ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.0 -Solaris- |
目次
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本章では、Solarisシステムにおける、AdvancedCopy Managerのレプリケーション運用について説明します。なお、AdvancedCopy Managerでは、レプリケーションの単位は、スライスとなります。本書では、スライスを"ボリューム"という用語で記載しています。
AdvancedCopy Managerのレプリケーション機能について説明します。
AdvancedCopy Managerのレプリケーションは、ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のアドバンスト・コピー機能(OPC/EC機能)を使用して、ボリューム容量にかかわらず、ボリューム間のレプリケーション(複製)を高速に行います。
ETERNUS ディスクアレイのOPC(One Point Copy)またはROPC(Remote One Point Copy)機能を用いたレプリケーション機能をスナップショット型レプリケーション、EC(Equivalent Copy)またはREC(Remote Equivalent Copy)機能を用いたレプリケーション機能を同期型レプリケーションと呼びます。
レプリケーション機能は、ある時点の情報を本来の目的とは別の目的で使用するために、コピー(複製)を作成する機能であり、運用や目的に合わせてバックアップ機能と使い分け/組み合わせることができます。
バックアップ管理と異なりレプリケーション管理では、Symfowareのデータベースはサポートしていません。
ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のOPC/ROPC機能を用いて、複写元ボリュームから複写先ボリュームに複製を作成します。
スナップショット型レプリケーションは、次のように処理が行われます。
複製作成コマンド(swsrpmake)で複写元ボリュームから複写先ボリュームへのスナップショット処理(OPC/ROPC)を起動して複製を作成します。複製作成コマンドでは、複写元ボリュームのアンマウント/マウントを行ないます。これにより複写元データを確定させます(詳細は、本マニュアルの『レプリケーションの前後処理』で説明します。)(図8.1の1〜4)
複製を再作成したい場合は、再度複製作成コマンドを起動するだけです。以前のスナップショット処理中の場合は、動作中のスナップショット処理を停止して、新規のスナップショット処理を起動します。
スナップショット型レプリケーションは複製作成実行指示を行った時点で完了します。実際のデータのコピー処理はETERNUS ディスクアレイのOPC/ROPC機能によって内部的に行われます。
スナップショット型レプリケーションでアドバンスト・コピー機能のROPC機能を使用する場合は、ROPC機能が動作可能なディスクアレイ装置が必要です。
ディスクアレイ装置が、QuickOPC機能に対応している場合は、QuickOPCスナップショット型レプリケーションを行うことができます。
QuickOPC機能は、前回の物理コピー時点からの差分データのみをコピーする機能です。QuickOPC機能を使用したスナップショット型高速バックアップをQuickOPCスナップショット型レプリケーションと呼びます。
通常のスナップショット型レプリケーションでは、複製作成(OPC)を起動するたびに複写元ボリューム全体を複写先ボリュームへ物理コピーしますが、QuickOPCスナップショット型レプリケーションでは、前回の複製作成時点からの差分データのみを物理コピーするため、物理コピー時間の大幅な短縮が可能です。
通常のスナップショット型レプリケーションとQuickOPCスナップショット型レプリケーションの比較を以下に示します。
QuickOPC機能を利用したQuickOPCスナップショット型レプリケーションを行うためには、QuickOPC機能に対応したハードウェアが必要です。
QuickOPC機能は筐体内コピー(OPC)の場合にのみ利用できます。筐体間コピー(ROPC)の場合にQuickOPC機能を利用することはできません。
また、SDXオブジェクトを論理ボリューム単位にレプリケーションする場合もQuickOPC機能を利用することはできません。
QuickOPC機能では、OPC論理コピーの完了後にコピー元/コピー先に発生した更新をハードウェアが記録しています。ハードウェアが更新箇所を記録している状態を「トラッキング状態」と言います。
SnapOPCは、コピー元となるディスク領域に対し、ある時点(論理コピー)以降に更新されるデータだけをコピー先ディスク領域にコピーする機能です。
通常のスナップショット型レプリケーション(通常のOPC)、QuickOPCスナップショット型レプリケーション(QuickOPC)、SnapOPC型レプリケーション(SnapOPC)の比較を以下に示します。
ある時点(論理コピー)のデータをすべてコピー先ディスク領域にコピーします。
コピー先ディスク領域は、コピー元のディスク領域と同容量(以上)が必要です。
コピー時間は、全データのコピー時間です。
初回は、ある時点(論理コピー)のデータをすべてコピー先ディスク領域にコピーします。
2回目以降は、前回以降の更新分だけをコピーします。
コピー先ディスク領域は、コピー元のディスク領域と同容量(以上)が必要です。
2回目以降のコピー時間は、差分データのコピー時間です。
ある時点(論理コピー)のデータから更新されるデータだけをコピー先ディスク領域にコピーします。
コピー先ディスク領域は、コピー元のディスク領域より少ない容量になります。
コピー時間は、更新されるデータのコピー時間です。
SnapOPCを使用したスナップショット型レプリケーションをSnapOPCスナップショット型レプリケーションと呼びます。
SnapOPCは複製先ボリューム容量の縮小、コピー時間の短縮という点で従来のOPCよりも優れている反面、アクセス性能、コピーデータの信頼性の点で問題があります。
上記の点から、SnapOPCは、アクセス性能を重視しないシステム向けのテープバックアップ用一時領域として使用されることを想定しています。
SnapOPCは筐体内レプリケーション(OPC)の場合にだけ利用できます。筐体間レプリケーション(ROPC)の場合はSnapOPCを利用することはできません。
SnapOPCのコピー先ディスクのことをSnap Data Diskと呼びます。
ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のEC/REC機能を用いて、複写元ボリュームから複写先ボリュームに複製を作成します。
同期型レプリケーションの複製作成方法には、全面コピー(差分コピーではなく,コピー元ボリューム全体をコピーする)による方法と差分コピー(前回の複製作成後の更新分のみコピーする)による方法があります。
全面コピーによる複製作成
レプリケーション運用の最初の複製作成時に使用します。
差分コピーによる複製作成
複製確立状態からの複製作成に使用します。
前回の複製作成(全面コピー・差分コピー)実行後の更新分を反映することによって複製を作成します。
同期型レプリケーションは、次のように処理が行われます。
複製開始コマンド(swsrpstartsync)で複写元ボリュームから複写先ボリュームへの同期処理(EC/REC)を開始し、全面コピーを開始します。(図8.2の1)
全面コピーが完了し、複写元ボリュームと複写先ボリュームが等価状態になります。この時点以降、複写元ボリュームに対する更新が複写先ボリュームに逐次反映され、データの等価性が常に維持される状態(等価性維持状態)になります。(図8.2の2〜3の状態)
複製作成コマンド(swsrpmake)で同期処理を一時停止し、複写元ボリュームの複製を作成します。複製作成コマンドでは、複写元のアンマウント/マウントを行ないます。これにより複製元データを確定させます(詳細は、本マニュアルの『レプリケーションの前後処理』で説明します)。複製作成コマンド実行後、複製確立状態となり、複写先ボリュームにアクセスできます。(図8.2の3〜4の状態)
再度、複製を作成するためには、一時停止されている同期処理を複製開始コマンドで再開します。この場合、差分コピーにより、前回の複製作成時から同期処理再開までの間の複写元ボリュームへの更新(差分)データが複写先ボリュームへコピーされます。(図8.2の4)
複製作成後に複写先ボリュームの更新を行っている場合、複写先ボリュームの更新内容はクリアされます。
更新(差分)データのコピーが完了すると、再び等価性維持状態になります。(図8.2の5〜6の状態)
等価性維持状態になった後、複製作成コマンドを実行して複製を再作成します。(図8.2の6)
同期型レプリケーションでEC/REC機能を使用する場合は、EC/REC機能が動作可能なディスクアレイ装置が必要です。
複写元ボリュームと複写先ボリュームが等価状態になる前に複製作成コマンドを実行することはできません。
AdvancedCopy Managerのレプリケーション方法を説明します。
レプリケーション運用の設計は、以下の手順で行います。
SnapOPC型レプリケーションを運用する場合、SnapOPC運用を行う場合の設計時の注意事項 も参照してください。
レプリケーション運用を行うサーバを決定します。
レプリケーション運用を行うサーバには、次のものがあります。
Storage管理サーバ
複数のStorageサーバを一元管理、集中操作します。Storage管理サーバは、Storageサーバを兼ねることができます。
Storageサーバ
AdvancedCopy Managerの運用を行います。
ETERNUS ディスクアレイのリモートコピー機能(ROPC/REC)を使用して、筐体間レプリケーションを実施する場合には、以下の条件があります。
両筐体にROPC/REC機能を導入することが必要です。
両筐体がFCRA(FC Remote Adapter)で接続されていることが必須です。FCRAによる接続ではデータはINIT側からTARG側へしか流れません。双方向コピーを実施するためには、最低2組のFCRA接続が必要です。
レプリケーション対象となる複製元ボリューム/複製先ボリュームを決定します。
複製元ボリュームとは、複製対象となるオリジナルデータが格納されているボリュームです。
複製先ボリュームとは、複製元ボリュームのデータを格納するボリュームです。
さらに、複製元ボリューム/複製先ボリュームに与える以下の属性を決定します。
コピー方向
レプリケーション運用で使用するコピー方向を決定します。以下のどちらかを指定します。
“双方向コピー”:複製元ボリュームと複製先ボリューム間で双方向のコピーを行います。複製先から複製元へのコピーは、リストア用途に使用できます。
