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Interstage Application Server/Interstage Web Server Express リファレンスマニュアル(コマンド編)
Interstage

10.4 esmkunit

名前

esmkunit  -  ユニットの作成

形式

esmkunit [-uf unitfile] [-w] [-M system]

機能説明

不揮発チャネル運用時のユニットを作成します。ユニットは、ユニット定義ファイルの内容に従って作成されます。

指定できるオプションとパラメタを以下に示します。

-uf unitfile

ユニット定義ファイルunitfileを指定します。ユニット定義ファイルの記述形式および各項目の設定内容については、“ユニット定義ファイルの記述形式”を参照してください。

-w

クラスタサービス機能の運用で待機系サーバのセットアップを行う場合に指定します。

-M system

拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
本オプションは、以下の製品で指定可能です。

  • Interstage Application Server Enterprise Edition

  • Interstage Business Application Server

ユニット定義ファイルの記述形式

ユニット定義ファイル(def拡張子を持つファイル)の記述形式および各項目の設定内容を示します。

ポイント

  • ユニット定義ファイルの雛型ファイル(esunit01.def)について
    雛形ファイルは、以下に格納されています。必要に応じて編集して使用してください。

    C:\Interstage\eswin\etc\def\esunit01.def

    /opt/FJSVes/etc/def/esunit01.def
  • -ufオプションを省略した場合
    上記の雛型ファイルが格納されているディレクトリ配下のユニット定義ファイル(def拡張子を持つファイル)を使用してユニットを作成します。なお、ユニット定義ファイルが複数存在する場合は、すべてのファイルに対してユニットを作成します。

[記述形式]

unitid      = unit01
unitmode    = std
trandir     = D:\NOTIFY_DIR
tranmax     = 1024
sysdir      = D:\NOTIFY_DIR
syssize     = 10
sysqnum     = 100
syswarning  = 70 - 90
userdir     = D:\NOTIFY_DIR
usersize    = 30
userqnum    = 50
userwarning = 70 - 90
shmmax      = 80

[記述形式]

unitid      = unit01
unitmode    = std
trandir     = /NOTIFY_DIR
tranmax     = 100
tranunitmax  = 1024
sysdir      = /NOTIFY_DIR
syssize     = 10
sysqnum     = 100
syswarning  = 70 - 90
userdir     = /NOTIFY_DIR
usersize    = 30
userqnum    = 50
userwarning = 70 - 90
shmmax      = 80

[設定項目]

項目

内容

省略値

指定範囲

unitid

ユニット名(英数字のみ、大文字/小文字の区別なし)

省略不可

6バイト以内の文字列

unitmode

ユニットのモード

  • std:標準ユニット

  • ext:拡張ユニット

std

std, ext

trandir


トランザクション用ファイルを格納するディレクトリとして、NTFSファイルシステム上のディレクトリを指定します。

トランザクション用ファイルを格納するディレクトリとして、通常ファイルシステム上のディレクトリ、またはローデバイスを指定します(処理の高速化のためにローデバイスを指定することを推奨)。
注1)以下のサイズの容量が必要となります。
((tranmax×4)+256+(tranunitmax×2))×16(Kバイト)
注2)ローデバイスを指定する場合は、パーティションのサイズが2ギガバイト以内のローデバイスをあらかじめ作成しておく必要があります。
3複数ユニットのファイルを混在できません。ユニットを複数生成する場合は、異なる格納ディレクトリを指定してください。
4絶対パスで指定してください。環境変数を使用したパスは指定できません。
5クラスタ運用時はローデバイスではなく、sysdirおよびuserdirと同じ共用ディスク上の格納ディレクトリを指定してください。

省略不可

240バイト以内の文字列

tranmax

トランザクションの多重度
ユニット内のイベントチャネルに対して、同時にトランザクション運用を行う多重度を指定します。


1024

100

1~1024

tranunitmax

1トランザクション内で操作することができる最大メッセージサイズをブロック数で指定します(1ブロック:16Kバイト(固定))。
例)1024と指定すると、1024×16Kバイト=16Mバイト

1024

1~4096

sysdir

システム用(ユニット制御用)ファイルを格納するディレクトリ(Windows(R)システムでは、NTFSファイルシステム上のディレクトリを指定)。
注1)複数ユニットのファイルを混在できません。ユニットを複数生成する場合は、異なる格納ディレクトリを指定してください。
注2)絶対パスで指定してください。環境変数を使用したパスは指定できません。

