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ETERNUS SFAdvancedCopy Manager 13.4 運用手引書

10.4.2 運用系コマンド

レプリケーション管理の運用系コマンドについて説明します。

10.4.2.1 複製開始コマンド(swsrpstartsync)

同期型レプリケーション処理(EC/RECによるディスク間のコピー)を開始します。

指定された複写先/複写元ボリュームの全面コピー(同期処理の開始)、または更新(差分)コピー(同期処理の再開)をします。運用の開始時、または、複製確立状態からの更新(差分)データの反映を行う場合に使用します。GDSのボリュームの場合は、ソフトコピーによって同期処理を行うこともできます。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync [ [ -y [ -a | -v ] | -k | -i ] [-g] [-m] [ -Xskip | -Xremain ] | -Xgds-softcopy | -Xgds-selectcopy ] [-t] [-Xgds-slice-skipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h Server-Name [ [ -y [ -a | -v ] | -k | -i ] [-g] [-m] [ -Xskip | -Xremain ] | -Xgds-softcopy | -Xgds-selectcopy ] [-t] [-Xgds-slice-skipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync [-y [-a | -v] | -k | -i] [-g] [-m] [-Xskip | -Xremain] [-t] [-Xgds-slice-skipchk] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h Server-Name [-y [-a | -v] | -k | -i] [-g] [-m] [-Xskip | -Xremain] [-t] [-Xgds-slice-skipchk] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -y

    同期処理を同期Writeモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
    -y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。
    筐体内レプリケーションの同期処理は、常に同期Writeモードで実施されます。
    SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で操作する場合で、同期処理の再開の場合は、本オプションを使用することはできません。

    -a

    筐体間同期処理のSplitモードをAutomatic Splitモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
    -y オプションと同時に指定します。-yオプションのみを指定して、-a、-vのいずれのオプションも指定しない場合は、Automatic Splitモードになります。
    SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で操作する場合は、本オプションを使用することはできません。

    -v

    筐体間同期処理のSplitモードをManual Splitモードで開始することを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
    -y オプションと同時に指定します。-yオプションのみを指定して、-a、-vのいずれのオプションも指定しない場合は、Automatic Splitモードになります。
    Automatic Splitモードがサポートされていない筐体で、同期モード(-yオプション)を指定する場合、本オプションの指定が必須です。
    SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で操作する場合は、本オプションを使用することはできません。

    -k

    筐体間同期処理の転送モードをStackモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
    -y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。
    SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で操作する場合は、本オプションを使用することはできません。

    -i

    筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
    -y、-k、-iのいずれのオプションも指定しない場合は、非同期Writeモードになります。
    SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で操作する場合は、本オプションを使用することはできません。

    -g

    筐体間同期処理のリカバリモードをManual Recoveryモードにすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
    本オプションを指定しない場合は、Automatic Recoveryモードになります。
    SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で操作する場合は、本オプションを使用することはできません。

    -m

    サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのコピー先ボリュームに対するボリューム状態確認処理、前処理は行われません。
    本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。

    -t

    コピー先ボリュームへの前処理を実行しないことを指定します。
    本オプションは以下の条件のいずれかに該当する場合にのみ使用してください。
    ・複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合
    ・複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)
    ・強制サスペンド後の筐体間同期処理(REC)を再開する場合

    -Xgds-softcopy

    SDXオブジェクトの同期処理をアドバンスト・コピー機能ではなくソフトコピー機能を使用して開始することを指定します。
    アドバンスト・コピー機能使用時に、本オプションを指定して差分コピーを開始すると、アドバンスト・コピー処理が停止され、ソフトコピー処理が実施されます。
    本オプションはGDS Snapshot 連携機能を使用している場合に指定します。
    本オプションは、SDXオブジェクトに対してのみ有効です。
    -y、 -Xgds-selectcopyと同時に指定することはできません。

    -Xgds-selectcopy

    ETERNUS ディスクアレイによるコピー(OPC/EC)やソフトコピーといったコピー種別を指定せずに同期処理を開始することを指定します。起動されるコピー種別の選択は、GDSが行います。
    本オプションは、GDS Snapshot 連携機能を使用している場合に指定します。
    本オプションは、SDXオブジェクトに対してのみ有効です。
    -Xgds-softcopyと同時に指定することはできません。

    -Xgroup

    グループ単位で同期処理を開始することを指定します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)にグループ単位の同期処理を開始することを指定します。

    -Xskip

    初期コピースキップ機能を使用して同期処理をサスペンド状態にすることを指定します。本オプションは、筐体間のレプリケーションの全面コピー開始時のみ有効です。
    本オプションは、GDS Snapshot連携の場合にはサポートされません。

    -Xremain

    同期処理の再開時に、複製確立状態中にコピー先に対して行った更新データを有効にします。
    本オプションは、筐体間のレプリケーションの再開時のみ有効です。
    本オプションは、-Xskipオプション指定で同期処理を開始し、テープ媒体上のバックアップデータを複写先ボリュームにコピーした後に、複写元ボリュームの更新部分だけを複写先ボリュームに反映したい場合に使用します。
    本オプションは、GDS Snapshot連携の場合にはサポートされません。

    -Xgds-slice-skipchk

    SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、複写先前処理で実施される、SDXオブジェクトの状態確認処理を省略します。
    停止状態のボリュームに対して本オプションを指定する場合は、別途-tオプションを指定する必要があります。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0s3から/dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SVへの複製開始をします。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3 /dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV
    FROM=/dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV swsrpstartsync completed 
    #

    グループGRP1の複製開始をします。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpstartsync completed
    #

