(*1) |
‘n’(GS/SURE連携方式(物理インタフェース定義)) | × | ○ | ○ | × | × | ○(*2) |
‘c’(GS/SURE連携方式(仮想インタフェース定義)) | × | ○ | ○ | × | × | ○(*3) |
‘d’(NIC切替方式(論理IPアドレス引継ぎ機能)) | ○ | ○ | ○ | ○(*6) | × | ○(*4) |
‘e’(NIC切替方式(物理IPアドレス引継ぎ機能)) | × | ○ | ○ | ○(*7) | × | ○(*4) |
‘p’(待機パトロール機能(異常発生時自動切戻し)) | × | ○ | × | × | ○(*9) | ○(*5) |
‘q’(待機パトロール機能(即時自動切戻し)) | × | ○ | × | × | ○(*9) | ○(*5) |
記号説明) ○:必須パラメタ、×:不要パラメタ
*1: 物理インタフェース名を指定します。(運用モード"t"の場合は同一の物理インタフェース名を指定することができます。)指定可能な物理インタフェース数は1~8つです。
*2: 他の運用モードで指定していない物理インタフェース名を1つのみ指定します。
*3: 運用モード"n"で作成したインタフェース名を指定します。指定可能なインタフェース数は2~8つです。
*4: 他の運用モードで指定していない物理インタフェースを指定します。指定可能な物理インタフェース数は1~2つです。
*5: 運用モード"d"または”e”で指定した仮想インタフェース名を1つのみ指定します。
*6: アドレス形式にinet6を設定した場合には指定できません。
*7: シングルシステムで物理IPアドレス引継ぎ機能を使用する場合、もしくはクラスタシステムで物理IPアドレス引継ぎ機能II(待機ノードでインタフェースを活性化しない)を使用する場合には本パラメタを省略することができます。
*8: アドレス形式にinet6を設定した場合は、論理仮想インタフェース作成時のみ指定できます。
*9: 省略した場合でも、MACアドレスは自動的に設定されます。
仮想インタフェースまたは論理仮想インタフェース(-nオプションで指定されたdevicename)に割り当てるホスト名またはIPアドレスを指定します。指定可能なホスト名は16文字以内です。ここで指定するIPアドレスまたはホスト名は、/etc/inet/hostsファイル(IPv4の場合)や/etc/inet/ipnodesファイル(IPv4,IPv6の場合)に定義されていなければなりません。なお、論理仮想インタフェースにIPアドレスを割り当てる場合は、必ず対応する仮想インタフェースと同一のサブネットを指定してください。異なるサブネットを指定した場合、通信できない場合があります。
“/”(スラッシュ)に続けて、ipaddress1のprefix長を指定します。指定可能範囲は、0~128です。本パラメタは、ipaddress1にIPv6アドレスまたは/etc/inet/ipnodesファイルに定義されているホスト名を指定する場合のみ必要です。IPv4アドレスの場合は指定できません。
物理インタフェースに割り当てるIPアドレスまたはホスト名を指定します。ここで指定するIPアドレスまたはホスト名はIPv4形式のみ設定可能で、/etc/inet/hostsファイルおよび/etc/inet/ipnodesファイルに定義されていなければなりません。
本オプションは、アドレス形式がIPv4アドレスの場合のみ指定できます。(アドレス形式がIPv6アドレスの場合には、リンクローカルアドレスが自動的に割り当てられるため、指定する必要はありません。)
なお、NIC切替方式(運用モード”d”または”e”)の場合にのみ設定します。
クラスタ運用時、NIC切替方式(運用モード”e”)のインタフェースを待機ノードで活性化しない場合は、省略することができます。
仮想インタフェースによって束ねられるインタフェース名を‘,’で区切ってリスト形式で指定します。
GS/SURE連携方式(運用モード”c”)または待機パトロール機能(運用モード”p”または”q”)を設定する場合には、仮想インタフェース名 (例えば、sha1,sha2等) を指定します。
GS/SURE連携方式(運用モード”c”)または待機パトロール機能(運用モード”p”または”q”)以外の設定を行う場合には、物理インタフェースのインタフェース名 (例えば、eri0やhme0)またはタグVLANインタフェースのインタフェース名(例えば、ce1000やfjgi1000)を指定します。
待機NICに割り当てるMACアドレスを、XX:XX:XX:XX:XX:XXの形式(Xは0~Fの16進数)で指定します。
運用NICと待機NICのMACアドレスが同一の環境ではローカルMACアドレス (02:XX:XX:XX:XX:XX : 先頭の02はローカルMACアドレスであることを表します)を指定してください。運用NICと待機NICのMACアドレスが異なる環境ではNICに設定されているグローバルアドレスがそのまま使用されるよう 0:0:0:0:0:0 を指定してください。
本オプションを省略した場合、運用NICと待機NICのMACアドレスが同一の環境ではグローバルアドレスを基にしたローカルMACアドレスが、MACアドレスが異なる環境では0:0:0:0:0:0が、自動的に設定されます。
注意
MACアドレスは同一LAN上に接続された他のノードと重複しないようにしてください。ノード間でMACアドレスが重複した場合、正常動作は保証されません。
