Interstageでは、サービスごとに定義ファイルを設定する必要があります。各サービスには、運用形態を指定することにより使用可能となるサービスと、運用形態の指定に依存しないサービスがあります。
Interstageの環境設定では、以下の項目を決定して、各サービスの定義ファイルに必要な定義および設定などの情報を自動的に設定することができます。
システム規模(接続クライアント数)
運用形態(サーバマシン上で動作させるサービス)
Interstageの環境設定の手順について以下に説明します。
注意
すでにIJServerを作成している場合は、そのIJServerにおいてSSLを使用しているかを確認してください。IJServerにおいてSSLを使用している場合は、Interstageの環境設定を行う前に、以下のどちらかの対処を行ってください。
Interstage管理コンソールの[システム] > [ワークユニット] > [IJServer名]の[環境設定]タブで、SSLを使用しないように設定します。
Interstage管理コンソールの[システム] > [ワークユニット]の[状態]タブで、IJServerを削除します。
■運用手順(概要)
環境変数を設定します(「環境変数の設定」参照)。
Interstageシステム定義ファイルを生成します(「Interstageシステム定義ファイルの生成」参照)。
Interstageシステム定義ファイルを登録します(「Interstageシステム定義ファイルの登録」参照)。
各サービスの環境定義のカスタマイズを行います(「各サービスの環境定義のカスタマイズ」参照)。
Interstageの初期化対象サービスを決定します(「Interstageの初期化対象サービスの決定」参照)。
運用形態を決定します(「運用形態の決定」参照)。
Interstage動作環境定義によりカスタマイズを行います(「Interstage動作環境定義によるカスタマイズ」参照)。
Interstageを初期化します(「初期化の実行」参照)。
ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを設計します(「ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリの設計」参照)。
■運用手順(詳細)
(1) 環境変数の設定
Interstageを運用するために必要な環境変数を設定します。
Interstageでは、環境変数を設定する支援ツールとして、以下のシェルスクリプトを提供しています。
/opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.sh
/opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.csh
上記の支援ツールを使用して環境変数を設定する方法を以下に示します。
運用する各端末において、ドットコマンドを使用してsetISASEnv.shを実行します。
./opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.sh
運用する各端末において、sourceコマンドを使用してsetISASEnv.cshを実行します。
source /opt/FJSVisas/bin/setISASEnv.csh
各支援ツールの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「環境変数設定ツールについて」を参照してください。
注意
支援ツールを使用した環境変数は、/etc/profileに設定しないでください。設定すると、Interstageのアンインストール後のOS起動時に失敗する可能性があります。
(2) Interstageシステム定義ファイルの生成
Interstageシステム定義ファイルとは、Interstageのシステム情報を持つ定義ファイルです。Interstageで必要な各サービスの環境定義ファイルの生成時に利用します。
接続クライアント数を参考にして、システム規模(isgendefコマンドのscale-value)を決定し、指定したシステム規模に応じて、isgendefコマンドでInterstageシステム定義ファイルを生成します。
ポイント
システム規模(isgendefコマンドのscale-value)を決定します。
isgendef コマンドのscale-value | 接続クライアント数 | |
---|---|---|
small | 1~5 | 1~50 |
moderate | 6~10 | 51~100 |
large | 11~50 | 101~500 |
super | 51~100 | 501~1000 |
例
システム規模「large」でInterstageシステム定義を生成する場合
isgendef large
isgendefコマンドにより生成されたInterstageシステム定義ファイルの格納先を以下に示します。
C:\Interstage\td\etc\isdef\isconf.txt
/opt/FSUNtd/etc/isdef/isconf.txt
/opt/FJSVtd/etc/isdef/isconf.txt
注意
すでにInterstage環境の初期化を行っている状態でisgendefコマンドを実行すると、次回isinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスが再度セットアップされます。このとき、すでに登録されたワークユニット定義が削除されるため、ワークユニット定義を再登録してください。
