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Interstage Application Server/Interstage Web Server Express リファレンスマニュアル(コマンド編)
Interstage

13.8 ijinit

名前

ijinit - Java EEの運用環境の初期化

形式

サーバパッケージの場合

ijinit [-y] [-file filepath] [-ssl [true|false]] [-adminport port] [-httpport port] [-iiopport port] [-iiopsslport port] [-iiopmutualauthport port] [-jmxadminport port] [-commondir directory] [-javaversion version] [-existing]

クライアントパッケージの場合

ijinit [-y] [-javaversion version] [-file filepath]

機能説明

Java EEの運用環境を初期化します。
本コマンドを実行すると、定義情報と資産の初期化/削除が行われ、インストール直後の状態を復元できます。

本コマンドは管理者権限を持つユーザーのみ実行可能です。

本コマンドはシステム管理者だけ実行可能です。

オプション

オプション名

説明

-y

指定した場合、コマンド実行時の問い合わせが行われません。

-file

Java EE初期化定義ファイルを指定します。
Java EE初期化定義ファイルの記述形式については、「Java EE初期化定義ファイルの記述形式」を参照してください。
また、コマンドオプションとJava EE初期化定義ファイルで同一の定義項目を指定した場合、コマンドオプションの指定値が有効となります。
以下の場合、エラーとなります。

  • 指定されたファイルが存在しない

  • 不正な形式のファイルを指定した

  • Java EE初期化定義ファイルで指定した定義項目の値が、値の範囲外である

使用できるエンコーディングは以下となります。

  • SJIS

  • EUC

  • UTF-8

-ssl

Java EE機能の運用管理用HTTPリスナーとInterstage管理コンソールのセキュリティ運用形態を指定します。省略時は、「true」です。
以下のいずれかを指定できます。

  • true:SSL暗号化通信が使用されます。

  • false:SSL暗号化通信が使用されません。

注)大文字/小文字の違いは、無視されます。

-adminport

管理ポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「12001」です。(注1)

-httpport

httpポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「28080」です。(注1)

-iiopport

IIOPのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「23600」です。(注1)

-iiopsslport

IIOP_SSLのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「23601」です。(注1)

-iiopmutualauthport

IIOP_MUTUALAUTHのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「23602」です。(注1)

-jmxadminport

JMX_ADMINのポート番号を、1~65535の範囲で指定します。省略時のポートは、「8686」です。(注1)

-commondir

Java EE共通ディレクトリを指定します。ディレクトリを絶対パスで指定してください。
また、-existingと同時指定する場合、クラスタシステムが提供する共用ディスク上のJava EE共通ディレクトリを指定してください。(注2)

指定可能な値とデフォルトは、以下です。

指定できる文字:
英数字、「'」、「+」、「-」、「@」、「.」、「_」、パス区切り文字

指定できない文字:
DOSデバイス名

指定できる文字数:
50バイト以内

デフォルト:
C:\Interstage\F3FMisjee\var

指定できる文字:
英数字、「'」、「+」、「-」、「@」、「.」、「_」、パス区切り文字

指定できる文字数:
239バイト以内

デフォルト:
/var/opt/FJSVisjee

注)指定するディレクトリが存在する場合、そのディレクトリのオーナーはシステム管理者となり、システム管理者の書き込み権限が設定されます。なお、以下配下のディレクトリは指定できません。

  • /opt/FJSVisjee/var

  • /opt/FJSVisjee/varのサブディレクトリ

  • /var/opt/FJSVisjeeのサブディレクトリ

-javaversion

サーバパッケージの場合

Java EE機能が利用するJDKを指定します。省略時のJDKは、「JDK6」です。
以下を指定できます。

  • JDK6

注1)大文字/小文字の違いは、無視されます。

注2)Java EEはJDK7をサポートしません。

クライアントパッケージの場合

Java EE機能が利用するJDKまたはJREを指定します。省略時は、「JDK6」です。
以下のいずれかを指定できます。

  • JDK6

  • JRE6

注1)大文字/小文字の違いは、無視されます。

注2)Java EEはJDK7/JRE7をサポートしません。

-existing

すでに他のサーバによって構築済みのJava EE共通ディレクトリを共有する場合に指定します。
クラスタサービスと連携した運用環境を構築する場合に指定してください。クラスタサービス連携については、「高信頼性システム運用ガイド」-「クラスタサービス機能」を参照してください。
なお、Enterprise Edition以外で指定するとエラーとなります。


