名前
ijinit - Java EEの運用環境の初期化
形式
ijinit [-y] [-file filepath] [-ssl [true|false]] [-adminport port] [-httpport port] [-iiopport port] [-iiopsslport port] [-iiopmutualauthport port] [-jmxadminport port] [-commondir directory] [-javaversion version] [-existing]
ijinit [-y] [-javaversion version] [-file filepath]
機能説明
Java EEの運用環境を初期化します。
本コマンドを実行すると、定義情報と資産の初期化/削除が行われ、インストール直後の状態を復元できます。
本コマンドは管理者権限を持つユーザーのみ実行可能です。
本コマンドはシステム管理者だけ実行可能です。
オプション
オプション名 | 説明 |
---|---|
-y | 指定した場合、コマンド実行時の問い合わせが行われません。 |
-file | Java EE初期化定義ファイルを指定します。
使用できるエンコーディングは以下となります。
|
-ssl | Java EE機能の運用管理用HTTPリスナーとInterstage管理コンソールのセキュリティ運用形態を指定します。省略時は、「true」です。
注)大文字/小文字の違いは、無視されます。 |
-adminport | 管理ポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「12001」です。(注1) |
-httpport | httpポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「28080」です。(注1) |
-iiopport | IIOPのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「23600」です。(注1) |
-iiopsslport | IIOP_SSLのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「23601」です。(注1) |
-iiopmutualauthport | IIOP_MUTUALAUTHのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「23602」です。(注1) |
-jmxadminport | JMX_ADMINのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「8686」です。(注1) |
-commondir | Java EE共通ディレクトリを指定します。ディレクトリを絶対パスで指定してください。 指定可能な値とデフォルトは、以下です。
|
-javaversion | サーバパッケージの場合 Java EE機能が利用するJDKを指定します。省略時のJDKは、「JDK6」です。
注1)大文字/小文字の違いは、無視されます。 注2)Java EEはJDK7をサポートしません。 クライアントパッケージの場合 Java EE機能が利用するJDKまたはJREを指定します。省略時は、「JDK6」です。
注1)大文字/小文字の違いは、無視されます。 注2)Java EEはJDK7/JRE7をサポートしません。 |
-existing | すでに他のサーバによって構築済みのJava EE共通ディレクトリを共有する場合に指定します。 |
(注1):
Java EEの実行環境が使用するポート番号には、以下の値を設定しないでください。以下の値を設定して運用した場合、Java EEの実行環境、システム内の他のサービス、システム上のアプリケーションが正常に動作しない場合があります。
システム内の他のサービス、システム上のアプリケーションが使用するポート番号
システムが動的に割り当てる領域のポート番号(エフェメラルポート)
サービス運用ユーザーがシステムの管理者権限を持たない場合、1から1023の値を設定しないでください。設定した場合、Interstage Java EE DASサービス/Interstage Java EE Node Agentサービスが正常に動作しません。
(注2):
Java EE共通ディレクトリの共有は、クラスタサービスの共用ディスクに限って使用できます。
Java EE初期化定義ファイルの記述形式
-fileオプションで指定するJava EE初期化定義ファイルは、「項目名=値」の形式で、改行区切りで記述します。項目は改行で区切ります。
Java EE初期化定義ファイルでは、以下の文字をバックスラッシュでエスケープしてください。エスケープしていない場合、設定情報を正しく読み込めない場合があります。
「#」、「!」、「=」、「:」、「\」、「”」、「’」
以下に、Java EE初期化定義ファイルで指定可能な定義項目を説明します。
項目名 | 意味 | 対応するコマンドオプション |
---|---|---|
SSL | SSL暗号化通信の使用 | -ssl |
DOMAIN_ADMIN_PORT | 管理ポート | -adminport |
HTTP_LISTENER_PORT | HTTPポート | -httpport |
IIOP_PORT | IIOPポート | -iiopport |
IIOP_SSL_PORT | IIOP_SSLポート | -iiopsslport |
IIOP_MUTUALAUTH_PORT | IIOP_MUTUALAUTHポート | -iiopmutualauthport |
JMX_ADMIN_PORT | JMX_ADMINポート | -jmxadminport |
COMMON_DIR | Java EE共通ディレクトリ | -commondir |
JAVA_VERSION | Java EE機能が利用するJDK(クライアントの場合はJRE) | -javaversion |
EXISTING | 構築済みのJava EE共通ディレクトリを共有するかどうか。
注)大文字/小文字の違いは無視されます。
| -existing |
注意
項目名の大文字/小文字は区別されます。項目名は大文字で指定してください。
上表に含まれない定義項目は無視されます。
空白文字だけの行、または最初の非空白文字が、ASCII文字 # または ! である行は無視されます。
項目名と=の間の空白、および=と値の間の空白は無視されます。
設定する順番を意識する必要はありません。定義項目が重複する場合、最初に定義された値が利用されることは保証されません。
例
SSL =true