Oracle VM 環境で仮想ネットワーク(vsw, vnet)を冗長化する場合は、OSにより生成された仮想MACアドレスをそのまま使用する必要がありますので、MACアドレスの値は 0:0:0:0:0:0 としてください。
以下の場合、-a オプションは使用できません。
Solaris 11で、タグVLANインタフェースを束ねている仮想インタフェースに待機パトロールを設定する場合
排他的IP構成のノングローバルゾーンで、仮想インタフェースに待機パトロールを設定する場合
(2) copy コマンド
他の構成情報(NIC切替方式(運用モード”d”)の仮想インタフェース)で使用しているNICを共有して別の構成情報を作成する場合に使用します。これにより、物理インタフェースに割り当てるIPアドレスと、仮想インタフェースによって束ねられるインタフェース名および運用モードを指定することなく、自動的にコピー元の情報を流用して構成情報を新規に作成することができ、hanetconfig create を直接実行する場合より操作が簡単になります。
なお、本コマンドはNIC切替方式(運用モード”d”)の仮想インタフェースに対してのみ使用できます。
コマンドの実行形式は以下の通りです。
IPv4の仮想インタフェースから、IPv4の仮想インタフェースを複製する場合
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy [inet] -n devicename1,devicename2 -i ipaddress |
IPv6の仮想インタフェースから、IPv4の仮想インタフェースを複製(デュアルスタック構成)する場合
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy [inet] -n devicename1,devicename1 -i ipaddress1 -e ipaddress2 |
IPv6の仮想インタフェースから、IPv6の仮想インタフェースを複製する場合
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n devicename1,devicename2 -i ipaddress/prefix |
IPv4の仮想インタフェースから、IPv6の仮想インタフェースを複製(デュアルスタック構成)とする場合
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n devicename1,devicename1 -i ipaddress/prefix |
複写先の仮想インタフェースに設定するIPアドレスの形式を指定します。
inet | : IPv4アドレス |
省略時は、inetが指定されたものとして処理されます。本オプションは、他のオプションに先立ち、最初(copyの文字列の直後)に指定する必要があります。
複写元の仮想インタフェース名を指定します。ここで指定できる仮想インタフェースは、NIC切替方式(運用モード”d”)の仮想インタフェース名のみです。
複写先の仮想インタフェース名を指定します。IPv4/IPv6デュアルスタック構成とする場合は、複写元と同じ仮想インタフェース名(devicename1)を指定します。
devicename2で指定された複写先の仮想インタフェースに割り当てるホスト名またはIPアドレスを指定します。設定方法の詳細は、createコマンドの-iオプションを参照してください。
物理インタフェースに割り当てるIPアドレスまたはホスト名を指定します。本オプションは、IPv6の仮想インタフェースから、IPv4の仮想インタフェースを複製(デュアルスタック構成)する場合に必要です。設定方法の詳細は、createコマンドの-eオプションを参照してください。
(3) print コマンド
作成した構成情報の内容をprintコマンドによって表示することができます。コマンドの実行形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print [-n devicename1[,devicename2,...]] |
構成情報を表示する仮想インタフェース名または論理仮想インタフェース名を指定します。
本オプション省略時は、設定されているすべての仮想インタフェースおよび論理仮想インタフェースの構成情報を表示します。
以下に構成情報の表示例を示します。
[IPv4,Patrol] Name Hostname Mode MAC Adder/Phys ip Interface List +-----------+---------------+----+-----------------+---------------------------+ sha0 hostA t hme0,hme1 sha12 - p 02:00:00:00:00:01 sha11 sha2 hostC d fjgi1000,fjgi1001 sha3 - p 02:00:00:00:00:10 sha2 [IPv6] Name Hostname/prefix Mode Interface List +-----------+---------------------------------+----+---------------------------+ sha10 - t qfe0,qfe1 sha10:2 hostB/64 sha11 fec0:1::123/64 d qfe2,qfe3 |