“一方向コピー”:複製元ボリュームから複製先ボリュームへのコピーのみを行います。運用上、複製先から複製元へのコピーを禁止したい場合に使用できます。
操作サーバ(サーバ間レプリケーションの場合のみ)
サーバ間レプリケーションの場合、対象となる複製元ボリューム/複製先ボリュームに対するレプリケーション操作は、複製元サーバ、複製先サーバのいずれかのみで実行可能とするか、両方サーバで実行可能とするかを設定できます。
“複製元サーバ”:複製元ボリュームが接続されているStorageサーバを操作サーバにします。
“複製先サーバ”:複製先ボリュームが接続されているStorageサーバを操作サーバにします。
"両サーバ :複製元サーバ、複製先サーバの両方を操作サーバにします。
また、複数の複製元ボリューム/複製先ボリュームから構成されるグループを作成することができます。これにより、複数の複製元ボリューム/複製先ボリュームの操作をグループ単位でまとめて行うことが可能になります。本機能の詳細については「グループの作成」を参照してください。
本書ではレプリケーション操作を実施するStorageサーバを操作サーバと呼び、複製元サーバ、複製先サーバのいずれかを指定します。
操作サーバでは、全てのレプリケーション機能が利用可能です。これに対して、操作サーバではないサーバからは、情報表示と運用解除機能だけが利用可能です。
システムが格納されているディスクや、AdvancedCopy Managerがインストールされているディスクは、レプリケーション対象としないでください。
レプリケーション対象を決定する際に注意する点として、本マニュアルの『全般的な注意事項』をご理解ください。
バックアップ、レプリケーション対象について
VTOCを含むスライスについて
Snap Data Diskに対して設定可能なセッションは1つです。
そのため、下図のように1つのSnap Data Diskに対して複数のセッションを設定することはできません。
また、Snap Data Diskから複製元ディスク以外のディスクに対してコピーすることはできません。
Snap Data Diskの作成は以下の手順で行います。
Snap Data Diskの物理容量の算出
Snap Data Diskの定義と初期化
ホストへの接続
スライス作成、ファイルシステム作成
Snap Data Diskの物理容量の見積り式を以下に示します。
物理容量=(複製元ボリュームに対して発生する更新ブロック数)×(安全係数)
正確にはSnapOPC前にSnap Data Diskに対して更新されたブロック数およびハードウェアが使用する管理領域(論理容量の0.1%程度)についても考慮する必要がありますが、安全係数を大きくすることでカバーできます。
複製元ボリュームに対して発生した更新ブロック数の見積りは更新量測定コマンド(swstestupdate)で測定することができます。
測定は以下の手順で行います。
複製元ボリュームに対して擬似SnapOPCセッションを設定することにより、更新量の測定を開始します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstestupdate start /dev/dsk/c1t0d0s1 /dev/dsk/c1t0d0s1 swstestupdate completed # |
業務を開始します。業務によって発生した更新ブロックがハードウェア上に記録されます。
測定期間が経過した後、更新ブロック数を確認します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstestupdate status /dev/dsk/c1t0d0s1 Volume-Name Update /dev/dsk/c1t0d0s1 644333 # |
測定完了後、擬似SnapOPCセッションを解除します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstestupdate stop /dev/dsk/c1t0d0s1 /dev/dsk/c1t0d0s1 swstestupdate completed # |
ETERNUSmgrを使用して、Snap Data Diskの定義と初期化を行います。その際、論理容量は複製元ディスクの容量と同一に設定します(複製元ディスクと複製先ディスクのパーティション構成を同一にするため)。
作成したSnap Data Diskをホストに接続します。手順については、ディスクアレイ装置のマニュアル(「サーバ接続ガイド」)を参照してください。
Snap Data Diskに複製先ボリュームを作成するため、スライスの作成およびファイルシステムの作成を行います。
Snap Data Diskの物理容量を無駄に消費することを避けるため、ファイルシステム作成後は複製先ボリュームの更新は極力行わないようにしてください。
Snap Data Diskをクラスタの共用ディスクにしないでください。物理容量がオーバした際に、クラスタシステムがフェイルオーバする危険性を回避するためです。
クラスタ運用の場合は、以下のいずれかの方法によってSnap Data Diskを共用ディスクにしない必要があります。
Snap Data Diskをクラスタシステムの全ノードから参照できるようにします
クラスタシステムと非クラスタシステムのサーバ間レプリケーション運用にします
レプリケーション運用の流れを以下に記述します。
レプリケーション運用を開始するにあたり、事前に以下の準備が必要です。
レプリケーション運用を開始するにあたり、事前にStorage管理サーバおよびStorageサーバ上でデーモンを起動する必要があります。通常、システムの起動時に自動的に立ち上がりますが、何らかの理由で起動に失敗した場合および一度デーモンを停止した場合は、各サーバでデーモンを起動する必要があります。デーモンの起動については、本マニュアルの『デーモンの起動と停止』を参照してください。
以下のURLを指定し、AdvancedCopy Managerの初期画面を起動します。クラスタ運用時はURLが異なります。詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager使用手引書 初期画面』を参照してください。
http://Storage管理サーバのアドレス(:ポート番号)/swstorage/index.html |
以下のWeb画面(サーバ一覧画面)が起動します。
なお、Web画面を使用せずにコマンドのみで運用する場合は、本操作を行う必要はありません。
AdvancedCopy ManagerのWeb画面の操作は全てStorage管理サーバ上で動作します。Web画面の操作については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書』を参照してください。
Storage管理サーバをクラスタ運用している場合
Storage管理サーバをクラスタ運用している場合、Web画面を使用するためには、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書 認証関連ファイルの設定』の認証関連ファイルの設定が必要となります。
Storage管理サーバにて、管理するStorageサーバを登録します。Storage管理サーバを兼ねているStorageサーバは、サーバの追加をする必要はありません。
[操作]メニューから[サーバの追加]を選択します。以下の画面が表示されます。
追加するStorageサーバのサーバ名、IPアドレスおよび通信に必要なポート番号を指定します。ポート番号にはStorageサーバ側の通信デーモンに指定したポート番号を指定します。
Storageサーバをクラスタで運用している場合、IPアドレスにはAdvancedCopy Manager用に割り当てたStorageサーバの引き継ぎIPアドレスを指定します。また、ポート番号にはクラスタセットアップ時に登録した業務用通信デーモンに指定したポート番号を指定します。
以上の項目を入力後、[OK]ボタンを押して、Storageサーバの追加処理を実施します。
なお、この処理は、本マニュアルの『サーバ情報追加コマンド(stgxfwcmaddsrv)』でも実施できます。
レプリケーション管理を実施する場合は、まずStorageサーバ上のデバイス情報を一旦リポジトリに格納する必要があります。Storageサーバのデバイス情報を取り出すため、操作メニューから[全デバイスの情報取得/反映]を選択します。以下の画面が表示されます。
デバイス情報を取り出すサーバを確認後、[OK]ボタンを押します。
各サーバからデバイス情報を取得後、以下のダイアログが表示されます。
一番上のリストボックスは、新規にデバイスが検出された場合、表示されます。管理するデバイスを左側のリストボックスに移動します。二番目のリストボックスは、現在管理対象となっているデバイスのうち、今回検出できなかったデバイスです。管理対象外にする場合は、右側のリストボックスに移動します。一番下のリストボックスは、デバイス情報が更新(例えば、マウントポイント名が変更)されたデバイスです。
以上の操作を実施後、[OK]ボタンを押して、ボリューム構成情報の反映処理を実施します。
なお、この処理は、本マニュアルの『デバイス情報取得/反映コマンド(stgxfwcmsetdev)』でも実施できます。
この操作は、選択したStorageサーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。目安として、負荷のない状態で、1デバイスあたり約0.5秒かかりますので、参考として下さい。
レプリケーション対象となる複製元ボリューム/複製先ボリュームの設定は、複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)で行います。登録した複製元ボリューム/複製先ボリュームの情報は、複製ボリューム情報表示コマンド(swsrpvolinfo)で参照することができます。
サーバ間レプリケーションを行う場合、他Storageサーバのボリュームを指定する場合は、「ボリューム名@サーバ名」の形式で指定します。
AdvancedCopy Managerでのレプリケーションは、基本的にボリュームがアンマウントされた状態で処理を行う必要があります。そのため、レプリケーション処理の実行時に、前後処理スクリプトを使用してボリュームのアンマウント/マウント操作を行っています。
レプリケーションの実行時にボリュームがアンマウントできない場合は、レプリケーション処理は実行されません。
前後処理スクリプトの詳細については、本マニュアルの『レプリケーションの前後処理』を参照してください。
運用が以下のいずれかに該当する場合は、レプリケーション前後処理スクリプトをカスタマイズする必要があります。
運用上の理由により、ファイルシステムが構築されたボリュームのアンマウント/マウント処理を回避したい場合
