バックアップ管理簿の保守方法について説明します。バックアップ運用を実施しているサーバで実行します。
バックアップ管理簿とSymfowareのデータベーススペースをバックアップしたときに作成されるリカバリ制御ファイルをバックアップします。
詳細については、「10.2.3.2 資源バックアップコマンド(swstresback)」を参照してください。
バックアップ管理簿のバックアップデータの容量
以下のディレクトリ配下のサイズを確認してください。
/etc/opt/FJSVswsts/data
クラスタ運用している場合は、以下のディレクトリ配下のサイズを確認してください。
/etc/opt/FJSVswsts/<論理ノード名>/data
Symfowareのデータベースをバックアップしている場合は、以下のディレクトリ配下のサイズも確認してください。
リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ
ポイント
退避先として以前に退避したディレクトリを使用する場合は、上記サイズの3倍の容量が必要になります。
バックアップ管理簿とSymfowareのデータベーススペースをバックアップしたときに作成されるリカバリ制御ファイルをリストアします。
詳細については、「10.2.3.3 資源リストアコマンド(swstresrst)」を参照してください。
レプリケーション管理簿の保守方法について説明します。
レプリケーション管理簿のバックアップは、Storage管理サーバのリポジトリをバックアップすることによって実施します。リポジトリのバックアップ方法については、「9.1.1.3.1 データベースの退避方法」を参照してください。
ポイント
レプリケーション管理の運用情報は、リポジトリに格納されています。
レプリケーション管理簿のバックアップは、10.4.1.1 複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)や10.4.1.3 複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)によってレプリケーション管理の運用情報が変更された場合に実行することをお勧めします。
レプリケーション管理簿のリストアは以下の手順で実施します。
Storage管理サーバのリポジトリをリストアします。リポジトリのリストア方法については、Storage管理サーバのOSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「9.1.1.3.3 データベースの復旧方法」を参照してください。
Storage管理サーバがSolaris版/Linux版の場合
復旧方法では、stgdbrcvコマンドの -mオプション(復旧モード)に0を指定してください。
Storage管理サーバがWindows版の場合
復旧方法では、"RDBディクショナリおよびDSIの復旧(LOADモード)"を選択してください。
Storageサーバで10.4.3.1 資源整合コマンド(swsrprecoverres)を-rオプションを指定して実行します。資源整合コマンドについての詳細については、「10.4.3.1 資源整合コマンド(swsrprecoverres)」を参照してください。
ポイント
上記の手順によって、リポジトリのレプリケーション管理の運用情報がStorageサーバへコピーされ、運用可能な状態になります。
リポジトリに存在するレプリケーション管理の運用情報に変更がなく、Storageサーバに存在するレプリケーション管理の運用情報のみが何らかの理由によって不正な状態になってしまった場合は、上記の手順を実行してください。
Storage管理サーバで使用しているデータベースの保守方法について説明します。
データベース領域の退避を行うには、データベース退避コマンドを使用します。
本コマンドは、Storage管理サーバ上で実行します。
注意
データベース退避コマンドを実行する際は、rootユーザーでログインしてください。
Storage管理サーバ導入時に指定した(事前にSymfowareが導入されていた場合には、Symfoware導入時の)ロケールで実行してください。
本コマンド実行時に画面やコマンドを使用している場合、処理が正常に終了しない場合があります。しばらく待ってから再実行してください。
本コマンドで退避したデータがないと、データベース領域に入出力障害等の障害が発生した場合に、9.1.1.3.3 データベースの復旧方法を使用して復旧することができません。
Storage管理サーバをクラスタ運用している場合は、退避するディレクトリを共用ディスク上に用意することをお勧めします。
指定方法
# /opt/swstorage/bin/stgdbdmp -d Backup-Directory [ -y ] |
オプションの説明
オプション | 説明 |
---|---|
-d | データベース領域を退避するディレクトリ名を絶対パスで指定します。 |
-y | 以前退避した内容が指定したディレクトリに既に存在した場合、強制的に上書きして退避します。 |
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
実行例
# /opt/swstorage/bin/stgdbdmp -d /storage/dmpdir -y ////////// AdvancedCopy Manager データベース退避実行 ////////// ================================================================== DBデータの退避を開始します。 ================================================================== 退避用作業ファイルの編集が完了しました。 . DBスペース更新抑止が完了しました。 アーカイブログファイルの強制切替えが完了しました。 ......................... DSIデータの退避が完了しました。 アーカイブログファイルの破棄が完了しました。 RDBディクショナリデータの退避が完了しました。 DBスペース更新抑止解除が完了しました。 ================================================================== DBデータの退避が完了しました。 ================================================================== データベース退避は正常終了しました。 #
ポイント
主にStorageサーバの追加やデバイス情報の取り込みなど構成情報に変化が生じた際に使用しますが、それ以外に一日一回など定期的に実行することをお勧めします。
退避データ取得中の外部ファイルの入出力障害に備えるために、退避データは最低でも2世代管理しておくことをお勧めします。
データベースのバックアップデータの容量
以下の計算式で算出します。
60+(管理するデバイス数×0.001)メガバイト
以下のファイルを最終行から順に参照し、「rdb:ERROR:qdgXXXXX~」と記述されたメッセージ(同時刻に出力されているメッセージも確認してください)を検索して「qdgXXXXX」を取得し、復旧モードを決定します。
(クラスタ運用しない場合)/var/opt/FJSVswstf/log/RDBSWSTF.log
(クラスタ運用する場合)/var/opt/FJSVswstf/論理ノード名/log/RDBSWSTF.log
qdgメッセージ | 障害内容 | 確認対象 | 復旧モード |
