クラスタ運用をしていない場合のバージョンアップインストール手順について説明します。
クラスタ運用でない場合に、Windows版Storage Cruiserマネージャーのバージョンアップインストールを実施する前に、行っておくべき作業について説明します。
ポイント
バージョンアップインストール中に異常が発生すると、バージョンアップインストール前の状態に戻すこと(ロールバック)ができません。このため、バージョンアップインストール前の状態に戻す場合は、システムをバックアップすることを推奨します。
バージョンアップインストール中に異常が発生し、バージョンアップインストール前の状態に戻す場合は、バックアップからシステムを復元(リストア)してください。
以下の手順で、旧バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャー運用環境をバックアップします。
バックアップに必要な容量は、「A.33 旧バージョンレベルのバックアップに必要な容量」を参照してください。
注意
性能管理情報は、バックアップされません。性能監視を実施している場合は、現在の設定内容をメモしておいてください。
旧バージョンレベルのWebコンソールにおいて、以下の情報を参照してください。
性能監視の設定内容
性能情報を取得する間隔(秒)
性能監視対象(ETERNUS ディスクアレイの場合だけ。最小 LUN_V、最大 LUN_V)
作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。
本バージョンレベルのDVD-ROM「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Windows 64bit版) マネージャープログラム(1/2)」を、DVD-ROMドライブに挿入します。
DVD-ROMの構成および格納物は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「DVD-ROMの構成」を参照してください。
ETERNUS SF Managerサービスを停止します。
以下のバッチを実行します。
$INS_DIR\Common\bin\Stop_ESFservice.bat
$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。
旧バージョンレベルのバックアップを実施します。
以下のバッチを実行します。backupDir には、バックアップデータを格納するディレクトリを絶対パスで指定します。tmpDir には、性能管理機能に関するファイルの一時退避先ディレクトリを絶対パスで指定します。性能管理機能を使用していない場合、tmpDir の指定は不要です。
<DVD-ROMドライブ>:\Manager_windows\vuptools\esfpreinst.bat backupDir [tmpDir]
バックアップに失敗した場合は、出力エラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、バッチを再実行してください。
ポイント
ディレクトリ名には、空白(全角、半角)、および半角記号【 " | : * ? / . < > , % & ^ = ! ; ( ) 】を使用できません。
ディレクトリ名に指定できる文字数は、220文字までです。
性能管理機能に関するファイルは、旧バージョンレベルの製品がインストールされているドライブと同じ論理ドライブに退避してください。異なる論理ドライブに退避する場合、退避および復元に時間がかかることがあります。
バージョンアップインストールを行うサーバのディスクに、バージョンアップインストールに必要な容量が空いているかを確認してください。
バージョンアップインストールに必要な空き容量は、「本バージョンレベルに必要な空き容量」から「旧バージョンレベルに必要な空き容量」を引いた値です。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムをインストールするのに必要な空き容量です。
必要な空き容量は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
旧バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムをインストールするのに必要な空き容量です。
必要な空き容量は、該当する旧バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムに対する排他ソフトウェアの、インストール状況を確認してください。
インストールされている場合は、排他ソフトウェアのマニュアルを参照して、排他ソフトウェアをアンインストールしてください。
参照
排他ソフトウェアは、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
本バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャーの運用には、データベース領域が必要です。
バージョンアップインストールを行う前に、データベース領域を見積ってください。
参照
詳細は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」にある「インストール前の作業」を参照してください。
「A.7 DBアンセットアップ」を参照して、旧バージョンレベルのリポジトリ用データベースをアンセットアップします。
「C.1 Express/Storage Cruiser/AdvancedCopy Manager 14.xおよび15.xのマネージャー機能のバージョンアップインストール手順(Windows版)」を参照して、バージョンアップインストールを実施してください。
参考
バージョンアップインストールが異常終了した場合は、異常の原因を取り除いたあと、以下の手順で復旧してください。
本バージョンレベルをインストールしてください。
インストールが正常終了したら、「6.1.1.3 バージョンアップインストール後の作業」から継続してください。
Storage Cruiserマネージャーをバージョンアップインストールしたあとは、以下の作業を行います。
以下の手順で、旧バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャー運用環境をリストアします。なお、手順1と手順2がすでに実施されている場合、再実施は不要です。
参考
手順内の表記について
ディレクトリ名 | 説明 |
---|---|
$INS_DIR | ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」 |
$ENV_DIR | ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「環境設定ディレクトリ」 |
作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。