その他、特殊な前後処理を前後処理スクリプト内に追加したい場合
カスタマイズ方法については、本マニュアルの『レプリケーションの前後処理』を参照してください。
グループ単位でレプリケーションを行う場合、前後処理は行われません。そのため複製作成前にあらかじめにグループ内の全ボリュームをアンマウントし、複製作成後アンマウントしたボリュームをマウントする必要があります。
AdvancedCopy Managerをバージョンアップした場合
バージョンアップ後のスクリプトは更新されている場合があります。そのため、旧バージョンで使用していたシェルスクリプトを再利用するのではなく、旧バージョンで使用していたシェルスクリプトに対して実施されていたカスタマイズを、バージョンアップ後のシェルスクリプトに対して実施してください。
グループを構成する複製ボリューム情報(複製元ボリューム/複製先ボリュームのペア)は以下の条件を満たしている必要があります
複製元サーバ、複製先サーバがすべて一致している必要があります。
操作サーバ、コピー方向がすべて一致している必要があります。(操作サーバ、コピー方向の値は、複製情報表示コマンド(swsrpvolinfo)のOp-Server欄、Copy欄で確認できます。)
登録しようとする複製ボリューム情報は他グループに登録しないでください。
グループ内で複製元ボリューム、複製先ボリュームの重複をしないでください。
GDS論理ボリュームが含まれていてはいけません。
[条件1について]
[条件3について]
[条件4について]
グループの作成は、複製グループ情報設定コマンド(swsrpsetvol)で行います。
また、作成したグループの情報は、複製情報表示コマンド(swsrpvolinfo)で参照することができます。
[実行例]
2組の複製元ボリューム/複製先ボリュームからなるグループ:GRP1を作成します。
# swsrpsetvol -Xgroup GRP1 /dev/dsk/c1t1d1s4@SRC /dev/dsk/c1t1d11s4@TARG-1 swsrpsetvol completed # swsrpsetvol -Xgroup GRP1 /dev/dsk/c1t1d2s4@SRC /dev/dsk/c1t1d12s4@TARG-1 swsrpsetvol completed # swsrpvolinfo -L Server Original-Volume Size Replica-Volume Size Copy Op-Server Group SRC /dev/dsk/c1t1d1s4@SRC 4.0Gbyte /dev/dsk/c1t1d11s4@TARG-1 4.0Gbyte bi-direction both GRP1 SRC /dev/dsk/c1t1d2s4@SRC 4.0Gbyte /dev/dsk/c1t1d12s4@TARG-1 4.0Gbyte bi-direction both GRP1 # |
AdvancedCopy Managerのレプリケーションの運用について説明します。
レプリケーション運用を行う前に、本マニュアルの『事前準備』を参照して、レプリケーション運用に必要な環境設定を行ってください。
本章ではコマンドによる操作方法について説明します。Web画面による操作については『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager使用手引書』の『レプリケーション管理の操作』を参照してください。
スナップショット型レプリケーションは、複製作成コマンド(swsrpmake)を用いて行います(スナップ型レプリケーションの説明については本マニュアルの『スナップショット型レプリケーションの処理』を参照してください)。
物理コピーの実行状況は、運用状況表示コマンド(swsrpstat)で確認が可能です。
QuickOPCスナップショット型レプリケーションは、複製作成コマンド(swsrpmake)に-Tオプションを指定して実行します。
複製作成コマンド実行時にOPCセッションが存在していない場合は複写元ボリュームから複写先ボリュームへの全データのスナップショット処理(OPC物理コピー)とトラッキング処理が開始されます。
物理コピーの実行状況を確認するには、通常のスナップショット型レプリケーションの場合と同様、運用状況表示コマンド(swsrpstat)を使用します。
スナップショット処理(OPC物理コピー)が完了するとトラッキング処理のみが動作している状態となります。
トラッキング状態を確認するには、運用状況表示コマンド(swsrpstat)に-Lオプションを指定します。
トラッキング処理が実行されている状態で複製作成コマンド(swsrpmake)を-Tオプション指定で実行すると、前回のスナップショット処理時点からの差分データのみが物理コピーされるため、短時間に物理コピーを完了することができます。
トラッキング処理が実行されている状態でリストアを行う場合はOPCでリストアを行います(-Tオプションを指定せずに複製作成コマンドを実行します)。トラッキング処理が実行されている状態で逆向きのQuickOPCを実行することはできません。すなわち、QuickOPCを利用したレプリケーション運用は以下のように行います:
[バックアップ(複製の作成)] swsrpmake -T <複製元ボリューム名> <複製先ボリューム名> [リストア(複製の復元)] swsrpmake <複製先ボリューム名> <複製元ボリューム名> |
リストアはOPCで実行されますが、全データが物理コピーされるわけではなく、前回の複製作成後の更新済みデータ(swsrpstatのUpdate欄を参照)のみが物理コピーされるようになっています。したがって、QuickOPCを使ったレプリケーション運用ではバックアップだけでなく、リストアの物理コピーも短時間で完了するようになっています。
SnapOPC型レプリケーションは、複製作成コマンド(swsrpmake)に-Cオプションを指定して実行します。
複製作成コマンドを実行すると、複製元ボリュームから複製先ボリュームの間にSnapOPCセッションが設定されます。
[実行例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -C /dev/dsk/c1t0d0s1 /dev/dsk/c1t0d11s1 FROM=/dev/dsk/c1t0d0s1@SV1,TO=/dev/dsk/c1t0d11s1@SV1 swsrpmake completed # |
通常のOPCやQuickOPCと異なり、SnapOPCでは複製元ボリュームの全データのコピーは行わず、SnapOPCの開始後に複製元/複製先で更新されたデータだけが複製先ボリュームにコピーされます。このようなコピー処理を書き込み時コピー(Copy-on-Write)と呼びます。
※ホストのI/O単位とストレージ装置のコピー単位が異なるため(ホストI/O=512byte、ストレージ装置のコピー単位、=8Kbyte)、複製先の更新時にもデータコピーが発生します。
SnapOPCセッションの状態は、運用状況表示コマンド(swsrpstat)で確認することができます。
SnapOPCスナップショット開始直後の運用状況表示コマンドの実行例を以下に示します。SnapOPCを行っている場合は、Status欄に“copy-on-write"と表示され、Update欄に前回の複製作成後の更新済みデータ量がパーセンテージ表示されます。
[実行例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -L /dev/dsk/c1t0d0s1 Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute Trk Update Rcv Split Xfer SV1 /dev/dsk/c1t0d1s1@SV1 /dev/dsk/c1t0d11s1@SV1 regular copy-on-write ---- off 0% ---- ---- ---- # |
SnapOPC処理が実行されている状態で複製作成コマンドを再実行すると、設定済みのSnapOPCセッションを解除した後、新規のSnapOPCセッションを設定します。
Snap Data Diskの物理容量オーバが発生した場合、SnapOPCセッションはエラーサスペンドになります。これは運用状況表示コマンドのStatus欄が“failed"になることにより確認できます。
[実行例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -L /dev/dsk/c1t0d0s1 Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute Trk Update Rcv Split Xfer SV1 /dev/dsk/c1t0d1s1@SV1 /dev/dsk/c1t0d11s1@SV1 regular failed ---- off ---- ---- ---- ---- #
Snap Data Diskの容量オーバが発生した場合は、複製解除コマンド(swsrpcancel)でSnapOPCセッションを解除し、Snap Data Diskの物理容量増加を行う必要があります。
Snap Data Volumeからのリストアは、複製作成コマンド(swsrpmake)でOPCを起動することによって行います。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake /dev/dsk/c1t0d11s1 /dev/dsk/c1t0d0s1 FROM=/dev/dsk/c1t0d11s1@SV1,TO=/dev/dsk/c1t0d0s1@SV1 swsrpmake completed # |
リストアを実行すると、複製元ボリュームから複製元ボリュームへのSnapOPCセッションを維持したまま、バックアップボリュームから業務ボリュームへの(通常の)OPCが起動されます。このとき、複製作成後の更新データだけが物理コピーされるため、リストアの物理コピー時間が短縮されます。
リストアの実行状況の確認は、運用状況表示コマンド(swsrpstat)に-Eオプションを指定することにより行います。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat -E /dev/dsk/c1t0d0s1 Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute SV1 /dev/dsk/c1t0d1s1@SV1 /dev/dsk/c1t0d11s1@SV1 reverse snap 80% # |
複製元ボリュームと複製先ボリュームの間でSnapOPCが行われている場合、複製元ボリューム以外のボリュームへのリストアを実行することはできません。複製元ボリューム以外のボリュームへのリストアを行いたい場合は、OSのコピー機能(cp/copyコマンド等)を使用する必要があります。
