本項では、Interstageのマルチサーバ管理機能とSystemwalker Software Deliveryと連携した環境の構築の手順について説明します。
Interstageマルチサーバ管理機能のアプリケーション操作種別を個別操作モードに設定します。このことにより、管理対象サーバ上で配備等のコマンドの発行が可能になります。
設定方法の詳細については“3.4.3 アプリケーション操作種別の設定”を参照してください。また、管理対象サーバ上で発行可能となるコマンドについては、“3.2.5 管理対象サーバにおける運用操作について”を参照してください。
以下で、Interstageのマルチサーバ管理機能とSystemwalker Software Deliveryと連携する場合の、Interstageのマルチサーバ管理機能の環境構築手順を示します。
■サイトの構築
Interstageマルチサーバ管理機能のサイトを構築します。構築方法の詳細については、“3.4 サイトの構築”を参照してください。
■サイト内のInterstageの環境構築
IJServerの作成などInterstageの環境を構築します。構築方法の詳細については、“3.5 Interstageの環境構築”を参照してください。
Interstageのサイトに合わせてSystemwalker Software Deliveryの環境を構築します。
以下に、Systemwalker Software Deliveryの環境構築方法を示します。設定方法の詳細については“Systemwalker Software Delivery 運用手引書”を参照してください。
サーバが以下のオペレーションシステムの場合、Systemwalker Software Deliveryの環境を構築できません。
Windows Server(R) x64 Editions
Windows Server(R) for Itanium-based Systems
Linux for Intel64
Linux for Itanium
■運用管理サーバ
運用管理サーバには、Interstageのサイトに所属していないサーバ、またはInterstageの管理サーバのみがインストールされているサーバを使用してください。
■部門管理サーバ
以下の手順で部門管理サーバ(サーバグループの代表サーバ)の環境を構築します。
部門管理サーバをサーバグループ内のすべての管理対象サーバにインストール
部門管理サーバをサーバグループ内のすべての管理対象サーバにインストールしてください。また、単体運用のサーバにも部門管理サーバをインストールしてください。
Systemwalker Software Deliveryの配付経路定義
1. 運用管理サーバの直接の配下の配付経路にサーバグループ内の1台の部門管理サーバをサーバグループの代表サーバとして定義します。
また、単体運用のサーバも運用管理サーバの直接の配下の配付経路に定義します。
2. 1の部門管理サーバの配下の配付経路に、サーバグループ内のその他のサーバを定義します。
■クライアント
Interstageと連携する場合、Systemwalker Software Deliveryのクライアントは使用できません。
以下で、Systemwalker Software Deliveryで配付する資源の準備方法について説明します。
スクリプトを使用して資源の適用を行う場合には、事前に開発環境で開発/テストを行った環境から必要となる資源を抽出する必要があります。
■アプリケーション資源の事前準備
アプリケーション資源は、開発環境に配備されているアプリケーションと同じアプリケーションを配付資源として使用します。
■Webサーバコネクタ定義ファイルの事前準備
Webサーバコネクタの更新を行うためには、Webサーバコネクタ定義ファイルの事前準備が必要となります。“Webサーバコネクタ定義ファイル”は、開発環境に存在するWebサーバコネクタ定義からisj2eeadminコマンドを使用して抽出します。詳細は“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“isj2eeadmin”を参照してください。
Interstageのマルチサーバ管理機能を使用している環境でアプリケーション操作種別が個別操作モードに設定されている場合に更新できる定義は、Webサーバコネクタの“Webアプリケーション名”の定義のみとなります。そのため、開発環境から抽出したWebサーバコネクタ定義ファイルから、以下のタグ以外は削除してください。
表の見方
タグ名:定義ファイルの中のXMLタグ名
意味:タグの意味
指定値:定義ファイル内のXMLの値
Interstage管理コンソール画面との対応:Interstage管理コンソールで[システム] > [Webサーバ] > Webサーバコネクタの画面との対応関係です。
?付きのタグは省略できます。
*付きのタグは繰り返し指定できるタグです。
何も指定されていないタグは、必ず1回指定する必要があるタグです。
タグが省略された場合、更新前の値がそのまま指定されます。あらかじめ指定がなかった場合には、何も指定されません。
タグ名 | 意味 | 指定値 | Interstage管理コンソール画面との対応 | |||
WebServer | Name? | Webサーバ名を指定します。 | Webサーバ名を指定してください。 | Webサーバ名 | ||
WebServerConnector* | WorkunitName | 接続先のワークユニット名(IJServer名)を指定します。 | ワークユニット名を指定してください。 | ワークユニット名 | ||
Application? | Name* | 接続先ワークユニットに配備されているWebアプリケーション名を指定します。 | Webアプリケーション名を指定します。 | Webアプリケーション名 |
以下にInterstageのマルチサーバ管理機能を使用している環境でのWebサーバコネクタ定義ファイルの記載例を示します。
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" standalone="yes"?> <Isj2eeServiceDefinition> <WebServer> <Name>FJapache</Name> <WebServerConnector> <WorkunitName>WU001</WorkunitName> <Application> <Name>estore</Name> </Application> </WebServerConnector> </WebServer> </Isj2eeServiceDefinition> |
■Enterprise Bean定義ファイルの事前準備
EJBアプリケーション環境定義の更新を行うためには、“Enterprise Bean定義ファイル”の事前準備が必要となります。“Enterprise Bean定義ファイル”は、開発環境に配備されているEJBアプリケーションからejbdefexportコマンドを使用して抽出します。詳細は“J2EE ユーザーズガイド”の“運用コマンドを使用してカスタマイズする方法”を参照してください。
■名前変換定義ファイルの事前準備
名前変換定義の更新を行うためには、“名前変換定義ファイル”の事前準備が必要となります。“名前変換定義ファイル”は、開発環境に配備されているアプリケーションの名前変換定義ファイルを配付資源として使用します。詳細は”J2EE ユーザーズガイド”の“名前変換機能”を参照してください。
■EJBのクライアント配布物の事前準備
EJBのクライアント配布物は、開発環境に存在するEJBのクライアント配布物を配付資源として使用します。多階層IJServerへ配備を行う場合、EJBコンテナで出力されたクライアント配布物はServletコンテナへコピーする必要があります。詳細は“J2EE ユーザーズガイド”の“EJBを参照する場合の環境設定”を参照してください。
また、Servletコンテナに配備するEARファイル内のSharedディレクトリ内に、あらかじめクライアント配布物を格納しておくことでも対応可能です。EARファイル内のSharedディレクトリについては“J2EE ユーザーズガイド”の“IJServerで使用するクラスの設定について”の“アプリケーションのクラス”を参照してください。
Systemwalker Software Deliveryによって配付されたアプリケーション資源を、Interstage Application Serverに配備するためには、Interstageの配備コマンド等を記述したスクリプトファイルを作成し、Systemwalker Software Deliveryによってアプリケーション資源と同時に配付する必要があります。
個別操作モード時に管理対象サーバにおいて使用可能なコマンドの一覧については、“3.2.5 管理対象サーバにおける運用操作について”を参照してください。
また、スクリプトファイルのサンプルがInterstageに同梱されています。詳細は“6.2.5 サンプルスクリプトの利用”を参照してください。
スクリプトファイルは、配付する前に必ず動作確認を行い、不具合がないかの確認を行ってください。
サーバが以下のオペレーションシステムの場合、Systemwalker Software Deliveryと連携しての資源配布が行えないため、スクリプトファイルのサンプルはInterstageに同梱されていません。
Windows Server(R) x64 Editions
Windows Server(R) for Itanium-based Systems
Linux for Intel64
Linux for Itanium