名前
esmkchnl - イベントチャネルの作成
形式
(1) イベントチャネルの生成(イベントサービスの場合)
esmkchnl -g group -c channel ... [-m number] [-l locale] [-autodiscon]
[-ssl] [-w] [-host HostName -port PortNum] [-M system]
(2) イベントチャネルの生成(ノーティフィケーションサービス/JMSの場合)
esmkchnl -g group -c channel ... [-m number] [-l locale] [-autodiscon]
[-ssl] [-w] [-host HostName -port PortNum] [-M system]
-notify [-persist mode] [-unit unitid] [-tran | -ots] [-ptp] [-dbf file]
機能説明
イベントチャネル(静的生成運用)を作成します。イベントチャネルの作成は1つ以上のイベントチャネルにグループ名を付けて作成します。
指定できるオプションとパラメタを以下に示します。
[イベントサービス/ノーティフィケーションサービス/JMS共通オプション]
グループ名を指定します。
揮発チャネルを作成する場合は64バイト以内の文字列で、不揮発チャネル(-persistオプションと同時指定)を作成する場合は、32バイト以内の文字列で指定します。なお、空白を含む文字列は、指定できません。文字列の前後に空白を含んでいる場合は、削除されます。
JMSの機能を使用するイベントチャネルを作成する場合、英数字および以下の記号を含めた文字列(先頭は英数字)を使用することができます。
ハイフン(-)
ピリオド(.)
スラッシュ(/)
アンダースコア(_)
上記以外の記号を含めた文字列を設定した場合は、Interstage管理コンソールの[システム] > [サービス] > [JMS] > [イベントチャネル] > [状態]で表示されるイベントチャネルの一覧に表示されません。
グループに含まれるイベントチャネル名を、64バイト以内の文字列で指定します。複数指定が可能です。なお、空白を含む文字列は、指定できません。文字列の前後に空白を含んでいる場合は、削除されます。
JMSの機能を使用するイベントチャネルを作成する場合、英数字および以下の記号を含めた文字列(先頭は英数字)を使用することができます。
ハイフン(-)
ピリオド(.)
スラッシュ(/)
アンダースコア(_)
上記以外の記号を含めた文字列を設定した場合は、Interstage管理コンソールの[システム] > [サービス] > [JMS] > [イベントチャネル] > [状態]で表示されるイベントチャネルの一覧に表示されません。
グループに含まれるMixedモデルのイベントチャネルに接続するサプライヤ・コンシューマの合計値(最大接続数)を指定します。指定可能な値は、1~9999です。本オプションを省略した場合は、16が指定されます。
なお、不揮発チャネル運用を行う場合は、“チューニングガイド”の“イベントサービスの環境定義”-“サプライヤ・コンシューマ総数の見積もり方法”を参考にして、本オプションに指定する値を見積もってください。
日本語データを通信する場合、イベントチャネルが動作するマシンのコード系を指定します。
サプライヤとコンシューマが同一のコード系の場合は、指定する必要はありません。ただし、サプライヤ・コンシューマのいずれかがJava言語の場合で、Java言語以外のサプライヤ/コンシューマと接続する場合には、サプライヤ/コンシューマが動作するマシンのコード系が同じ場合でもイベントチャネルのコード系を設定してください。
指定可能なコード系は、以下のとおりです。
指定値 | コード系 |
---|---|
SJIS | ShiftJIS |
EUC | EUC |
| UNICODE |
| UTF8 |
Interstage Business Application Serverの場合、アプリケーション連携実行基盤においてイベントチャネルのコード系を設定する必要があります。
本オプションを指定すると、アプリケーションの異常終了などにより、サプライヤ・コンシューマが静的生成イベントチャネルに対してdisconnectメソッドを発行しないで終了した場合、イベントチャネルに残ったコネクション情報を自動回収する処理が有効となります。本オプションを指定しない場合は、無効となります。
また、-tranオプションと同時に本オプションを指定すると、コネクション情報の自動回収時にトランザクション中のローカルトランザクション(未完了のローカルトランザクション)が存在した場合、ローカルトランザクションをロールバックします。
ただし、以下の運用を行っている場合は、本オプションを指定しないでください。
サプライヤ/コンシューマのオブジェクトリファレンスをファイル/ネーミングサービスに保存している。かつ、
サプライヤ/コンシューマの再起動時、イベントチャネルに再接続しない。かつ、
ファイル/ネーミングサービスに保存したオブジェクトリファレンスを使用して送受信処理を行っている。
または、
MessageQueueDirectorのイベントチャネル連携サービス/MQ連携サービスで使用する(Interstage Application Server Enterprise Editionのみ)。