また、複数の複製先ボリュームに対してSnapOPCを行っている場合は、リストアを行うことはできません。
この場合は、ほかのSnapOPCセッションを解除することにより、OPCによるリストアが可能となります。ただし、SnapOPCセッションが解除された複製先ボリュームのバックアップデータは失われます。
SnapOPCセッションを維持したまま、リストアを行いたい場合は、OSのコピー機能(cp/copyコマンド等)でリストアを行う必要があります。しかし、OS機能によってリストアを行うと複製元ボリュームの更新済みデータ量が増加するため、SnapOPCボリュームの容量オーバが発生する危険性があります。
同期型レプリケーションは、以下の手順で行います。
複製開始コマンド(swsrpstartsync)を用いて、同期処理を開始します。開始した同期処理のキャンセルは、複製解除コマンド(swsrpcancel)コマンドで行います。
運用状況表示コマンド(swsrpstat)で等価性維持状態であることを確認した後、複製作成コマンド(swsrpmake)で同期処理を一時停止し、複製元ボリュームの複製を作成します。
更新(差分)データのコピーを行う場合は、再度複製開始コマンド(swsrpstartsync)で同期処理を再開します。
筐体内同期型レプリケーションでは、ディスクアレイ装置のEC機能を用いて、複写元ボリュームから複写先ボリュームに複製を作成します。
EC機能は、複写元ボリュームへのWriteに同期して複写先ボリュームにコピーするモード(同期Writeモード)で動作します。
筐体間同期型レプリケーションでは、ディスクアレイ装置のREC機能を用いて、複写元ボリュームから複写先ボリュームに複製を作成します。
REC機能には、コピーの動作モードに以下の3種類があり、運用に合わせて動作モードを指定することができます。
転送モード
Recoveryモード
Splitモード
また、REC機能では、サスペンド状態からコピー方向の反転を行うことができます。
RECのデータ転送方法に関するモードです。
モード |
説明 |
---|---|
同期 |
複写元ボリュームにWriteがあった時、コピーが完了した後、Writeの完了をホストに返す転送モードです。 同期転送モードを使用している場合、Writeのレスポンス性能は筐体間の回線性能に依存するため、回線性能の劣化に伴ってWriteのレスポンス性能も劣化します。 |
非同期 |
複写元ボリュームへのWriteに応答した後、直ちに複写先ボリュームへデータ転送が行われる転送モードです。Writeの順序性は保証されます。 筐体間の転送性能に比べ複写元ボリュームへの更新量が多い場合は未コピーデータが溜まり、ある程度コピーされるまでホストWriteが待たされます。非同期モードを使用する場合は、複写元ボリュームへの単位時間の更新量と同等以上の回線性能を用意する必要があります。 |
Stack |
未転送のデータを複写元の筐体に蓄積(Stack)して不定期にコピーを行い、複写先筐体への時間当たりの転送データ量を低く抑える転送モードです。複写元ボリュームの更新データは複写先ボリュームに不定期に転送されるため、Writeの順序性は保証されません。 |
Consistency |
複数の同期処理のデータ反映の順序性を保証する転送モードです。複数の同期処理の更新データが定期的にまとめてコピーされるため、複数の同期処理間でのWriteの順序性が保証されます。 |
StackモードまたはConsistencyモードを使用した同期型レプリケーション運用を行う場合は、複製開始コマンド(swsrpstartsync)、複製作成コマンド(swsrpmake)のほかに同期処理モード変更コマンド(swsrpchsync)を使用します。StackモードまたはConsistencyモードを使用した同期型レプリケーション運用の流れを以下に示します。
筐体間パス異常状態(halt状態)から復旧した場合に、コピー処理を再開する動作に関するモードです。
モード |
説明 |
---|---|
Automatic Recovery |
筐体間のFCRAパスが正常に復旧した場合、RECセッションがHALT状態から正常な状態に自動的に遷移し、コピー処理が再開するRecoveryモードです。 |
Manual Recovery |
筐体間のFCRAパスが正常に復旧しても、RECセッションはHALT状態のままでコピー処理が再開しないRecoveryモードです。コピーの再開は手動で行います。本モードは、スタンバイデータベースの運用などで使用されます。 |
同期転送モードでRECを行っている場合に、筐体間パス異常状態(halt状態)が発生した場合のコピー元ボリュームへのWrite動作に関するモードです。
モード |
説明 |
---|---|
Automatic Split |
筐体間のFCRAパスの全閉塞が発生し、HALT状態になった場合、複写元ボリュームへのWriteを通常通り成功させるSplitモードです。本モードを使用することにより、筐体間のFCRAパスの全閉塞が発生した場合でも複写元ボリュームへのWriteが問題なく行えるため業務に影響がありません。 筐体間のFCRAパスが復旧した場合、Recoveryモードの設定にしたがってコピー処理が再開されます。 |
Manual Split |
筐体間のFCRAパスの全閉塞が発生してHALT状態になった場合、複写元ボリュームへのWriteを許可しない(エラーとする)Splitモードです。本モードを使用することにより、FCRAパスの全閉塞時に場合でも複写元ボリュームと複写先ボリュームの内容を完全に同期させることができます。 筐体間のFCRAパスが復旧した場合、Recoveryモードの設定にしたがってコピー処理の再開が行われます。 |
コピー方向の反転機能を利用することにより、センターのサイト切り替えをスムーズに実施することができます。
以下に使用例を示します。
サイトAで運用が行われており、サイトAからサイトBへのRECが行われているとします。
サイト切り替えを行うために、複製作成コマンドを実行してサイトBに複製を作成します。その後、サイトAの運用を停止します。
同期処理反転コマンドを実行して、コピー方向を反転させます。
サイトBの運用を開始します。この段階では同期処理はサスペンド状態なのでサイトBのボリュームに対して行われた更新データはサイトAには反映されません。
サイトBからサイトAの同期処理を開始(再開)します。同期処理のサスペンド中にサイトBのボリュームに対して行われた更新が、サイトAへ差分コピーによって反映されます。
初期コピースキップ機能は回線容量不足のため初期コピーの実施ができない場合に使用します。
テープ搬送によって初期コピースキップを行う例を以下に示します。
サイトAの運用が停止されているとします。
次に初期コピースキップ機能を使って同期処理を開始します。このとき、RECセッションが設定されますが、複製確立状態となります。複写先ボリュームにはデータはコピーされません
次に複写元ボリュームのデータをテープへバックアップします。
テープ媒体をサイトBに搬送します。また、サイトAの業務を再開します。
テープ媒体のデータを複写先ボリュームに復元します。この時点で複写先ボリュームのデータは運用再開前の複写元ボリュームのデータと同一になります。
Remainモードで同期処理を再開します。Remainモードで同期処理を再開することにより、複写元ボリュームの更新データのみが複写先ボリュームへ反映されます。(Remainモードを使用しない場合は複写元ボリュームの全データがコピーされます。)
コンカレントサスペンド機能とは複数のEC/RECセッションを同時にサスペンドするディスクアレイ装置の機能です。
本機能により複数のボリュームにより構成されたデータベースなどのコピーが整合性のとれた状態で容易に採取できます。
以下に、ディスクアレイ装置内部で行われる動作を示します。
コンカレントサスペンド機能による複製作成は、複製作成コマンド(swsrpmake)に-Xconcurオプションを指定することにより行います。
また、転送モードがConsistencyモードでコンカレントサスペンドを行う場合は、複製作成処理時の一時的なモード変更が不要になります。(下図参照。)したがって、Consistencyモードでコンカレントサスペンドを使用する場合の操作手順は、非同期モード、同期モードと同じ手順となります。
複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)の設定で、双方向に定義したボリュームペアに関して、複製先ボリュームから複製元ボリュームへデータをリストアすることができます。
リストアは以下の手順で実行できます。
リストア対象のボリュームにECセションが存在する場合は、複製解除コマンド(swsrpcancel)を実施します。
複製元ボリュームと複製先ボリュームの指定をレプリケーション実行時とは反対にして複製作成コマンド(swsrpmake)を実施します。QuickOPC/SnapOPCを使用したバックアップ運用の場合は、-Tオプション、-Cオプションを指定せずに複製作成コマンドを実行します。
レプリケーション運用を構成するStorageサーバ/デバイスが変更となった場合、AdvancedCopy Managerの設定情報を変更する必要があります。本節では、各種変更に伴う、設定情報の変更方法を説明します。
設定されている複製元/複製先ボリュームの属性値(コピー方向、サーバ間レプリケーションにおける操作サーバ)を変更する場合は、複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)で登録をいったん削除した後、複製ボリューム情報設定コマンド(swsrpsetvol)を再度実行してください。
設定されている複製元/複製先ボリュームの設定の削除は、複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)で行います。
複製元/複製先ボリュームに使用しているデバイス情報のサイズや構成変更を行う場合は、複製元/複製先ボリュームの削除処理を行った後にデバイス構成変更を行い、複製元/複製先ボリュームの設定処理を行います。
本作業は、必ず、複製元/複製先ボリュームのサイズや構成変更を行う前に実施してください。本作業を行わない場合、デバイス構成変更後の複製元/複製先ボリュームの削除ができない場合があります。
デバイスの変更対象の複製元/複製先ボリュームに対して削除処理を行います。詳細は本マニュアルの『複製元/複製先ボリュームの削除』を参照してください。
デバイスの構成変更を行います。
デバイスの追加処理を行います。詳細は本マニュアルの『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を参照してください。
