名前
esmkunit - ユニットの作成
形式
esmkunit [-uf unitfile] [-w] [-M system]
機能説明
不揮発チャネル運用時のユニットを作成します。ユニットは、ユニット定義ファイルの内容に従って作成されます。
指定できるオプションとパラメタを以下に示します。
ユニット定義ファイルunitfileを指定します。ユニット定義ファイルの記述形式および各項目の設定内容については、“ユニット定義ファイルの記述形式”を参照してください。
クラスタサービス機能の運用で待機系サーバのセットアップを行う場合に指定します。
拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
本オプションは、以下の製品で指定可能です。
Interstage Application Server Enterprise Edition
Interstage Business Application Server
ユニット定義ファイル(def拡張子を持つファイル)の記述形式および各項目の設定内容を示します。
ポイント
ユニット定義ファイルの雛型ファイル(esunit01.def)について
雛形ファイルは、以下に格納されています。必要に応じて編集して使用してください。
C:\Interstage\eswin\etc\def\esunit01.def
/opt/FJSVes/etc/def/esunit01.def
-ufオプションを省略した場合
上記の雛型ファイルが格納されているディレクトリ配下のユニット定義ファイル(def拡張子を持つファイル)を使用してユニットを作成します。なお、ユニット定義ファイルが複数存在する場合は、すべてのファイルに対してユニットを作成します。
[記述形式]
unitid = unit01 unitmode = std trandir = D:\NOTIFY_DIR tranmax = 1024 sysdir = D:\NOTIFY_DIR syssize = 10 sysqnum = 100 syswarning = 70 - 90 userdir = D:\NOTIFY_DIR usersize = 30 userqnum = 50 userwarning = 70 - 90 shmmax = 80 |
[記述形式]
unitid = unit01 unitmode = std trandir = /NOTIFY_DIR tranmax = 100 tranunitmax = 1024 sysdir = /NOTIFY_DIR syssize = 10 sysqnum = 100 syswarning = 70 - 90 userdir = /NOTIFY_DIR usersize = 30 userqnum = 50 userwarning = 70 - 90 shmmax = 80 |
[設定項目]
| 内容 | 省略値 | 指定範囲 |
---|---|---|---|
| ユニット名(英数字のみ、大文字/小文字の区別なし) | 省略不可 | 6バイト以内の文字列 |
| ユニットのモード
| std | std, ext |
|
| 省略不可 | 240バイト以内の文字列 |
| トランザクションの多重度 |
| 1~1024 |
| 1トランザクション内で操作することができる最大メッセージサイズをブロック数で指定します(1ブロック:16Kバイト(固定))。 | 1024 | 1~4096 |
| システム用(ユニット制御用)ファイルを格納するディレクトリ(Windows(R)システムでは、NTFSファイルシステム上のディレクトリを指定)。 | 省略不可 | 240バイト以内の文字列 |
| システム用(ユニット制御用)ファイルの容量
| 10 | 1~2047(メガバイト) |
| システム用(ユニット制御用)データ格納域(キュー)の数 | 100 | 4~32768 |
| システム用(ユニット制御用)ファイルの容量に対する安全値と警告値(安全値と警告値は、ハイフン“-”で区切る)
注)メッセージ格納域の使用率が一定値以上になった場合、メッセージ格納域の状態は警告状態となります(警告メッセージes20003)。その後、メッセージ格納域の使用率が低下し、一定値以下となった場合、メッセージ格納域の警告状態は解除されます(通知メッセージes20004)。 | 安全値:70 | 安全値:1~99(%) |
| イベントデータ用ファイルを格納するディレクトリ(Windows(R)システムでは、NTFSファイルシステム上のディレクトリを指定)。 | 省略不可 | 240バイト以内の文字列 |
| イベントデータ用ファイルの容量
| 30 | 1~2047(メガバイト) |
| イベントデータ用データ格納域(キュー)の数 | 50 | 0~32768 |
| イベントデータ用ファイルの容量に対する安全値と警告値(安全値と警告値は、ハイフン“-”で区切る)
注)メッセージ格納域の使用率が一定値以上になった場合、メッセージ格納域の状態は警告状態となります(警告メッセージes20003)。その後、メッセージ格納域の使用率が低下し、一定値以下となった場合、メッセージ格納域の警告状態は解除されます(通知メッセージes20004)。 | 安全値:70 | 安全値:1~99(%) |
| ユニットで使用する共用メモリサイズ | 80 | 1~1024(メガバイト) |
注意事項
本コマンドは、管理者権限で実行してください。
標準ユニットは、1つのシステムで1つだけ作成可能です。
ユニット定義ファイルで指定する格納ディレクトリ(trandir、sysdir、userdir)に以下の使用禁止文字を含めて設定した場合、Interstage管理コンソールを使用してユニットの一覧を表示すると、エラーメッセージ“es39996”または“es39999”が出力されて操作できません。Interstage管理コンソールを使用する場合、格納ディレクトリには、以下の使用禁止文字を含めないでください。