なお、本オプションを指定した場合、CORBAサービスのクライアント側無通信監視時間超過によりコネクションが切断される可能性があります。継続して通信する場合は、イベントチャネルへの接続から行ってください。
本オプションを指定すると、静的生成したイベントチャネルでSSL通信を行います。SSL通信については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“CORBAサービスでSSLを利用する方法”を参照してください。
クラスタサービス機能の運用で待機系サーバのセットアップを行う場合に指定します。本オプションを指定する場合、ネーミングサービスにイベントチャネルのオブジェクトリファレンスを登録しません。また、不揮発チャネル運用を行う場合は、ユニットにデータ格納領域を作成しません。
複数IPアドレスを持つシステムで、イベントチャネルの通信経路であるホスト名(またはIPアドレス)を指定します。
ただし、Interstage動作環境定義で“Corba Host Name”を設定(またはconfigファイル(CORBAサービス)の“IIOP_hostname”:CORBAサービスが使用するホスト名を特定)している場合は、本オプションは指定しないでください(本オプションで“Corba Host Name”以外のホスト名を指定すると、イベントチャネルの起動に失敗します)。
なお、本オプションを省略すると、“Corba Host Name”設定時は“Corba Host Name”のホスト名、未設定時には主系のホスト名が使用されます。
複数IPアドレスを持つシステムで、イベントチャネルの通信経路であるポート番号を指定します。
CORBAサービスのポート番号として指定されている以下のどちらかを指定してください。
-sslオプション未指定時
Interstage動作環境定義の“Corba Port Number”(CORBAサービスのconfigファイルの“IIOP_port”)
-sslオプション指定時(SSL通信時)
Interstage動作環境定義の“SSL Port Number”(CORBAサービスのconfigファイルの“UNO_IIOP_ssl_port”)
拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
本オプションは、以下の製品で指定可能です。
Interstage Application Server Enterprise Edition
Interstage Business Application Server
[ノーティフィケーションサービス/JMS用オプション]
本オプションを指定すると、ノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネルとして生成します。ノーティフィケーションサービス/JMSの機能を使用するイベントチャネルを作成する場合に指定します。指定しない場合、ノーティフィケーションサービス/JMSの機能は使用できません。
作成するイベントチャネルで不揮発チャネル運用を行う場合に指定します。JMSでは、Durable Subscription機能、イベントチャネルの不揮発化機能、ローカルトランザクション機能、およびグローバルトランザクション機能を使用する場合に指定します。指定可能なモード(mode)は、以下のとおりです。
イベントデータ、接続情報が不揮発化の対象となります(JMSでは、allのみ指定可能)。
接続情報だけが不揮発化の対象となります。
本オプションを指定する場合は、あらかじめ、esmkunitコマンドを使用してユニットを作成する必要があります。
また、本オプションは-notifyオプションを同時に指定する必要があります。
Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、本オプションを指定する必要はありません。
不揮発チャネル運用を行う場合のイベントチャネルを作成するユニットを指定します。-persistオプションを指定し、かつ本オプションを指定しない場合は、標準ユニットにイベントチャネルを作成します。
Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、本オプションを指定する必要はありません。
作成するイベントチャネルで、ローカルトランザクション運用を行う場合に指定します。
サーバ間連携を行う場合、およびJMSにおいてグローバルトランザクション運用を行わない場合は、本オプションを指定する必要があります。
Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてグローバルトランザクション運用を行わない場合、本オプションを指定する必要があります。
作成するイベントチャネルで、グローバルトランザクション運用を行う場合に指定します。本オプションは、1つのユニットに対して1つのイベントチャネルグループを作成できます。なお、イベントチャネルグループ内には複数のイベントチャネルを作成できますが、標準ユニットには作成できません。
本オプションは、-persistオプションに“all”が指定されている場合に有効です。
グローバルトランザクション運用については、“OLTPサーバ運用ガイド”の“リソース管理プログラムの運用”で説明されています。
