PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版)
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付録D コマンドリファレンス

D.11 sdxroot − ルートファイルシステムのミラー定義および中止【Itanium】

■形式

sdxroot -M -c class -d disk[,disk,...]
sdxroot -R -c class -d disk[,disk,...]

 

■機能説明

sdxroot は、ルートファイルシステムを含むシステムディスクのミラーリング定義の完了、または、定義の解除を行うコマンドです。スーパユーザ権限を持つユーザだけが sdxrootコマンドを実行することができます。

システムディスクとは、動作中のLinuxオペレーティングシステムがインストールされた物理ディスクのことであり、具体的には次のいずれかのファイルシステム(またはスワップ域)として現在動作しているスライスを含むディスク全体を指します。

/, /usr, /var, /boot, /boot/efi, またはスワップ

 

■基本オプション

以下の基本オプションのうち、いずれかを指定します。

 

-M
Make
disk で指定された1つあるいは複数のシステムディスクをミラーリングするための準備(クラスへの登録とグループへの接続)が完了していることを確認し、残りのミラーリングの定義(fstabやelilo.confファイルの更新など)を行います。本コマンドの復帰後、速やかにシステムを再起動してください。システムが再起動された後、システムディスクのミラーリングが開始されます。

disk には、/(ルート)、/usr、/var、/boot、/boot/efi、またはスワップ域として現在動作しているスライスが存在するディスクを指定します。/(ルート)、/usr、/var、/boot、/boot/efi、スワップ域のうちスワップ域のみが存在するディスクの指定は必須ではありませんが、/(ルート)、/usr、/var、/boot、/boot/efi が存在するディスクは必ず指定する必要があります。また、disk で指定されたディスクは、ミラーリングするための準備(クラスへの登録とグループへの接続)が完了していなければなりません。

システムディスクが接続されているグループにおいて等価性コピー処理が実行されている場合、sdxrootコマンドがエラーとなります。sdxcopy -C コマンドを使用して等価性コピーを中止するか、または、等価性コピーが完了した後に、コマンドを実行してください。

 

-R
Remove
disk で指定された1つあるいは複数のシステムディスクのミラーリングを中止するための準備(各システムディスクが接続されているグループからディスクを切断し、各グループにシステムディスクが1つだけ接続された状態にすること)が完了していることを確認し、残りのミラーリング中止の定義(fstab やelilo.conf ファイルの更新など)を行います。本コマンドの復帰後、速やかにシステムを再起動してください。システムが再起動された後、システムディスクのミラーリングが中止されます。

GDSによるシステムディスクの管理を完全に解除するためには、システムが再起動された後にシステムディスクに関するボリュームの削除、グループの削除、ディスクの削除、およびクラスの削除を行う必要があります。

disk には、/(ルート)、/usr、/var、/boot、/boot/efi、またはスワップ域として現在動作しているボリュームが存在するディスクをすべて指定します。disk で指定されたディスクは、ミラーリングを中止するための準備(各システムディスクが接続されているグループからディスクを切断し、各グループにシステムディスクが1つだけ接続された状態にすること)が完了していなければなりません。

 

■サブオプション

以下のサブオプションを指定します。

 

-c class
classにはdiskが属しているクラス名を指定します。

 

-d disk[,disk,...]
diskには操作対象となる1つあるいは複数のディスク名を指定します。複数のdiskを接続する場合は、ディスク名をカンマ(,)で区切ります。

 

■戻り値

正常終了した場合には0を返し、そうでない場合には0以外の値を返します。

■使用例

/(ルート)、/usr、/var、/boot、および /boot/efi がインストールされたディスクと、スワップ域として割り当てられているディスクが異なる場合を例として、システムディスクのミラーリング手順とミラーリング解除手順を以下に示します。

◆システムディスクのミラーリング手順

  1. 動作中のアプリケーションプログラムを停止します。

    ミラーリングの定義を安全に行うため、動作しているアプリケーションプログラムを停止させる必要があります。ミラーリングの定義を有効にするためには、手順の完了後にシステムを再起動しなければなりません。

