物理サーバや仮想マシンを構築する場合、ストレージ装置とストレージネットワークの設定が必要なため、迅速なサーバ提供の妨げになっていました。
本製品では、以下の機能を利用して迅速なサーバ提供を実現します。
仮想L-Serverに対するストレージの割当て
VM管理製品との連携により、事前に作成した仮想ストレージリソース(VMゲスト用のファイルシステムなど)を本製品が自動検出します。
検出された仮想ストレージリソースの中から仮想L-Serverの仕様を満たす仮想ストレージリソースを本製品が自動選択します。
自動選択された仮想ストレージリソースから、指定された容量のディスクリソース(仮想ディスクなど)を作成し、仮想L-Serverに割り当てます。
物理L-Serverに対するストレージの割当て
物理L-Serverに対するストレージの割当て方法には、以下の2つがあります。
仮想ストレージリソース(RAIDグループ)から自動生成したディスクリソース(LUN)の割当て
ストレージ製品との連携により、事前に作成した仮想ストレージリソースを本製品が自動検出します。
検出された仮想ストレージリソースの中から物理L-Serverの仕様を満たす仮想ストレージリソースを本製品が自動選択します。
自動選択された仮想ストレージリソースから、指定された容量のディスクリソースを作成し、物理L-Serverに割り当てます。
事前に作成されたディスクリソース(LUN)の割当て
ストレージ製品との連携により、事前に作成したディスクリソースを本製品が自動検出します。
検出されたディスクリソースの中から物理L-Serverの仕様を満たすディスクリソースを本製品が自動選択してL-Serverに割り当てます。
利用するストレージ装置により、ストレージの割当て方法が異なります。
ストレージ装置の詳細は、「1.4 ハードウェア環境」の「表1.29 物理サーバ上のL-Serverと接続できるストレージ装置」を参照してください。
割当て方法 | ストレージの種類 |
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仮想ストレージリソースから自動生成したディスクリソースの割当て |
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事前に作成されたディスクリソースの割当て |
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物理サーバを用いてL-Serverを作成する際の前提条件
物理サーバをL-Serverにするには、HBA address renameまたはVIOMを利用した接続がサポートされている必要があります。HBA address renameまたはVIOMを利用した接続については、「ServerView Resource Coordinator VE 導入ガイド」の「3.3 ストレージ環境の決定」と「3.7 ストレージ環境の設定」を参照してください。
HBA address renameおよびVIOMの利用は、マネージャーのOSおよび物理L-Serverを構築する管理対象サーバのハードウェアによって異なります。
ブレードサーバ | ラックマウントサーバ | |
---|---|---|
Windows | VIOM | HBA address rename |
Linux | 利用できません | HBA address rename |
L-ServerのSANストレージおよびiSCSIストレージへのパスは、マルチパス(2パス)をサポートしています。
管理対象サーバのHBAのポートが合計2ポート以下の構成をサポートしています。
L-ServerはSANブート構成およびiSCSIブート構成をサポートします。
ブレードサーバの場合、ファイバーチャネルカードは拡張スロット2に搭載する構成だけサポートします。
ブレードサーバの場合、VIOMのセットアップ時に、以下の項目を設定しないでください。
WWN Address Range
MAC Address Range
物理サーバをL-Serverにする場合のストレージ構成について
1台のL-Serverに接続できるストレージ装置は、ファイバーチャネル接続の場合は複数台(VIOMを利用した接続がサポートされていない場合は1台)、iSCSI接続の場合は1台です。
複数のL-Serverによるストレージの共有をサポートします。
物理サーバをL-Serverにする場合、L-Serverのシステムディスクおよびデータディスクは以下のように配置します。
構成 | システムディスク | データディスク |
---|---|---|
1 | SANストレージ | SANストレージ |
2 | iSCSIストレージ (*1、*2) | iSCSIストレージ (*1、*3) |
*1: ETERNUSストレージおよびNetAppストレージの場合、利用できます。
*2: 物理L-ServerがLinuxで、システムディスクがiSCSIストレージの場合、クローニングマスタを利用したL-Serverの作成はできません。
*3: L-Server作成時にiSCSIストレージはデータディスクとして割り当てられません。
L-Serverが起動したあと、手動で割り当ててください。
L-Serverに対するiSCSIストレージの増設や削減は本製品ではできないため、手動で行ってください。
iSCSIストレージのデータディスクの割当てについては、「参考 iSCSIブートの物理L-Serverのデータディスク」を参照してください。
参考
iSCSIブートの物理L-Serverのデータディスク
ETERNUSストレージの場合
ストレージ管理製品を利用して、同じAffinityグループにiSCSIブートディスクのLUNとデータディスクのLUNを定義すると、管理対象サーバからデータディスクを利用できます。
NetAppストレージの場合
ストレージ管理製品を利用して、同じigroupにiSCSIブートディスクのLUNとデータディスクのLUNを定義すると、管理対象サーバからデータディスクを利用できます。
注意
ローカルディスクはサポートしていません。ローカルディスクを接続しないでください。
必須になるVM管理製品、ストレージ管理製品などについては、「1.3.2.2 必須ソフトウェア」を参照してください。
サポートするストレージ装置やファイバーチャネルスイッチについては、「1.4 ハードウェア環境」を参照してください。
ストレージネットワークとストレージの構成については、「1.5 システム構成」を参照してください。
ストレージ環境の設定は、「F.1 システム構成」を参照してください。