バッチ業務運用中に、バッチ受付サービス内で致命的な異常が発生した場合や、外的要因などにより、バッチ受付サービスが異常停止した場合の対処と再開方法について説明します。
バッチ受付サービスの停止の確認
バッチ受付サービスが異常停止した場合、バッチ受付サービス、またはバッチ実行サービスのエラーメッセージがシステムログ(Windows(R)の場合はイベントログ)に出力されます。
エラーメッセージの意味や対処を確認後、“バッチ受付サービスの状態確認”、および“バッチ実行サービスの状態確認”を行い、バッチ受付サービスだけが停止していること確認してください。
バッチ受付サービスとバッチ実行サービスが両方とも停止していた場合には、バッチシステムの運用再開手順が異なるので“3.3.2 バッチサービスが異常停止した場合”を参照してください。
対処とバッチシステムの運用再開
バッチ受付サービスが異常停止した場合、以下の手順で対処とバッチシステムの運用を再開してください。
ジョブスケジューラ製品のSystemwalker Operation Managerの運用停止、開始方法については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。
実行中のジョブの終了をバッチ実行サービスで待つ
バッチ受付サービスだけが異常停止した場合、バッチ実行サービスで実行中のジョブは終了するまで継続することができます。
バッチシステムを運用再開するにあたり、実行中のジョブが終了するのを待ってください。
実行中のジョブの終了を待つには、イニシエータの状態表示で、実行中のジョブの数を確認します。
イニシエータの状態表示は、以下のbtfwiniinfoコマンドで行います。
btfwiniinfo |
btfwiniinfoコマンドの詳細は、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。
イニシエータの状態表示の例を以下に示します。
InitiatorName State NumberOfJobs MaxJob --------------------------------------------------------------------------------- que001 active 0 10 que002 active 0 5 |
すべてのイニシエータの“NumberOfJobs”(実行中のジョブ数)が“0” になっていることを確認してください。
バッチ実行サービスの停止
バッチ受付サービス側の対処
バッチ受付サービスが異常停止したときに出力されたエラーメッセージの対処を参考に、エラーの原因を取り除いてください。
バッチ実行サービスの開始
“2.1.1.4.1 バッチ実行サービスの開始”の手順に従って行ってください。
バッチ受付サービスの開始
“2.1.1.4.2 バッチ受付サービスの開始”の手順に従って行ってください。
バッチ受付サービスが異常停止したときに、ジョブキューに存在したジョブの扱いについて、以下の単位で説明します。
デマンドジョブ
スケジュールジョブ
デマンドジョブ
デマンドジョブの扱いについて説明します。
対象のジョブは、バッチシステムを再開したあと、以下のように扱います。
異常停止時のジョブの状態 | バッチシステム再起動後のジョブの扱い | |
---|---|---|
実行待ち | 実行待ち | |
実行中 | 実行開始処理中 | 異常終了 (ジョブ終了コード=0x60000602 :ジョブ状況不明) |
ジョブ定義解析中 | ||
ジョブの実行依頼中 | ||
ファイルの排他獲得中 | ||
ファイルアロケーション中 | ||
実行中 | ||
実行終了処理中 | ||
キャンセル中 | ||
保留 | 保留 |
ジョブ終了コードについては、“Interstage Job Workload Server メッセージ集”の“ジョブ終了コード”を参照してください。
バッチシステムを再起動後、異常終了扱いのジョブは、ジョブの実行結果をジョブログに出力し終了します。
それ以外のジョブは継続されます。
上記で異常終了したジョブの“付録B ジョブログ”に出力される情報は以下のとおりです。
ジョブログの出力情報 | 出力範囲 |
---|---|
出力します | |
ジョブ定義解析が終了し、バッチジョブ定義情報を出力する指定になっている場合だけ出力します | |
出力します | |
出力しません | |
出力しません |
ジョブログの情報として出力しなかった、バッチ実行サービスが出力したジョブメッセージやバッチアプリケーションの出力情報は、“B.9 異常時退避用ディレクトリ”に退避されます。
ジョブログの情報と合わせて、ジョブの実行結果として確認してください。
異常時退避用ディレクトリの運用については、“2.1.8.2 異常時退避用ディレクトリの運用”を参照してください。