DOMAIN_ADMIN_PORT=12001
HTTP_LISTENER_PORT=28080
IIOP_PORT=23600
IIOP_SSL_PORT=23601
IIOP_MUTUALAUTH_PORT=23602
JMX_ADMIN_PORT=8686
COMMON_DIR=C\:\\Interstage\\F3FMisjee\\var
JAVA_VERSION=JDK6
EXISTING=true
SSL=true
DOMAIN_ADMIN_PORT=12001
HTTP_LISTENER_PORT=28080
IIOP_PORT=23600
IIOP_SSL_PORT=23601
IIOP_MUTUALAUTH_PORT=23602
JMX_ADMIN_PORT=8686
COMMON_DIR=/var/opt/FJSVisjee
JAVA_VERSION=JDK6
EXISTING=true
メッセージ
コマンド実行時、ユーザーへの確認のために以下のメッセージが出力されます。
Java EE運用環境の初期化を行う場合は「y」を、処理を中断する場合は「n」を指定します。
なお、コマンド実行時に「-y」を指定した場合は、下記のメッセージは出力されません。
Note: All message brokers must be stopped before this command is executed. |
Initialize Java EE environment, are you sure (y/n)? |
戻り値
0: 正常終了
1: 異常終了
注意事項
本コマンドを多重実行した場合、予期しない障害が発生する場合があります。多重実行した場合は、本コマンドを再実行してください。
コマンドオプションによる指定とJava EE初期化定義ファイルによる指定で項目が重複した場合、コマンドオプションによる指定が有効になります。
本コマンドを実行すると、Java EE共通ディレクトリの削除、新規作成をおこないます。
その結果、コマンド実行前に作成したInterstage Java EE Node Agentサービス、Interstage Java EE DASサービス、IJServerクラスタ、リソース、ユーザーが配備したアプリケーションなどの資産が削除されます。本コマンドを実行する前にバックアップ・リストア機能によるバックアップを検討してください。
Java EE共通ディレクトリの変更時の資産引き継ぎについて
インストール後にJava EE共通ディレクトリを変更したい場合、ijinitコマンドとバックアップ・リストア機能を併用することで、作成済みのIJServerクラスタやリソース、ユーザーが配備したアプリケーションなどの資産をJava EE共通ディレクトリ変更後の環境へ引き継ぐことができます。
作成済みの資源をJava EE共通ディレクトリ変更後の環境で引き続き利用するには、以下の手順で操作を行ってください。
バックアップ
ijbackupコマンドを利用して、資源をバックアップします。
ijbackupコマンドの詳細は、「20.5 ijbackup」を参照してください。
初期化
任意のJava EE共通ディレクトリを指定して、ijinitコマンドを実行します。
このとき、初期化後のJDKバージョンがバックアップ資産と同一となるようにしてください。
リストア
ijrestoreコマンドを利用して、資源をリストアします。
ijrestoreコマンドの詳細は、「20.6 ijrestore」を参照してください。
ijinitコマンドの実行時にJava EE共通ディレクトリ以外の項目を指定した場合、後で実行するリストア操作によりバックアップ前の値で上書きされます。
本コマンドを実行する前に、以下を停止してください。
すべてのIJServerクラスタ
すべてのメッセージブローカ
すべてのJava DB
Interstage Java EE Node Agentサービス
Interstage Java EE DASサービス
上記のうち、IJServerクラスタ、Interstage Java EE Node Agentサービス、またはInterstage Java EE DASサービスのいずれかが停止状態ではない場合、コマンド操作がエラーになります。
メッセージブローカ、またはJava DBが停止状態ではない場合は、コマンド操作がエラーとならない場合がありますので注意してください。
本コマンド実行時に以下のポートを初期化します。
サービス名 | 用途 | ポート番号/プロトコル |
---|---|---|
Interstage Java EE DASサービス | 運用管理用HTTPリスナーのポート | 12001/tcp |
Interstage Java EE DASサービス | HTTPリスナーのポート | 28080/tcp |
Interstage Java EE Node Agentサービス | JMXコネクタが使用するRMIレジストリの接続ポート | 29696 |
ポート番号が利用中の場合、または初期化コマンドの他項目で指定済みの場合は、本コマンド実行時点で使用可能なポート番号を初期化します。
ポート番号が初期化コマンドの他項目で指定済みの場合は、本コマンド実行時点で使用可能なポート番号を初期化します。
本コマンド実行後にこれらのポートを参照、変更したい場合は「システム設計ガイド」-「ポート番号」を参照してください。
本コマンドを実行すると、設定済みのサービス運用ユーザーはrootで初期化されます。(-existingオプションまたはJava EE初期化定義ファイルで“EXISTING=true”指定時を除く)
サービス運用ユーザーをroot以外に設定していた場合、以下のメッセージが出力されます。必要に応じて、ijsetoperatoridコマンドを再実行してください。
サービス運用ユーザーがrootに変更された場合のメッセージ
INFO: ISJEE_IJSETOPID001: The service operation user was changed to root. |
Windowsファイアウォール機能が有効となっている環境では、本コマンド実行時に以下の内容のポップアップダイアログが表示される場合があります。
名前:「Java(TM) 2 Platform Standard Edition binary」
発行元:「FUJITSU LIMITED」
ポップアップダイアログの「ブロックを解除する」を選択した後、本コマンドを再実行してください。
上記以外の内容を含むポップアップダイアログが出力された場合は警告内容に従って対処してください。
「-y」、「-file」、「-javaversion」以外のオプションを指定するとエラーとなります。
使用例
以下のように実行します。
>ijinit |
>ijinit |