多階層モデルで構築したシステムでは、接続クライアント数の決定時に注意する点があります。詳細については、「トラブルシューティング集」の「コンポーネントトランザクションサービス使用時の異常」-「アプリケーション処理要求時の異常発生時の対処」の「多階層システムにおけるアプリケーション間連携時に処理要求が無応答となる」を参照してください。
システム規模に合わせてオペレーティングシステムをカスタマイズする必要があります。カスタマイズの詳細については、「チューニングガイド」を参照してください。
(3) Interstageシステム定義ファイルの登録
isregistdefコマンドで、システムにInterstageの初期化や各サービスの起動時に参照するInterstageシステム定義ファイルを登録します。
isregistdef
Interstageシステム定義の内容に応じて以下の定義ファイルが生成され、それぞれ決められたディレクトリ配下に登録されます。
Interstage動作環境定義
Interstage初期化時(isinitコマンド実行時)に参照されます。
各サービスの環境定義
各サービスの起動時に参照されます。
CORBAサービスの動作環境ファイル
データベース連携サービスの環境定義
コンポーネントトランザクションサービスの環境定義
登録される定義ファイルを以下に示します。
定義ファイル | 登録されるファイル |
---|---|
Interstage動作環境定義 |
|
CORBAサービスの動作環境ファイル |
|
データベース連携サービスの環境定義 |
|
|
|
注意
isregistdefコマンドを実行する場合は、事前にInterstageを全強制停止モードで停止してください。
各サービスの環境定義およびInterstage動作環境定義に登録される値は、システム規模により異なります。
isregistdefコマンドおよび各定義ファイルに設定される値については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」、「付録E Interstage動作環境定義」、および「チューニングガイド」を参照してください。
設定値を変更する場合、およびisregistdefコマンド実行時のカスタマイズ値については、「付録E Interstage動作環境定義」、および「チューニングガイド」を参照してください。
(4) 各サービスの環境定義のカスタマイズ
以下の用途により、必要に応じて、各サービスの環境定義のカスタマイズを行います。
クライアント/サーバ間のアプリケーション連携を行うために、ネットワーク環境/ホスト情報を設定する場合
アプリケーション多重度、使用コネクション数など、アプリケーションが使用する資源に応じてチューニングを行う場合
アプリケーション処理時間に応じたタイムアウト監視時間を設定する場合
セキュリティ機能を使用する場合
保守機能を使用する場合
データベース連携サービスが提供する機能の多重度を変更する場合
各トランザクションタイムアウト時間を変更する場合
異常時のリトライ回数を変更する場合
トレースログのサイズを変更する場合
JTS用のリソース管理プログラム起動時に使用するJDKを変更する場合
通信バッファをチューニングする場合
アクセス制御機能を使用する場合
セション情報管理機能を使用する場合
ユーザ認証機能を使用する場合
ラッパー連携で負荷抑制機能を使用する場合
注意
各サービスの環境定義およびInterstage動作環境定義の詳細については、「チューニングガイド」を参照してください。
isregistdefコマンドを実行する場合は、事前にInterstageを全強制停止モードで停止してください。
(5) Interstageの初期化対象サービスの決定
Interstage統合コマンドで運用するサービスを決定します。
Interstage統合コマンドで運用可能なサービスを以下に示します。
CORBAサービス
ネーミングサービス
インタフェースリポジトリ
EJB用インタフェースリポジトリ
コンポーネントトランザクションサービス
データベース連携サービス
イベントサービス
Interstage HTTP Server
(6) 運用形態の決定
初期化対象とするサービスを元に、運用形態を決定します。
運用形態には、以下の3種類があります。以下に含まれないサービスは、Interstage動作環境定義のカスタマイズにより使用有無を指定します。
TYPE1
CORBAサービス、ネーミングサービス、インタフェースリポジトリ、およびコンポーネントトランザクションサービスを初期化します。
TYPE2
TYPE1のサービスに加え、データベース連携サービスを初期化します。
TYPE3
CORBAサービスおよびコンポーネントトランザクションサービスを初期化し、ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリは、他のサーバで運用しているサービスを参照します。
また、Interstage動作環境定義の設定との組合せにより、ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリの両方、またはどちらか一方を初期化対象とすることができます。ネーミングサービスを初期化対象としない場合は、他のサーバで運用しているサービスを参照します。
サービスごとの運用形態とInterstage動作環境定義の関係を以下に示します。
| 運用形態 | Interstage | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
TYPE1 | TYPE2 | TYPE3 | |||
CORBAサービス | ◎ | ◎ | ◎ | - |
|
ネーミングサービス | ◎ | ◎ | △ | △ | TYPE3でも定義設定により初期化対象にできる (注1) |
インタフェースリポジトリ | ◎ | ◎ | △ | △ | TYPE3でも定義設定により初期化対象にできる (注2) |