複製元/複製先ボリュームの設定を行います。
動作中のレプリケーション処理を停止したい場合、動作中のコピーの停止、同期型レプリケーション運用をスナップショット型レプリケーションに変更する場合は、複製解除コマンド(swsrpcancel)で行います。
レプリケーション運用を停止する場合、Storageサーバ上のデーモンを停止します。通常、システムの停止時に自動的に停止します。
何らかの理由でデーモンを停止したい場合は、個別に停止させる事も可能です。詳細は、本マニュアルの『デーモンの起動と停止』を参照してください。
デーモンを停止すると、Storageサーバ上で動作しているAdvancedCopy Managerのすべての機能が停止します。
Storage管理サーバのサービスを停止する場合、管理しているすべてのStorageサーバの運用が停止している事を確認後、Storage管理サーバのサービスを停止してください。
SDXオブジェクトのレプリケーション運用について説明します。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
GDSの詳細については、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照してください。
なお、インストール先のシステム環境により、ソフトウェアのバージョンレベルは異なります。詳細は関連するソフトウェアのマニュアルなどを参照してください。
運用には次の2種類の方法があります(コピー単位はそれぞれ異なります)。
論理ボリューム単位のレプリケーション運用(GDS Snapshotを使用する方式)
スライス単位のレプリケーション運用(GDS Snapshotを使用しない方式)
運用の選択は 本マニュアルの『SDXオブジェクト運用単位の設定』を確認してください。
論理ボリューム単位のレプリケーション運用(GDS Snapshotを使用する方式)は、サーバ内レプリケーションに限ります。
サーバ間レプリケーションを実施する場合は、スライス単位を使用してください。
一つのStorageサーバ内で、両方の運用を混在して運用することはできません。
GDSのSDXオブジェクトを論理ボリューム単位で複製することが可能です。
GDS Snapshotと連携した複製が行われます。
対象ボリュームとしてGDSの論理ボリューム名を指定できるため、SDXオブジェクトの物理ディスク構成を意識する必要はありません。(スライス単位運用では、ミラーボリュームを構成する全ての物理スライスを指定しなければならないので、物理構成を意識した設計、運用が必要です)
GDSの論理ボリュームをAdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、GDS論理ボリューム名を指定します。
dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名
運用できないSDXオブジェクトの構成や条件
運用可能なボリュームは、シングルボリューム、ミラーボリュームです。
次のSDXオブジェクト(ボリューム)はAdvancedCopy Managerで運用することができません。
シャドウクラスのボリューム。
ストライプボリューム
スイッチボリューム
コンカチネーショングループ内のボリューム
ただし、ミラーグループの下位グループとして、ストライプグループおよびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
同期型レプリケーションの開始や、スナップショット型レプリケーションの開始において、「複写元ボリュームを構成するスライス数」と「複写元ボリュームに関連付けられている全ての複写先ボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、複写元ボリュームがINVALID状態である場合はコピー処理を実行できません。
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、"sdxinfo -e long"を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
single : シングルボリューム(運用可能)
mirror : ミラーボリューム(運用可能)
stripe : ストライプボリューム(運用不可)
concat : コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)
switch : スイッチボリューム(運用不可)
レプリケーション運用では、以下の点に留意して設計をおこなってください。
GDS Snapshot連携機能では、AdvancedCopy ManagerがGDS Snapshot機能を使用してボリュームの結合・分離操作を行うことにより、レプリケーションを実施します
そのため、複製元/複製先ボリュームはGDS Snapshotのマスタオブジェクト/プロキシオブジェクトとして利用可能なSDXオブジェクトでなければなりません。
複写元ボリュームはマスタオブジェクト、複写先ボリュームはプロキシオブジェクトとして運用します。
GDSのボリューム構成の設定は、AdvancedCopy Managerに登録する前に行ってください。
よって、物理スライス単位のレプリケーション運用と異なり、以下の点に留意する必要があります。(マスタ・プロキシボリュームを構成するための詳細な条件は『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』の『付録A 留意事項』の『プロキシ構成の前提条件』を参照してください)
複製元/複製先ボリュームは同一種別のSDXオブジェクトでなければなりません。論理ボリュームとスライス、または、論理ボリュームと他OSのボリュームを組み合わせて複製ボリューム情報を設定することはできません。論理ボリュームの場合は、複製元/複製先ボリュームは同一サイズでなければなりません。
また、AdvancedCopy Managerでは、ボリュームが分離状態かつコピーセッションがない場合、複製未実施状態とみなします。以下の運用を行った場合に、この状態へ移行します。
複製作成コマンド(swsrpmake)でOPCを開始し、コピー処理が完了した場合。
複製開始コマンド(swsrpstartsync)をソフトコピー指定で実行し、その後、複製作成コマンド(swsrpmake)で同期処理をサスペンドした場合。
複製開始コマンド(swsrpstartsync)、複製作成コマンド(swsrpmake)、複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)は、指定された複製ボリュームのペアがこの分離状態であった場合、自動的に解除します。
運用上、このコピーセッションがない分離状態を解除する必要がある場合は、複製ボリューム情報削除コマンド(swsrpdelvol)で複製ボリューム情報を削除するか、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照して、sdxproxyコマンドで解除してください。
アドバンスト・コピーを使用するためには、複製先ボリューム、複製元ボリュームのボリューム構成に関して以下の条件を満足する必要があります。
アドバンスト・コピーを使用するためには、複写元ボリュームは以下のいずれかのボリューム構成を満足する必要があります。
シングルボリュームである。
ルートクラスではない。
ミラーボリュームであり、かつ、そのボリュームが属しているミラーグループに下位グループが接続されていない。
したがって、下位グループが接続されているミラーグループ内のミラーボリュームに対しては、ソフトコピーのみが起動可能です。
次のSDXオブジェクト(ボリューム)は、AdvancedCopy Managerで運用することができません。
シャドウクラスのボリューム。
ストライプボリューム
スイッチボリューム
コンカチネーショングループ内のボリューム
ただし、ミラーグループの下位グループとして、ストライプグループおよびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
同期処理の開始やスナップショット型レプリケーションの開始において、「複写元ボリュームを構成するスライス数」と「複写元ボリュームに関連付けられている全ての複写先ボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、複写元ボリュームがINVALID状態である場合はコピー処理を実行できません。
アドバンスト・コピーを使用するためには、複写先ボリュームは以下のボリューム構成を満足する必要があります。
シングル構成である。
(すなわち、ボリュームのTYPE属性が"single"であるか、または、TYPE属性が"mirror"かつ、ディスクグループを構成するディスク数が1である。)
ルートクラスではない。
したがって、複写先ボリュームがミラーボリュームである場合は、ソフトコピーのみ起動可能になります。双方向でアドバンスト・コピーを実施するためには、両ボリューム共シングル構成である必要があります。ストライプ、コンカチネーションは、複写先として運用することはできません。
GDS Snapshotのコピー動作には次の2種類があり、SDXオブジェクトの構成により、使用される機能が異なります。
アドバンスト・コピー:富士通ストレージシステムETERNUSのハードウェア機能によるコピー
ソフトコピー:PRIMECLUSTER GDSのディスクドライバによるコピー
SDXオブジェクトの構成と使用可能なコピー機能の関係は以下の通りです。
レプリケーション構成 |
単位 |
コピー元/コピー先 |
SDXオブジェクト構成 ストライプ/コンカチネーション/スイッチタイプのオブジェクトはコピーできません |
使用可能コピー機能 |
|
---|---|---|---|---|---|
サーバ内 |
論理ボリューム |
コピー元 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|
ミラー |
下位グループがない |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|||
下位グループがある |
ソフトコピー |
||||
コピー先 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|||
ミラー |
1つのディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|||
2つ以上のディスクで構成されている |
ソフトコピー |
レプリケーション運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイスの情報の取得については、本マニュアルの『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を参照してください。