    より安全性が求められる場合は、システムディスクのバックアップを採取してください。

  2. システムディスクをルートクラスへ登録します。

    この例では、/(ルート)、/usr、/var、/boot、および /boot/efi がインストールされたディスクをsda、スワップに割り当てられているディスクをsdbとします。

    # sdxdisk -M -c System -a type=root -d sda=Root1:keep,
    sdc=Root2:undef,sdb=Swap1:keep,sdd=Swap2:undef


  3. システムディスクをグループへ接続します。

    # sdxdisk -C -c System -g Group1 -d Root1,Root2 -v 1=root:on,2=usr:on,3=var:on,4=home:on,5=boot:on,6=efi:on
    # sdxdisk -C -c System -g Group2 -d Swap1,Swap2 -v 1=swap:on


    システムディスクにオープンされていない物理スライスがある場合

    sdxdisk -Cコマンドの復帰後、オープンされていない物理スライスに対応して作成されたボリュームは起動され、等価性コピーが実行されます。sdxcopy -Cコマンドを使用して等価性コピーを中止するか、または、等価性コピーが完了した後に、手順4を実行してください。ファイルシステムがマウントされている物理スライスや、rawデバイスとしてアクセスされている物理スライスは、オープンされています。mount(8)コマンドで表示されない物理スライスは、オープンされていない可能性があります。


  4. ミラー定義が完了したことを確認します。

    # sdxroot -M -c System -d Root1,Swap1


  5. システムを再起動します。

    # shutdown -r now


  6. ミラーリングされていることを確認します。

    mountコマンドやsdxinfoコマンドを使って、システムディスクが正しくミラーリングされていることを確認します。

物理ディスク情報とスライス番号の確認
システムディスクが正しくミラーリングされていることを確認した後、システムディスクの物理ディスクの情報とスライス番号を確認し、紙などに記録してください。詳細は、「物理ディスク情報とスライス番号の確認」を参照してください。

 

◆システムディスクのミラーリングを中止する手順

  1. 動作中のアプリケーションプログラムを停止します。

    ミラーリングの中止を安全に行うため、動作しているアプリケーションプログラムを停止させる必要があります。ミラーリングの中止を有効にするためには、手順の完了後にシステムを再起動しなければなりません。

    より安全性が求められる場合は、システムディスクのバックアップを採取してください。

  2. 中止した後にシステムディスクとして使用するディスク以外をグループから切断します。

    # sdxdisk -D -c System -g Group1 -d Root2
    # sdxdisk -D -c System -g Group2 -d Swap2


  3. ミラーの中止が完了したことを確認します。

    # sdxroot -R -c System -d Root1,Swap1


  4. システムを再起動します。

    # shutdown -r now


  5. ミラーリングが中止されていることを確認します。

    mountコマンドやsdxinfoコマンドを使って、システムディスクのミラーリングが正しく中止されていることを確認します。

  6. システムディスクの管理を解除します。

    # sdxvolume -F -c System -v root
    # sdxvolume -F -c System -v usr
    # sdxvolume -F -c System -v var
    # sdxvolume -F -c System -v home
    # sdxvolume -F -c System -v boot
    # sdxvolume -F -c System -v efi
    # sdxvolume -F -c System -v swap
    # sdxvolume -R -c System -v root
    # sdxvolume -R -c System -v usr
    # sdxvolume -R -c System -v var
    # sdxvolume -R -c System -v home
    # sdxvolume -R -c System -v boot
    # sdxvolume -R -c System -v efi
    # sdxvolume -R -c System -v swap
    # sdxgroup -R -c System -g Group1
    # sdxgroup -R -c System -g Group2
    # sdxdisk -R -c System -d Root1
    # sdxdisk -R -c System -d Root2
    # sdxdisk -R -c System -d Swap1
    # sdxdisk -R -c System -d Swap2

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