省略不可

240バイト以内の文字列

syssize

システム用(ユニット制御用)ファイルの容量
以下の計算式を参考にして見積もってください。
「固定領域+チャネル使用領域+proxy使用領域+インデックス用領域」

  • 固定領域:32K

  • チャネル使用領域:(n:不揮発チャネル数)
    (16K+(2K×(n-1)))×1.5

  • proxy使用領域:
    ((コンシューマ数+サプライヤ数)/32+1)×16K×1.5

  • インデックス用領域:
    (5+(最大蓄積メッセージ件数/340)+2)×2×16K

10

1~2047(メガバイト)

sysqnum

システム用(ユニット制御用)データ格納域(キュー)の数
注)以下の値が必要となります。
「不揮発チャネル数×2+2以上」

100

4~32768

syswarning

システム用(ユニット制御用)ファイルの容量に対する安全値と警告値(安全値と警告値は、ハイフン“-”で区切る)

  • 安全値:警告状態が解除される基準値

  • 警告値:データ格納域が警告状態となる基準値

注)メッセージ格納域の使用率が一定値以上になった場合、メッセージ格納域の状態は警告状態となります(警告メッセージes20003)。その後、メッセージ格納域の使用率が低下し、一定値以下となった場合、メッセージ格納域の警告状態は解除されます(通知メッセージes20004)。

安全値:70
警告値:90

安全値:1~99(%)
警告値:2~100(%)
(警告値>安全値)

userdir

イベントデータ用ファイルを格納するディレクトリ(Windows(R)システムでは、NTFSファイルシステム上のディレクトリを指定)。
注1)複数ユニットのファイルを混在できません。ユニットを複数生成する場合は、異なる格納ディレクトリを指定してください。
注2)絶対パスで指定してください。環境変数を使用したパスは指定できません。

省略不可

240バイト以内の文字列

usersize

イベントデータ用ファイルの容量
メッセージ長により、以下の計算式を参考にして見積もってください。

  • イベントサービス

    • メッセージ長の平均が512バイト以下の場合
      (最大蓄積メッセージ件数/32+1)×16K×1.5+16K

    • メッセージ長の平均が1Kバイト以下の場合
      (最大蓄積メッセージ件数/16+1)×16K×1.5+16K

    • メッセージ長の平均が2Kバイト以下の場合
      (最大蓄積メッセージ件数/8+1)×16K×1.5+16K

    • 平均が2Kバイトを超える場合
      ((最大蓄積メッセージ件数/8+1)×16K+(メッセージ長-2K)×最大蓄積メッセージ件数)×1.5+16K

  • JMS(メッセージセレクタ機能使用時)

    • メッセージ長の平均が200バイト以下の場合
      最大蓄積メッセージ件数×16K×1.5+16K

    • メッセージ長の平均が200バイトを超える場合
      最大蓄積メッセージ件数×16K×((メッセージ長-2K+16K)/16K+1)×1.5+16K

  • JMS(メッセージセレクタ機能未使用時)

    • メッセージ長の平均が200バイト以下の場合
      (最大蓄積メッセージ件数/8+1)×16K×1.5+16K

    • メッセージ長の平均が200バイトを超える場合
      ((最大蓄積メッセージ件数/8+1)×16K+(メッセージ長-2K)×最大蓄積メッセージ件数)×1.5+16K

30

1~2047(メガバイト)

userqnum

イベントデータ用データ格納域(キュー)の数
注)接続情報だけ不揮発チャネル運用を行う場合、イベントデータ用データ格納域は不要です。接続情報およびイベントデータの不揮発チャネル運用を行う場合は、不揮発チャネル数分の値を指定する必要があります。

50

0~32768

userwarning

イベントデータ用ファイルの容量に対する安全値と警告値(安全値と警告値は、ハイフン“-”で区切る)

  • 安全値:警告状態が解除される基準値

  • 警告値:データ格納域が警告状態となる基準値

注)メッセージ格納域の使用率が一定値以上になった場合、メッセージ格納域の状態は警告状態となります(警告メッセージes20003)。その後、メッセージ格納域の使用率が低下し、一定値以下となった場合、メッセージ格納域の警告状態は解除されます(通知メッセージes20004)。

