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Systemwalker for Oracle 導入ガイド
FUJITSU Software

6.2.3 Oracle環境情報設定コマンドで設定する場合

Oracle環境情報は、「Oracle環境情報定義ファイル」を作成して、コマンドで情報を定義することができます。
Oracle環境情報設定コマンドでは、複数の監視対象となるサーバの情報を一括して設定することができます。


以下の手順で実施してください。

  1. Oracle環境情報定義ファイルを作成する

    6.2.3.1 Oracle環境情報定義ファイルについて”を参照し、Oracle環境情報定義ファイルを作成します。
    Oracle環境情報定義ファイルは、運用管理サーバ上に作成してください。

  2. Oracle環境情報定義ファイルの内容を確認する

    1.Oracle環境情報定義ファイルを作成する」で作成したOracle環境情報定義ファイルの内容確認を行います。

    【UNIX版】

    運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。
    コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。

    # /opt/FJSVmpor/bin/mporaenvset -c FILENAME <ENTER>

    【Windows版】

    運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。コマンドは、Administratorsグループに属するユーザで実行する必要があります。

    mporaenvset.exe -c FILENAME <ENTER>

    FILENAME

    1.Oracle環境情報定義ファイルを作成する」で作成したOracle環境情報定義ファイルをフルパスで指定してください。

    エラーがあった場合は、ファイルを修正し、再度確認を行ってください。

  3. Oracle環境情報設定コマンドを実施する

    2.Oracle環境情報定義ファイルの内容を確認する」で内容が確認された後、Oracle環境情報の設定を行います。

    【UNIX版】

    運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。
    コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。

    # /opt/FJSVmpor/bin/mporaenvset -a FILENAME <ENTER>

    【Windows版】

    運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。
    コマンドは、Administratorsグループに属するユーザで実行する必要があります。

    mporaenvset.exe -a FILENAME <ENTER>

    FILENAME

    1.Oracle環境情報定義ファイルを作成する」で作成したOracle環境情報定義ファイルをフルパスで指定してください。

  4. ポリシー配付を行う

    Systemwalkerコンソールの[ポリシーの配付]画面で「すぐに適用する」を選択して[OK]ボタンを選択します。
    [ポリシーの配付]画面は、Systemwalker Centric Managerのバージョンに応じて、以下の手順で表示します。

    • V13.4.0以降

      Systemwalkerコンソール[編集]の[ポリシー]メニューの[監視]-[ポリシーの配付]を選択します。

    • V13.3.0

      Systemwalkerコンソール[監視]の[ポリシー]メニューの[監視]-[ポリシーの配付]を選択します。

    • V13.2.0以前

      Systemwalkerコンソール[監視]の[ポリシー]メニューの[ポリシーの配付]を選択します。


6.2.3.1 Oracle環境情報定義ファイルについて

Oracle環境情報定義ファイルについて説明します。
Oracle環境情報定義ファイルは運用管理サーバ上に作成します。

Oracle環境情報定義ファイルの形式は以下のとおりです。

[FILE_VERSION]
ファイルバージョンを設定します。
設定内容については“
ファイル情報(必須)”を参照してください。

[AGENT_ENV]
監視対象サーバの情報を設定します。
設定内容については“サーバ情報(必須)”を参照してください。

[INSTANCE_ENV]
監視対象のOracleの情報を設定します。
設定する内容は以下のものです。

・“Oracle環境情報(必須)
・“アラートログ監視機能の設定
・“トレースファイル監視機能の設定
・“プロセス監視機能の設定
・“Systemwalker for Oracleクラスタ運用オプションの設定[EE]

[STANDBY_ENV]
Data Guardに関する監視で使用する、スタンバイ・データベースの情報を設定します。
設定内容については“
スタンバイ・データベース情報の設定[EE]"を参照してください。

