PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版)
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付録D コマンドリファレンス

D.18 コマンドによるボリューム作成操作の流れ

ここでは、コマンドを使って、ボリュームを作成する操作の流れについて説明します。
環境構築時の参考にしてください。
詳しくは、各コマンドのリファレンスマニュアルを参照してください。


システムディスクをミラーリングする手順については、「sdxroot − ルートファイルシステムのミラー定義および中止【Itanium】」の「使用例」を参照してください。

 

PRIMECLUSTERシステムの場合

GDSのクラスやボリュームなどのオブジェクトの構成を定義する前に、PRIMECLUSTERのリソース登録を行う必要があります。リソース登録の詳細については、「共用ディスク装置のリソース登録」を参照してください。

 

■(1) ミラーボリュームの作成

例として物理ディスクsdaとsdbをミラーリングしてボリュームを作成する手順を示します。

 

1) ディスクをクラスへ登録します

物理ディスクをクラスに登録します。クラスが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) 物理ディスク sda と sdb をローカルクラスClass1に登録し、それぞれに対して、Disk1とDisk2というディスク名を付けます。

# sdxdisk -M -a type=local -c Class1 -d sda=Disk1,sdb=Disk2

 


ディスクを共用クラスへ登録する際には、-aオプションで scope 属性を指定する必要があります。例を示します。

# sdxdisk -M -c Class1 -a type=shared,scope=node1:node2 -d sda=Disk1,sdb=Disk2

 

2) ディスクをミラーグループへ接続します

ディスクをミラーグループへ接続します。ミラーグループが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) Disk1 と Disk2 をミラーグループ Group1 に接続します。

# sdxdisk -C -c Class1 -g Group1 -d Disk1,Disk2

 

3) ミラーボリュームを作成します

ミラーグループ内にボリュームを作成します。

例) ミラーグループ Group1 に 1000 ブロックのボリュームを作成し、Volume1 というボリューム名を付けます。

# sdxvolume -M -c Class1 -g Group1 -v Volume1 -s 1000

コマンドの復帰後に、自動的に等価性コピーが行われます。

 

4) 作業の完了を確認します

等価性コピーが完了したことを確認します。

例) ボリューム Volume1 の等価性コピーが完了したことを確認します。

# sdxinfo -S -o Volume1
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class1  Group1  Disk1   Volume1 ACTIVE
slice  Class1  Group1  Disk2   Volume1 COPY

表示されたスライスの STATUS フィールドがすべて ACTIVE になっていれば、等価性コピーは完了しています。
等価性コピー中の場合、STATUS フィールドには COPY と表示されます。
-e long オプションを指定すると、等価性コピーの進み具合を確認できます。
詳しくは、「sdxinfo - オブジェクトの構成および状態情報の表示」を参照してください。

 

■(2)シングルボリュームの作成

例として、物理ディスク sda を使用してシングルボリュームを作成する手順を示します。

1) ディスクをクラスへ登録します

物理ディスクをクラスに登録します。クラスが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) 物理ディスク sda をシングルディスクとしてノード node1 と node2 から共用される共用クラス Class1 に登録し、Disk1 というディスク名を付けます。

# sdxdisk -M -c Class1 -a type=shared,scope=node1:node2 -d sda=Disk1:single

 

2) シングルボリュームを作成します

シングルディスク内にボリュームを作成します。

例) シングルディスク Disk1 に 1000 ブロックのボリューム作成し、Volume1 というボリューム名を付けます。

# sdxvolume -M -c Class1 -d Disk1 -v Volume1 -s 1000

 

■(3) 大容量ボリュームの作成 (コンカチネーションを利用する)

例として、物理ディスク sda と sdb をコンカチネートしてボリュームを作成する手順を示します。

1) ディスクをクラスへ登録します

物理ディスクをクラスに登録します。クラスが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) 物理ディスク sda と sdb を、ノードnode1 と node2 から共用される共用クラス Class1 に登録し、それぞれに対して、Disk1 と Disk2 というディスク名を付けます。

# sdxdisk -M -c Class1 -a type=shared,scope=node1:node2 -d sda=Disk1,sdb=Disk2

 

2) ディスクをコンカチネーショングループへ接続します

ディスクをコンカチネーショングループへ接続します。コンカチネーショングループが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) Disk1 と Disk2 をコンカチネーショングループ Group1 に接続します。

