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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.0 設計ガイド
ServerView

2.2.1 リソース管理

本製品では、以下の機能を提供します。

本製品の動作環境は、「2.4 ソフトウェア環境」と「2.5 ハードウェア環境」を参照してください。

表2.3 提供機能一覧

提供機能

機能概要

備考

リソースプール

リソースを無駄なく有効に活用するための機能です。

2.2.2 リソースプール」を参照してください。

L-Server作成

サーバ、ストレージ、OSのイメージ、ネットワークなど、リソースプール内の適切なリソースを組み合わせて構成される、物理/仮想を含めた論理サーバ(L-Server)を迅速に提供する機能です。

L-Serverに割り当てるリソースが存在しない環境でも、事前にL-Serverの定義を作成できるなど、柔軟な構築と運用が行えます。

L-Serverについては、「2.2.3 L-Server」を参照してください。
L-Serverに対するリソースの割当てと解放については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.8 L-Serverへのリソースの割当てと解放」を参照してください。

L-Serverテンプレート

L-Serverを簡単に作成するために、L-Serverの仕様(CPU数、メモリ容量、ディスク容量、NIC数など)を事前に定義できる機能です。

2.2.5 テンプレート」を参照してください。

リソースの見える化

リソースプール内のリソースの総容量や空き容量などを表示する機能です。

2.2.6 リソースの見える化」を参照してください。

ネットワーク設定の簡易化

L-Serverの作成時、またはネットワーク機器の接続時に行うネットワーク設定を自動化する機能です。

2.2.7 ネットワークの簡易化」を参照してください。

ストレージ設定の簡易化

物理L-Serverから利用するために、ストレージ装置とストレージネットワークを設定する機能です。

2.2.8 ストレージの簡易化」を参照してください。

物理サーバの用途変更

物理サーバで起動するOSとソフトウェアを、時間帯や状況に応じて切り替えることができるため、サーバのリソースを有効活用できます。

「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.9 物理サーバの用途変更」を参照してください。

構築済みの物理サーバまたは仮想マシンとL-Serverの関連付け

構築済みの物理サーバまたは仮想マシンをL-Serverに関連付けることで、L-Serverとして一元管理できます。

「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第18章 構築済みの物理サーバまたは仮想マシンとL-Serverの関連付け」を参照してください。

リソースフォルダーによる多数リソースの分割管理

複数のリソースをまとめて管理するための機能です。

「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第21章 リソースフォルダーの操作」を参照してください。

ロールによるアクセス制御

ユーザーごとにロール(利用できる操作の集合)とアクセス範囲(操作できるリソース)を設定する機能です。

複数のユーザーを管理するユーザーグループにより、多数のユーザーの設定を一括して行うこともできます。

5.1 ロールによるアクセス制御」を参照してください。

テナントによる複数部門での安全なリソースの隔離と共用

テナントとは、組織や業務などを業務形態に応じてリソースの管理と運用を分割するための単位です。
本機能を利用することで、部門間のリソースの隔離と共用を安全に運用できます。

第6章 テナント、リソースプールの決定」および「運用ガイド CE」の「第4章 テナントの管理」を参照してください。

LDAP連携によるユーザー情報の共通管理

Active Directoryなどの、LDAPをサポートするディレクトリサービスと連携することで、ユーザー情報をほかの製品と共通に管理できます。

第12章 シングルサインオンの導入と決定」を参照してください。

高可用性の実現

L-Serverと管理サーバの冗長化、シャーシ故障時に対応したサーバ切替え、ストレージの切替えなどの、高可用性システムを実現する機能です。

第7章 高可用性とDisaster Recoveryの決定」を参照してください。

DR(Disaster Recovery)

災害によるシステムの致命的な被害に備え、遠隔地に復旧用のシステム(バックアップサイト)を用意しておき、万一の場合は切り替えて運用できます。

「DRオプション 説明書」を参照してください。

監視

サーバなどのリソース状態を監視し、GUIを使用して、正常、異常などの状態を表示する機能です。

「運用ガイド CE」の「第11章 リソースの監視」を参照してください。

電源操作

サーバの電源ONや電源OFFを行う機能です。

「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.1 電源操作」を参照してください。

ハードウェア保守

ハードウェア交換を簡易化する機能です。SANに接続している場合、I/O仮想の設定を行っておくことで、ストレージ機器の再設定をする必要がありません。また、VIOMを利用することでMACアドレス、ブート設定およびネットワーク設定も自動的に変更されるので、MACアドレスを参照するソフトウェアやネットワーク機器の設定変更も必要ありません。また、VMホームポジションを利用することで、VMホストの保守が簡単に行えます。

「運用ガイド CE」の「第9章 ハードウェア保守」を参照してください。

ネットワークの監視

ネットワーク機器のリソース状態を監視し、GUIで正常や異常などの状態を表示する機能です。
監視には、定期監視とSNMPトラップ監視があり、ネットワークデバイスを登録または変更する際に監視方法を指定します。

  • 定期監視

    定期的にネットワーク機器の監視を行います。

    • 生存監視

      pingコマンドを実行し、応答の有無でネットワーク機器の状態を判断します。

    • 状態監視

      SNMPで収集したMIB情報を元に、ネットワーク機器の状態を判断します。

  • SNMPトラップ監視

    ネットワーク機器が発行するSNMPトラップの受信を契機に状態監視(SNMP監視)を行います。

  • ネットワークマップ機能

    ネットワークマップ機能により、以下の情報が表示されます。

    • 物理サーバと仮想マシン内(仮想スイッチ、VMゲスト)のネットワーク構成

    • 各リソース間のネットワーク接続状態

    • 物理サーバと仮想マシン内のVLAN設定状態

「運用ガイド CE」の「11.4 ネットワークの監視」と「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「付録A 画面説明」を参照してください。