  1. ファイル先頭に[FILE_VERSION]を記述します。

  2. 監視対象サーバの情報を設定します。

    [AGENT_ENV]を記述します。

    [AGENT_ENV]から[STANDBY_ENV]までが[AGENT_ENV]に記述した監視対象サーバの情報となります。

  3. 監視対象のOracleの情報を設定します。

    [INSTANCE_ENV]を記述します。

  4. Data Guardに関する監視機能を使用する場合、スタンバイ・データベースの情報を設定します。

    [STANDBY_ENV]を記述します。

    スタンバイ・データベースが複数ある場合、スタンバイ・データベースの数だけ繰り返して設定してください。

  5. 監視対象のOracleが複数ある場合、3~4を繰り返し記述します。


  6. 他の監視対象サーバの情報を設定する場合、2~5を繰り返します。


注意

「Oracle環境定義ファイル」作成時の注意事項

  • ファイルは運用管理サーバ上に作成してください。
    (ディレクトリおよびファイル名は任意です。)

  • 「=」の右側を文字コードASCIIで入力します。

  • 各項目の記述位置については“6.2.3.2 Oracle環境情報定義ファイルの作成例”を参照してください。

  • 行の最後には改行を設定してください。

  • 設定値を省略する場合、対象となる行を省いてください。

  • セミコロン(;)から始まる行はコメント行となります。

  • 行の途中からコメントを記入することはできません。

  • 「=」の前後に空白およびタブを入れないでください。

  • 空白行は挿入可能です。

  • 監視対象となるサーバに対し設定可能なOracle環境情報の数は16です。

  • 各項目に対して指定可能な項目長を超える長さの値が設定されている場合、エラーとなります。

  • Oracle環境情報定義ファイルの記述に誤りがある場合、以下の動作となります。

    • [FILE_VERSION]の記述に誤りがある場合

      処理が中断され、Oracle環境情報は設定されません。

    • [AGENT_ENV]の記述に誤りがある場合

      [AGENT_ENV]に記述した監視対象サーバに対する情報が設定されません。記述が正しい[AGENT_ENV]に対しては情報が設定されます。

    • [INSTANCE_ENV]の記述に誤りがある場合

      [INSTANCE_ENV]に記述した監視対象Oracleに対する情報が設定されません。記述が正しい[INSTANCE_ENV]に対しては情報が設定されます。

    • [STANDBY_ENV]の記述に誤りがある場合

      [STANDBY_ENV]に記述したスタンバイ・データベースに対する情報が設定されません。設定が正しい[STANDBY_ENV]に対しては情報が設定されます。

  • 以下の項目については、英大文字で指定してください。

    • OSコード系

    • 種類

    • Oracleキャラクタセット

    • mount状態のOracle監視/調査の有無

    • Alertログファイルの扱い

    • Traceファイル格納先(バックグラウンド・プロセス)の扱い

    • Traceファイル格納先(ユーザ・プロセス)の扱い

    • プロセス監視機能モード

    • 監視情報格納先の扱い

  • 設定する値には以下の文字を使用しないでください。

    "、<、>、&、%、;、*、^、|、'、`、[、]、(、)、?

以下に、Oracle環境情報定義ファイルに設定する内容について説明します。

ファイル情報(必須)

このファイルのファイルバージョンを設定します。
ファイル情報は[FILE_VERSION]の下に記述します。

定 義

設定する値

VERSION

ファイルバージョン(「a000」固定)を設定します。

サーバ情報(必須)

監視対象のサーバに関する情報を設定します。
サーバ情報は[AGENT_ENV]の下に記述します。

定 義

設定する値

SERVER_NAME

監視対象となるサーバのホスト名を設定します。
最大項目長は、128文字(ASCII英数字換算)です。

OS_NAME

監視対象となるサーバのOS種別を設定します。
監視対象となるサーバにインストールされているSystemwalker for Oracleのバージョンによってサポート対象のOSは異なります。

  • Solaris

  • Windows

  • Linux

監視対象となるサーバにインストールされているSystemwalker for Oracle(Solaris版/Windows版)のバージョンがV13.3.0以前の場合、以下を設定してください。(*1)

  • Solaris版 12.0~V13.3.0の場合
    ⇒  OS_NAME=Solaris9

  • Windows版 V12.0L10~V13.3.0の場合
    ⇒  OS_NAME=Windows2000 (*2)