# sdxdisk -C -c Class1 -g Group1 -d Disk1,Disk2 -a type=concat

 

3) 大容量ボリュームを作成します

コンカチネーショングループ内にボリュームを作成します。

例) コンカチネーショングループ Group1 に1,000,000,000 ブロックのボリュームを作成し、Volume1 というボリューム名を付けます。

# sdxvolume -M -c Class1 -g Group1 -v Volume1 -s 1000000000 -a pslice=off

 

■(4) ストライプボリュームの作成

例として、物理ディスク sda と sdb をストライピングしてボリュームを作成する手順を示します。

1) ディスクをクラスへ登録します

物理ディスクをクラスに登録します。クラスが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) 物理ディスク sda と sdb を、ノード node1 と mpde2 から共用される共用クラス Class1 に登録し、それぞれに対して、Disk1 と Disk2 というディスク名を付けます。

# sdxdisk -M -c Class1 -a type=shared,scope=node1:node2 -d sda=Disk1,sdb=Disk2

 

2) ディスクをストライプグループへ接続します

ディスクをストライプグループへ接続します。ストライプグループが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) Disk1 と Disk2 をストライプグループ Group1 に接続します。

# sdxdisk -C -c Class1 -g Group1 -d Disk1,Disk2 -a type=stripe,width=32

 

3) ストライプボリュームを作成します

ストライプグループ内にボリュームを作成します。

例) ストライプグループ Group1 に 1000 ブロックのボリュームを作成し、Volume1 というボリューム名を付けます。

# sdxvolume -M -c Class1 -g Group1 -v Volume1 -s 1000 -a pslice=off

 

■(5) ミラーボリュームの作成 (ストライピングを併用する場合)

例として、物理ディスク sda と sdb, sdc と sdd でそれぞれストライプグループを構成し、それらの2つのストライプグループをミラーリングしてボリュームを作成する手順を示します。

1) ディスクをクラスへ登録します

物理ディスクをクラスに登録します。クラスが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) 物理ディスク sda, sdb, sdc, sdd を、ノード node1 と node2 から共用される共用クラス Class1 に登録し、それぞれに対して、Disk1, Disk2, Disk3, Disk4 というディスク名を付けます。

# sdxdisk -M -c Class1 -a type=shared,scope=node1:node2\
 -d sda=Disk1,sdb=Disk2,sdc=Disk3,sdd=Disk4

 

2) ディスクをストライプグループへ接続します

ディスクをストライプグループへ接続します。ストライプグループが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) Disk1 と Disk2 をストライプグループ Group1 に接続します。

# sdxdisk -C -c Class1 -g Group1 -d Disk1,Disk2 -a type=stripe,width=32

Disk3 と Disk4 をストライプグループ Group2 に接続します。

# sdxdisk -C -c Class1-g Group2 -d Disk3,Disk4 -a type=stripe,width=32

 

3) ストライプグループをミラーグループへ接続します

ストライプグループをミラーグループへ接続します。ミラーグループが存在しない場合は、自動的に作成されます。

例) ストライプグループ Group1 と Group2 をミラーグループ Group3 に接続します。

# sdxgroup -C -c Class1 -h Group3 -l Group1,Group2 -a type=mirror

-a type=mirrorオプションは省略可能です。

 

4) ミラーボリュームを作成します

最上位ミラーグループ内にボリュームを作成します。

例) ミラーグループ Group3 に 1000 ブロックのボリュームを作成し、Volume1というボリューム名を付けます。

# sdxvolume -M -c Class1 -g Group3 -v Volume1 -s 1000 -a pslice=off

コマンドの復帰後に、自動的に等価性コピーが行われます。

5) 作業の完了を確認します

等価性コピーが完了したことを確認します。

例) ボリューム Volume1 の等価性コピーが完了したことを確認します。

# sdxinfo -S -o Volume1
OBJ    CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  STATUS
------ ------- ------- ------- ------- --------
slice  Class1  Group3  Group1  Volume1 ACTIVE
slice  Class1  Group3  Group2  Volume1 COPY

表示されたスライスの STATUS フィールドがすべて ACTIVE になっていれば、等価性コピーは完了しています。
等価性コピー中の場合、STATUS フィールドには COPY と表示されます。
-e long オプションを指定すると、等価性コピーの進み具合を確認できます。
詳しくは、「sdxinfo - オブジェクトの構成および状態情報の表示」を参照してください。


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