監視方法の指定については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「14.6 ネットワーク構成情報」を参照してください。

ネットワークの保守

ネットワーク機器の保守を行う機能です。

「運用ガイド CE」の「第9章 ハードウェア保守」を参照してください。

L-Serverのコンソール画面起動

本製品の画面から、物理/仮想を含めたL-Serverのコンソール画面を、共通の簡単な操作で表示できます。

「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.3 コンソールの利用」を参照してください。


管理対象リソース

本製品では、以下のリソースが管理できます。

表2.4 管理対象リソース

リソース

内容

シャーシ

サーバブレードを収容するブレードサーバのシャーシです。状態監視、情報表示および電源操作ができます。

物理サーバ

VMwareやHyper-Vなどのサーバ仮想化ソフトウェア上で動作する仮想マシンと区別するための、物理的なサーバの総称です。物理サーバを以下の方法で利用できます。

  • 未使用の物理サーバを本製品に登録してL-Serverとして管理

  • 構築済みの物理サーバをL-Serverに関連付けて管理

また、物理サーバ上で動作するVMホストまたは物理OSを検出し、本製品で管理するリソースとして登録できます。

VMホスト

仮想マシンを動作させるためにサーバ上で動作するサーバ仮想化ソフトウェアです。例えばHyper-Vの役割が追加されているWindows Server 2008 R2、VMwareのVMware ESX、RHEL5-Xenのドメイン0、RHEL-KVMのVMホスト、Oracle VM Server、およびSolarisコンテナのVMホストがこれに相当します。

VMホストに対して監視、情報表示、HBA address renameの設定、およびサーバ切替え操作などができます。
また、VMホストを登録すると、VMホスト上のVMゲストも自動的に検出され、サーバツリー配下に表示されます。サーバツリーからはVMゲストの電源操作やマイグレーション操作などが行えます。

VM管理製品

複数のサーバ仮想化ソフトウェアを統合管理する製品です。例えばVMwareでは、VMware vCenter Server、Hyper-Vでは、SCVMM、Oracle VMでは、Oracle VM Managerがこれに相当します。

本製品に登録して連携することで、VMゲストに対する機能が利用できるようになります。

サーバ管理製品

複数のサーバを管理する製品です。対象のサーバを制御できます。

LANスイッチ(LANスイッチブレード)

ブレードサーバのシャーシに搭載されたLANスイッチ(LANスイッチブレード)です。
LANスイッチブレードに対しては、状態監視、情報表示およびVLAN設定ができます。

VMゲスト

仮想マシン上で動作するOSです。
VMゲストの状態監視、情報表示および電源操作などができます。
以下の方法で利用できます。

  • 新たなVMゲストをL-Serverとして管理

  • 構築済みの仮想マシンをL-Serverに関連付けて管理

仮想スイッチ

VMホスト上で、VMゲストのネットワークを管理するために利用する仮想的なスイッチです。
Hyper-Vでは仮想ネットワークという概念で表現されています。
Hyper-Vの仮想ネットワークとVMwareの標準機能である仮想スイッチをサポートします。
Cisco Nexus 1000V 仮想スイッチについては、サポートしていません。

ディスクリソース

サーバに割り当てるディスクのリソースです。EMC CLARiXストレージおよびETERNUSストレージの場合はLUN、NetAppストレージの場合はFlexVol、EMC Symmetrix DMXストレージまたはEMC Symmetrix VMAXストレージの場合はデバイス、VMゲストの場合は仮想ディスクが相当します。

仮想ストレージリソース

ディスクリソースを切り出すことができるリソースです。

ETERNUSストレージのRAIDグループ、NetAppストレージのアグリゲート、およびVM作成用ファイルシステム(VMwareのVMFS(データストア)など)が相当します。

ストレージ管理製品

1つまたは複数のストレージを統合管理する製品です。EMC CLARiXストレージでは、Navisphere、EMC Symmetrix DMXストレージまたはEMC Symmetrix VMAXストレージではSolutions Enabler、ETERNUSストレージではETERNUS SF Storage Cruiser、NetApp社製ストレージではData ONTAPがこれに相当します。
本製品に登録して連携することで、ストレージに対する機能が利用できます。

ネットワークリソース

L-Serverやネットワーク機器が利用するネットワークの情報を定義したリソースです。
L-ServerのNICをネットワークリソースに接続することで、物理と仮想のネットワークスイッチが設定され、L-Serverが通信できるようになります。
ネットワークリソースにIPアドレスの範囲が設定されている場合、L-Serverへのイメージ配付時に、IPアドレスを自動的に設定できます。

ネットワークデバイスリソース

ネットワーク機器を定義したリソースです。ネットワークデバイスにはファイアーウォール装置、サーバロードバランサー装置およびL2スイッチ(LANスイッチブレードは除く)があります。
ネットワーク機器の状態監視、情報表示、および自動設定ができます。

アドレスセットリソース

WWNとMACアドレスです。

物理L-Serverを作成する場合、WWNとMACアドレスが必要です。

KVMおよびRHEL5-Xenを利用して仮想L-Serverを作成する場合、MACアドレスが必要です。

仮想イメージリソース

以下の2つのイメージです。

  • 仮想L-Serverから採取したクローニングイメージ

  • VM管理製品でVMゲスト作成に用いるテンプレートを利用したイメージ

物理イメージリソース

物理L-Serverから採取したクローニングイメージです。