Interstage Business Application Serverの場合で、メッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行い、かつグローバルトランザクションを使用する場合、本オプションを指定する必要はありません。
メッセージングモデルをPoint-To-Pointモデルとして、イベントチャネルを作成します。本オプションを省略した場合は、ノーティフィケーションサービスではメッセージングモデルをMultiCastモデルとして、JMSではメッセージングモデルをPublish/Subscribeモデルとしてイベントチャネルを作成します。
本オプションは、-notifyオプションを同時に指定する必要があります。さらに、不揮発チャネル運用時(共に-persistオプションを指定した場合)は、Point-To-Pointモデルではトランザクション運用を行う必要があるため、-tranオプションまたは-otsオプションを同時に指定する必要があります。
ノーティフィケーションサービスのメッセージングモデルの詳細については、“アプリケーション作成ガイド(イベントサービス編)”の“メッセージングモデル”を参照してください。
Interstage Business Application Serverの場合、アプリケーション連携実行基盤では、必ず本オプションを指定してください。
Interstage Business Application Serverのアプリケーション連携実行基盤において、メッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合に、データベース連携情報ファイルを指定します。本ファイル名は、絶対パス名(拡張子:“.dbc”)で指定してください。
本オプションは、以下の製品で指定可能です。
Interstage Business Application Server
データベース連携情報ファイル(拡張子:dbc)の記述形式と各項目の設定内容を以下に示します。
[雛形ファイルの格納先]
データベース連携情報ファイルの雛型ファイル(sample.dbc)は、以下に格納されています。必要に応じて編集してください。
/opt/FJSVes/src/db/sample.dbc |
[記述形式]
# All Rights Reserved, Copyright (c) FUJITSU LIMITED 2005 |
[設定項目]
項目 | 内容 | 省略値 | 指定範囲 |
---|---|---|---|
db_kind | データベース種別 | 省略不可 | symfo、oracle
|
db_name | 業務用データベース名 | 省略不可 | 1~36(文字数) |
db_ipmode | データベースサーバIPアドレス種別(注1) | IPv4 | IPv4、IPv6 |
db_hostip | データベースサーバIPアドレス(注1) |
|
|
db_portnum | データベースサーバポート番号(注1) |
|
|
db_hoststr | データベースホスト接続文字列(注2) |
| 1~128(文字数) |
ch_edmax | イベントデータ蓄積最大数(注3) | 3000 | 1~10000000 |
注1)Symfoware使用時に必須となります。
注2)Oracle使用時に必須となります。
注3)イベントチャネル作成時にだけ指定可能です。イベントデータ蓄積最大数を変更する場合は、いったんイベントチャネルを削除した後に、イベントチャネルを再作成してください。
注意事項
本コマンドは、管理者権限で実行してください。
本コマンドは、書き込み権限があるディレクトリで実行してください。
ネーミングサービスが起動されている必要があります。
本コマンドによりイベントチャネルを作成後、Interstageの初期化を行う場合は、初期化前にesrmchnlコマンドにより作成したイベントチャネルを削除してください。
また、イベントチャネルを削除せずにInterstageの初期化を行った場合は、esrmchnlコマンドにより初期化前に作成したイベントチャネルを削除する必要があります。
なお、作成したイベントチャネルの一覧は、essetcnfchnlコマンドの-lオプションを使用して確認してください。
不揮発チャネル運用を行う場合は、イベントサービスが起動されている必要があります。
esgetchnliorコマンドおよびessetchnliorコマンドを使用して他マシンのネーミングサービスにイベントチャネルのオブジェクトリファレンスを登録している場合は、イベントチャネルの再作成時に、再度、イベントチャネルのオブジェクトリファレンスを登録してください。登録せずにイベントチャネルと通信した場合、NO_IMPLEMENT例外が復帰します。
-gオプションのイベントチャネルグループ名、または-cオプションのイベントチャネル名に、以下の文字以外を含めて設定した場合、Interstage管理コンソールを使用してイベントチャネルの一覧を表示すると、エラーメッセージ“es39996”または“es39999”が出力され操作することができません。Interstage管理コンソールを使用する場合、イベントチャネルグループ名およびイベントチャネル名には、以下の文字を使用してください。なお、ハイフン(-)は先頭文字に使用することができません。
| Interstage管理コンソールで使用可能な文字 |
---|---|
イベントチャネルグループ名 |
|
| |
| |
イベントチャネル名 |
|
| |
|