複製元/複製先ボリュームを設定する際は、以下の点に留意してください。
『運用可能な論理ボリューム構成』で説明されているボリューム構成であることを確認してください。
複製元/複製先ボリュームがマスタボリューム、プロキシボリュームになっていないことを確認してください。
GDSの論理ボリュームを複製元/複製先として登録します。
# swsrpsetvol -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpsetvol completed # |
SDXオブジェクトのレプリケーションを実行する場合、以下の点に留意する必要があります。
同期処理の開始・再開(swsrpstartsync)や スナップショット処理の開始(swsrpmake)を行うためには、コピー先論理ボリュームは停止状態である必要があります。
コマンド実行時にコピー先論理ボリュームが起動中の場合は、コマンド内でボリューム停止処理を行います(コピー先ボリュームがファイルシステムボリュームの場合は、レプリケーション前処理によってファイルシステムのアンマウントを行った後、ボリュームを停止します)。
このボリューム停止処理に失敗した場合(例えば、ボリュームがアプリケーションなどからアクセスされている場合に失敗します)は、コマンドは異常終了します。
同期型レプリケーションの例
# swsrpstartsync -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpstartsync completed 等価性維持状態後 # swsrpmake -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpmake completed |
スナップショット型レプリケーションの例
# swsrpmake -h SRC-SV /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2 swsrpmake completed # |
sdxproxyコマンドを直接使用してレプリケーション機能に登録されているボリュームの状態変更操作を行わないでください。
レプリケーション機能の管理情報と実際のボリューム状態が、不整合な状態になる可能性があります。sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、『複製解除コマンド(swsrpcancel)』を使用して複製運用を解除してください。
GDSのSDXオブジェクトをスライス単位で複製することが可能です。
GDS Snapshotとは連携しない複製が行われます。
GDSの論理ボリュームを構成する物理ディスクを指定しなければなりません。
GDSの詳細については、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照してください。
筐体間ミラーを行っている場合、筐体障害の場合もOPCにより複製元へコピーをする必要がある場合は、ミラーの両系を複写する必要があります。この場合、複製先ボリュームは論理ボリュームの容量ではなく、物理ボリュームの容量分が必要です。
AdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、論理ボリューム名とAdvancedCopy Managerデバイス名を組み合わせた以下の形式の名前を使用します。
/dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名:sdxinfoのDEVNAMの値
レプリケーション運用の設計を行う場合の注意事項は、本マニュアルの『SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)』を参照してください。
ミラースライスをコピー先ボリュームとするレプリケーションは、現在サポートされていません。したがって、複製元ボリューム、複製先ボリュームのどちらか一方がミラースライスの場合は、ミラースライスから物理スライスへのレプリケーションのみが利用可能です。
ミラースライスへデータをコピーする際はddコマンドを使用して下さい(論理ボリュームを構成する全てのミラースライスに対してコピーを実施する必要があります)。
レプリケーション運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイスの情報の取得については、本マニュアルの『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を参照してください。
GDS/SafeDISKのミラーボリュームを構成するミラースライスを複製ボリュームとして登録します。
# swsrpsetvol /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:c1t0d2 swsrpsetvol completed # |
スナップショット型レプリケーションの例
# swsrpmake /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:c1t0d2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:c1t0d1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:c1t0d2 swsrpmake completed # |
複製作成を実行できるのは、論理ボリュームを構成するSDXオブジェクトの状態が以下の状態になっている場合です。これ以外の状態になっている場合は、複製作成を実行することはできません(SDXオブジェクトの状態は、GDS/SafeDISKのsdxinfoコマンドを用いてAdvancedCopy Managerが確認します)。
ミラーボリュームの状態が、”ACTIVE(起動中)”またはSTOP(停止)のとき
物理ディスクの状態が、”ENABLE(動作可)”のとき
ミラースライスの状態が、”ACTIVE(起動中)”または”TEMP(切り離し中)”のとき
次のような場合、前後処理スクリプトは実行されません。
SDXオブジェクトのスライスがTEMP
VxVM(VERITAS Volume Manager)配下ボリュームのレプリケーション運用について説明します。
VxVMボリュームをレプリケーション対象とする場合に、VxVMの論理ボリュームが存在する物理スライス単位にレプリケーションを行います。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
サポート可能なVxVMのボリューム構成については、本マニュアルの『AdvancedCopy Managerにおけるサポートデバイスについて』を参照してください。
VxVMの論理ボリュームの複製先ボリュームとして、以下の2種類のボリュームが利用可能です。
VxVMの論理ボリューム
スライス
しかし、複製先ボリュームをマウントする場合や、他のアプリケーションから使用する場合を考えて、複製先ボリュームは複製元ボリュームと同一のボリューム構成をもつVxVMの論理ボリュームにしてください。ボリューム構成が同一であるとは、以下の条件が満足されていることを指します。
物理ディスク(LUN)のサイズが同一である。
専有領域のサイズが同一である。
共有領域のサイズが同一である。
共有領域内の各サブディスクの開始オフセット、サイズが一致する。
論理ボリュームとサブディスクの対応関係が一致する。
複製先ボリュームのサイズが共有領域のサイズと同一であれば、VxVMボリュームの複製先ボリュームをスライスにすることが可能です。しかし、複製先ボリュームをマウントすること、および、他アプリケーションから使用することは一般的にできません。
同様に、スライスの複製先ボリュームをVxVMボリュームにすることも可能ですが、複製先ボリュームをマウントすること、および、他アプリケーションから使用することは一般的にできません。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、複製元/複製先ボリュームを登録する場合は、それぞれのVMディスクに含まれる論理ボリューム名の1つを使用して複製ボリューム情報を設定します。
例として、以下のボリューム構成をもつ複製元/複製先ボリュームを考えます。
VMディスクdisk01(複製元)にはorgvol01、orgvol02、 orgvol03の論理ボリュームが、VMディスクdisk02(複製先)にはrepvol01、repvol02、repvol03までの論理ボリュームがあります。
VMディスクdisk01とdisk02のスライスサイズは同一です。また、VMディスクdisk01とdisk02のサブディスク構成は同一です(サブディスク構成は"vxprint -AGts"で確認できます)。
この場合、論理ボリューム名orgvol01、repvol01を使用して複製ボリューム情報を設定します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 swsrpsetvol completed # |
複製ボリューム情報設定コマンドに指定する論理ボリューム名は、レプリケーション対象となるVMディスク(スライス)を指定するために用いられます。
したがって、上の例においてorgvol01の代わりにorgvol02、orgvol03を指定することが可能です(repovol01についても同様です)。
しかし、orgvol01、repvol01の組み合わせで、既に複製ボリューム情報が設定されている場合には、他の組み合わせ(例:orgvol02とrepvol02)を用いて、複製ボリューム情報を設定することはできません。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>2)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、前後処理スクリプトでアンマウント/マウントを実施することはできません。
このような構成の場合は、複製作成を行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、複製作成後にファイルシステムをマウントしてください。
なお、論理ボリューム:VMディスク=1:1の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合は、通常のスライスと同様に論理ボリュームのアンマウント/マウントが行われるため、以下に示す手順は不要です。
【同期型レプリケーションの手順】