(*1) 実際に導入されているOSのVLが異なっていても問題ありません。

(*2) Windows x64 Editionsに対応したWindowsの場合は、"Windows2003"を設定してください。

OS_CODE

監視対象となるサーバのOSで使用する文字コード種別を設定します。英大文字で記述してください。
OS種別がWindowsである場合、SJISのみ指定可能です。

  • EUC

  • SJIS

  • ASCII

  • UTF-8

AGENT_VL

監視対象となるサーバにインストールされているSystemwalker for Oracleのバージョン/レベル情報を設定します。

  • V15.0.0(Solaris版/Windows版/Linux版)
    ⇒「f000

  • V13.5.0(Solaris版/Windows版/Linux版)
    ⇒「d050

  • V13.4.0(Solaris版/Windows版/Linux版)
    ⇒「d040

  • V13.3.0(Solaris版/Windows版/Linux版)
    ⇒「d030

  • V13.1.2(Solaris版)
    ⇒「d012

  • V13.1.1(Solaris版)
    ⇒「d010(*1)

  • V13.1.0(Solaris版/Windows版/Linux版)
    ⇒「d010

  • V12.0L11(Windows版)
    ⇒「c011

  • 12.0(Solaris版)/V12.0L10(Windows版)
    ⇒「c000

(*1) 運用管理サーバにインストールされているSystemwalker for OracleがV13.1.1(Solaris版)でかつ、運用管理サーバ上のOracleを監視する場合、「d011」と記述してください。

AGENT_TYPE

監視対象となるサーバにインストールされているSystemwalker for Oracleの種類を設定します。英大文字で記述してください。

  • Enterprise Edition
    ⇒「EE

  • Standard Edition
    ⇒「SE

Oracle環境情報(必須)

監視対象のOracleに関する情報を設定します。
Oracle環境情報は[INSTANCE_ENV]の下に記述します。

定 義

設定する値

ORA_VL

監視対象となるOracleのバージョンを設定します。
OS種別との設定可能な組み合わせは、各監視対象のサーバにインストールされているSystemwalker for Oracleの“導入ガイド”-“管理対象”を参照してください。

  • 8.1.7

  • 9.0.1

  • 9.2.0

  • 10.1.0

  • 10.2.0

  • 11.1.0

  • 11.2.0

ORA_CHAR_SET

監視対象となるOracleのキャラクタセットを設定します。

  • JA16EUC

  • JA16EUCYEN

  • JA16SJIS

  • JA16SJISYEN

  • US7ASCII

  • JA16EUCTILDE

  • JA16SJISTILDE

  • AL32UTF8

  • UTF8

ORA_SID

監視対象とするOracleのORACLE_SIDを設定します。
指定可能な文字は、英数字、アンダースコア(_)、シャープ(#)およびドル記号($)です。
最大項目長は30文字(ASCII英数字換算)です。

ORA_HOME

監視対象とするOracleのORACLE_HOMEを設定します。
最大項目長は1024文字(ASCII英数字換算)です。

ORA_NLS(*1)

監視対象となるOracleのORA_NLS10(Oracle10g~Oracle11g)またはORA_NLS33(Oracle8i~Oracle9i)の値を設定します。最大項目長は1024文字(ASCII英数字換算)です。

ORA_USER_ID
(*2)(*3)

監視対象とするOracleにログインするために使用するOracleのユーザ名を設定します。
最大項目長は30文字(ASCII英数字換算)です。

MNT_DB(*4)

mount状態のOracleの監視/調査について設定します。

  • mount状態のOracleの監視/調査を行う場合
    ⇒「Y」

  • mount状態のOracleの監視/調査を行わない場合
    ⇒「N」

省略した場合、「N」が設定されます。

ORA_PASS_WD
(*2)

Oracleユーザ名に対するパスワードを設定します。
最大項目長は30文字(ASCII英数字換算)です。

(*1) 以下のすべての条件を満たす場合、ORA_NLSは省略可能です。

(*2) 設定するORA_USER_ID(Oracleユーザ名)およびORA_PASS_WD(Oracleユーザパスワード)は、監視対象となるOracleにログイン可能であるか確認したものを設定してください。確認方法については、“Oracleへの接続確認方法”を参照してください。

(*3) MNT_DB(mount状態のOracleの監視/調査)の設定によって、ORA_USER_ID(Oracleユーザ名)に指定するユーザが異なります。

(*4) mount状態のOracleを監視する場合、監視対象となるサーバのSystemwalker for Oracleのバージョンが以下の条件を満たす必要があります。