注意

次のような場合は複製開始を実行する事ができません。

  • 指定した複製元/複製先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。

  • 複製ボリュームのコピー属性として一方向コピーを設定している場合に、複製元ボリュームを複写先ボリューム、複製先ボリュームを複写元ボリュームに指定したとき。

  • 運用開始後にボリューム情報(媒体識別子、OLU、EXTENT開始位置、EXTENTサイズ)が変更されているとき。この場合は当該ボリュームに対する運用は継続できなくなります。いったん、該当ボリュームに対するレプリケーション運用を停止してから、複製ボリューム情報の削除・設定をしてください。

  • サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。

  • サーバ間レプリケーションの場合、相手サーバとの通信に失敗したとき。

  • 先行するアドバンスト・コピー機能が原因で実行できないとき。

  • 筐体間レプリケーションでないときに-gオプションを指定したとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームのボリューム構成がAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更されていたとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームがVxVMから削除されていたとき。

  • GDS Snapshot 連携機能を使用していない場合に、Xgds-softcopy、Xgds-selectcopyオプションを指定したとき。

  • GDS Snapshot連携時に、-a、-v、-k、-i、-gオプションを指定したとき。

  • 指定した複写元/複写先ボリュームがバックアップ管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。

  • 複写元/複写先ボリュームのいずれかがSnap Data Volumeのとき。

注意

-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

注意

実行するレプリケーションが以下の条件のいずれかに該当する場合は、コマンドを実行する前に複写先ボリュームをアンマウントしてください。

  • 異なるOS間でレプリケーションを行う場合

  • 複製元/複製先ボリュームのサイズが異なる場合

  • 複製元/複製先ボリュームのファイルシステムが異なる場合

上記の場合において、アンマウントを実行しない場合は、複製作成時の複写先ボリュームの後処理がエラーとなります。

ポイント

同期処理再開時に同期処理のモードを変更することはできません。

同期処理再開時は、-y、-a、-v、-k、-i、-gオプションは次のどちらかにする必要があります。

  • 再開しようとする同期処理のモードと同一となるようなオプションの組み合わせを指定する。

  • どのオプションも指定しない。

注意

指定した複写元/複写先ボリュームの同期処理の状態により、本コマンドの処理内容が異なります。

表10.17 同期処理の状態に対する処理内容の違い

同期処理の状態

処理

未実施状態

全面コピー開始

全面/差分コピー中状態

通報メッセージ(swsrp2401)を出力して正常終了

等価性維持状態

通報メッセージ(swsrp2401)を出力して正常終了

複製確立状態(一時停止状態)

差分コピー開始

注意

複製開始を実行する前に、複写先ボリュームに対してレプリケーション前処理スクリプトを実行します。このスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。詳細については、「付録C レプリケーションの前後処理」を参照してください。また、-tオプションを使用することにより、前処理スクリプトを実施しないようにすることも可能です。

なお、-Xgroupオプションを指定して複製開始を行う場合は、複写先ボリュームに対するレプリケーション前処理スクリプトは実行されないため、グループ内の全ての複写先ボリュームに対して、本コマンド実行前に前処理を実行する必要があります。

注意

Logical Unit(ディスク)が対象となる複製開始を実行する前に、Logical Unit(ディスク)に対して前後処理を実施します。詳細については、「付録C レプリケーションの前後処理」を参照してください。

注意

本コマンドでは、複写先ボリュームにアクセスしているプロセスを保護するために、複写先ボリュームを他のプロセスからアクセスできない状態にしてから複製開始を実行します。そのために、複写先ボリュームのアンマウントを実行します。複写先ボリュームのアンマウントができない以下のような場合は、本コマンドはエラーで終了します。

  • マウントポイントの配下にさらに他のボリュームをマウントするディレクトリがある場合。

  • ボリューム内に使用中のファイルがある。また、本コマンドを投入するサーバ以外のサーバから複製先ボリュームが使用されている場合、レプリケーション運用の管理者の責任において複製先ボリュームをアンマウント等によりアクセス禁止状態にしてください。

注意

複製開始時に注意する点として、「11.1.1 全般的な注意事項」をご理解ください。

注意

複製先ボリュームが、複数デバイス(マルチパーティション)で構成されるSafeFILEファイルシステムの場合、前後処理スクリプトでアンマウント/マウントを実施する方法でのレプリケーションはできません。

複製先のボリュームが、複数デバイス(マルチパーティション)構成のSafeFILEファイルシステムの場合は、複製開始を行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、複製作成後にファイルシステムをマウントします。

注意

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、「4.8.2 論理ボリューム単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用する方式)」の注意の「運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」や「11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)」を参照してください。

10.4.2.2 複製作成コマンド(swsrpmake)

同期処理(EC)が行われていない場合は、スナップショット処理(OPC/QuickOPC/SnapOPC/SnapOPC+)を起動して複製ボリュームを作成します。同期処理が行われている場合は、等価性維持状態かどうかを確認し、等価性維持状態の場合は同期処理をサスペンドすることによって、複製ボリュームを作成します。同期処理がサスペンドされている状態を複製確立状態と呼びます。本コマンドを実行後、複製ボリューム(複写先ボリューム)へのアクセスが可能となります。

このコマンドは、実行中のアドバンスト・コピーの状態によって動作が異なります。

どちらの場合も本コマンドを実行後、複写先ボリュームへのアクセスが可能となります。

本コマンドでは、複製作成を行う前にレプリケーション前後処理スクリプトを実行します。これらのスクリプトの詳細については、「付録C レプリケーションの前後処理」を参照してください。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake [-m] [-f] [-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) [-Xgds-slice-skipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h Server-Name [-m] [-f] [-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) [-Xgds-slice-slipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake [-m] [-f] [-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h Server-Name [-m] [-f] [-t] ([-j | -T | -Xconcur | -C | -P]) [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -m

    サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのボリュームに対するボリューム状態確認処理および前後処理は行われません。
    複写先サーバからコマンドを実行する場合、かつ、Xconcurオプションを指定した場合は、本オプションを指定することはできません。
    本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。

    -f

    複写元ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。
    複写元ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写元前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -t

    複写先ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。
    複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -j

    筐体間の同期型レプリケーションにおいて、コピーの実行状態が「sync:全面コピー、または差分コピー中」もしくは「halt:ハードサスペンド状態」であってもコピー処理を強制的に一時停止(サスペンド)します。本オプションは、筐体間レプリケーションの場合のみ使用可能です。筐体間でない場合はエラーとなります。
    本オプションを指定した場合、複写先ボリュームのデータは保証されません。
    また、本オプションを指定した場合、複写元ボリュームへの前後処理および、複写先ボリュームへの前後処理は実行されません。筐体間同期処理(REC)を再開する際は、-tオプションを指定して複製開始コマンド(swsrpstartsync)を実施してください。

    -T

    差分スナップショット処理を起動することを指定します。
    同期処理が行われている場合は本オプションを指定することはできません。
    本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ETERNUS ディスクアレイがQuickOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。
    本オプションを指定しないスナップショット型レプリケーションの場合、通常のスナップショット処理(QuickOPC機能を利用しないOPC)が起動されます。差分スナップショットを利用したレプリケーション運用を行う場合は常に本オプションを指定する必要があります。

    -Xgroup

    グループ単位で複製の作成を行うことを指定します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)にグループ単位の複製の作成を行うことを指定します。

    -Xconcur

    コンカレントサスペンド機能を使用して複製の作成を行うことを指定します。
    本オプションはGDS Snapshot連携の場合にはサポートされません。

    -C

    SnapOPCを起動することを指定します。
    本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ETERNUS ディスクアレイがSnapOPC機能をサポートしている場合のみ有効です。
    SnapOPCを実行するためには、複写先ボリュームがSnap Data Volumeである必要があります。

    -P

    SnapOPC+を起動することを指定します。
    本オプションは筐体内レプリケーション、かつ、ETERNUS ディスクアレイがSnapOPC+機能をサポートしている場合のみ有効です。
    SnapOPC+を実行するためには、複写先ボリュームがSnap Data Volumeでなければなりません。
    以下の場合、エラーとなります。

    • 複写元ボリュームと複写先ボリュームで、同じSnapOPC+セッションが存在する場合

    • 複写元ボリュームのSnapOPC+セッションの合計が8セッションを超えた場合

    -Xgds-slice-skipchk

    SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、複写元/複写先前処理で実施される、SDXオブジェクトの状態確認処理を省略します。
    停止状態のボリュームに対して本オプションを指定する場合は、別途-fオプション、-tオプションを指定する必要があります。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0s3の複製を/dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SVに作成することを指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3 /dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV
    FROM=/dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV swsrpmake completed
    #

    グループGRP1の複製を作成します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpmake completed
    #

注意

次のような場合は複製を作成できません。

  • 指定した複写元/複写先ボリュームが、複製ボリュームとして設定されていないとき。

  • 指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理が等価性維持状態になっていないとき。

  • 運用開始後に物理ボリューム情報(媒体識別子、OLU、EXTENT開始位置、EXTENTサイズ)が変更されているとき。この場合は当該ボリュームに対する運用は継続できなくなります。いったん、該当ボリュームに対するレプリケーション運用を停止してから、複製ボリューム情報の削除と設定を行ってください。

  • 複写元ボリュームがSDXオブジェクトの場合、そのSDXオブジェクトの状態が以下の状態でないとき。

    1. ミラーボリュームがACTIVE、STOPのいずれか。

    2. ミラースライスの状態がACTIVE、TEMPのいずれか。

    3. SDXディスクの状態がENABLEである。

    ※ミラースライスがTEMPの状態の場合、複製元ボリュームの前処理は行われません。

  • 複写元ボリュームまたは複写先ボリュームがマルチボリューム構成のSafeFILEを構成している場合、ファイルシステムがマウントされていたとき。この場合、アンマウントを実行して、SafeFILEを構成する全てのボリュームを処理してください。

  • サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。

  • サーバ間レプリケーションの場合、相手サーバとの通信に失敗したとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームのボリューム構成がAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更されていたとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームがVxVMから削除されていたとき。

  • GDS Snapshot連携時に-j、-Tまたは-Cオプションを指定したとき。

  • 指定した複写元/複写先ボリュームがバックアップ管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。

注意

-Xgroupオプションを使用している場合、処理対象の複製ボリュームの運用状態にスナップショット型レプリケーションと同期型レプリケーションが混在しているときは、複製作成を行わずに処理を中断します。

また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

注意

実行するレプリケーションが以下の条件のいずれかに該当する場合は、コマンドを実行する前に複写先ボリュームをアンマウントしてください。

  • 異なるOS間でレプリケーションを行う場合

  • 複製元/複製先ボリュームのサイズが異なる場合

  • 複製元/複製先ボリュームのファイルシステムが異なる場合

上記の場合において、アンマウントを実行しない場合は、複製作成時の複写先ボリュームの後処理がエラーとなります。

ポイント

複製を作成する前に、複写元ボリュームに対してレプリケーション前後処理スクリプトを実行し(ただし、同期型レプリケーションの場合は後処理スクリプトのみを実行)、複製を作成した後に、複写元/複写先ボリュームに対してレプリケーション後処理スクリプトを実行します。このスクリプトの内容については、カスタマイズすることが可能です。詳細については、「付録C レプリケーションの前後処理」を参照してください。また、-fや-tオプションを使用することにより、前後処理スクリプトを実施しないようにすることも可能です。