(注1):

(注2):

Java EE初期化定義ファイルの記述形式

-fileオプションで指定するJava EE初期化定義ファイルは、「項目名=値」の形式で、改行区切りで記述します。項目は改行で区切ります。
Java EE初期化定義ファイルでは、以下の文字をバックスラッシュでエスケープしてください。エスケープしていない場合、設定情報を正しく読み込めない場合があります。

以下に、Java EE初期化定義ファイルで指定可能な定義項目を説明します。

項目名

意味

対応するコマンドオプション

SSL

SSL暗号化通信の使用

-ssl

DOMAIN_ADMIN_PORT

管理ポート

-adminport

HTTP_LISTENER_PORT

HTTPポート

-httpport

IIOP_PORT

IIOPポート

-iiopport

IIOP_SSL_PORT

IIOP_SSLポート

-iiopsslport

IIOP_MUTUALAUTH_PORT

IIOP_MUTUALAUTHポート

-iiopmutualauthport

JMX_ADMIN_PORT

JMX_ADMINポート

-jmxadminport

COMMON_DIR

Java EE共通ディレクトリ

-commondir

JAVA_VERSION

Java EE機能が利用するJDK(クライアントの場合はJRE)

-javaversion

EXISTING

構築済みのJava EE共通ディレクトリを共有するかどうか。

  • true: 共有する

注)大文字/小文字の違いは無視されます。

  • 上記以外: 共有しない

-existing


注意

  • 項目名の大文字/小文字は区別されます。項目名は大文字で指定してください。

  • 上表に含まれない定義項目は無視されます。

  • 空白文字だけの行、または最初の非空白文字が、ASCII文字 # または ! である行は無視されます。

  • 項目名と=の間の空白、および=と値の間の空白は無視されます。

  • 設定する順番を意識する必要はありません。定義項目が重複する場合、最初に定義された値が利用されることは保証されません。

SSL =true
DOMAIN_ADMIN_PORT=12001
HTTP_LISTENER_PORT=28080
IIOP_PORT=23600
IIOP_SSL_PORT=23601
IIOP_MUTUALAUTH_PORT=23602
JMX_ADMIN_PORT=8686
COMMON_DIR=C\:\\Interstage\\F3FMisjee\\var
JAVA_VERSION=JDK6
EXISTING=true

SSL=true
DOMAIN_ADMIN_PORT=12001
HTTP_LISTENER_PORT=28080
IIOP_PORT=23600
IIOP_SSL_PORT=23601
IIOP_MUTUALAUTH_PORT=23602
JMX_ADMIN_PORT=8686
COMMON_DIR=/var/opt/FJSVisjee
JAVA_VERSION=JDK6
EXISTING=true

メッセージ

コマンド実行確認

コマンド実行時、ユーザーへの確認のために以下のメッセージが出力されます。
Java EE運用環境の初期化を行う場合は「y」を、処理を中断する場合は「n」を指定します。
なお、コマンド実行時に「-y」を指定した場合は、下記のメッセージは出力されません。

サーバパッケージの場合

Note: All message brokers must be stopped before this command is executed.
Initialize Java EE environment, are you sure (y/n)?

クライアントパッケージの場合

Initialize Java EE environment, are you sure (y/n)?