参照

mount状態で起動しているOracleの監視について

  • Oracle状態監視の一部の監視項目が無効となります。
    監視項目の詳細は“6.3.3 各監視項目の設定について”を参照してください。

  • Oracle調査項目一覧の一部の項目が実施できません。
    調査項目の詳細は“Systemwalker for Oracle運用ガイド”-“Oracle調査項目一覧の詳細”を参照してください。

参考

Oracleへの接続確認方法

Oracle環境情報に設定する「Oracleユーザ名」および「Oracleユーザパスワード」を使用して接続確認を行う方法例を以下に示します。

【UNIX版】

  • 監視対象サーバ上にてOracleアクセスユーザ設定で変更したユーザでログインし、下記の手順でSQL*Plusを使用してOracleへの接続確認を行います。
    Oracleアクセスユーザ設定でユーザの変更を行っていない場合は、スーパーユーザでログインして接続確認を実施してください。
    Oracleアクセスユーザの変更方法については“G.3 Oracleアクセスユーザの設定について【UNIX版】”を参照してください。

【Windows版】

  • 監視対象サーバ上にてOracleインストールユーザでログインし、下記の手順でSQL*Plusを使用してOracleへの接続確認を行います。

  • sysdba権限を持つOracleユーザ名を設定する場合の例

    以下は、Oracleユーザ名=sys、Oracleユーザパスワード=pwsysとした場合の例です。

    #sqlplus /nolog <ENTER>
    SQL> connect sys/pwsys as sysdba <ENTER>

    上記の接続確認でエラーが出力された場合は、「Oracleユーザ名」および「ユーザパスワード」を確認し、再度、接続確認を行ってください。

  • systemまたは同等の権限を持つユーザを設定する場合の例

    以下は、Oracleユーザ名=system、Oracleユーザパスワード=pwsystemとした場合の例です。

    #sqlplus /nolog <ENTER>
    SQL> connect system/pwsystem <ENTER>

    上記の接続確認でエラーが出力された場合は、「Oracleユーザ名」および「Oracleユーザパスワード」を確認し、再度、接続確認を行ってください。

    注意

    スーパーユーザでログインして接続確認を実施する場合の注意事項

    スーパーユーザでログインしている場合、事前に以下の環境変数を設定しておく必要があります。

    • ORACLE_SID

    • ORACLE_HOME

    • PATH

    • LD_LIBRARY_PATH

    以下は、ORACLE_SID=ora、ORACLE_HOME=/oracle/ora/productとした場合の例です。

    export ORACLE_SID=ora <ENTER>
    export ORACLE_HOME=/oracle/ora/product <ENTER>
    export PATH=$PATH:$ORACLE_HOME/bin <ENTER>
    export LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib

アラートログ監視機能の設定

アラートログ監視機能を使用する場合に設定する項目について説明します。
アラートログ監視機能を使用しない場合は設定する必要はありません。

アラートログ監視機能の設定は[INSTANCE_ENV]の下に記述します。

定 義

設定する値

ALERT_DIR

アラートログファイルの格納ディレクトリを設定します。
最大項目長は1024文字(ASCII英数字換算)です。
省略可能です。

ALERT_NAME

アラートログファイル名を設定します。
最大項目長は30文字(ASCII英数字換算)です。
ALERT_DIR(アラートログファイル格納先)を省略した場合、定義を記述しないでください。

[クラスタ運用の場合]
ALERT_DISK(*1)

クラスタシステムで使用するアラートログファイルの扱い方法を設定します。

「L」(同一のアラートログファイルを使用しない)
「S」(同一のアラートログファイルを使用する)

(*1) 設定する内容については、“Systemwalker for Oracle エージェントクラスタ ユーザーズガイド”を参照してください。

トレースファイル監視機能の設定

トレースファイル監視機能を使用する場合に設定する項目について説明します。
トレースファイル監視機能を使用しない場合は設定する必要はありません。

トレースファイル監視機能の設定は[INSTANCE_ENV]の下に記述します。

定 義

設定する値

BTRC_DIR(*1)

バックグラウンド・トレースファイルの格納先ディレクトリを設定します。
最大項目長は1024文字(ASCII英数字換算)です。

[クラスタ運用の場合]
BTRC_DISK(*2)