なお、-Xgroupオプションを指定して複製作成を行う場合は、複写元ボリューム/複写先ボリュームに対するレプリケーション前後処理スクリプトは実行されないため、グループ内の全ての複写元ボリューム/複写先ボリュームに対して、本コマンド実行前に前処理を実行します。

(ただし、同期型レプリケーションの場合は、複写先ボリュームに対する前処理は、複製開始時に実行済みであるため実行不要です。)

また、本コマンド実行後に後処理を実行する必要があります。

ポイント

スナップショット処理の実行中に本コマンドを実行した場合は、実行中のコピーを停止し、新たにスナップショット処理を起動します。

ポイント

本コマンドでは、データを保証するために、複写元ボリュームを他のプロセスからアクセスできない状態にしてから複製を作成します。そのために、複写元ボリュームのアンマウントを実行します。複写元ボリュームのアンマウントができない以下のような場合は、本コマンドはエラーで終了します。

  • マウントポイントの配下にさらに他のボリュームをマウントするディレクトリがある場合。

  • ボリューム内に使用中のファイルがある。また、本コマンドを投入するサーバ以外のサーバから複写元ボリュームが使用されている場合、レプリケーションの管理者の責任において複写元ボリュームをアンマウント等によりアクセス禁止状態にしてください。都合により複写元ボリュームをアンマウント等をしたくない場合は、「付録C レプリケーションの前後処理」を参考にして以下を実施してください。

    • レプリケーション前処理では、ボリュームとファイルシステムとの同期をとるためにsyncコマンドを実行してください。

    • レプリケーション後処理では、複写先のファイルシステムの確認を行うために、fsckコマンドを実行してください。

  • 複写元ボリュームがバックアップ管理によって使用されている場合、アンマウントできないことがあります。この場合、「swsrp2613 複製作成時の前処理スクリプトで、異常が発生しました。 エラーコード=2」が出力されます。

ポイント

複写元ボリュームが SafeFILEファイルシステムが構築されたボリュームの場合、複写先ボリュームのマウントは以下の手順で行ってください。

# sfxadm SafeFILEを構成するRAWデバイス名のリスト
# fsck -F sfxfs [-y] SafeFILEの代表RAWデバイス名
# mount -F sfxfs SafeFILEの代表デバイス名 マウントポイント

注意

Snap Data Volumeに対して実行可能なものはSnapOPC/SnapOPC+だけです。

また、Snap Data Volumeからデータをリストアする際は、複製元ボリュームと複製先ボリューム(Snap Data Volume)との間にSnapOPCセッションが存在している必要があります。

注意

複製作成時に注意する点として、「11.1.1 全般的な注意事項」をご理解ください。

ポイント

複製元/複製先ボリュームが、複数デバイス(マルチパーティション)で構成されるSafeFILEファイルシステムの場合、前後処理スクリプトでアンマウント/マウントを実施する方法でのレプリケーションはできません。

複製元/先のボリュームが、複数デバイス(マルチパーティション)構成のSafeFILEファイルシステムの場合は、複製作成を行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、複製作成後にファイルシステムをマウントします。

注意

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、「4.8.2 論理ボリューム単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用する方式)」の注意の「運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」や「11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)」を参照してください。

ポイント

スナップショット処理の実行中に本コマンドを実行した場合は、新たにスナップショット処理を起動します。コピー動作の詳細については、以下の表を参照してください。

表10.18 スナップショット処理中にコマンドが実行された場合のコピー動作

運用状態
(swsrpstat -Lの表示内容)

-Tオプションの指定

コピー動作

コピー未実施
(Statusが“----”かつTrkが“----”)

なし

通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

コピー未実施
(Statusが“----”かつTrkが“----”)

あり

差分スナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング未実施
(Statusが“snap”かつTrkが“off”)

なし

実行中のコピーを停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング未実施
(Statusが“snap”かつTrkが“off”)

あり

実行中のコピーを停止し、新たに差分スナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング処理実行中
(Statusが“snap”かつTrkが“on”)

なし

実行中のコピーを停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

スナップショット処理実行中
かつ
トラッキング処理実行中
(Statusが“snap”かつTrkが“on”)

あり

差分スナップショット処理を起動(再開)します。

トラッキング処理実行中
(Statusが“----”かつTrkが“on”)

なし

トラッキング処理を停止し、新たに通常のスナップショット処理を起動(開始)します。

トラッキング処理実行中
(Statusが“----”かつTrkが“on”)

あり

差分スナップショット処理を起動(再開)します。

10.4.2.3 運用状況表示コマンド(swsrpstat)

指定ボリュームの運用状況を表示します。ボリューム指定が省略された場合は全ての複製ボリュームについて運用状況を表示します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat [-L] [-E] [-H] [-O] [Original-Volume-Name]

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h Server-Name [-L] [-E] [-H] [-O] [Original-Volume-Name]

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat [-L] [-E] [-O] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h Server-Name [-L] [-E] [-O] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -L

    拡張形式で表示することを指定します。
    本オプション指定時に表示される項目については実行例の表を参照してください。
    なお、本オプション指定時に表示される項目は、今後のリリースで変更される可能性があります。

    -E

    逆方向(複製先から複製元)の運用状況のみを表示することを指定します。
    本オプションを指定しない場合、双方向のOPC物理コピーが動作しているときは常に順方向(複製元から複製先)の運用状況が表示されます。
    本オプションを指定した場合、順方向の運用状況を表示せず、逆方向の運用状況のみを表示します。
    本オプションは、順方向のQuickOPC/SnapOPCセッションが存在している状態で逆方向のOPCを行う場合の運用状況の確認に使用することができます。