-persist、-unit、-tran、-ots、-ptp、および-dbfオプションには、他のオプションと依存関係/排他関係があります。以下の表を参考にして指定してください。
例えば、-persistオプションは、-notifyオプションと同時に指定する必要があります。
オプション | 依存オプション | 排他オプション |
---|---|---|
-persist | -notify | なし |
-unit | -notify -persist | なし |
-tran | -notify | -ots |
-ots | -notify -persist(allのみ) | -tran |
-ptp | -notify | なし |
-persist -ptp | -notify -tran | なし |
-dbf | -notify -ptp | -persist |
-persistオプションと同時に-autodisconオプションを指定する場合は、-tran、または-ots オプションを指定する必要があります。
イベントチャネルの閉塞機能を使用する場合、-notify -tran -ptpオプション、または-notify -ots -persist all -ptpオプションを指定してイベントチャネルを生成する必要があります。
Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、データベースシステムの環境変数を設定する必要があります。設定内容の詳細については、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(アプリケーション連携実行基盤編)”の“アプリケーションサーバの環境設定”-“環境作成前処理”を参照してください。
Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、データベースが起動されている必要があります。
使用例
グループ名“EVENT1”、サプライヤ、コンシューマの最大接続数“100”のイベントサービスのイベントチャネル“CHNL1”、“CHNL2”を作成します。
esmkchnl -g EVENT1 -c CHNL1 CHNL2 -m 100 |
グループ名“EVENT2”、サプライヤ、コンシューマの最大接続数“100”のノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネル“CHNL3”、“CHNL4”を作成します。
esmkchnl -g EVENT2 -c CHNL3 CHNL4 -m 100 -notify |
不揮発チャネル運用、およびローカルトランザクション運用を行うイベントチャネル“CHNL5”を作成します。
esmkchnl -g EVENT3 -c CHNL5 -notify -persist all -tran |
メッセージングモデルをPoint-To-Pointモデルとして、不揮発チャネル運用およびローカルトランザクション運用を行うイベントチャネル“CHNL6”を作成します。
esmkchnl -g EVENT4 -c CHNL6 -notify -persist all -tran -ptp |
イベントチャネルの閉塞機能を使用するため、以下のようなノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネルを作成します。
グループ名:EVENT9
イベントチャネル名:CHNL11
ローカルトランザクション運用を行う
メッセージングモデル:Point-To-Pointモデル
esmkchnl -g EVENT9 -c CHNL11 -notify -tran -ptp |
Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、以下のようなノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネルを作成します。
グループ名:EVENT10
イベントチャネル名:CHNL12
データベース連携情報ファイル名:/opt/FJSVes/src/db/sample.dbc
アプリケーション連携実行基盤管理者のユーザID:apfwadm
アプリケーション連携実行基盤管理者のパスワード:Z24Y73ZAD59EK
esmkchnl -g EVENT10 -c CHNL12 -notify -ptp -tran -dbf /opt/FJSVes/src/db/sample.dbc |
コード系“SJIS”のイベントサービスのイベントチャネル“CHNL7”を作成します。
esmkchnl -g EVENT5 -c CHNL7 -l SJIS |
コード系“SJIS”のノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネル“CHNL8”を作成します。
esmkchnl -g EVENT6 -c CHNL8 -l SJIS -notify |
コード系“EUC”のイベントサービスのイベントチャネル“CHNL9”を作成します。
esmkchnl -g EVENT7 -c CHNL9 -l EUC |
コード系“EUC”のノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネル“CHNL10”を作成します。
esmkchnl -g EVENT8 -c CHNL10 -l EUC -notify |