戻り値

0: 正常終了
1: 異常終了

注意事項

サーバパッケージの場合
  • 本コマンドを実行すると、Java EE共通ディレクトリの削除、新規作成をおこないます。
    その結果、コマンド実行前に作成したInterstage Java EE Node Agentサービス、Interstage Java EE DASサービス、IJServerクラスタ、リソース、ユーザーが配備したアプリケーションなどの資産が削除されます。本コマンドを実行する前にバックアップ・リストア機能によるバックアップを検討してください。

  • Java EE共通ディレクトリの変更時の資産引き継ぎについて
    インストール後にJava EE共通ディレクトリを変更したい場合、ijinitコマンドとバックアップ・リストア機能を併用することで、作成済みのIJServerクラスタやリソース、ユーザーが配備したアプリケーションなどの資産をJava EE共通ディレクトリ変更後の環境へ引き継ぐことができます。
    作成済みの資源をJava EE共通ディレクトリ変更後の環境で引き続き利用するには、以下の手順で操作を行ってください。

    1. バックアップ
      ijbackupコマンドを利用して、資源をバックアップします。
      ijbackupコマンドの詳細は、「20.5 ijbackup」を参照してください。

    2. 初期化
      任意のJava EE共通ディレクトリを指定して、ijinitコマンドを実行します。
      このとき、初期化後のJDKバージョンがバックアップ資産と同一となるようにしてください。

    3. リストア
      ijrestoreコマンドを利用して、資源をリストアします。
      ijrestoreコマンドの詳細は、「20.6 ijrestore」を参照してください。


    ijinitコマンドの実行時にJava EE共通ディレクトリ以外の項目を指定した場合、後で実行するリストア操作によりバックアップ前の値で上書きされます。

  • 本コマンドを実行する前に、以下を停止してください。

    • すべてのIJServerクラスタ

    • すべてのメッセージブローカ

    • すべてのJava DB

    • Interstage Java EE Node Agentサービス

    • Interstage Java EE DASサービス

    上記のうち、IJServerクラスタ、Interstage Java EE Node Agentサービス、またはInterstage Java EE DASサービスのいずれかが停止状態ではない場合、コマンド操作がエラーになります。
    メッセージブローカ、またはJava DBが停止状態ではない場合は、コマンド操作がエラーとならない場合がありますので注意してください。


  • 本コマンド実行時に以下のポートを初期化します。

    サービス名

    用途

    ポート番号/プロトコル

    Interstage Java EE DASサービス

    運用管理用HTTPリスナーのポート

    12001/tcp

    Interstage Java EE DASサービス

    HTTPリスナーのポート

    28080/tcp

    Interstage Java EE Node Agentサービス

    JMXコネクタが使用するRMIレジストリの接続ポート

    29696


    ポート番号が利用中の場合、または初期化コマンドの他項目で指定済みの場合は、本コマンド実行時点で使用可能なポート番号を初期化します。

    ポート番号が初期化コマンドの他項目で指定済みの場合は、本コマンド実行時点で使用可能なポート番号を初期化します。

    本コマンド実行後にこれらのポートを参照、変更したい場合は「システム設計ガイド」-「ポート番号」を参照してください。


  • 本コマンドを実行すると、設定済みのサービス運用ユーザーはrootで初期化されます。(-existingオプションまたはJava EE初期化定義ファイルで“EXISTING=true”指定時を除く)
    サービス運用ユーザーをroot以外に設定していた場合、以下のメッセージが出力されます。必要に応じて、ijsetoperatoridコマンドを再実行してください。

    サービス運用ユーザーがrootに変更された場合のメッセージ

    INFO: ISJEE_IJSETOPID001: The service operation user was changed to root.



  • Windowsファイアウォール機能が有効となっている環境では、本コマンド実行時に以下の内容のポップアップダイアログが表示される場合があります。

    名前:「Java(TM) 2 Platform Standard Edition binary」
    発行元:「FUJITSU LIMITED」

    ポップアップダイアログの「ブロックを解除する」を選択した後、本コマンドを再実行してください。
    上記以外の内容を含むポップアップダイアログが出力された場合は警告内容に従って対処してください。

クライアントパッケージの場合
  • 「-y」、「-file」、「-javaversion」以外のオプションを指定するとエラーとなります。

使用例

以下のように実行します。

サーバパッケージの場合

>ijinit
<入力項目一覧>
Note: All message brokers must be stopped before this command is executed.
Initialize Java EE environment, are you sure (y/n)?y
<以下省略>


クライアントパッケージの場合

>ijinit
Initialize Java EE environment, are you sure (y/n)?y
<以下省略>