# umount /global/AGT01/repvol01 ← repvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol02 ← repvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol03 ← repvol03のアンマウント # swsrpstartsync /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 FROM=/dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01@svr1,TO=/dev/vx/dsk/AGT01/repvol01@svr1 swsrpstartsync completed : : : (等価状態の確認) # umount /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のアンマウント # swsrpmake /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 FROM=/dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01@svr1,TO=/dev/vx/dsk/AGT01/repvol01@svr1 swsrpmake completed # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol02 /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol03 /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 /global/AGT01/repvol01 ←repvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol02 /global/AGT01/repvol02 ←repvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol03 /global/AGT01/repvol03 ←repvol03のマウント |
【スナップショット型レプリケーションの手順】
# umount /global/AGT01/repvol01 ←repvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol02 ←repvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol03 ←repvol03のアンマウント # umount /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のアンマウント # swsrpmake /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 FROM=/dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01@svr1,TO=/dev/vx/dsk/AGT01/repvol01@svr1 swsrpmake completed # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol02 /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol03 /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 /global/AGT01/repvol01 ←repvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol02 /global/AGT01/repvol02 ←repvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol03 /global/AGT01/repvol03 ←repvol03のマウント |
また、運用上の理由により、複製元ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避したい場合は以下の手順でバックアップする必要があります。
【同期型レプリケーションの手順(複製元ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避する場合)】
# umount /global/AGT01/repvol01 ←repvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol02 ←repvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol03 ←repvol03のアンマウント # swsrpstartsync /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 FROM=/dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01@svr1,TO=/dev/vx/dsk/AGT01/repvol01@svr1 swsrpstartsync completed : : : (等価状態の確認) # lockfs -w /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のファイルシステムロック # swsrpmake /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 FROM=/dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01@svr1,TO=/dev/vx/dsk/AGT01/repvol01@svr1 swsrpmake completed # lockfs -u /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のファイルシステムロック解除 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 ←backvol01のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol02 ←backvol02のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol03 ←backvol03のfsck処理 # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 /global/AGT01/repvol01 ←repvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol02 /global/AGT01/repvol02 ←repvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol03 /global/AGT01/repvol03 ←repvol03のマウント |
【スナップショット型レプリケーションの手順(複製元ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避する場合)】
# umount /global/AGT01/repvol01 ←repvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol02 ←repvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/repvol03 ←repvol03のアンマウント # lockfs -w /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のファイルシステムロック # swsrpmake /dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 FROM=/dev/vx/dsk/AGT01/orgvol01@svr1,TO=/dev/vx/dsk/AGT01/repvol01@svr1 swsrpmake completed # lockfs -u /global/AGT01/orgvol01 ←orgvol01のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/orgvol02 ←orgvol02のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/orgvol03 ←orgvol03のファイルシステムロック解除 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 ←backvol01のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol02 ←backvol02のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol03 ←backvol03のfsck処理 # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol01 /global/AGT01/repvol01 ←repvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol02 /global/AGT01/repvol02 ←repvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/repvol03 /global/AGT01/repvol03 ←repvol03のマウント |
lockfs -wを使用してファイルシステムのキャッシュのフラッシュと、その後の更新抑止を行った場合でも、Write Open中のファイル(オンラインバックアップをサポートしているOracleのデータベーススペースは除きます)については、ファイル内容の保証はされません。
また、メタデータ更新中のプロセスがある場合は、lockfsの仕様上、ファイルシステム自体のデータ整合性も保障されません。
そこで、複製作成後にfsck処理を行い、複製データの整合性を確認することが必要です。
なお、fsck処理において、以下のメッセージを出力されることがありますが、ファイルシステムの整合性には問題がありませんので、fsck -yを実行して修復してください。
FILE SYSTEM STATE IN SUPERBLOCK IS WRONG; FIX?