表示 | 内容 | |
---|---|---|
[IPv4,Patrol] | IPv4および待機パトロールの仮想インタフェース情報を表示 | |
[IPv6] | IPv6の仮想インタフェース情報を表示 | |
[IPv4,Patrol] | Name | 仮想インタフェース名 |
Hostname | 仮想インタフェースに設定されたホスト名またはIPアドレス | |
Mode | 仮想インタフェースの運用モード(詳細は createコマンドの-mオプションを参照してください。) | |
MAC Adder/Phys ip | 待機パトロールで使用するローカルMACアドレス、または仮想インタフェースに設定された物理IPアドレス | |
Interface List | GS/SURE連携方式(運用モード"c")または待機パトロール機能(運用モード"p"または"q")の場合は、仮想インタフェース名。それ以外の場合には物理インタフェース名(例えば、hme0やeri0) | |
[IPv6] | Name | 仮想インタフェース名 |
Hostname/prefix | 仮想インタフェースのホスト名またはIPアドレスおよびprefix値 | |
Mode | 仮想インタフェースの運用モード(詳細は createコマンドの-mオプションを参照してください。) | |
Interface List | GS/SURE連携方式(運用モード"c")または待機パトロール機能(運用モード"p"または"q")の場合は、仮想インタフェース名。それ以外の場合には物理インタフェース名(例えば、hme0やeri0) |
(4) modify コマンド
構成情報の内容を変更する場合は、modifyコマンドを使用します。コマンドの実行形式は以下の通りです。
仮想インタフェースの構成情報を変更する場合
高速切替方式(IPv4): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify [inet] -n devicename {[-m {r | b}] [-i ipaddress1] [-t interface1[,interface2,...]]} 高速切替方式(IPv6): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify inet6 -n devicename -t interface1[,interface2,...] GS/SURE連携方式(物理インタフェース定義): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n devicename {[-i ipaddress] [-t interface]} GS/SURE連携方式(仮想インタフェース定義): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n devicename {[-i ipaddress] [-t interface1[,interface2,...]]} NIC切替方式(IPv4:論理IPアドレス引継ぎ機能): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify [inet] -n devicename {[-i ipaddress1] [-e ipaddress2] [-t interface1[,interface2]]} NIC切替方式(IPv6:論理IPアドレス引継ぎ機能): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify inet6 -n devicename {[-i ipaddress1/prefix] [-t interface1[,interface2]]} NIC切替方式(物理IPアドレス引継ぎ機能): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n devicename {[-i ipaddress1] [-e ipaddress2] [-t interface1[,interface2]]} 待機パトロール機能(異常発生時自動切戻し、または即時自動切戻し): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n devicename {[-a MAC_Address] [-t interface1]} |
論理仮想インタフェースの構成情報を変更する場合
高速切替方式(IPv4): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify [inet] -n devicename -i ipaddress 高速切替方式(IPv6): /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify inet6 -n devicename -i ipaddress/prefix |
変更する仮想インタフェースに設定するIPアドレスの形式を指定します。
inet | : IPv4アドレス |
省略時は、inetが指定されたものとして処理されます。本オプションは、他のオプションに先立ち、最初(modifyの文字列の直後)に指定する必要があります。