コンポーネントトランザクションサービス | ◎ | ◎ | ◎ | - |
|
| × | ◎ | × | - | TYPE2でのみ使用できる |
イベントサービス | - | - | - | ○ | 定義設定で使用有無を指定 |
| - | - | - | ○ | 定義設定で使用有無を指定 |
◎:初期化対象
○:Interstage動作環境定義の設定により初期化対象とすることができる
△:リモートのサーバを参照する
×:初期化できない
-:指定方法がない
注1)ネーミングサービスを初期化した場合、拡張機能を使用する設定となります。
注2)EJB用インタフェースリポジトリの使用有無は、isinitコマンドのパラメタで指定します。初期化内容は、インタフェースリポジトリの設定に従います。
運用形態の指定に依存しないサービスを以下に示します。
イベントサービス
Interstage HTTP Server
これらのサービスの運用方法として、以下のどちらの方法で行うかを決定します。
Interstageとして統合した運用
運用形態で指定したサービスと共に、isstartコマンド、isstopコマンド、isstatコマンド、およびInterstage管理コンソールによる運用操作が可能です。
サービス単位の運用
各サービス単位に運用します。この場合、isstartコマンド、isstopコマンド、isstatコマンド、およびInterstage管理コンソールによる運用操作は行えません。
各サービスおよび機能の環境のセットアップや運用操作は、各サービスの機能を使用して行います。
Interstageとして統合した運用を行う場合は、初期化対象とするサービスに対して、Interstage動作環境定義のカスタマイズを行います。
Interstage動作環境定義ファイルを以下に示します。
C:\Interstage\td\etc\isreg\isinitdef.txt
/opt/FSUNtd/etc/isreg/isinitdef.txt
/opt/FJSVtd/etc/isreg/isinitdef.txt
(7) Interstage動作環境定義によるカスタマイズ
Interstage動作環境定義では、以下のカスタマイズを行うことができます。
上記以外にも、Interstage動作環境定義による各種カスタマイズを行うことができます。設定方法の詳細については、「付録E Interstage動作環境定義」を参照してください。
マシンにIPアドレス(またはホスト名)が複数設定されていて、CORBAサーバアプリケーションで使用するIPアドレスを限定して運用する場合に設定します。
たとえば、LANカードが複数あるマシン上で、1つのLANカードだけから要求を受け付けることが可能となります。また、サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスの生成時、ここで設定したホスト名のIPアドレスが組み込まれて、クライアントからの参照時に利用されます。
マルチシステム環境において、CORBAサービスを運用するホスト名でシステムを区別する場合、本定義項目はすべてのシステムで「Corba Host Name」にホスト名(IPアドレス)を指定する必要があります。
例
CORBA通信に使用するホスト名を「HOST1」とする場合
Corba Host Name=HOST1
CORBA通信で使用するポート番号を変更する場合に設定します。
デフォルトは、「8002」です。
本定義項目が設定されていない場合は、以下の定義項目の値が有効となります。
CORBAサービスの動作環境ファイル(config)の定義項目「IIOP_port」の設定値
/etc/servicesに定義したodserverのポート番号
a.とb.では、a.の設定値が優先されます。
例
CORBA通信に使用するポート番号を「8003」とする場合
Corba Port Number=8003
ロードバランスの使用有無を指定します。
例
ロードバランスを使用する場合
LBO USE=yes
CORBAサービスのSSLの使用有無、およびSSL通信に使用するポート番号を指定します。
また、イベントサービスは、動的生成したイベントチャネルでSSLを使用する場合に、「Event SSL」の定義を設定する必要があります。
SSLを使用する場合の設定方法については、「セキュリティシステム運用ガイド」の「CORBAサービスでSSLを利用する方法」-「CORBAサーバの環境設定」に説明されている手順に従って実施してください。本指定を行うと、手順の「configファイルの編集」を行う必要はありません。
例
SSLを使用する場合
SSL USE=yes SSL Port Number=4433 Event SSL=yes
Interstageの稼働状態監視モードを指定します。稼働状態監視モードとは、Interstageの運用中に、Interstageを構成するサービスが停止した場合の動作を定義するモードです。
稼働状態監視モードには、以下の2種類があります。
mode1
Interstageを構成するサービスが停止した場合は、Interstageを停止します。
mode2(省略値)
Interstageの運用中に、Interstageを構成する以下のサービスが停止した場合でも、Interstageの運用を続けます。その他のサービスが停止した場合は、Interstageを停止します。
ネーミングサービス
インタフェースリポジトリ
Interstage HTTP Server
ロードバランスオプション
Interstageの運用中に、以下のサービスを停止して定義を変更したあと、停止したサービスを再起動することにより、定義の変更操作が行えます。この場合、各サービスの起動/停止コマンドを使用して操作します。
