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Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)

C.2.3 Interstageの初期化

  Interstageの初期化は、以下の手順で実施します。

  1. 初期化対象サービスの決定

  2. 運用形態の決定

  3. Interstage動作環境定義のカストマイズ

  4. 初期化の実行


  なお、システム規模や運用形態の変更時など、再初期化が必要な場合があります。詳細については、“再初期化の契機について”を参照してください。


1) 初期化対象サービスの決定

  Interstage統合コマンドで初期化できるサービスを以下に示します。

  これらのサービスから、Interstage統合コマンドで運用するサービスを決定します。
  Interstage統合コマンドで運用するサービスを初期化します。


2) 運用形態の決定

  初期化対象とするサービスを元に、運用形態を決定します。
  運用形態には、以下の3種類があります。

  上記に含まれないサービスについては、Interstage動作環境定義のカストマイズにより使用有無を指定します。


3) Interstage動作環境定義のカストマイズ

  サービスごとの運用形態とInterstage動作環境定義の関係を以下に示します。


  

運用形態

Interstage
動作環境定義

備考

TYPE1

TYPE2

TYPE3

CORBAサービス

  

ネーミングサービス

TYPE3でも定義設定により初期化対象にできる (※1)

インタフェースリポジトリ

TYPE3でも定義設定により初期化対象にできる (※2)

コンポーネントトランザクションサービス

  

データベース連携サービス

×

×

TYPE2でのみ使用できる

イベントサービス

定義設定で使用有無を指定

(Linux for Itaniumの場合)
CORBA/SOAPクライアントゲートウェイ

定義設定で使用有無を指定

◎:初期化対象
○:Interstage動作環境定義の設定により初期化対象とすることができる
△:リモートのサーバを参照する
×:初期化できない
-:指定方法がない

1) ネーミングサービスを初期化した場合、拡張機能を使用する設定となります。
2) EJB用インタフェースリポジトリの使用有無は、isinitコマンドのパラメタで指定します。初期化内容は、インタフェースリポジトリの設定に従います。


  運用形態の指定に依存しないサービスを以下に示します。

  これらのサービスの運用方法として、以下のどちらの方法で行うかを決定します。


  Interstageとして統合した運用を行う場合は、初期化対象とするサービスに対して、Interstage動作環境定義のカストマイズを行います。
  Interstage動作環境定義は、以下のファイルです。


C:\Interstage\td\etc\isreg\isinitdef.txt

/opt/FSUNtd/etc/isreg/isinitdef.txt

/opt/FJSVtd/etc/isreg/isinitdef.txt

  具体的なカストマイズ方法を以下に示します。
  なお、下記以外に、Interstage動作環境定義による各種カストマイズが可能です。具体的な設定方法については、“付録E Interstage動作環境定義”および“C.2.4 Interstage動作環境定義によるカストマイズ”を参照してください。


◆ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリ

  運用形態が“TYPE3”の場合、ネーミングサービスとインタフェースリポジトリを、以下のように配置した運用が行えます。

  Interstage動作環境定義では、他サーバで運用しているネーミングサービス、インタフェースリポジトリを参照する場合に、そのサーバ名とポート番号を定義します。
  定義例を以下に示します。


ネーミングサービス、インタフェースリポジトリともに別サーバHostAを設定する場合

NS USE=remote
NS Host Name=HostA
NS Port Number=8002
IR USE=remote
IR Host Name=HostA
IR Port Number=8002

ネーミングサービスは別サーバHostA、インタフェースリポジトリはローカルサーバを設定する場合

NS USE=remote
NS Host Name=HostA
NS Port Number=8002
IR USE=local
IR Host Name=
IR Port Number=

ネーミングサービスはローカルサーバ、インタフェースリポジトリは別サーバHostAを設定する場合

NS USE=local
NS Host Name=
NS Port Number=
IR USE=remote
IR Host Name=HostA
IR Port Number=8002

◆データベース連携サービス

  データベース連携サービスを使用する場合は、データベース連携サービスのセットアップモードやデータベース連携サービスに関する各種カストマイズが行えます。セットアップモードでは、OTSシステムが起動するセットアップ、またはリソース管理プログラムが動作するセットアップの2種類が選択できます。


データベース連携サービスを使用する場合

OTS Path for system log=d:\otslog
OTS Setup mode=sys

OTS Path for system log=/dev/rdsk/c1t0d0s7
OTS Setup mode=sys

◆イベントサービス

  イベントサービスの使用有無と各種カストマイズが行えます。また、Interstageの初期化完了後、essetcnfコマンドを実行することにより、イベントサービスの構成情報を変更できます。
  定義例を以下に示します。


イベントサービスを使用する場合

Event Service=yes
Event Locale=SJIS
Event maximum Process=2
Event maximum Connection=5
Event Auto Disconnect=no


  esmkchnlコマンドによりイベントチャネルを生成した後、Interstageを再度初期化する場合は、初期化前にesrmchnlコマンドによりイベントチャネルを削除してください。esrmchnlコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。


Webサーバサービス

  Interstage HTTP Serverは、Interstage統合コマンドの運用操作の対象ではありません。“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“運用・保守”-“起動・停止”を参照して、Webサーバの運用操作を行ってください。


CORBA/SOAPクライアントゲートウェイ

  CORBA/SOAPクライアントゲートウェイをInterstage統合コマンドの操作対象とするかを指定します。


CORBA/SOAPクライアントゲートウェイを使用する場合

SOAP Client GW=yes


  CORBA/SOAPクライアントゲートウェイは、Linux for Itaniumにおいて使用できます。Linux for Intel64では、使用できません。


4) 初期化の実行

  isinitコマンドを実行し、Interstageを初期化します。

isinit TYPE1 | TYPE2 | TYPE3 | type1 | type2 | type3  [ EJB | ejb ]

  EJBを使用する場合は、isinitコマンドで“EJB”を指定してください。EJB用インタフェースリポジトリが初期化対象に加わります。
  なお、Interstageをマルチサーバで運用し、サーバ間でEJBアプリケーションの連携を行う場合は、連携するEJBアプリケーションが存在するサーバ群の中でネーミングサービスの存在するサーバは1台にしてください。
  また、Interstage環境がすでに初期化済みの状態でInterstage動作環境定義の“TD path for system”を変更すると、次回isinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスの再セットアップが行われます。この場合、登録済みのワークユニット定義が削除されるため、ワークユニット定義を再登録する必要があります。



再初期化の契機について

  以下の場合は、再度初期化を行う必要があります。


  Interstage環境がすでに初期化済みの状態で、以下の操作を行った場合、その後のisinitコマンド実行時にコンポーネントトランザクションサービスの再セットアップが行われます。この場合、登録済みのワークユニット定義が削除されるため、ワークユニット定義を再登録する必要があります。

  また、Interstage動作環境定義の“Corba Host Name”を変更した場合は、Interstage統合コマンドのセットアップ対象資源がすべて初期化されます。