クラスタシステムで使用するバックグラウンド・トレースファイル格納先の扱い方法を設定します。

「L」(同一のトレースファイル格納先を使用しない)
「S」(同一のトレースファイル格納先を使用する)

UTRC_DIR(*1)

ユーザ・トレースファイルの格納先ディレクトリを設定します。
最大項目長は1024文字(ASCII英数字換算)です。

[クラスタ運用の場合]
UTRC_DISK(*2)

クラスタシステムで使用するユーザ・トレースファイル格納先の扱い方法を設定します。

「L」(同一のトレースファイル格納先を使用しない)
「S」(同一のトレースファイル格納先を使用する)

(*1) 格納先が同じである場合、どちらか一方のみ指定してください。

(*2) 設定する内容については、“Systemwalker for Oracle エージェントクラスタ ユーザーズガイド”を参照してください。

プロセス監視機能の設定

プロセス監視機能を使用する場合に設定する項目について説明します。

プロセス監視機能を使用しない場合は設定する必要はありません。
(省略された場合は、「N」(監視なし)が設定されます。)

プロセス監視機能の設定は[INSTANCE_ENV]の下に記述します。

定 義

設定する値

PROCESS_MODE
(*1)

プロセス監視機能モードを設定します。

  • N(監視なし)

  • B(基本監視)

  • E(拡張監視)

(*1)監視対象となるサーバがWindows以外の場合に有効です。


プロセス監視機能の機能モード種別により、以下の文字列で始まるプロセス名を監視します。

監視プロセス名

監視なし

基本監視

拡張監視

ora_pmon

×

ora_reco

×

×

ora_smon

×

×

ora_lgwr

×

×

ora_dbw

×

×

ora_ckpt

×

×

ora_mman

×

×

ora_psp0

×

×

ora_dbrm

×

×

ora_vktm

×

×

ora_gen0

×

×

○:監視する
×:監視しない

Systemwalker for Oracleクラスタ運用オプションの設定[EE]

Systemwalker for Oracleをクラスタ運用で使用する場合に必要な情報です。

監視対象のサーバがクラスタ運用されていない場合は設定する必要はありません。

設定する内容については、“Systemwalker for Oracle エージェントクラスタ ユーザーズガイド”を参照してください。


定義「SHARED_MODE」は、[AGENT_ENV]の下に記述します。
省略した場合は、「S」(監視対象となるOracleで共通の格納先を使用する)が設定されます。

定 義

設定する値

SHARED_MODE

監視情報格納先の扱い方法を設定します。

S」(監視対象となるOracleで共通の格納先を使用する)
D」(監視対象となるOracleごとに格納先を使用する)


定義「SHARED_DIR」は、[INSTANCE_ENV]の下に記述します。

定 義

設定する値

SHARED_DIR

監視情報格納先(クラスタノード間で共有する必要があるSystemwalker for Oracleの内部情報を格納するためのディレクトリパス名)を設定します。
最大項目長は1024文字(ASCII英数字換算)です。
ディレクトリパス名として、2バイト文字系が含まれるパスは指定できません。


注意

「Systemwalker for Oracle クラスタ運用オプション」の設定を行う場合の注意事項

  • クラスタ運用の場合であっても、「Alertログファイルの扱い」および「Traceファイル格納先の扱い」がいずれも「使用しない」となっている場合は、省略可能です。

  • 「SHARED_MODE」に「S」を指定した場合または「SHARED_MODE」の行を省略した場合、各[INSTANCE_ENV]内のSHARED_DIRには同一の値を設定してください。

スタンバイ・データベース情報の設定[EE]

Data Guard環境に関する監視機能を使用する場合に設定する項目について説明します。

Data Guard環境に関する監視機能を使用しない場合は設定する必要はありません。

スタンバイ・データベースの設定は[STANDBY_ENV]の下に記述します。

ポイント

  • Data Guardに関する監視機能には、以下の監視機能があります。

    • Oracle状態監視の「Data Guard運用状況の監視」

    • Oracle調査項目一覧の「スタンバイ・データベースでのアーカイブログ受信/適用状況」

  • Data Guardに関する監視機能は、Oracle環境情報に設定したOracleがプライマリ・データベースの場合に動作します。
    プライマリ・データベースのOracle環境情報に対してスタンバイ・データベース情報を設定します。