    -Xgroup

    グループ名を指定します。本オプションを指定した場合指定されたグループに関するすべての運用状況を表示します。

    -H

    RECがハードサスペンド(halt)状態になった場合のStatus欄の表示方法を変更します。
    本オプションを指定した場合、全面コピー中または差分コピー中にハードサスペンドが発生した場合は“halt(sync)”、等価性維持状態中にハードサスペンドが発生した場合は“halt(equivalent)”と表示されます。
    なお、ROPCやGDS Snapshot連携の場合は本オプションを指定してもハードサスペンド状態は従来のとおり“halt”と表示されます。

    -O

    エラーサスペンド(faild)状態のStatus欄の表示方法を変更します。
    本オプションを指定した場合、以下のように表示されます。

    • 不良セクタがある場合:"failed(badsector)"

    • Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足の場合:"failed(overflow)"

    • それ以外の場合:"failed(other)"

    ※ただし、GDS Snapshot連携の場合は、エラーサスペンド発生時に「-O」を指定しても、"failed"しか表示されません。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    Original-Volume-Name

    複製元ボリューム名を指定します。他サーバのボリューム名は、「ボリューム名@Storageサーバ名」の形式で指定します。
    指定された複製元ボリュームに関する全ての運用状況を表示します。本オペランドを省略した場合は、本コマンドを実行したStorageサーバに関する全ての運用状況を表示します。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVへ全レプリケーション運用状況を表示するよう指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV 
    Server Original-Volume          Replica-Volume            Direction  Status     Execute
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV regular    replicated ----
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1s3@TARG-SV ----       ----       ----
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2s3@TARG-SV reverse    snap       45%
    #

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVへ全レプリケーション運用状況を表示するよう指示します(-Lオプションを指定した場合)。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV -L
    Server Original-Volume          Replica-Volume            Direction  Status                  Execute Trk  Update Rcv  Split Xfer  Snap-Gen
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV regular    replicated              ----    ---- ----   auto ----  async ----
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d1s3@TARG-SV ----       ----                    ----    on   6%     ---- ----  ----  ----
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d2s3@TARG-SV reverse    snap                    45%     off  ----   ---- ----  ----  ----
    SRC-SV /dev/dsk/c1t1d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t1d1s3@TARG-SV regular    copy-on-write(inactive) ----    off  0%     ---- ----  ----  1
    SRC-SV /dev/dsk/c1t1d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t1d2s3@TARG-SV regular    copy-on-write(inactive) ----    off  5%     ---- ----  ----  2
    SRC-SV /dev/dsk/c1t1d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t1d3s3@TARG-SV regular    copy-on-write(active)   ----    off  6%     ---- ----  ----  3
    #

    表示する内容は、次に示すとおりです。

    タイトル

    説明

    Server

    Storageサーバ名を表示します。

    Original-Volume

    複製元ボリューム名を表示します。

    Replica-Volume

    複製先ボリューム名を表示します。

    Direction

    コピー方向を表示します。
    regular:複製元から複製先へのコピー中です。
    reverse:複製先から複製元へのコピー中です。
    ----:複製未実施です。

    Status

    実行状態を表示します。
    ----:複製未実施です。
    sync:全面コピー、または差分コピー中です。
    equivalent:等価性維持状態です。
    replicated:複製確立状態です。
    copy-on-write:SnapOPC処理中です。
    copy-on-write(active):SnapOPC+処理中です(最新のスナップ世代)。
    copy-on-write(inactive):SnapOPC+処理中です(過去のスナップ世代)。
    failed:エラーサスペンド状態です。
    failed(badsector):コピー元に不良セクタあり
    failed(overflow):Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足
    failed(other):failed(badsector)、failed(overflow)以外のエラーサスペンド状態です。
    halt:ハードサスペンド状態です。
    halt(sync):ハードサスペンド状態です(RECの全面コピー/差分コピー中にハードサスペンド状態になりました)。
    halt(equivalent):ハードサスペンド状態です(RECの等価性維持状態中にハードサスペンド状態になりました)。
    snap:OPCまたはQuickOPC処理中です。
    ?????:コピー状況取得に失敗しました。
    gds-error:GDSによるコピーが異常終了しています。

    Execute

    複製進行率をパーセントで表示します。複製未実施またはSnapOPC中の場合は“----”を表示します。

    Trk

    トラッキング処理の有無を表示します。
    on:トラッキング処理中です。
    off:トラッキング処理中ではありません。
    ----:スナップショット処理を行っていません。
    GDS Snapshot連携の場合は常に“----”となります。

    Update

    以下のいずれかに該当する場合、前回の複製作成後の更新済みデータ量をパーセンテージで表示します。
    SnapOPC+の場合は、前回のスナップ世代からの更新済みデータ量をパーセンテージで表示します。

    • Status欄が“----”かつTrk欄が“on”のとき(すなわち、トラッキング中かつ物理コピーが実施されていないとき)

    • Status欄が“copy-on-write”のとき(すなわち、SnapOPC処理中のとき)

    • Status欄が“copy-on-write(active)”のとき(すなわち、SnapOPC+処理中(最新のスナップ世代)のとき)

    • Status欄が“copy-on-write(inactive)”のとき(すなわち、SnapOPC+処理中(過去のスナップ世代)のとき)

    上記以外の場合は、“----”で表示します。
    GDS Snapshot連携の場合は常に“----”となります。

    Rcv

    筐体間同期処理のRecoveryモードを表示します。
    auto:Automatic Recoveryモードです。
    manual:Manual Recoveryモードです。
    ----:筐体間で同期型の複製(REC)を行っていません。

    Split

    筐体間同期処理のSplitモードを表示します。
    auto:Automatic Splitモードです。
    manual:Manual Splitモードです。
    ----:筐体間で同期形の複製(REC)を同期モードで行っていません。