---|---|---|---|
qdg13039u | 入出力障害、破壊検出 | リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ/hdrdb_rep1 | 1 |
qdg12079e | ファイル削除 | ||
qdg03400u | ロールバック不可 | - | |
qdg03401u | |||
qdg03121u | 入出力障害 | RDBディクショナリ用ディレクトリ/hdrdic | 2 |
qdg12078u | ファイル削除 | ||
qdg03420u | 入出力障害、破壊検出等 | DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/DIR_FILE1 | |
qdg12150u | ファイルオープンエラー | ||
qdg12151u | |||
qdg12251e | 入出力障害 | DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/rdblogmanage | 3 |
qdg12443u | |||
qdg12434u | ファイル異常 | ||
qdg02290u | ファイル削除 | ||
qdg12111u | 入出力障害 | RDBログファイル用ディレクトリ/hdrlog | 4 |
qdg12440u | |||
qdg12441u | |||
qdg12442u | |||
qdg02296u | ファイル削除 | ||
qdg03815u | システムコールエラー | DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/archive1 | 5 |
qdg12275W | |||
qdg12250u | 破壊検出 | ||
qdg12483u | ファイル読み込みエラー |
注意
複数の障害が同時に発生した場合は、復旧モード1~5を使用しても復旧できない場合があります。その際は、データベースを再作成した後、復旧モード0を使用することにより、データベース退避コマンドを実行して退避した時点の状態まで復旧することができます。詳細については、「9.1.1.3.1 データベースの退避方法」を参照してください。(退避後に反映されたデータは復旧できません。)
その際、バックアップ運用を行っているすべてのStorageサーバ上で資源整合コマンド(「10.2.3.1 資源整合コマンド(swstsrsemtch)」を参照)にオプション-xを付けて実行してください。また、レプリケーション運用を行っているすべてのStorageサーバ上で資源整合コマンド(「10.4.3.1 資源整合コマンド(swsrprecoverres)」を参照)にオプション-rを付けて実行してください。
データベース領域に入出力障害等の障害が発生した場合、復旧を行うためには、データベース復旧コマンドを使用します。
本コマンドは、Storage管理サーバ上で実行します。
注意
データベース復旧コマンドを実行する際は、rootユーザーでログインしてください。
Storage管理サーバ導入時に指定した(事前にSymfowareが導入されていた場合には、Symfoware導入時の)ロケールで実行してください。
注意
データベース復旧コマンドが正常終了した後、9.1.1.3.1 データベースの退避方法に従って、最新の退避データを取得してください。なお、その際の退避データ格納ディレクトリは、復旧コマンドで使用した退避データ格納ディレクトリとは異なるディレクトリを指定することをお勧めします。
データベース復旧コマンドが正常終了した後、「第2章 デーモンの起動と停止」を参照し、AdvancedCopy Managerのデーモンを再起動(停止後、起動)してください。
指定方法
# /opt/swstorage/bin/stgdbrcv -m mode [-d Backup-Directory] |
オプションの説明
オプション | 説明 |
---|---|
-m | データベース領域に発生した障害内容に応じた、復旧モードを指定します。 |
-d | 事前に退避したデータが格納されているディレクトリ名を絶対パスで指定します。 |
終了ステータス
=0:正常終了
>0:異常終了
実行例
# /opt/swstorage/bin/stgdbrcv -m 1 -d /storage/dmpdir ////////// AdvancedCopy Manager データベース復旧実行 ////////// ================================================================== DSIの復旧(FWモード)を開始します。 ================================================================== 復旧用作業ファイルの編集が完了しました。 DSIアクセス禁止が完了しました。 ......................... DSIデータの復旧が完了しました。 ================================================================== DSIの復旧(FWモード)が完了しました。 ================================================================== データベース復旧は正常終了しました。 #
認証機構の保守方法について説明します。認証機構を実施しているサーバ(Storage管理サーバ)で実行します。
Storage管理サーバにおいて、/opt/FJSVswssc/bin/smmkbatコマンドを実行して認証管理情報を抽出します。本コマンドはrootユーザーで行う必要があります。
# /opt/FJSVswssc/bin/smmkbat -f 定義情報出力シェルスクリプト名 (例:/opt/FJSVswssc/bin/smmkbat -f acldata.sh)
定義情報出力シェルスクリプトは、定義情報を反映するコマンド例を記述したシェルスクリプトとして抽出されます。
認証管理簿のバックアップデータの容量
以下の計算式で算出します。
400+(アクセス権設定したアカウント名の長さ+29(*1)/・・・)バイト
*1 アクセス権を設定したアカウントの数分だけ加算します。
定義情報出力シェルスクリプトを実行します。この場合、rootユーザーで行う必要があります。
レジストリの保守方法について説明します。Storage管理サーバおよびStorageサーバで実施します。
以下のファイルを、cpコマンド等を使用してバックアップします。
ファイル名
非クラスタの場合
/etc/opt/swstorage/swnode.ini
クラスタの場合
/etc/opt/swstorage/論理ノード名/swnode.ini
実施例
/backupディレクトリに退避します。
# cp /etc/opt/swstorage/swnode.ini /backup
レジストリのバックアップデータの容量
バックアップするファイルのサイズを確認してください。
以下のファイルを、cpコマンド等を使用して復元します。
ファイル名
非クラスタの場合
/etc/opt/swstorage/swnode.ini
クラスタの場合
/etc/opt/swstorage/論理ノード名/swnode.ini
実施例
/backupディレクトリに退避したファイルを復元します。
# cp /backup/swnode.ini /etc/opt/swstorage