レプリケーション運用中に論理ボリュームのボリューム構成を変更する場合は、以下の手順でボリューム構成変更を実施してください。
複製ボリュームの削除を行います。複製ボリュームの削除方法については、本マニュアルの『複製元/複製先ボリュームの削除』を参照してください。
論理ボリューム構成を変更します。
初期画面において、「全デバイスの情報取得/反映」を行います。
複製ボリュームの再設定を行います。複製ボリュームの登録方法については、本マニュアルの『複製元ボリューム/複製先ボリュームの設定』を参照してください。
レプリケーション運用を再開します。
VxVMボリュームの構成が、論理ボリュームが存在する物理スライス単位での運用条件を満たしていない場合は、VxVMボリュームを構成する物理ディスク単位で操作することによりレプリケーション運用を行うことができます。
物理ディスク単位に運用する場合は、ディスクグループとしての整合性を保つ必要があることから、ディスクグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作しなければなりません。
同期を取る必要がある物理ボリュームを確認する方法は、本マニュアルの『デバイス情報表示コマンド(stgxfwcmdispdev)』またはETERNUS SF AdvancedCopy Manager使用手引書の『同一論理グループ内デバイス確認』を参照してください。
noprivタイプのVMディスクのみ、物理スライスが管理単位となります。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
物理ディスク単位の運用では、スナップショット型での運用を推奨します。同期型での運用の場合、全面コピー中および差分コピー中は複写先に対しVxVMのコマンド等のディスクへのアクセスが発生するコマンドは実行できません。
以下の点に注意して、複製元/複製先のディスクグループを設計します。
VMディスクの数、サイズおよびタイプが同じである。
論理ボリュームの構成が同じである。
レプリケーションの後処理として、ディスクグループの再構成を行う必要があります。ディスクグループの再構成に必要な構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。
/etc/vx/cbr/bk/<ディスクグループ名>.<ディスクグループID>
複製元ボリューム/複製先ボリュームを設定する際は、ディスクグループ内のすべての物理ディスクを設定します。
例:
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d20s2 swsrpsetvol completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d21s2 swsrpsetvol completed # |
ディスクグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作します。
必要な前後処理は、レプリケーションの操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。
スナップショット型レプリケーションの例
(複写元/複写先に対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d20s2 FROM=/dev/vx/dmp/c1t0d10s2@SV1, TO=/dev/vx/dmp/c1t0d20s2@SV1 swsrpmake completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d21s2 FROM=/dev/vx/dmp/c1t0d11s2@SV1, TO=/dev/vx/dmp/c1t0d21s2@SV1 swsrpmake completed # (複写元/複写先に対する後処理を行う) |
同期型レプリケーションの例
(複写先に対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d20s2 FROM=/dev/vx/dmp/c1t0d10s2@SV1, TO=/dev/vx/dmp/c1t0d20s2@SV1 swsrpstartsync completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d21s2 FROM=/dev/vx/dmp/c1t0d11s2@SV1, TO=/dev/vx/dmp/c1t0d21s2@SV1 swsrpstartsync completed (等価性維持状態後) (複写元に対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d20s2 FROM=/dev/vx/dmp/c1t0d10s2@SV1, TO=/dev/vx/dmp/c1t0d20s2@SV1 swsrpmake completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d21s2 FROM=/dev/vx/dmp/c1t0d11s2@SV1, TO=/dev/vx/dmp/c1t0d21s2@SV1 swsrpmake completed # (複写元/複写先に対する後処理を行う) |
レプリケーションの前後で実施する前後処理は以下。
前処理 |
後処理 |
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複写元 |
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複写先 |
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ディスクグループの再構成は、以下の手順で行います。
リストアのプリコミット分析
# /etc/vx/bin/vxconfigrestore -p dstdg Diskgroup dstdg configuration restoration started ...... Installing volume manager disk header for c1t0d20s2 ... Installing volume manager disk header for c1t0d21s2 ... - dstdg's diskgroup configuration is restored (in precommit state). Diskgroup can be accessed in read only and can be examined using vxprint in this state. Run: vxconfigrestore -c dstdg ==> to commit the restoration. vxconfigrestore -d dstdg ==> to abort the restoration. # |
コピー先のディスクグループ構成のリストアに必要な変更をコミットする。
# /etc/vx/bin/vxconfigrestore -c dstdg Committing configuration restoration for diskgroup dstdg .... dstdg's diskgroup configuration restoration is committed. # |
複製元サーバのディスクグループsrcdgを複製先サーバのディスクグループdstdgとしてインポートします。
# /usr/sbin/vxdg -C -n dstdg import srcdg # |
複写元サーバのディスクグループ名と複写先サーバのディスクグループ名が同じである場合には、-nオプションは指定しません。
複製先サーバのディスクグループdstdg内のボリュームに対し、リカバリ処理を実施します。
# vxrecover -g dstdg -sb # |
ディスクグループをクラスタシステムのリソースとして登録している場合は、ディスクグループのimport/deport処理の代わりにディスクグループリソースのonline/offline処理を行ってください。
マウントポイントをクラスタシステムのリソースとして登録している場合は、ファイルシステムのmount/umount処理の代わりにマウントリソースのonline/offline処理を行ってください。
システムでディスク交換等が行われている場合、1つのディスクグループについて競合す
る構成情報バックアップが複数存在する場合があります。
その際は、上記コマンド実行後に表示されるディスクグループIDをディスクグループの
代わりに指定して実行する必要があります。
この操作の後、ディスクグループ内のボリュームがバックグラウンドで同期されるため、ボリュームの構成によっては同期処理に時間がかかる場合があります。
なお、その場合でもボリュームを使用することは可能です。
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