ジョブログは、ジョブ単位に出力されるジョブの実行結果です。
ジョブログは、ジョブを投入した運用者がジョブの実行結果を確認するために使用します。
ジョブログは、“ジョブの投入コマンド実行時に指定したファイル”または“ジョブログスプール”に出力されます。
なお、Systemwalker Operation Managerからは、ジョブの監視画面で前回履歴としてジョブログを参照できます。
ジョブの投入コマンドについては、“Interstage Job Workload Server リファレンス”を参照してください。
Systemwalker Operation Managerのスケジュールジョブの前回履歴については、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”を参照してください。
ジョブログの詳細は、“付録B ジョブログ”を参照してください。
ジョブログの出力先としてジョブログファイル名を指定する場合の運用
ジョブログを運用者ごとに保管したい場合には、運用者ごとに管理できるように個別のディレクトリに格納します。また、ジョブを投入するときに、ジョブログファイル名を指定します。
ジョブログを保管する要件がなく、ジョブログもジョブが異常終了した時だけ見るような場合には、ジョブログの出力先は任意のジョブログファイル名を指定します。
ジョブログファイル名を指定して出力したジョブログについては、運用者がディスク容量を管理しバッチ業務に適した運用を行ってください。
指定したジョブログファイルへの書き込みが容量不足などで失敗した場合には、実行履歴ログに、ジョブログファイルへの出力が失敗した旨のメッセージを出力し、ジョブログスプールにジョブログが格納されます。
さらに、ジョブログスプールへの出力に失敗した場合には、“代替ジョブログスプール”にジョブログが格納されます。ジョブログスプールの詳細は、以下の“ジョブログスプールにジョブログを格納する場合の運用”を参照してください。
ジョブログスプールにジョブログを格納する場合の運用
ジョブログスプールにジョブログを格納する場合は、システム管理者がジョブログスプールの運用を行う必要があります。
なお、ジョブログスプールの運用では、以下の“代替ジョブログスプール”のディレクトリにジョブログが格納される場合を想定する必要があります。
/ijeslog/ジョブキュー名/ |
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\ijob\ijeslog\ジョブキュー名\ |
ジョブログスプールの運用について“2.1.8.1 ジョブログスプールの運用”で説明します。
また、ジョブログスプールの運用では、以下の“異常時退避用ディレクトリ”にジョブログの一部が格納される場合を想定する必要があります。
/var/opt/FJSVibsbx/common/jobbackup |
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\ijob\var\FJSVibsbx\common\jobbackup |
異常時退避用ディレクトリの運用について、“2.1.8.2 異常時退避用ディレクトリの運用”で説明します。
ジョブログスプールに格納されたジョブログファイルは、削除されるまで残ります。
したがって、そのままにしておくと以下の問題が発生します。
ジョブログスプールのディスク容量不足など
システムログ(Windows(R)の場合はイベントログ)にエラーメッセージが出力されます。
ジョブログの消失
ジョブログスプールに格納されるジョブログファイル名はジョブ番号(1~99999)です。ジョブ番号が99999を超えると、次のジョブ番号は1から割り当てられます。
また、バッチ受付サービスを初期化モードで開始した場合も、ジョブ番号は1から割り当てられます。
したがって、同じジョブ番号のジョブログは、上書きされ以前のジョブのジョブログは消失します。
システム管理者は、上記問題を発生させないように、ジョブログスプールの運用を行ってください。
ジョブログがジョブログスプールに出力できない場合
ジョブログスプールの容量不足などジョブログをジョブログスプールへ出力できない場合、ジョブログの出力先は、以下の代替ジョブログスプールのディレクトリになります。
/ijeslog/ジョブキュー名/ |
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\ijob\ijeslog\ジョブキュー名\ |
ジョブログのファイル名は、「ジョブ番号」を0パディングし、5桁の数値に変更したものになります。
ジョブキュー名:queue01
ジョブ番号:20
上記ジョブの場合、ジョブログ格納先は以下のようになります。
/ijeslog/queue01/00020 |
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\ijob\ijeslog\queue01\00020 |
ジョブログをジョブログスプールへ出力できない場合、バッチ実行基盤は、システムログ(Windows(R)の場合はイベントログ)にエラーメッセージを出力します。エラーメッセージに従って対処してください。
ジョブログスプールの運用例
ジョブログスプールの運用として1つの例を以下に示します。
バッチ業務の中でも重要なジョブのジョブログはジョブログの出力先としてジョブログファイル名を指定する方法で保管し、その他のジョブはジョブログスプールに出力するようにバッチ業務を運用します。
ジョブログスプールのディスク容量を見積る時に、「ジョブログスプールに格納するジョブ数」を3日間で実行するジョブの数を当てはめます。
ジョブログスプールを安全に運用するために、以下のことをルール化または、シェルスクリプト(Windows(R)の場合はバッチファイル)を作成しcron(Windows(R)の場合は、タスク・スケジューラ)でスケジュール化して運用します。
運用者は毎日バッチ業務開始前に前日のジョブログを削除する。
システム管理者は3日おきにジョブログスプールの容量を確認する。
システム管理者は3日おきにジョブログスプールの中を確認し、3日以上前のジョブログがあった場合には削除する。
ジョブログスプールのディスク容量の見積もりについては、“Interstage Job Workload Server セットアップガイド”の“ジョブログスプールのディスク容量の見積もり”を参照してください。
ジョブログファイルの削除
ジョブログファイルの削除は、バッチシステム運用中に実施しても構いません。
ジョブログファイルの削除は、対象のジョブログファイルをrmコマンド(Windows(R)の場合は、delコマンド)で削除してください。
ジョブログファイルの退避
ジョブログファイルの退避は、バッチシステム運用中に実施しても構いません。
ジョブログファイルの退避は、以下の手順で行ってください。
退避先に、退避するジョブログファイルが格納できるだけの十分な空き容量があることを確認してください。
退避先に対象のジョブログのファイルをcpコマンド(Windows(R)の場合は、xcopyコマンド)でコピーしてください。
正常にコピー完了後、コピーしたジョブログのファイルをrmコマンド(Windows(R)の場合は、delコマンド)で削除してください。
バッチシステムが使用していないファイルシステム上に退避することを推奨します。
以下の異常時退避用ディレクトリにジョブログの一部が退避された場合には、ジョブ単位に“退避ファイル”でジョブの実行結果を確認します。
/var/opt/FJSVibsbx/common/jobbackup |
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\ijob\var\FJSVibsbx\common\jobbackup |
異常時退避用ディレクトリにジョブログが退避される契機および退避される情報については、以下を参照してください。
バッチ受付サービスが異常停止した場合の“3.3.3.1 ジョブの扱い”
異常時退避用ディレクトリおよび退避ファイルの詳細は“B.9 異常時退避用ディレクトリ”を参照してください。
退避ファイルの退避
異常時退避用ディレクトリの退避ファイルは、バッチ実行基盤が古い順に退避ファイルを削除します。退避ファイルを退避したい場合は、以下の手順で行ってください。
退避先に退避ファイルが格納できるだけの十分な空き容量があることを確認してください。
“異常時退避用ディレクトリパス”にある対象の“ジョブ単位の退避ディレクトリ”を以下のように退避先にコピーしてください。
# cp -pR /var/opt/FJSVibsbx/common/jobbackup/ジョブ番号.bak /home/bat/work |
C:\> mkdir d:\work\ジョブ番号.bak |
コピーが正常に完了したあと、コピーしたジョブ単位の退避ディレクトリを削除してください。
必ずバッチシステムが使用していないファイルシステム上に退避してください。