本オプションは、高速切替方式(運用モード”t”)またはNIC切替方式(論理IPアドレス引継機能の運用モード”d”)の場合のみ有効です。
構成情報を変更する仮想インタフェース名または論理仮想インタフェース名を指定します。このパラメタは必須です。
仮想インタフェースの運用モード(高速切替方式)を変更する場合に指定します。変更できる運用モードはt(高速切替方式)です。
仮想インタフェースまたは論理仮想インタフェース(-nオプションで指定されたdevicename)に割り当てるホスト名またはIPアドレスを変更する場合に指定します。設定方法の詳細は、createコマンドの-iオプションを参照してください。
物理インタフェースに割り当てるIPアドレスを変更する場合に指定します。本オプションは、NIC切替方式(運用モード”d”または”e”)の場合にのみ指定できます。設定方法の詳細は、createコマンドの-eオプションを参照してください。
仮想インタフェースによって束ねられるインタフェース名を変更する場合に‘,’で区切ってリスト形式で指定します。設定方法の詳細は、createコマンドの-tオプションを参照してください。
なお、仮想インタフェースの構成がデュアルスタックの場合は、束ねたインタフェース名を変更することはできません。
待機パトロール機能で使用するローカルMACアドレスを変更する場合に指定します。本オプションは、運用モード”p”または”q”の場合にのみ指定できます。
設定方法の詳細は、createコマンドの-aオプションを参照してください。
(5) delete コマンド
構成情報を削除する場合はdeleteコマンドを使用します。コマンドの実行形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig delete [inet | inet6] -n {devicename1[,devicename2,...] | all} |
削除する仮想インタフェースのIPアドレスの形式を指定します。
inet | : IPv4アドレス |
省略時は、inetが指定されたものとして処理されます。本オプションは、他のオプションに先立ち、最初(deleteの文字列の直後)に指定する必要があります。
本オプションは、高速切替方式(運用モード”t”)またはNIC切替方式(論理IPアドレス引継機能の運用モード”d”)の場合のみ有効です。
削除する構成情報の仮想インタフェース名(sha0、sha1など)または論理仮想インタフェース名(sha0:2、sha1:10など)を指定します。
アドレス形式ごとに、定義されているすべての仮想インタフェースおよび論理仮想インタフェースを削除します。IPv4とIPv6の2つのアドレス形式が定義されている場合、一度に両方を削除することはできません。それぞれのアドレス形式を指定して別々にコマンドを実行してください。
(6) version コマンド
本製品のバージョンを表示します。コマンドの実行形式は以下の通りです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig version |
以下にバージョン情報の表示例を示します。
HA-Net version 2.7 |
【注意事項】
論理仮想インタフェースを定義する場合は、必ずその論理仮想インタフェースが属する仮想インタフェースの定義も行ってください。
(例えば、sha2:2の論理仮想インタフェースを定義する場合には、sha2を定義する必要があります。)
論理仮想インタフェースを定義する場合、必須項目以外の入力項目(論理仮想インタフェースで使用する物理インタフェース名および運用モード)は仮想インタフェースで指定された値が設定されるため、論理仮想インタフェースの定義において設定する事はできません。
論理仮想インタフェースの論理番号に2から64以外を指定する事はできません。
仮想インタフェースの新規追加は他の仮想インタフェースが活性化状態でも定義する事ができます。ただし、活性化状態の仮想インタフェースに新規に論理仮想インタフェースを追加する事はできません。この場合、該当する仮想インタフェースを非活性化してから論理仮想インタフェースを追加します。
HUB監視が設定されている場合には、該当する構成情報を削除する事はできません。先にHUB監視機能の該当する情報を削除してから構成情報を削除してください。
GS/SURE連携方式(運用モード"n")で指定する物理インタフェースは通常のTCP/IPで使用する定義をしてはいけません。(/etc/hostname.interfaceファイルの有無を確認してください。存在する場合には、変名または削除を行い、"/usr/sbin/ifconfig interface unplumb"コマンドを実行してください。)
構成情報の作成、複製、変更、削除時に指定する、IPアドレス、またはホスト名は、必ず/etc/inet/hosts(IPv4時)または/etc/inet/ipnodes(IPv4,IPv6時)に定義してください。
NIC切替方式で束ねるNICを共有して複数の仮想インタフェースを作成した場合には、それぞれの仮想インタフェースに対して待機パトロールを設定する必要はありません。
ホスト名として数字列を指定した場合は、10進数として扱われ、その数値に対応したIPアドレスに変換され動作します。(例えば、"123456"を指定した場合、IPアドレス"0.1.226.64"が指定されたものと見なされます。)