Interstage HTTP Server
例
稼働状態監視モードに「mode1」を設定する場合
IS Monitor Mode=mode1
注意
Interstageのいずれか1つのサービスが停止した際に、Interstage自体を停止する場合は、「mode1」を選択してください。
運用形態が「TYPE3」の場合、ネーミングサービスとインタフェースリポジトリを、以下のように配置した運用を行うことができます。
他サーバで運用するネーミングサービスとインタフェースリポジトリを参照する。
他サーバで運用するネーミングサービスを参照する。
他サーバで運用するインタフェースリポジトリを参照する。
Interstage動作環境定義では、他サーバで運用しているネーミングサービス/インタフェースリポジトリを参照する場合に、そのサーバ名とポート番号を定義します。
例
以下の条件で設定する場合
ネーミングサービス:別サーバ「HostA」
インタフェースリポジトリ:別サーバ「HostA」
NS USE=remote NS Host Name=HostA NS Port Number=8002 IR USE=remote IR Host Name=HostA IR Port Number=8002
例
以下の条件で設定する場合
ネーミングサービス:別サーバ「HostA」
インタフェースリポジトリ:ローカルサーバ
NS USE=remote NS Host Name=HostA NS Port Number=8002 IR USE=local IR Host Name= IR Port Number=
例
以下の条件で設定する場合
ネーミングサービス:ローカルサーバ
インタフェースリポジトリ:別サーバ「HostA」
NS USE=local NS Host Name= NS Port Number= IR USE=remote IR Host Name=HostA IR Port Number=8002
注意
「TYPE3」でEJBサービスを使用する場合は、インタフェースリポジトリをローカルホスト上で運用する必要があります。Interstage動作環境定義に、インタフェースリポジトリをローカルホストで使用するように登録してください。詳細については、「付録E Interstage動作環境定義」を参照してください。
ネーミングサービス/インタフェースリポジトリが動作するサーバ上では、inithostファイルを編集しないでください。
ネーミングサービスとインタフェースリポジトリを別のサーバで使用する場合、ポート番号には同じ番号を指定してください。
inithostファイルに、他サーバのネーミングサービス/インタフェースリポジトリを参照する場合に指定する参照先サーバ名と同じサーバ名が定義されている場合は、inithostファイルに定義されているサーバ名を削除してください。
データベース連携サービスを使用する場合は、データベース連携サービスのセットアップモード、およびデータベース連携サービスに関する各種カスタマイズを行います。
セットアップモードでは、以下の2種類のセットアップから選択します。
OTSシステムが起動するセットアップ
リソース管理プログラムが動作するセットアップ
例
データベース連携サービスを使用する場合
OTS Path for system log=d:\otslog OTS Setup mode=sys
OTS Path for system log=/dev/rdsk/c1t0d0s7 OTS Setup mode=sys
イベントサービスの使用有無および各種カスタマイズを行います。また、Interstageの初期化完了後、essetcnfコマンドでイベントサービスの構成情報を変更することもできます。
例
イベントサービスを使用する場合
Event Service=yes Event Locale=SJIS Event maximum Process=2 Event maximum Connection=5 Event Auto Disconnect=no
注意
esmkchnlコマンドによりイベントチャネルを生成した後、Interstageを再度初期化する場合は、初期化前にesrmchnlコマンドによりイベントチャネルを削除してください。esrmchnlコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
ismodifyserviceコマンドでサービスを追加することもできます。詳細については、「C.5.5 サービスの追加/削除」を参照してください。
Interstage HTTP ServerをInterstage統合コマンドの操作対象とするかを指定します。
Interstage HTTP Serverで複数のWebサーバを運用している場合は、Interstageの起動と連動してすべてのWebサーバを起動します。Interstageの運用中に1つでもWebサーバが停止した場合は、稼働状態監視モードの設定に従って運用されます。
例
Interstage HTTP Serverを登録する場合
FJapache=yes
注意
Interstage HTTP Serverは、Interstage統合コマンドの運用操作の対象ではありません。「Interstage HTTP Server 運用ガイド」の「運用・保守」-「起動・停止」を参照して、Interstage HTTP Serverの運用操作を行ってください。
ismodifyserviceコマンドでサービスを追加することもできます。詳細については、「C.4 サービスの追加/削除」を参照してください。
(8) 初期化の実行
isinitコマンドを実行し、Interstageを初期化します。
isinit TYPE1 | TYPE2 | TYPE3 | type1 | type2 | type3 [ EJB | ejb ]