  • Oracle環境情報に設定したOracleがスタンバイ・データベースの状態ではData Guardに関する監視機能は動作しません。

注意

Data Guardに関する監視機能について

  • 以下の条件をすべて満たす場合、Data Guardに関する監視機能が使用できます。

    • 監視対象のOracleバージョンが”10.1.0”以降である。

    • 運用管理サーバおよび監視対象の業務サーバにインストールされているSystemwalker for OracleがEnterprise Editionである。

    • 監視対象となるサーバのSystemwalker for Oracleのバージョンが以下である。

      • V13.1.0以降 (Solaris版/Windows版)

      • V13.3.0以降(Linux版)

  • スタンバイ・データベースがクラスタ構成の場合、以下の構成をサポートします。

    • 1:1運用待機構成

    • 相互待機構成

以下に設定する各項目について説明します。

各項目にはスタンバイ・データベースの情報を設定します。

また、“接続確認方法”を参照し、設定内容に誤りがないことを確認してください。

定 義

設定する値

STB_HOST_NAME
(*1)

サーバのホスト名を設定します。
最大項目長は128文字(ASCII英数字換算)です。

STB_ORA_SID

ORACLE_SIDの値を設定します。
指定可能な文字は、英数字、アンダースコア(_)、シャープ(#)およびドル記号($)です。
最大項目長は30文字(ASCII英数字換算)です。

STB_USER_ID
(*2)

Oracleにログインするために使用するOracleのユーザ名を設定します。
最大項目長は30文字(ASCII英数字換算)です。

STB_PASS_WD

Oracleユーザ名に対するパスワードを設定します。
最大項目長は30文字(ASCII英数字換算)です。

STB_PORT

接続時に使用するリスナーのポート番号を指定します。
指定可能なポート番号の範囲は、1024~65535 です。

(*1) スタンバイ・データベースがクラスタ構成の場合、「ホスト名」には以下を設定してください。

(*2) sysdba権限を持つOracleユーザ名を設定します。


ポイント

スタンバイ・データベースが複数存在する場合

スタンバイ・データベースが複数存在する場合、スタンバイ・データベースごとに情報を設定します。
[STANDBY_ENV]をスタンバイ・データベースの数だけ繰り返し設定してください。
設定可能なスタンバイ・データベース情報の最大数は9です。

[FILE_VERSION]
VERSION=a000

;サーバ情報
[AGENT_ENV]

;Oracle環境情報
[INSTANCE_ENV]


;スタンバイ・データベース情報(No.1)
[STANDBY_ENV]
STB_HOST_NAME=mpor11 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_1 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys1 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys1 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

;スタンバイ・データベース情報(No.2)

[STANDBY_ENV]
STB_HOST_NAME=mpor12 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_2 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys2 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys2 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

参考

接続確認方法

[STANDBY_ENV]に設定する値を使用して、各データベースへの接続確認を行う方法の例を以下に示します。
なお、[STANDBY_ENV]の設定内容は以下のとおりとします。

  • STB_HOST_NAME (ホスト名) =mpor11

  • STB_ORA_SID (ORACLE_SID) =ora10_1

  • STB_USER_ID (Oracleユーザ名)=sys1

  • STB_PASS_WD (Oracleユーザパスワード)=pwsys1

  • STB_PORT (リスナーのポート番号)=1524

    #sqlplus /nolog <ENTER>
    SQL> connect sys1/pwsys1@(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=mpor11)(PORT= 1524))(CONNECT_DATA=(SID=ora10_1))) as sysdba <ENTER>

    接続できなかった場合、[STANDBY_ENV]に設定する値を確認し、再度接続確認を行ってください。

6.2.3.2 Oracle環境情報定義ファイルの作成例

Oracle環境情報定義ファイルの作成例を以下に示します。

【Solaris版】

[FILE_VERSION]
VERSION=a000        <ファイルバージョン>

;サーバ情報
[AGENT_ENV]
SERVER_NAME=host    <監視対象サーバ名>
OS_NAME=Solaris     <OS種別>
OS_CODE=EUC         <OSコード系>
AGENT_VL=f000       <バージョン/レベル>
AGENT_TYPE=EE       <種類>