本バージョンレベルのDVD-ROM「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Windows 64bit版) マネージャープログラム(1/2)」を、DVD-ROMドライブに挿入します。
DVD-ROMの構成および格納物は、本バージョンレベルの『ETERNUS SF 導入ガイド』の「DVD-ROMの構成」を参照してください。
旧バージョンレベルのリストアを実施します。
以下のバッチを実行します。backupDir には、バックアップデータを格納したディレクトリを絶対パスで指定します。tmpDir には、性能管理機能に関するファイルの一時退避先ディレクトリを絶対パスで指定します。性能管理機能に関するファイルを退避していない場合、tmpDir の指定は不要です。
<DVD-ROMドライブ>:\Manager_windows\vuptools\esfpostinst.bat backupDir [tmpDir]
リストアに失敗した場合は、出力エラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、バッチを再実行してください。
ポイント
ディレクトリ名には、空白(全角、半角)、および半角記号【 " | : * ? / . < > , % & ^ = ! ; ( ) 】を使用できません。
ディレクトリ名に指定できる文字数は、220文字までです。
DVD-ROMを装置から取り出します。
SNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
以下に格納されている旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを、任意の場所に退避します。
その後、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「SNMPトラップXML定義ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを参照してください。
カスタマイズ定義ファイル格納ディレクトリ |
---|
$ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\snmpth |
ポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
以下の旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを、任意の場所に退避します。
その後、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「ポーリングサービス設定ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを参照してください。
カスタマイズ定義ファイル |
---|
$ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\polling\pollingService.xml |
ETERNUS SF Managerサービスを再起動します。
以下のバッチを実行します。
$INS_DIR\Common\bin\Start_ESFservice.bat
管理者権限でesfadm devconf importコマンドを実行して、旧バージョンレベルの構成情報を移行します。esfadm devconf importコマンドを実行する前に、管理対象の装置・サーバにアクセスできる状態であることを確認してください。
<プログラムディレクトリ>\Common\bin\esfadm devconf import -all
esfadm devconf importコマンドを実行したあとは、esfadm devconf importstatusコマンドで[IMPORT STATUS]欄が"Complete"になることを確認してください。
また、移行対象のインポート状況の[STATUS]欄が"Complete"になることを確認してください。"Failed"の場合、構成情報の移行に失敗しているため、「12.4 異常発生時の対処」を参照し対処してください。
ポイント
本製品とファイバーチャネルスイッチ(Fabric OS v6.3以降)間の通信方法を、telnetからSSHに変更しています。対象スイッチのSSH機能が無効になっている場合は、SSH機能を有効にしてください。設定方法の詳細は、装置に付属のマニュアルを参照してください。
注意
esfadm devconf importコマンド実行時に管理対象の装置・サーバにアクセスできない状態の場合、装置の構成情報が移行されていないため、esfadm devconf importコマンドの再実行が必要です。
旧版で以下の関連ソフトウェアを利用していた場合は、本版に対応したバージョンに更新する必要があります。
ETERNUS VASA Provider
Fujitsu ETERNUS Storage Systems Monitoring Pack
注意
バージョンアップ前と同じWebブラウザを使用して、Webコンソールを操作する場合は、Webブラウザのキャッシュを削除してから操作してください。
バージョンアップ後に正常動作を確認できたら、「6.1.1.1.1 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順4で作成したバックアップ先ディレクトリ内のバックアップデータを削除して問題ありません。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerでは、Symfowareを使用していません。
SymfowareがETERNUS SF Managerだけに利用されていた場合に限り、Symfowareをアンインストールしてください。
Symfowareをアンインストールする手順は、以下のとおりです。
[プログラムの追加と削除]画面または[プログラムと機能]画面で、Symfowareをアンインストールします。
Symfoware ServerとSymfoware Clientを共にインストールしている場合は、先にSymfoware Clientをアンインストールしてください。
以上で、Storage Cruiserマネージャーのバージョンアップは終了です。運用を再開できます。
注意
性能監視を実施していた場合は、以下の手順で性能監視を再開してください。
性能監視を開始します。
『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「性能管理指示」および「監視間隔設定」を参照してください。
閾値監視を実施していた場合は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「閾値管理指示」、「閾値監視時間帯の設定」、および「閾値監視情報の設定」を参照してください。