高速切替方式(運用モード"t")を構成する物理インタフェースは、仮想インタフェースの定義を行う前に、必ず、TCP/IPで使用するための定義を行ってください。(/etc/hostname.interfaceファイルの有無を確認し、存在しない場合は作成して再ブートしてください。)
本コマンドでホスト名またはIPアドレスを設定する箇所にホスト名を指定した場合、/etc/inet/hostsおよび/etc/inet/ipnodesファイル等のホストデータベース上の該当するホスト名を変更することはできません。ホスト名情報を変更する場合は、該当ホスト名を使用する伝送路二重化機能の定義を一旦削除し、再設定する必要があります。
IPv6アドレスを使用する場合、createコマンドの-iオプションで設定するIPアドレスは、IPv6プロトコルによるアドレス自動構成の対象とはなりません。このため、prefixおよびprefix長には、接続されるネットワーク上のIPv6ルータで設定されているものと同一のものを指定してください。また、IPアドレスフィールド内の“インタフェースID”については、他のシステムと重複しない値を設定してください。
高速切替方式の仮想インタフェースをIPv4とIPv6のデュアルスタック構成とした場合、束ねた物理インタフェースをmodifyコマンドの-tオプションで変更することはできません。変更する場合は、一旦該当する仮想インタフェースの構成情報を削除し、再度設定してください。
本コマンドで指定するホスト名には、文字列内に英数字、ピリオド、ハイフン以外を使用することはできません。英数字、ピリオド、ハイフン以外を使用している場合、/etc/inet/hostsおよび/etc/inet/ipnodesファイル等のホストデータベース上の該当するホスト名を変更して、英数字、ピリオド、ハイフン以外を使用しないようにしてください。また、ホスト名の先頭と末尾には英数字を指定し、それ以外の文字を指定しないようにしてください。
タグVLANを使用する仮想インタフェースに対して待機パトロール機能を設定した場合は、同一物理回線を使用する他のタグVLANインタフェースでの通信に影響を与えないように、セカンダリインタフェースに対するローカルMACアドレスの設定が次回のシステム再起動時まで保留されます。このため、設定後に待機パトロール機能を有効とするためには、システムの再起動が必要です。
【使用例】
高速切替方式で2つの物理インタフェース(hme0とhme1)を束ねて仮想インタフェース(sha0)を生成し、仮想インタフェースにホスト名(hahost)を設定する場合の例を以下に示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m t -i hahost -t hme0,hme1 |
仮想インタフェース(sha0)上に、2つの論理仮想インタフェース(sha0:2とsha0:3)を定義する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m t -i hostf -t hme0,hme1 # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0:2 -i hostg # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0:3 -i hosth |
仮想インタフェース(sha0) が、物理インタフェース(hme0)を1つのみ束ねる場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m t -i hosti -t hme0 |
NIC切替方式で2つの物理インタフェース(hme0とhme1)を設定し、論理IPアドレス引継機能および待機パトロール機能(運用モード”p”)を使用する場合の例を示します。なお本設定の他にHUB監視機能を設定する必要があります。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i hostg -e hosth -t hme0,hme1 # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m p -a 02:00:00:00:00:01 -t sha0 |
NIC切替方式で2つの物理インタフェース(hme0とhme1)を設定し、物理IPアドレス引継機能および待機パトロール機能(運用モード”p”)を使用する場合の例を示します。なお本設定の他にHUB監視機能を設定する必要があります。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m e -i hosti -t hme0,hme1 # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m p -a 02:00:00:00:00:01 -t sha0 |
GS/SURE連携方式で2つの物理インタフェース(hme0とhme1)を束ねる場合の例を示します。なお、GS/SURE連携方式では、先にGS/SURE連携方式(運用モード"n")でそれぞれの物理インタフェースを設定し、その後GS/SURE連携方式(運用モード"n")で作成した仮想インタフェースを束ねてGS/SURE連携方式(運用モード"c")を設定する必要があります。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m n -i hostd -t hme0 # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha2 -m n -i hoste -t hme1 # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m c -i hostf -t sha1,sha2 |