;監視情報格納先の扱い
SHARED_MODE=S       <監視情報格納先の扱い>

;Oracle環境情報
[INSTANCE_ENV]
ORA_VL=10.2.0                                              <Oracleバージョン>
ORA_CHAR_SET=JA16EUC                                       <Oracleキャラクタセット>
ORA_SID=ora10                                              <ORACLE_SID>
ORA_HOME=/oracle/ora10/product/10                          <ORACLE_HOME>
ORA_NLS=/oracle/ora10/product/10/nls/data                  <ORA_NLS>
ORA_USER_ID=system                                         <Oracleユーザ名>
MNT_DB=N                                                   <mount状態での監視/調査>
ORA_PASS_WD=pwsystem                                       <Oracleユーザパスワード>

;アラートログ監視機能
ALERT_DIR=/oracle/ora10/admin/ora10/bdump     <アラートログファイル格納先>
ALERT_NAME=alert_ora10.log                    <アラートログファイル名>
ALERT_DISK=S                                  <アラートログ格納先のディスク形態>

;トレースファイル監視機能
BTRC_DIR=/oracle/ora10/admin/ora10/bdump <トレースファイル格納先(BACKGROUND_DUMP_DEST)>
BTRC_DISK=S                                <トレースファイル格納先のディスク形態(BACKGROUND_DUMP_DEST)>
UTRC_DIR=/oracle/ora10/admin/ora10/udump <トレースファイル格納先(USER_DUMP_DEST)>
UTRC_DISK=S                            <トレースファイル格納先のディスク形態(USER_DUMP_DEST)>

;監視情報格納先
SHARED_DIR=/swfo_share                                      <監視情報格納先>

;スタンバイ・データベース情報(No.1) [STANDBY_ENV] STB_HOST_NAME=mpor11 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_1 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys1 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys1 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

;スタンバイ・データベース情報(No.2) [STANDBY_ENV] STB_HOST_NAME=mpor12 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_2 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys2 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys2 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

[INSTANCE_ENV] →別のOracleに対する情報を記述します。 : [AGENT_ENV] 別の監視対象サーバに対する情報を記述します。


【Windows版】

[FILE_VERSION]
VERSION=a000        <ファイルバージョン>

;基本情報
[AGENT_ENV]
SERVER_NAME=host    <監視対象サーバ名>
OS_NAME=Windows     <OS種別>
OS_CODE=SJIS        <OSコード系>
AGENT_VL=f000       <バージョン/レベル>
AGENT_TYPE=EE       <種類>

;監視情報格納先の扱い
SHARED_MODE=S       <監視情報格納先の扱い>

;Oracle環境情報
[INSTANCE_ENV]
ORA_VL=10.2.0                                              <Oracleバージョン>
ORA_CHAR_SET=JA16SJIS                                      <Oracleキャラクタセット>
ORA_SID=ora10                                              <ORACLE_SID>
ORA_HOME=D:\oracle\ora10\product\10                        <ORACLE_HOME>
ORA_NLS=D:\oracle\ora10\product\10\nls\data                <ORA_NLS>
ORA_USER_ID=system                                         <Oracleユーザ名>
MNT_DB=N                                                   <mount状態での監視/調査>
ORA_PASS_WD=pwsystem                                       <Oracleユーザパスワード>

;アラートログ監視機能
ALERT_DIR=D:\oracle\ora10\admin\ora10\bdump   <Alertログファイル格納先>
ALERT_NAME=alert_ora10.log                    <Alertログファイル名>
ALERT_DISK=S                                  <Alertログ格納先のディスク形態>

;トレースファイル監視機能
BTRC_DIR=D:\oracle\ora10\admin\ora10\bdump <Traceファイル格納先(BACKGROUND_DUMP_DEST)>
BTRC_DISK=S                                  <Traceファイル格納先のディスク形態(BACKGROUND_DUMP_DEST)>
UTRC_DIR=D:\oracle\ora10\admin\ora10\udump <Traceファイル格納先(USER_DUMP_DEST)>
UTRC_DISK=S                                  <Traceファイル格納先のディスク形態(USER_DUMP_DEST)>

;監視情報格納先
SHARED_DIR=D:\temp\swfo_share                                      <監視情報格納先>