安全値:70
警告値:90

安全値:1~99(%)
警告値:2~100(%)
(警告値>安全値)

shmmax

ユニットで使用する共用メモリサイズ
(アプリケーションが1トランザクションで扱うメッセージ長の最大値)×(同一ユニットを使用するチャネル数)×2

80

1~1024(メガバイト)

注意事項

ローデバイスの作成手順

  1. オペレーティングシステムのpartedコマンド/fdiskコマンドで、ローデバイスのパーティションを作成します。
    partedコマンドを使用した実行例を以下に示します。

    [RHEL5の場合]

    # parted /dev/sda
    (parted) p
          :
    
    番号  開始    終了    サイズ  タイプ      ファイルシステム  フラグ
    1     32.3kB  107MB   107MB   プライマリ  ext3              boot
    2     107MB   9656MB  9550MB  プライマリ                    lvm
    3     9656MB  10.7GB  1078MB  プライマリ                    lvm
    
    (parted) q
    # udevinfo -q path -n /dev/sda3
    /block/sda/sda3
    # udevinfo -q env -p /block/sda/sda3 | grep ID_PATH
    ID_PATH=pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0: 
    # udevinfo -q env -p /block/sda/sda3 | grep ID_SERIAL
    ID_SERIAL=SFUJITSU_MAN3367MC_UFD8P2602PTJ

    [RHEL6の場合]

    # parted /dev/sda
    (parted) p
          : 
    
    番号  開始    終了    サイズ  タイプ      ファイルシステム  フラグ
     1    1049kB  525MB   524MB   primary     ext4              boot
     2    525MB   21.5GB  20.9GB  primary                       lvm
          :
     8    77.5GB  78.5GB  974MB   logical     ext2
    
    (parted) q
    # udevadm info --query=path --name=/dev/sda8
    /devices/pci0000:00/0000:00:1f.2/host0/target0:0:0/0:0:0:0/block/sda/sda8
    # udevadm info --query=property --path=/devices/pci0000:00/0000:00:1f.2/host0/target0:0:0/0:0:0:0/block/sda/sda8 | grep ID_PATH
    ID_PATH=pci-0000:00:1f.2-scsi-0:0:0:0
    # udevadm info --query=property --path=/devices/pci0000:00/0000:00:1f.2/host0/target0:0:0/0:0:0:0/block/sda/sda8 | grep ID_SERIAL
    ID_SERIAL=FUJITSU_MHY2080BH_K41XT84279M1
  2. udevの設定ファイル(/etc/udev/rules.d/60-raw.rules)を編集し、作成したパーティションをバインドします。
    アクセスメソッド指定(by-path)の場合、アクセスメソッド指定(by-id)の場合のそれぞれについての実行例を以下に示します。

    [RHEL5の場合]

    <アクセスメソッド指定(by-path)の場合>
    ACTION=="add", KERNEL=="sda3", ENV{ID_PATH}=="pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N"
    
    <アクセスメソッド指定(by-id)の場合>
    ACTION=="add", KERNEL=="sda3", ENV{ID_SERIAL}=="SFUJITSU_MAN3367MC_UFD8P2602PTJ", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N"

    [RHEL6の場合]

    <アクセスメソッド指定(by-path)の場合>
    ACTION=="add", KERNEL=="sda8", ENV{ID_PATH}=="pci-0000:00:1f.2-scsi-0:0:0:0", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N"
    
    <アクセスメソッド指定(by-id)の場合>
    ACTION=="add", KERNEL=="sda8", ENV{ID_SERIAL}=="FUJITSU_MHY2080BH_K41XT84279M1", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N"
  3. udevによりローデバイスのアクセス権限が正しく設定されるように、/etc/udev/rules.d/配下の追加パーミッションルールファイルを必要に応じて編集します。


注意

  • ローデバイスをバインドするブロックデバイスは、パーティションを指定してください。パーティション番号のないハードディスクデバイス(/dev/sdgなど)は、ディスクラベル(パーティションテーブル)を含んでいるため、ローデバイスとして使用しないでください。

  • rawコマンドは、マウントされているシステム用デバイスを指定しても、正常にキャラクタデバイスへのバインド処理を実施します。rawコマンドの第2パラメタには、正しいデバイス名を指定してください。
    誤ったデバイス名を指定した場合、システムおよびユーザ資産を破壊する可能性があります。

  • 直接指定での運用を行うこともできますが、ハード構成が変更されるとシステム/ユーザ資産を破壊する可能性があるため、アクセスメソッド指定で設定することを推奨します。