運用者は“3.4.1 ジョブが異常終了した場合の対処”の手順に従ってください。
スケジュールジョブ
Systemwalker Operation Managerよりジョブの実行依頼したスケジュールジョブに対するジョブの扱いについて説明します。
Systemwalker Operation Managerの“実行継続モード”の設定により、Systemwalker Operation Managerの再起動後のジョブの扱いが異なります。
実行継続モードについては、“3.2.1.1 ジョブの扱い”を参照してください。
バッチシステムを再起動すると、Systemwalker Operation Managerが実行依頼したスケジュールジョブの最新の状態をもとに、バッチ業務の運用を継続します。
バッチ実行基盤のジョブの扱いと、Systemwalker Operation Managerクライアントの表示について以下の表に示します。
バッチ受付サービス異常停止時のジョブの状態 | バッチ実行基盤のジョブの扱い | Systemwalker Operation Managerクライアントの表示 | |
---|---|---|---|
実行待ち | 実行待ち | 実行待ち | |
実行中 | 実行開始処理中 | 異常終了 | 終了 |
ジョブ定義解析中 | |||
ジョブの実行依頼中 | |||
ファイルの排他獲得中 | |||
ファイルアロケーション中 | |||
実行中 | |||
実行終了処理中 | |||
キャンセル中 | |||
保留 | 保留 | 保留 |
Systemwalker Operation Manager クライアントの[前回履歴]シートや、[ジョブの出力情報]ウィンドウによってジョブログを参照することができます。
Systemwalker Operation Manager クライアントについては、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。
Systemwalker Operation Managerの終了コードについては、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
バッチ実行基盤のジョブ終了コードについては、“Interstage Job Workload Server メッセージ集”の“ジョブ終了コード”を参照してください。
バッチシステムを再起動後、異常終了扱いのジョブは、ジョブの実行結果をジョブログに出力し終了します。
それ以外のジョブは継続されます。
上記で異常終了したジョブの“付録B ジョブログ”に出力される情報は、“デマンドジョブ”の時と同じです。
運用者は“3.4.1 ジョブが異常終了した場合の対処”の手順に従ってください。
バッチシステムを再起動すると、バッチ実行基盤は、Systemwalker Operation Managerが実行依頼したジョブより、実行中だったジョブは異常終了と扱い、それ以外のジョブは削除します。
Systemwalker Operation Managerは、バッチ実行基盤に実行依頼したすべてのジョブを異常終了として扱います。
バッチ実行基盤のジョブの扱いと、Systemwalker Operation Managerクライアントの表示について以下の表に示します。
異常停止時のジョブの状態 | バッチ実行基盤のジョブの扱い | Systemwalker Operation Managerクライアントの表示 | |||
---|---|---|---|---|---|
ジョブ終了コード | ジョブログ | ジョブの終了コード | 前回履歴 | ||
実行待ち | - | × | 239 | × | |
実行中 | 実行開始処理中 | 0x60000602 | ○ | ||
ジョブ定義解析中 | |||||
ジョブの実行依頼中 | |||||
ファイルの排他獲得中 | |||||
ファイルアロケーション中 | |||||
実行中 | |||||
実行終了処理中 | |||||
キャンセル中 | |||||
保留 | - | × |
○ : 出力します
× : 出力しません
- : ありません
Systemwalker Operation Manager クライアントの[前回履歴]シートや、[ジョブの出力情報]ウィンドウによってジョブログを参照することはできません。
実行中だったジョブの“付録B ジョブログ”は、バッチサーバ上に出力したジョブログを参照してください。
ジョブログに出力される情報は、“デマンドジョブ”の時と同じです。
運用者は“3.4.1 ジョブが異常終了した場合の対処”の手順に従ってください。
実行待ちや保留のスケジュールジョブはジョブキューより削除されます。
ジョブキューより削除された場合、ジョブログは出力されません。