    Xfer

    筐体間同期処理の転送モードを表示します。
    sync:同期モードです。
    async:非同期モードです。
    stack:Stackモードです。
    consist:Consistencyモードです。
    ----:筐体間で同期型の複製(REC)を行っていません。

    Snap-Gen

    SnapOPC+を行っている場合、スナップ世代番号(1~8)を表示します。
    SnapOPC+を行っていない場合、“----”を表示します。
    スナップ世代番号は、1が最も古く、数が増えるごとに最新の世代になります。

注意

注意

次のような場合は、運用状況を表示できません。

  • 指定したボリュームが複製元ボリュームとして設定されていないとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームのボリューム構成がAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更されていたとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームがVxVMから削除されていたとき。

注意

次のコマンドの実行中は、本コマンドは実行できません。

10.4.2.4 複製解除コマンド(swsrpcancel)

指定された複製ボリュームのスナップショット処理(OPC/QuickOPC/SnapOPC/SnapOPC+)、同期処理(EC)を停止します。レプリケーション運用中に何らかの異常を検出した場合や、複製処理を停止したい場合に使用します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] [-Xgds-slice-skipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h Server-Name [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] [-Xgds-slice-skipchk] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h Server-Name [-c] ([-f] [-t] [-m] [-b])|[-T]|[-Xforce] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -c

    システムダウンなど操作サーバが使用不可能な場合、操作サーバでないサーバからコピー処理の強制停止を行うことを指定します。本オプションを使用した場合、前後処理を実施せずコピー処理を停止させます。
    本オプションは、操作サーバでは指定できません。

    -m

    サーバ間レプリケーションの場合、非操作サーバとの通信処理を行わないことを指定します。本オプションを指定した場合、非操作サーバのボリュームに対するボリューム状態確認処理および、前後処理は行われません。
    本オプションは、サーバ間レプリケーション時のみ有効です。

    -f

    等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写元ボリュームへの前後処理を実行しないことを指定します。
    複写元ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写元前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -t

    等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写先ボリュームへの後処理を実行しないことを指定します。
    複写先ボリュームの前後処理をAdvancedCopy Managerでは実施せず、独自の前後処理をAdvancedCopy Managerコマンドの前後に組み込む場合や、複写先前後処理が不要であると判断できる場合(例:RAWデバイス上に構築されたデータベース)に限り、本オプションを使用してください。

    -b

    halt状態の筐体間コピー処理を停止することを指定します。
    サーバ内レプリケーションの場合、両筐体に対して筐体間コピー停止処理を行います。
    サーバ間レプリケーションの場合、本コマンドを実行したサーバに接続されている筐体にのみ、コピー停止処理を行います。
    コピー処理がhalt状態で、その復旧が見込めない場合にのみ使用してください。
    本オプションはコピー処理がhalt状態の時のみ使用できます。
    本オプションは非操作サーバでも使用できます。
    本オプションは、SDXオブジェクトの論理ボリュームの場合には使用できません。
    -Xgroupオプションと同時に指定した場合、グループ内のhalt状態のセッションだけコピー処理を停止します。

    -T

    差分スナップショットのトラッキング処理を停止することを指定します。
    本オプションを指定した場合、トラッキング処理のみが停止され、実行中のスナップショット処理(OPC物理コピー)は停止されません。スナップショット処理(OPC物理コピー)が完了している場合はOPCセッションが解除されます。
    本オプションは差分スナップショットのトラッキング処理中でない場合は使用できません。
    本オプションはSDXオブジェクトの論理ボリュームの場合は使用できません。
    -Xgroupオプションと同時に指定した場合、グループ内のトラッキング処理だけ停止します。

    -Xgroup

    グループ単位でコピー処理を停止することを指定します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されているコピー処理を停止することを指定します。

    -Xgds-slice-skipchk

    SDXオブジェクトのスライス単位運用において等価性維持状態の同期処理を停止する場合、複写元/複写先前処理で実施される、SDXオブジェクトの状態確認処理を省略します。
    停止状態のボリュームに対して本オプションを指定する場合は、別途-fオプション、-tオプションを指定する必要があります。

    -Xforce

    本オプションを指定することで、強制的にSnapOPC+のセッションを停止することができます。
    SnapOPC+の強制停止は、停止を指定したスナップ世代とそれ以前のスナップ世代がすべて停止されます。
    本オプションは、1つのスナップ世代しかない場合でも指定できます。
    本オプションは、SnapOPC+固有のオプションです。
    -Xgroupオプションを同時に指定した場合、グループ内のSnapOPC+のセッションが停止され、グループ内のスナップ世代とそれ以前のスナップ世代もすべて停止されます。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0s3から/dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SVへのコピー処理を停止することを指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3 /dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV
    FROM=/dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d0s3@TARG-SV swsrpcancel completed
    #

    グループGRP1のコピー処理を停止します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpcancel completed
    #

注意

サーバ内レプリケーションで-bオプションを指定し実行した場合、どちらか一方の筐体のコピー停止処理に成功すれば本コマンドは正常終了します。

注意

次のような場合はコピー処理を停止する事ができません。

  • 指定した複写元/複写先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。

  • 指定した複写元/複写先ボリュームに対して、複写処理が実行されていないとき。

  • サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。

  • サーバ間レプリケーションの場合、相手サーバとの通信に失敗したとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームのボリューム構成がAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更されていたとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームがVxVMから削除されていたとき。