NIC切替方式で2つの物理インタフェース(hme0とhme1)を設定し、IPv6アドレスによる論理IPアドレス引継機能を使用する場合の例を示します。なお、本設定の他にHUB監視機能を設定する必要があります。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m d -i fec0:1::1/64 -t hme0,hme1 または # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m d -i hostg/64 -t hme0,hme1 |
高速切替方式で2つの物理インタフェース(hme0とhme1)を設定し、IPv6アドレスによる仮想インタフェース(sha0)を作成する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create inet6 -n sha0 -m t -t hme0,hme1 |
NIC切替方式で2つのタグVLANインタフェース(fjgi1000とfjgi1001)を設定し、論理IPアドレス引継機能および待機パトロール機能(運用モード”p”)を使用する場合の例を示します。なお本設定の他にHUB監視機能を設定する必要があります。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i hostg -e hosth -t fjgi1000,fjgi1001 # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m p -a 02:00:00:00:00:01 -t sha0 |
仮想インタフェース(sha0)で束ねた物理インタフェース(hme0とhme1)を、他の物理インタフェース(hme2とhme3)に変更する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n sha0 -t hme2,hme3 |
仮想インタフェース(sha0)に定義した仮想IPアドレスを変更する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n sha0 -i hostc |
NIC切替方式で使用する待機NICに割り当てるローカルMACアドレスの値を変更する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n sha1 -a 02:00:00:00:00:01 |
NIC切替方式(運用モード”d”)の仮想インタフェース(IPv4のsha0)で使用するNICを、もう1つの仮想インタフェース(IPv4のsha2)で共有して使用する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy -n sha0,sha2 -i host4 |
NIC切替方式(運用モード”d”)の仮想インタフェース(IPv6のsha0)で使用するNICを、もう1つの仮想インタフェース(IPv4のsha0)で共有して使用する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy -n sha0,sha0 -i host4 -e hostp |
NIC切替方式(運用モード”d”)の仮想インタフェース(IPv6のsha0)で使用するNICを、もう1つの仮想インタフェース(IPv6のsha2)で共有して使用する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n sha0,sha2 -i host6/64 |
NIC切替方式(運用モード”d”)の仮想インタフェース(IPv4のsha0)で使用するNICを、もう1つの仮想インタフェース(IPv6のsha0)で共有して使用する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n sha0,sha0 -i host6/64 |
仮想インタフェース(IPv4のsha2)を削除する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig delete -n sha2 |
仮想インタフェース(IPv6のsha2)を削除する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig delete inet6 -n sha2 |
論理仮想インタフェース(sha0:2)を削除する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig delete -n sha0:2 |
論理仮想インタフェース(IPv6のsha0:2)を削除する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig delete inet6 -n sha0:2 |