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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.0 設計ガイド
ServerView

2.2.3 L-Server

本製品では、サーバ(ストレージ、ネットワークを含む)の論理的な仕様(CPU数、メモリ容量、ディスク容量、NIC数など)を定義したL-Serverを作成できます。

L-Serverには、定義された仕様に従ってリソースを割り当てることができます。リソースが割り当てられた状態のL-Serverは、通常の物理サーバや仮想マシンと同様の操作ができます。

また、構築済みの物理サーバまたは仮想マシンをL-Serverと関連付けて管理できます。

L-Serverの利用者は、L-Serverに定義された仕様だけを意識し、割り当てられたリソースの実体を意識せずに運用できます。

L-Serverを使用することで以下のような効果があります。

参考

L-Serverへのリソースの割当ては、リソースプールに格納されたリソースを自動的に選択する方法だけでなく、手動で特定のリソースを割り当てることもできます。


L-Server作成

サーバの仕様(CPU性能とメモリ量、またはモデル名)や、ストレージ容量、OSのイメージ、接続するネットワークを指定することで、リソースプール内の適切なリソースを組み合わせてL-Serverを作成します。構成定義だけのL-Serverを作成し、初回の電源ON時にリソースを割り当てる運用と、すぐに使用できる状態でリソースを割り当てる運用を選択できます。

リソースの選択には、以下の2つの方法があります。

L-Serverの仕様の指定方法には、以下の2つの方法があります。

作成したL-Serverに対しては、通常のサーバと同じように、起動、停止、削除といった基本的な操作を行えます。操作の際には、L-Serverを構成するリソースの詳細を意識する必要はありません。

また、以下のような操作が行えます。

L-Server配備先の選択

L-Serverを配備するリソースプールとサーバ(仮想の場合は、VMプールとVMホスト、物理の場合はサーバプールと物理サーバ)は、以下のどれかの方法で指定します。

なお、L-Platformを作成する場合、リソースプールだけ指定できます。

配備先のサーバは、以下の条件を満たす必要があります。

仮想L-Serverの作成で、VMプール内で配備先のVMホストを自動選択する場合、上記の条件に加えて、以下のようにVMホストを選択します。

クローニングによる導入の簡易化

クローニングは、1台のサーバのシステムディスクの内容から作成したクローニングイメージを、ほかの物理L-Serverに配付する機能です。

クローニングイメージは、サーバごとのネットワーク固有情報(ホスト名、IPアドレスなど)を無効化しており、配付する際に自動的に配付先サーバにネットワーク固有情報を設定します。

これに基づいて、同じOSとソフトウェアを使用するサーバの複製を作れます。


I/O仮想化による導入の簡易化

HBA address renameによるI/O仮想化(注)で、サーバ導入作業から独立して事前にストレージを設定しておくことができます。サーバ導入時にはストレージ管理者に依頼しなくても、サーバの導入と設定を行えます。

注) 「2.2.9 I/O仮想化」を参照してください。


インフラ管理者用L-Server

インフラ管理者用L-Serverとは、テナント管理者やテナント利用者からは利用できず、インフラ管理者だけが利用できるL-Serverです。通常のL-Serverは、テナント管理者やテナント利用者だけが利用できます。

以下の目的で作成します。

物理サーバの用途変更

物理サーバの用途変更は、物理サーバの台数以上のL-Serverを用意し、起動するL-Serverを切り替えて使用する機能です。本機能により、時間帯や状況に応じて物理サーバの用途を変更できるため、サーバの資源を有効活用できます。

L-Serverの起動ディスクとIPアドレスは、物理サーバをほかのL-Serverが利用している間も保持されます。

本機能はL-Serverの実体が物理サーバの場合に使用できます。仮想マシンの場合、特に設定をしなくても1台のVMホストに複数のL-Serverが配置できるため、起動するL-Serverを選択することで、物理サーバの用途変更と同じ効果が得られます。

本機能は、以下の2種類の使い方があります。

詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.9 物理サーバの用途変更」を参照してください。


VMゲストの配置変更(マイグレーション)

VM管理製品(VMware vCenter Serverなど)またはVMホスト(KVMのVMホスト)と連携することで、VMゲストを物理サーバ間で移動する操作(マイグレーション)を本製品から行えます。

負荷に応じてVMゲストを一部のサーバに集めることで、不要なサーバやシャーシを停止して消費電力を削減できます。

保守中のサーバからVMゲストを移動させ、保守中も業務を継続できます。