アンパーサンド(&)
小なり(<)
ユニット作成後は、ユニット定義ファイルで指定した格納ディレクトリ(trandir、sysdir、userdir)配下の資源を更新しないでください。
ローデバイスの作成手順
オペレーティングシステムのpartedコマンド/fdiskコマンドで、ローデバイスのパーティションを作成します。
partedコマンドを使用した実行例を以下に示します。
[RHEL5の場合]
# parted /dev/sda (parted) p : 番号 開始 終了 サイズ タイプ ファイルシステム フラグ 1 32.3kB 107MB 107MB プライマリ ext3 boot 2 107MB 9656MB 9550MB プライマリ lvm 3 9656MB 10.7GB 1078MB プライマリ lvm (parted) q # udevinfo -q path -n /dev/sda3 /block/sda/sda3 # udevinfo -q env -p /block/sda/sda3 | grep ID_PATH ID_PATH=pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0: # udevinfo -q env -p /block/sda/sda3 | grep ID_SERIAL ID_SERIAL=SFUJITSU_MAN3367MC_UFD8P2602PTJ |
[RHEL6の場合]
# parted /dev/sda (parted) p : 番号 開始 終了 サイズ タイプ ファイルシステム フラグ 1 1049kB 525MB 524MB primary ext4 boot 2 525MB 21.5GB 20.9GB primary lvm : 8 77.5GB 78.5GB 974MB logical ext2 (parted) q # udevadm info --query=path --name=/dev/sda8 /devices/pci0000:00/0000:00:1f.2/host0/target0:0:0/0:0:0:0/block/sda/sda8 # udevadm info --query=property --path=/devices/pci0000:00/0000:00:1f.2/host0/target0:0:0/0:0:0:0/block/sda/sda8 | grep ID_PATH ID_PATH=pci-0000:00:1f.2-scsi-0:0:0:0 # udevadm info --query=property --path=/devices/pci0000:00/0000:00:1f.2/host0/target0:0:0/0:0:0:0/block/sda/sda8 | grep ID_SERIAL ID_SERIAL=FUJITSU_MHY2080BH_K41XT84279M1 |
udevの設定ファイル(/etc/udev/rules.d/60-raw.rules)を編集し、作成したパーティションをバインドします。
アクセスメソッド指定(by-path)の場合、アクセスメソッド指定(by-id)の場合のそれぞれについての実行例を以下に示します。
[RHEL5の場合]
<アクセスメソッド指定(by-path)の場合> ACTION=="add", KERNEL=="sda3", ENV{ID_PATH}=="pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N" <アクセスメソッド指定(by-id)の場合> ACTION=="add", KERNEL=="sda3", ENV{ID_SERIAL}=="SFUJITSU_MAN3367MC_UFD8P2602PTJ", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N" |
[RHEL6の場合]
<アクセスメソッド指定(by-path)の場合> ACTION=="add", KERNEL=="sda8", ENV{ID_PATH}=="pci-0000:00:1f.2-scsi-0:0:0:0", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N" <アクセスメソッド指定(by-id)の場合> ACTION=="add", KERNEL=="sda8", ENV{ID_SERIAL}=="FUJITSU_MHY2080BH_K41XT84279M1", RUN+="/bin/raw /dev/raw/raw1 %N" |
udevによりローデバイスのアクセス権限が正しく設定されるように、/etc/udev/rules.d/配下の追加パーミッションルールファイルを必要に応じて編集します。
注意
ローデバイスをバインドするブロックデバイスは、パーティションを指定してください。パーティション番号のないハードディスクデバイス(/dev/sdgなど)は、ディスクラベル(パーティションテーブル)を含んでいるため、ローデバイスとして使用しないでください。
rawコマンドは、マウントされているシステム用デバイスを指定しても、正常にキャラクタデバイスへのバインド処理を実施します。rawコマンドの第2パラメタには、正しいデバイス名を指定してください。
誤ったデバイス名を指定した場合、システムおよびユーザ資産を破壊する可能性があります。
直接指定での運用を行うこともできますが、ハード構成が変更されるとシステム/ユーザ資産を破壊する可能性があるため、アクセスメソッド指定で設定することを推奨します。