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Linkexpress Transactional Replication option V5.0L60 説明書
FUJITSU Software

30.1.3 SQL Server

SQL Serverのリモートデータベースを使用する場合の、システム構成、TROの設定、およびデータベースの設定について説明します。
SQL Serverの設定などについては、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

30.1.3.1 サポート範囲

DBサーバ

DBサーバ側には、SQL Serverをインストールします。
連携することができるバージョンについては、ソフトゥエア説明書を参照してください。インストール対象のコンポーネントについては、"4.6 SQL Serverデータベース環境の作成"を参照してください。

DBクライアント

DBクライアント側には、以下に示すSQL Serverのコンポーネントをインストールしておく必要があります。

表30.8 DBクライアント側に必要なSQL Serverのコンポーネント

SQL Serverのバージョン(メディア)

コンポーネント

SQL Serverのバージョンレベルのエントリ操作

SQL Server 2005

SQL Server Native Client(Version 9)

lxrtmssvlnk 2005

SQL Server 2008

管理ツール - 基本 ※

lxrtmssvlnk 2008

SQL Server 2012

管理ツール - 基本 ※

lxrtmssvlnk 2012

※:SQL Server 2008またはSQL Server 2012のメディアからではなく、SQL Server Native Client(Version 10またはVersion 11)を単体でインストールすることも可能です。

必要に応じてSQL Serverのバージョンレベルのエントリ操作を行います。バージョンエントリの詳細については、ソフトゥエア説明書を参照してください。

DBクライアント側のバージョンは、DBサーバ側のデータベースへの接続をサポートしているものにする必要があります。詳細はSQL Serverのマニュアルを参照してください。

認証

認証の種類は以下のとおりです。ローカル接続と同じです。

  • データベースの認証機構

  • Windows認証

インスタンス種類

インスタンスの種類は以下のとおりです。ローカル接続と同じです。

  • 標準のインスタンス

  • 名前付きインスタンス

30.1.3.2 システム構成

インスタンスの種類、およびDBサーバ/DBクライアント間の通信で使用するポートの種類により、構成は異なります。

標準のインスタンス

標準のインスタンスを使用した構成について説明します。

図30.5 標準のインスタンスを使用した構成(TRO)

グローバルサーバからJournalTransferを通じてデータを受信してTRMのメッセージキューに格納します。
TROでは、接続先のDBサーバを示すコンピュータ名およびDB名(データベース・コンテキスト名)から構成される情報を指定します。TROはSQL Server Native Clientを通してDBサーバに対してデータを格納します。
DBサーバとDBクライアントの通信では、デフォルトでは固定のポートを使用します。
詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

名前付きインスタンス

名前付きインスタンスを使用した構成について説明します。

図30.6 名前付きインスタンスを使用した構成(TRO)

グローバルサーバからJournalTransferを通じてデータを受信してTRMのメッセージキューに格納します。
TROでは、接続先のDBサーバを示すコンピュータ名、インスタンス名およびDB名(データベース・コンテキスト名)から構成される情報を指定します。TROはSQL Server Native Clientを通してDBサーバに対してデータを格納します。
DBサーバとDBクライアントの通信では、一般的にはSQL Server Browserが動的なポートを管理します。DBサーバ側にSQL Server Browserを起動する必要があります。
詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

一般的には、標準のインスタンスでは固定ポート(1433/tcp)、名前付きインスタンスではSQL Server Browserによって管理される動的なポートを使用します。また、ポートは必要に応じて変更できます。詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

なお、以降の説明では、標準のインスタンスでは固定ポート、名前付きインスタンスでは動的なポートという前提で説明します。

30.1.3.3 DBサーバの設定

DBサーバ側の設定を行います。

必要なSQL Serverのコンポーネントについては、ローカル接続の場合と同じです。詳細は、" 4.6 SQL Serverデータベース環境の作成"を参照してください。

インスタンスの起動

インスタンスの種類に応じて以下を行います。

標準のインスタンスを使用する場合

インスタンスを起動します。

名前付きインスタンスを使用する場合

SQL Server Browserおよびインスタンスを起動します。

詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

30.1.3.4 DBクライアントの設定

DBクライアント側の設定を行います。

ポートの設定

インスタンスの種類により異なります。DBサーバ側がデフォルトの状態であれば、設定不要です。

標準のインスタンスを使用する場合

使用するポートがDBサーバ側と一致させる必要があります。デフォルトのポートであれば変更不要です。

名前付きインスタンスを使用する場合

ポートの設定は不要です。SQL Serverによって管理されます。

SQL Serverのコマンドなど(例:sqlcmdコマンド)により、目的のデータベースに接続できることを確認してください。
詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

