Interstage ディレクトリサービス資源のバックアップ手順について説明します。
リポジトリのデータベースとして、標準データベースを使用する場合と、RDBを使用する場合で、バックアップ方法が違います。
なお、クラスタ環境で、Interstage ディレクトリサービス資源のバックアップを行う場合は、「4.3.1 バックアップ手順(クラスタ環境の場合)」を参照してください。
標準データベースを使用する場合は、以下の手順で、バックアップコマンドを使用した「リポジトリのバックアップ方法」のみでバックアップします。
リポジトリのバックアップ
RDBを使用する場合は、Interstage ディレクトリサービス資源のうち、リポジトリデータはRDBが管理しています。
以下の手順で、バックアップコマンドを使用した「リポジトリのバックアップ方法」に加えて、RDBのバックアップ機能を利用して、「リポジトリデータのバックアップ方法」でリポジトリデータをバックアップする必要があります。
リポジトリのバックアップ
リポジトリデータのバックアップ
バックアップコマンド
Interstage ディレクトリサービス資源のリポジトリ、および標準データベースを使用する場合のリポジトリデータのバックアップには、以下のコマンドを使用します。コマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「バックアップコマンド」-「irepbacksys」を参照してください。
C:\Interstage\bin\irepbacksys.exe
/opt/FJSVirep/bin/irepbacksys
リポジトリのバックアップ方法
リポジトリ「rep001」の資源を「X:\Backup\irep\rep001_back」というディレクトリにバックアップする場合の操作例を以下に示します。
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リポジトリ「rep001」の資源を「/backup/irep/rep001_back.tar.gz」というファイルにバックアップする場合の操作例を以下に示します。
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リポジトリデータのバックアップ方法
バックアップ方法の詳細については、Symfoware Server Lite Editionのマニュアルを参照してください。
Symfoware/RDBが管理しているリポジトリデータのバックアップ方法の概要を示します。
バックアップ方法の詳細については、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。
ディスク上のデータベーススペース情報、およびディスク(ボリューム)の構成情報のバックアップ
データベース作成時に指定したデータベース名、データベーススペース情報一覧を作成して、ノートなどに記録し、保存します。さらに、ディスクの構成情報をバックアップします。
アーカイブログファイルの状態表示
アーカイブログ運用をしている場合は、アーカイブログファイルの使用状況を把握し、強制切替えや、破棄またはバックアップのタイミングを調整してください。
アーカイブログ運用を行っていない場合は、手順4へ進んでください。
アーカイブログファイルの強制切替え
RDBディクショナリ、およびDSIをバックアップする前に、アーカイブログファイルの強制切替えを行ってください。
RDBディクショナリ、およびDSIの更新抑止の設定
アーカイブログ運用をしていない場合は、取得するデータの矛盾を防止するために、RDBディクショナリ、およびDSIの退避データの取得前に、rdbrtrコマンドで、更新抑止の設定をしてください。テーブルのDSIの取得方法は、後述します。
アーカイブログ運用をしている場合は、この手順は不要です。手順5へ進んでください。
テーブルのDSI(データベース)のバックアップ
irepgendbコマンド、またはirepcrttblコマンドで作成したすべてのテーブルのDSIを、rdbdmpコマンドでバックアップします。テーブルのDSIの取得方法は、後述します。インデックスのDSIをバックアップする必要はありません。
RDBディクショナリのバックアップ
RDBディクショナリ、およびRDBディレクトリファイルの異常に備えて、rdbdmpdicコマンドでバックアップします。
アーカイブログのバックアップ
アーカイブログをバックアップするアーカイブログ運用をしている場合、rdblogコマンドでアーカイブログをバックアップします。
アーカイブログ運用をしていない場合、この手順は不要です。手順8へ進んでください。
RDBディクショナリおよびDSIの更新抑止の解除
アーカイブログ運用をしていない場合、手順4で設定した更新抑止を、rdbrlsコマンドで解除してください。
データベースのバックアップの流れ、詳細は、Symfoware Serverオンラインマニュアルのナビゲーションから「バックアップ・リカバリ」を参照してください。
irepgendbコマンド、またはirepcrttblコマンドで作成したテーブルのDSIの取得方法を示します。