  • 指定した複写元/複写先ボリュームがバックアップ管理機能またはテープバックアップ機能によって使用されているとき。

注意

-Xgroupオプションを使用している場合は、運用中の複製ボリュームだけ処理を行いますが、以下の場合は複製解除を行わずに処理を中断します。

  • すべての複製ボリュームがコピー未実施だった場合。

  • グループ内にhalt状態のコピー処理が存在しないときに、-bオプションを指定して実行した場合。

  • グループ内のQuickOPCのトラッキング処理が存在しないときに、-Tオプションを指定して実行した場合。

  • グループ内にSnapOPC+のセッションが存在しないときに、-Xforceオプションを指定して実行した場合。

また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

注意

SnapOPC+のセッションを停止する場合は、最も古いスナップ世代から停止する必要があります。

2世代目以降のスナップ世代を強制的に停止する場合は、-Xforceオプションを指定してください。ただし、この場合、指定したスナップ世代とそれ以前のスナップ世代がすべて停止されます。

-Xforceオプションと-Xgroupオプションを同時に指定した場合、グループ内のSnapOPC+のセッションが停止され、グループ内のスナップ世代とそれ以前のスナップ世代もすべて停止されます。

注意

指定したボリュームのボリューム情報はチェックしません(管理簿のボリューム情報と実際の物理情報との一致確認)。管理簿のボリューム情報を使用して無条件で運用を解除します。

ポイント

指定した複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。

表10.19 運用状態による処理内容の違い

運用状態

処理

逆方向コピー

処理を中断します。

未運用

処理を中断します。

全面/差分コピー中

同期処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。

等価性維持状態

同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

複製確立状態

同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

スナップショット処理中

スナップショット処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。

ポイント

複写元/複写先ボリュームへの前後処理は、同期処理が等価性維持状態のときのみ実施されます。

注意

次のような場合は、等価性維持状態の同期処理を停止できません。

  • 複写元ボリュームがSDXオブジェクトの場合、そのSDXオブジェクトの状態が以下の状態でないとき。

    1. ミラーボリュームがACTIVE、STOPのいずれか。

    2. ミラースライスの状態がACTIVE、TEMPのいずれか。

    3. SDXディスクの状態がENABLEである。

    ※ミラースライスがTEMPの状態の場合、複製元ボリュームの前処理は行われません。

  • 複写元ボリュームまたは複写先ボリュームがマルチボリューム構成のSafeFILEを構成している場合、ファイルシステムがマウントされていたとき。この場合、アンマウントを実行してSafeFILEを構成する全てのボリュームを処理してください。

注意

GDSのSDXオブジェクトを運用する場合、「4.8.2 論理ボリューム単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用する方式)」の注意の「運用できないSDXオブジェクトの構成や条件」や「11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)」を参照してください。

ポイント

  • -Tオプションを指定しない場合、複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。

    表10.20 -Tオプションを指定しない場合の処理内容

    運用状態
    (swsrpstat -Lの内容表示)

    処理

    逆方向コピー

    処理を中断します。

    未運用
    (Statusが“----”かつTrkが“----”)

    処理を中断します。

    全面/差分コピー中
    (Statusが“sync”)

    同期処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。

    等価性維持状態
    (Statusが“equivalent”)

    同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

    複製確立状態
    (Statusが“replicated”)

    同期処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

    スナップショット処理中
    (Statusが“snap”)

    スナップショット処理を停止します。複写先ボリュームは使用できません。
    トラッキング処理中の場合はトラッキング処理も停止します。

    スナップショット処理完了状態
    かつトラッキング処理中
    (Statusが“----”かつTrkが“on”)

    トラッキング処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

  • -Tオプションを指定した場合、複写元ボリュームと複写先ボリュームの運用状態により以下のような処理となります。

    表10.21 -Tオプションを指定した場合の処理内容

    運用状態
    (swsrpstat -Lの内容表示)

    処理

    逆方向コピー

    処理を中断します。

    未運用
    (Statusが“----”かつTrkが“----”)

    処理を中断します。

    全面/差分コピー中
    (Statusが“sync”)

    処理を中断します。

    等価性維持状態
    (Statusが“equivalent”)

    処理を中断します。

    複製確立状態
    (Statusが“replicated”)

    処理を中断します。

    スナップショット処理中
    かつトラッキング処理未実施
    (Statusが“snap”かつTrkが“off”)

    処理を中断します。

    スナップショット処理中
    かつトラッキング処理中
    (Statusが“snap”かつTrkが“on”)

    トラッキング処理のみを停止します。スナップショット処理(物理コピー)は継続されます。
    複写先ボリュームは複製として利用できます。

    スナップショット処理完了状態
    かつトラッキング処理中
    (Statusが“----”かつTrkが“on”)

    トラッキング処理を停止します。複写先ボリュームは複製として利用できます。

10.4.2.5 同期処理モード変更コマンド(swsrpchsync)

筐体間同期処理の動作モード(転送モード、Recoveryモード、Splitモード)を変更します。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h Server-Name [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h Server-Name [-F (Sync|Async|Stack|Consist)] [-R (Auto|Manual)] [-S (Auto|Manual)] [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -F

    転送モードを変更します。
    オペランドには以下のいずれかを指定します。
    Sync:同期モードに変更します。
    Async:非同期(逐次転送)モードに変更します。
    Stack:Stackモードに変更します。
    Consist:Consistencyモードに変更します。
    本オプションを省略した場合、転送モードは変更されません。
    -Sオプションと同時に指定できるのは-F Syncオプションのみです。
    -F Syncオプションを指定して同期モード以外の転送モードから同期モードへ変更する際に、-Sオプションが指定されなかった場合のSplitモードは、Automatic Splitモードとなります。

    -R

    Recoveryモードを変更します。
    オペランドには以下のいずれかを指定します。
    Auto:Automatic Recoveryモードに変更します。
    Manual:Manual Recoveryモードに変更します。
    本オプションを省略した場合、Recoveryモードは変更されません。