30.1.3.5 環境変数の設定

DBクライアント側でTROに必要な環境変数を設定します。詳細については、"4.3.1 環境変数の設定"を参照してください。

30.1.3.6 DB動作環境定義の作成

DBクライアント側でDB動作環境定義キーワードを指定します。
リモート接続に関するDB動作環境定義キーワードは以下のとおりです。

表30.9 SQL Serverのリモート接続に関連するDB動作環境定義キーワード

キーワード

概要

CONNECT_TYPE

接続方式を指定します。

REMOTE_RECONNECT_COUNT

切断された場合の、再接続のリトライを行う回数を指定します。

REMOTE_RECONNECT_INTERVAL

再接続のリトライを行う間隔を指定します。

例を以下に示します。

CONNECT_TYPE:REMOTE
REMOTE_RECONNECT_COUNT:20
REMOTE_RECONNECT_INTERVAL:60

また、他のDB動作環境定義キーワードも必要に応じて指定してください。
詳細については、"4.3.2 DB動作環境定義の作成"を参照してください。

30.1.3.7 DBサービス定義の作成

DBクライアント側でDBサービス定義を作成します。
DBサービス定義を設定します。DBサービス定義の文法については、"第8章 DBサービス定義"を参照してください。

インスタンスの種類により指定内容が異なります。

標準のインスタンスを使用する場合

ローカル接続とリモート接続では、STOREGROUP定義文のDATABASEオペランドに指定する内容が異なります。

ローカル接続

DATABASE = データベース・コンテキスト名

リモート接続

DATABASE = コンピュータ名\.データベース・コンテキスト名

例を以下に示します。

DATABASE = SV1\.DB1

名前付きインスタンスを使用する場合

ローカル接続と同じ形式です。

DATABASE = コンピュータ名\インスタンス名.データベース・コンテキスト名

例を以下に示します。

DATABASE = SV1\I1.DB1

SQL Server AlwaysOnの場合

SQL Server AlwaysOnは、SQL Serverのリモートデータベースの形態の一種です。
コンピュータ名には、SQL Serverの可用性グループ作成時に指定したリスナーのDNS名を指定します。

DATABASE = コンピュータ名\.データベース・コンテキスト名

例を以下に示します。

DATABASE = SV1\.DB1

30.1.3.8 逐次差分反映の開始

DBクライアント側で逐次差分反映を開始します。
逐次差分反映の開始は、lxrtmdbコマンドにより行います。詳細については、"7.3.4 lxrtmdbコマンド"を参照してください。

データベースの認証機構を使用する場合

例を以下に示します。

lxrtmdb -s DBSVC1 -r STRGRP1 -o -u usr1/passwd1

Windows認証を使用する場合

例を以下に示します。

lxrtmdb -s DBSVC1 -r STRGRP1 -o -u /

DBクライアント側で逐次差分反映サービスを起動するユーザには、Administratorsグループに所属するユーザを指定してください。DBクライアントとDBサーバには同一のOSユーザを登録し、データベースにはOSユーザをWindows認証として登録してください。データベースに登録したユーザには、データベースに対するアクセス権を与えてください。詳細については、"7.3.4 lxrtmdbコマンド"を参照してください。

30.1.3.9 注意事項

リモート接続における注意事項を説明します。

ファイアウォール

DBサーバ側でファイアウォールを運用している場合、DBサーバとDBクライアントの通信に使用するポートおよびプログラムを許可するよう、DBサーバ側に設定します。
デフォルトの状態で使用する場合、以下のポートを許可してください。

表30.10 許可する対象のポート(SQL Server)

インスタンス

ポート

標準のインスタンス

1433/tcp

名前付きインスタンス

DBサーバ側で以下の手順により示されるポート。

1)"SQL Server 構成マネージャ"を起動
2)"SQL Server ネットワーク構成"から対象のインスタンスを選択
3)"TCP/IP"を開く
4)"IPアドレス"タブを開く
5)"IP ALL"の"TCP 動的ポート"で示されるポート

名前付きインスタンス(動的ポート)を使用する場合、SQL Server Browser(SQL Serverのインストールフォルダ配下に存在する"sqlbrowser.exe")も許可しておく必要があります。