irepgendbコマンド、またはirepcrttblコマンドで作成したテーブルのテーブル名をrdbprtコマンドで取得します。
# rdbprt -d DSDB(*1) -m DEF -p - SCHEMA(DSADMIN(*2)) Ctrl+Z(*3) : No. 1 Schema name ...... DSADMIN Database name ...... DSDB Creator ...... DSADMIN Created date ...... Tue Mar 7 08:37:06 2006 : : : Table information(*4) No. Table name Type : : : 10 IREP_TBL PROCEDURE : : :
*1) irepgendbコマンド、またはirepcrttblコマンドで指定したデータベース名
*2) irepgendbコマンド、またはirepcrttblコマンドで指定したスキーマ名
*3) Ctrl+Zは、Ctrlキーを押下しながら「Z」キーを押下します。EOF文字を意味します。この例では、Windows(R)の場合を示しています。Solaris、およびLinuxの場合には、EOF文字は、通常、Ctrl+Dに割り当てられています。
*4) テーブル情報は一例です。
DSIは、取得したテーブル名に固定の「_DSI」を付加します。以下にテーブルのDSIの形式を示します。
テーブル名_DSI (「_DSI」は固定) 例) テーブル名が「IREP_TBL」の場合、DSIは「IREP_TBL_DSI」になります。
Oracleデータベースが管理しているリポジトリデータのバックアップについては、EXPORTコマンドなどを使用して行います。
バックアップ方法の詳細については、Oracleデータベースのマニュアルを参照してください。
注意事項
Interstage管理コンソールで構築したInterstage証明書環境のSSLを使用している場合は、Interstage証明書環境資源をバックアップする必要があります。「4.4.14 Interstage証明書環境資源のバックアップ」を参照してInterstage証明書環境資源をバックアップしてください。
SMEEコマンドで構築した証明書/鍵管理環境のSSLを使用している場合は、以下の資源をバックアップ用ディレクトリに退避してください。なお、以下の資源についての情報はirepconfigコマンドで確認することができます。
スロット情報ディレクトリ(SSL環境定義ファイルのスロット情報ディレクトリ定義項目で指定したディレクトリ)
運用管理ディレクトリ(SSL環境定義ファイルの運用管理ディレクトリ定義項目で指定したディレクトリ)
irepbacksysコマンド実行前にリポジトリを停止してください。リポジトリを停止せずにバックアップを実行した場合、バックアップ中に更新されたエントリがバックアップ対象とならない場合があります。確実に全エントリをバックアップ対象としたい場合は、エントリが更新されていないことを確認の上、実施してください。
なお、運用上、リポジトリを停止することができない場合は、バックアップされた最新のファイルを利用して、ireprestsysコマンドの-lオプションを指定してバックアップ情報を出力してください。
例
ireprestsys -d X:\Backup\irep\rep001_back -l Date 2007-02-06,09:39:16 irepVL 4.0 OSname Win HostName host01 Option none Repository rep001 Database symfoware (注)
ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -l Date 2007-02-06,09:39:16 irepVL 4.0 OSname SunOS HostName host01 Option none Repository rep001 Database symfoware (注)
ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -l Date 2007-02-06,09:39:16 irepVL 4.0 OSname Linux HostName host01 Option none Repository rep001 Database symfoware (注)
注) リポジトリが使用するデータベースがRDBの場合にだけ出力されます。
出力された情報中にあるDate行の時刻を確認し、対象リポジトリのアクセスログ格納先にあるアクセスログを参照の上、その時刻以降のエントリ更新情報が存在しないことを確認してください。存在する場合は、再度バックアップを実行してください。アクセスログについては、「ディレクトリサービス運用ガイド」の「リポジトリの運用監視」を参照してください。
irepadminコマンドで設定したRDBとの依存関係の設定は、バックアップの対象外です。
irepbacksysコマンド実行後に作成されるファイル名は、-fで指定したファイル名に拡張子(.tar.gz)が付加されます。
irepadminコマンドで設定した自動起動方法は、バックアップの対象外です。