;スタンバイ・データベース情報(No.1) [STANDBY_ENV] STB_HOST_NAME=mpor11 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_1 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys1 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys1 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

;スタンバイ・データベース情報(No.2) [STANDBY_ENV] STB_HOST_NAME=mpor12 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_2 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys2 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys2 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

[INSTANCE_ENV] →別のOracleに対する情報を記述します。 : [AGENT_ENV] →別の監視対象サーバに対する情報を記述します。


Linux版】

[FILE_VERSION]
VERSION=a000        <ファイルバージョン>

;サーバ情報
[AGENT_ENV]
SERVER_NAME=host    <監視対象サーバ名>
OS_NAME=Linux       <OS種別>
OS_CODE=UTF-8       <OSコード系>
AGENT_VL=f000       <バージョン/レベル>
AGENT_TYPE=EE       <種類>

;監視情報格納先の扱い
SHARED_MODE=S       <監視情報格納先の扱い>

;Oracle環境情報
[INSTANCE_ENV]
ORA_VL=10.2.0                                              <Oracleバージョン>
ORA_CHAR_SET=JA16EUC                                       <Oracleキャラクタセット>
ORA_SID=ora10                                              <ORACLE_SID>
ORA_HOME=/oracle/ora10/product/10                          <ORACLE_HOME>
ORA_NLS=/oracle/ora10/product/10/common/nls/admin/data     <ORA_NLS>
ORA_USER_ID=system                                         <Oracleユーザ名>
ORA_PASS_WD=pwsystem                                       <Oracleユーザパスワード>

;アラートログ監視機能
ALERT_DIR=/oracle/ora10/admin/ora10/bdump     <アラートログファイル格納先>
ALERT_NAME=alert_ora10.log                    <アラートログファイル名>
ALERT_DISK=S                                  <アラートログ格納先のディスク形態>

;トレースファイル監視機能
BTRC_DIR=/oracle/ora10/admin/ora10/bdump   <バックグラウンド・トレースファイル格納先>
BTRC_DISK=S                                <バックグラウンド・トレースファイル格納先のディスク形態>
UTRC_DIR=/oracle/ora10/admin/ora10/udump   <ユーザ・トレースファイル格納先>
UTRC_DISK=S                                <ユーザ・トレースファイル格納先のディスク形態>

;監視情報格納先
SHARED_DIR=/swfo_share                                      <監視情報格納先>

;スタンバイ・データベース情報(No.1) [STANDBY_ENV] STB_HOST_NAME=mpor11 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_1 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys1 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys1 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

;スタンバイ・データベース情報(No.2) [STANDBY_ENV] STB_HOST_NAME=mpor12 <ホスト名>
STB_ORA_SID=ora10_2 <ORACLE_SID>
STB_USER_ID=sys2 <Oracleユーザ名>
STB_PASS_WD=pwsys2 <Oracleユーザ名に対するパスワード>
STB_PORT=1524 <リスナーで使用するポート番号>

[INSTANCE_ENV] →別のOracleに対する情報を記述します。 : [AGENT_ENV] 別の監視対象サーバに対する情報を記述します。

6.2.3.3 Oracle環境情報の設定内容の確認

Oracle環境情報の設定内容の確認を行う場合、運用管理サーバ上で以下のコマンドを実行してください。

UNIX版】

コマンドは、スーパーユーザで実行する必要があります。

# /opt/FJSVmpor/bin/mporaenvdsp [ -h ホスト名 | -all ]<ENTER>

【Windows版】

コマンドは、Administratorsグループに属するユーザで実行する必要があります。

mporaenvdsp.exe [ -h ホスト名 | -all ]<ENTER>

[オプション]

-h ホスト名

指定されたホストに対する「Oracle環境情報」の設定内容を表示します。

-all

すべてのホストに対する作成済みの「Oracle環境情報」の設定内容を表示します。

省略

運用管理サーバに対する「Oracle環境情報」の設定内容が表示されます。


注意

  • 設定内容は「Oracle環境情報定義ファイル」の形式で表示されます。

  • 以下の項目は空の状態で表示されます。

    • ORA_PASS_WD (Oracleユーザパスワード)

    • STB_PASS_WD (スタンバイ・データベース情報のOracleユーザパスワード)