SQL Serverのリモートデータベースを使用する場合の、システム構成、TROの設定、およびデータベースの設定について説明します。
SQL Serverの設定などについては、SQL Serverのマニュアルを参照してください。
DBサーバ側には、SQL Serverをインストールします。
連携することができるバージョンについては、ソフトゥエア説明書を参照してください。インストール対象のコンポーネントについては、"4.6 SQL Serverデータベース環境の作成"を参照してください。
DBクライアント側には、以下に示すSQL Serverのコンポーネントをインストールしておく必要があります。
SQL Serverのバージョン(メディア) | コンポーネント | SQL Serverのバージョンレベルのエントリ操作 |
---|---|---|
SQL Server 2005 | SQL Server Native Client(Version 9) | lxrtmssvlnk 2005 |
SQL Server 2008 | 管理ツール - 基本 ※ | lxrtmssvlnk 2008 |
SQL Server 2012 | 管理ツール - 基本 ※ | lxrtmssvlnk 2012 |
※:SQL Server 2008またはSQL Server 2012のメディアからではなく、SQL Server Native Client(Version 10またはVersion 11)を単体でインストールすることも可能です。
必要に応じてSQL Serverのバージョンレベルのエントリ操作を行います。バージョンエントリの詳細については、ソフトゥエア説明書を参照してください。
DBクライアント側のバージョンは、DBサーバ側のデータベースへの接続をサポートしているものにする必要があります。詳細はSQL Serverのマニュアルを参照してください。
認証の種類は以下のとおりです。ローカル接続と同じです。
データベースの認証機構
Windows認証
インスタンスの種類は以下のとおりです。ローカル接続と同じです。
標準のインスタンス
名前付きインスタンス
インスタンスの種類、およびDBサーバ/DBクライアント間の通信で使用するポートの種類により、構成は異なります。
標準のインスタンスを使用した構成について説明します。
グローバルサーバからJournalTransferを通じてデータを受信してTRMのメッセージキューに格納します。
TROでは、接続先のDBサーバを示すコンピュータ名およびDB名(データベース・コンテキスト名)から構成される情報を指定します。TROはSQL Server Native Clientを通してDBサーバに対してデータを格納します。
DBサーバとDBクライアントの通信では、デフォルトでは固定のポートを使用します。
詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。
名前付きインスタンスを使用した構成について説明します。
グローバルサーバからJournalTransferを通じてデータを受信してTRMのメッセージキューに格納します。
TROでは、接続先のDBサーバを示すコンピュータ名、インスタンス名およびDB名(データベース・コンテキスト名)から構成される情報を指定します。TROはSQL Server Native Clientを通してDBサーバに対してデータを格納します。
DBサーバとDBクライアントの通信では、一般的にはSQL Server Browserが動的なポートを管理します。DBサーバ側にSQL Server Browserを起動する必要があります。
詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。
一般的には、標準のインスタンスでは固定ポート(1433/tcp)、名前付きインスタンスではSQL Server Browserによって管理される動的なポートを使用します。また、ポートは必要に応じて変更できます。詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。
なお、以降の説明では、標準のインスタンスでは固定ポート、名前付きインスタンスでは動的なポートという前提で説明します。
DBサーバ側の設定を行います。
必要なSQL Serverのコンポーネントについては、ローカル接続の場合と同じです。詳細は、" 4.6 SQL Serverデータベース環境の作成"を参照してください。
インスタンスの種類に応じて以下を行います。
詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。
DBクライアント側でTROに必要な環境変数を設定します。詳細については、"4.3.1 環境変数の設定"を参照してください。
DBクライアント側でDB動作環境定義キーワードを指定します。
リモート接続に関するDB動作環境定義キーワードは以下のとおりです。
キーワード | 概要 |
---|---|
接続方式を指定します。 | |
切断された場合の、再接続のリトライを行う回数を指定します。 | |
再接続のリトライを行う間隔を指定します。 |
例を以下に示します。
CONNECT_TYPE:REMOTE |
また、他のDB動作環境定義キーワードも必要に応じて指定してください。
詳細については、"4.3.2 DB動作環境定義の作成"を参照してください。
DBクライアント側でDBサービス定義を作成します。
DBサービス定義を設定します。DBサービス定義の文法については、"第8章 DBサービス定義"を参照してください。
インスタンスの種類により指定内容が異なります。
ローカル接続とリモート接続では、STOREGROUP定義文のDATABASEオペランドに指定する内容が異なります。
DATABASE = データベース・コンテキスト名 |
DATABASE = コンピュータ名\.データベース・コンテキスト名 |
例を以下に示します。
DATABASE = SV1\.DB1 |
DBクライアント側で逐次差分反映を開始します。
逐次差分反映の開始は、lxrtmdbコマンドにより行います。詳細については、"7.3.4 lxrtmdbコマンド"を参照してください。
例を以下に示します。
lxrtmdb -s DBSVC1 -r STRGRP1 -o -u usr1/passwd1 |
例を以下に示します。
lxrtmdb -s DBSVC1 -r STRGRP1 -o -u / |
DBクライアント側で逐次差分反映サービスを起動するユーザには、Administratorsグループに所属するユーザを指定してください。DBクライアントとDBサーバには同一のOSユーザを登録し、データベースにはOSユーザをWindows認証として登録してください。データベースに登録したユーザには、データベースに対するアクセス権を与えてください。詳細については、"7.3.4 lxrtmdbコマンド"を参照してください。
リモート接続における注意事項を説明します。
DBサーバ側でファイアウォールを運用している場合、DBサーバとDBクライアントの通信に使用するポートおよびプログラムを許可するよう、DBサーバ側に設定します。
デフォルトの状態で使用する場合、以下のポートを許可してください。
インスタンス | ポート |
---|---|
標準のインスタンス | 1433/tcp |
名前付きインスタンス | DBサーバ側で以下の手順により示されるポート。 1)"SQL Server 構成マネージャ"を起動 |
名前付きインスタンス(動的ポート)を使用する場合、SQL Server Browser(SQL Serverのインストールフォルダ配下に存在する"sqlbrowser.exe")も許可しておく必要があります。