    -S

    Splitモードを変更します。
    オペランドには以下のいずれかを指定します。
    Auto:Automatic Splitモードに変更します。
    Manual:Manual Splitモードに変更します。
    本オプションを省略した場合、Splitモードは変更されません。
    -F Syncを指定しない、かつ、現在の同期処理の転送モードが同期モードでない場合は、本オプションを指定することはできません。

    -Xgroup

    グループ単位の筐体間同期処理の動作モード(転送モード、Recoveryモード、Splitモード)を変更します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されている同期処理の動作モードを変更することを指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    > 0:異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SVと/dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV間の筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードから非同期モードに変更することを指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV -L /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV
    Server Original-Volume          Replica-Volume             Direction Status Execute Trk  Rcv  Split Xfer    Snap-Gen
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV regular   sync   99%     ---- auto ----  consist ----
    :
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -h SRC-SV -F Async /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV
    FROM=/dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV, TO=/dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV swsrpchsync completed
    :
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV -L /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV
    Server Original-Volume          Replica-Volume             Direction Status     Execute Trk  Rcv  Split Xfer  Snap-Gen
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV regular   equivalent 100%    ---- auto ----  async ----
    #

    グループGRP1の筐体間同期処理の転送モードをConsistencyモードから非同期モードに変更することを指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpchsync -F Async -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrpchsync completed
    #

注意

次のような場合、筐体間同期処理の動作モードを変更することができません。

  • 指定した複製元/複製先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。

  • -F、-R、-Sのいずれのオプションも指定されていないとき。

  • サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。

  • 指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理が行われていないとき。

  • 指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理がエラーサスペンド状態(10.4.2.3 運用状況表示コマンド(swsrpstat)のStatusが“failed”)またはハードサスペンド状態(10.4.2.3 運用状況表示コマンド(swsrpstat)のStatusが“halt”)になっているとき。

  • 指定した複製元/複製先ボリュームが配置されているETERNUS ディスクアレイが動作モード変更機能をサポートしていないとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームのボリューム構成がAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更されていたとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームがVxVMから削除されていたとき。

  • GDS Snapshot連携のとき。

注意

-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームの同期処理をすべて同じ動作モードに変更しますが、上記の条件にあてはまる複製ボリュームが1つでも存在する場合は、同期処理の動作モードを変更することはできません。

また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

注意

等価性維持状態のRECの動作モード変更を行った場合は、動作モード変更後に再度、等価性維持状態になるのを待ち合わせる必要があります。

10.4.2.6 同期処理反転コマンド(swsrprevsync)

サスペンド状態の同期処理のコピー方向を反転します。

本コマンドは、SDXオブジェクトの論理ボリュームを操作する場合には使用することはできません。

  1. 指定方法

    [Storageサーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync -h Server-Name From-Volume-Name To-Volume-Name

    [Storageサーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

    [Storage管理サーバで実施する場合:グループ指定]
    /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync -h Server-Name [-Xreverse] -Xgroup Group-Name

  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -h

    Storageサーバ名を指定します。
    Storage管理サーバ以外でこのオプションを指定することはできません。

    -Xgroup

    グループ単位の同期処理を反転します。

    -Xreverse

    逆方向(複製先から複製元の方向)に実施されている同期処理を反転することを指定します。

  3. オペランドの説明

    オペランド

    説明

    From-Volume-Name

    複写元ボリューム名(反転後の複写先となるボリューム名)を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

    To-Volume-Name

    複写先ボリューム名(反転後の複写元となるボリューム名)を指定します。10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で設定した複製元ボリューム、または、複製先ボリュームを指定します。

  4. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  5. 実行例

    Storage管理サーバからStorageサーバ:SRC-SVに対して、/dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SVと/dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV間の同期処理のコピー方向を反転することを指示します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -h SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV
    Server Original-Volume          Replica-Volume             Direction  Status     Execute
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV reverse    replicated ----
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync /dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV 
    FROM=/dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV,TO=/dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV swsrprevsync completed
    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV
    Server Original-Volume          Replica-Volume             Direction  Status     Execute
    SRC-SV /dev/dsk/c1t2d0s3@SRC-SV /dev/dsk/c1t2d10s3@TARG-SV regular    replicated ----
    #

    グループGRP1の同期処理を反転します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrprevsync -Xgroup GRP1
    GROUP=GRP1 swsrprevsync completed
    #

注意

次のような場合は同期処理を反転できません。

  • 指定した複製元/複製先ボリュームが、複製ボリュームとして設定がされていないとき。

  • 複製ボリュームのコピー属性として一方向コピーを設定しているとき。

  • サーバ間レプリケーションの場合、コマンドを実行したStorageサーバがその複製ボリュームの操作サーバでなかったとき。

  • 指定した複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理が複製確立状態でないとき。

  • 指定した複製元/複製先ボリュームが配置されているETERNUS ディスクアレイが反転機能をサポートしていないとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームのボリューム構成がAdvancedCopy Managerでサポートされない構成に変更されていたとき。

  • 複製元/複製先ボリュームがVxVMの論理ボリュームの場合、論理ボリュームがVxVMから削除されていたとき。

  • GDS Snapshot連携のとき。

注意

-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームの同期処理をすべて反転しますが、上記の条件にあてはまる複製ボリュームが1つでも存在する場合は、同期処理を反転することはできません。

また、-Xgroupオプションを使用している場合は、処理対象の複製ボリュームを順次処理しますが、処理の途中で異常が発生した場合は、その時点で処理を中断します。

注意

-Xgroupオプションを使用している場合、グループ内のすでに反転済みのセッションに対しては処理を行いません。