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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.2 運用ガイド
FUJITSU Storage

1.2.5 ストレージの省電力運用

ETERNUS ディスクアレイには、MAID(Massive Arrays of Idle Disks)を応用したエコモードを設定できます。

ディスクドライブにアクセスしない時間帯に以下のどちらかの制御を行うことで、電力消費量を削減して環境に対する負荷を低減できます。

  1. ディスクドライブのスピンドル回転制御

  2. ディスクドライブ本体の電源制御

推奨はb.です。a.よりも効果的に電力消費量を削減できます。b.をサポートする装置は、「表1.2 ディスクドライブ本体の電源制御をサポートする装置」のとおりです。

表1.2 ディスクドライブ本体の電源制御をサポートする装置

装置名

対応ファームウェアの版数

ETERNUS DX60 S3

全版数

ETERNUS DX100 S3/DX200 S3
ETERNUS DX500 S3/DX600 S3

V10L20以降

ETERNUS DX8700 S3/DX8900 S3

全版数

注意

ETERNUS DX200Fでは、エコモードの操作を実施できません。稼働Disk数・消費電力・温度の性能情報表示は可能です。

本製品では、ETERNUS ディスクアレイに対して、以下の機能を提供します。

エコモードの操作

Webコンソール、または運用管理サーバでのstorageadmコマンドの実行で、ETERNUS ディスクアレイのエコモードを操作できます。

参照

詳細は、「6.1.6 エコモードの操作方法」を参照してください。

稼働Disk数の性能情報表示

ETERNUS ディスクアレイに搭載されているディスクドライブのうち、以下のディスクドライブ数を、「稼働Disk数」として表示します。ETERNUS DX200Fの場合は、すべてのディスクドライブを「稼働Disk数」として表示します。

表1.3 稼働Disk数

ディスクドライブが所属するRAIDグループのエコモード設定

稼働Disk数

ディスクドライブのスピンドル回転制御

スピンドル回転が動作しているディスクドライブ数

ディスクドライブ本体の電源制御

電源が入っているディスクドライブ数

エコモード未設定

電源が入っているディスクドライブ数 (注)

注: 以下のETERNUS ディスクアレイでは、スピンドル回転が動作しているディスクドライブ数を稼働Disk数として表示します。

装置名

対応ファームウェアの版数

ETERNUS DX60/DX80/DX90
ETERNUS DX S2 series

全版数

ETERNUS DX100 S3/DX200 S3
ETERNUS DX500 S3/DX600 S3

V10L20未満

稼働Disk数の性能情報により、省電力運用の効果を容易に確認できます。

参照

詳細は、「7.2.6.5 稼働Disk数・消費電力・温度の性能情報表示」を参照してください。

消費電力、温度の性能情報表示(ETERNUS DX60/DX80/DX90, DX S2 series, DX S3 series, ETERNUS DX200Fだけ)

ETERNUS ディスクアレイの装置全体の使用電力を、「消費電力」として表示します。
ETERNUS ディスクアレイの周辺温度(ファンの吸気温度)を、「温度」として表示します。
消費電力の性能情報により、省電力運用の効果を容易に確認できます。
温度の性能情報により、装置周辺の空調効果が容易に確認できます。

参照

詳細は、「7.2.6.5 稼働Disk数・消費電力・温度の性能情報表示」を参照してください。

エコモードを使ったストレージ運用における留意事項

エコモードを使ったストレージ運用を行う場合は、事前に以下について把握しておく必要があります。

エコモードの制御単位

エコモードを制御できる単位は、RAIDグループです。このため、複数の異なる業務(種別、運用時間帯など)で1つのRAIDグループを使う場合、業務の運用形態によっては、そのRAIDグループのディスクドライブを停止できないことがあります。エコモードを使ったストレージ運用の設計では、RAIDグループと業務の関係を考慮してください。

エコモードの操作ができないRAIDグループ

以下のRAIDグループは、エコモードの操作ができません。

  • システムディスクを含むRAIDグループ

  • NAS用ディスク領域に設定したRAIDグループ

  • メインフレームボリューム、MVVボリューム、またはMVV Concatenationボリュームが登録されているRAIDグループ

  • ボリュームが登録されていないRAIDグループ

  • SSDで構成されたRAIDグループ

  • シン・プロビジョニングで使用されているRAIDグループ

  • Flexible Tierで使用されているRAIDグループ

  • REC Diskバッファーに属するRAIDグループ

  • ロジカル・デバイス・エクスパンション実行中に作成される作業用RAIDグループ

ディスクドライブの停止

ETERNUS ディスクアレイ内では、ディスクドライブの停止処理は、ディスクドライブへのアクセスが一定時間(30分)ないことを確認してから行われます。このため、本製品で“停止指示”してから実際にディスクドライブが停止するまで、一定時間以上かかります。

ETERNUS ディスクアレイ側でRAIDグループやボリュームなどの構成変更中、またはディスクドライブへアクセスするアドバンスト・コピー機能動作中は、ディスクドライブの稼働を継続します。このため、本製品で“停止指示”していても、ディスクドライブが停止しないことがあります。ディスクドライブが停止するのは、ETERNUS ディスクアレイ内での一連の動作が完了したあとです。

ディスクドライブの起動

停止しているディスクドライブにアクセスした場合、ETERNUS ディスクアレイはそのディスクドライブを直ちに起動しますが、アクセスを受け付けられる状態になるまで、1~3分程度かかります。

ディスクドライブの継続稼働

ETERNUS ディスクアレイ内では、1日におけるディスクドライブの起動開始処理が一定回数(3回)を超えた場合は、そのディスクドライブへのアクセス頻度が高いと判断し、ディスクドライブの稼働を継続します。このため、本製品で“停止指示”をしても、ディスクドライブの状態が“停止状態”から“動作状態”に遷移したあと、アクセスがなくなっても“停止状態”に遷移しないことがあります。
なお、1日におけるディスクドライブの起動開始処理の回数は、装置の時刻が0時0分になると0回にリセットされます。