注意
EJBを使用する場合は、isinitコマンドに「EJB」を指定して実行してください。EJB用インタフェースリポジトリが初期化対象に加わります。
Interstageをマルチサーバで運用し、サーバ間でEJBアプリケーション連携を行う場合、連携するEJBアプリケーションが存在するサーバ群の中でネーミングサービスの存在するサーバは1台にしてください。
すでにInterstage環境が初期化された状態でInterstage動作環境定義の「TD path for system」を変更すると、次回isinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスの再セットアップが行われます。すでに登録されたワークユニット定義は削除されるため、ワークユニット定義を再登録してください。
システム規模や運用形態の変更時など、再初期化が必要な場合があります。詳細については、「再初期化の契機について」を参照してください。
Interstageの運用中に、Interstageを構成するサービスが終了した場合、Interstageは異常終了します。ただし、Interstage HTTP Serverなどは、稼働状態監視モードに従った動作となります。
ネーミングサービスを初期化した場合、ネーミングサービスは、拡張機能を使用する設定となります。
V2.0L20以前のInterstageで作成したアプリケーションを運用する場合、ネーミングサービスの拡張機能を使用しない設定にする必要があります。この場合、nsconfigファイルをカスタマイズして、ネーミングサービスの拡張機能を使用しない設定にしてください。nsconfigファイルの詳細については、「チューニングガイド」の「CORBAサービスの動作環境ファイル」-「nsconfig」を参照してください。
以下の場合に、再度初期化を行う必要があります。
システム規模を変更する場合
クライアント数の増加などにより、すでに指定されているシステム規模を変更する場合は、変更後に初期化します。手順の詳細については、「C.5.7 システム規模の変更」を参照してください。
運用形態を変更する場合
運用形態を変更する場合は、新しい運用形態を指定して初期化します。手順の詳細については、「C.5.6 システムの運用形態の変更」を参照してください。
定義を変更する場合
運用形態に応じて必要となるサービスの定義/Interstage動作環境定義を変更した場合、isinitコマンドにそれまでの運用形態と同じ運用形態を指定して初期化します。
一度初期化を行うと、システムに値が保存されるため、初期化を行わないと、Interstageは起動できません。
また、すでにInterstage環境が初期化された状態で、以下の操作を行った場合、その後のisinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスの再セットアップが行われます。この場合、すでに登録されたワークユニット定義が削除されるため、ワークユニット定義を再登録する必要があります。
isgendefコマンドを実行した。
Interstage動作環境定義の「TD path for system」を変更した。
isinitコマンドを実行したが、その結果がエラーとなった。
なお、Interstage動作環境定義の「Corba Host Name」を変更すると、Interstage統合コマンドのすべてのセットアップ対象資源が初期化されます。
(9) ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリの設計
ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリの配置には、以下のパターンがあります。
1台のサーバで運用する場合
ローカルサーバ上に、ネーミングサービスとインタフェースリポジトリを配置します。
運用形態は、「TYPE1」または「TYPE2」となります。
複数台のサーバで運用する場合(ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを複数台のサーバで共用する場合)
1台のサーバ上にネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを配置します。
残りのサーバは、ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを配置したサーバを、リモートで参照するように初期化します。
この場合の運用形態を以下に示します。
ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを1台のサーバに配置する場合
ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを配置するサーバは、「TYPE1」/「TYPE2」となります。残りのサーバは、「TYPE3」となります。
ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを別々のサーバに配置する場合
すべてのサーバが「TYPE3」となります。ただし、ネーミングサービス/インタフェースリポジトリを配置するサーバは、Interstage動作環境定義で、ローカルサーバ上にネーミングサービス/インタフェースリポジトリを配置するように定義します。
複数台のサーバで運用する場合(ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを複数台のサーバで共用しない場合)
ローカルサーバ上に、ネーミングサービスとインタフェースリポジトリを配置します。
運用形態は、「TYPE1」/「TYPE2」となります。