ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.0 -Solaris-
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第11章 運用上の注意事項

本章では、AdvancedCopy Managerの運用における注意事項について説明します。

11.1 バックアップ運用/レプリケーション運用の注意事 

バックアップ運用/レプリケーション運用の注意事項について説明します。

11.1.1 全般的な注意事

バックアップ運用/レプリケーション運用における全般的な注意事項について説明します。

■Storageサーバのロケールについて

すべてのStorageサーバには、AdvancedCopy Managerが使用する内部コード系(Storage管理サーバへAdvancedCopy Managerをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。

Storage管理サーバとStorageサーバの間で、言語環境(LANG)が異なる場合に対処が必要となります。以下にその組み合わせと対処方法を示します。

Storage管理サーバ

Storageサーバ

対処方法

Windows (SJIS)

Windows (SJIS)

必要なし

Windows (SJIS)

Solaris (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Windows (SJIS)

HP-UX (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Windows (SJIS)

Linux (EUC)

必要なし

Windows (SJIS)

Linux (UTF8)

必要なし

Windows (SJIS)

AIX (SJIS)

必要なし

Windows (SJIS)

AIX (EUC)

StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Solaris (EUC)

必要なし(同じコードの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

HP-UX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Linux (EUC)

必要なし

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Linux (UTF8)

必要なし

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

AIX (SJIS)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがEUCの場合、StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

AIX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Linux (EUC)

Solaris (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

HP-UX (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

Linux (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

Linux (UTF8)

必要なし

Linux (EUC)

AIX (SJIS)

StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

AIX (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

Windows (SJIS)

必要なし

Linux (UTF8)

Solaris (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (UTF8)

HP-UX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (UTF8)

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

Linux (UTF8)

必要なし

Linux (UTF8)

AIX (SJIS)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (UTF8)

AIX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある


対処方法の必要に応じて、SJISパッケージであるSUNWjpckをインストールします。該当パッケージをインストール後、再度Webクライアントから「全デバイスの情報取得/反映」操作を実施してください。

■バックアップ、レプリケーション対象について

以下のデバイスは、バックアップ対象、レプリケーション対象としないで下さい。

■ボリューム上のデータとデータの整合性について

業務ボリューム上のデータ

データの整合性確保

運用方法

運用中のOracleのデータベーススペース

Oracleと連携する必要があります。

Oracle連携用のサンプルスクリプトを使用します。

詳細は、本マニュアルの『バックアップ運用におけるサンプルシェルスクリプト』を参照してください。

運用中のSymfowareのデータベーススペース

AdvancedCopy ManagerのコマンドがSymfowareと連携して整合性を確保します。

本マニュアルの『バックアップ運用(Symfoware)』を参照してください。

ファイルシステム

AdvancedCopy Managerのコマンドがファイルシステムをアンマウントして整合性を確保します。

本マニュアルの『バックアップ/リストアの前後処理』および『レプリケーションの前後処理』を参照してください

上記以外

運用でデータの整合性を確保する必要があります。

バックアップ、レプリケーションの実行時に業務を停止するなどの対処を行ってください


■デバイス情報の取り込みについて

バックアップ運用/レプリケーション運用を開始する前に、AdvancedCopy ManagerのWeb画面にて、全Storageサーバが管理するデバイス情報の取り込みを行います。この操作は、選択したStorageサーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。

目安として、負荷のない状態で、1デバイス(パーティション)あたり約0.5秒かかりますので、参考として下さい。

■VTOCを含むスライスについて

VTOC(シリンダ0)を含むスライスについては、業務ボリューム、バックアップボリュームともに登録できません。

VxVMのディスクグループを構成する物理ディスク単位の運用の場合は、この制限を受けません。

■SafeFILEについて

複数スライスから構成されているSafeFILEのファイルシステムは処理できません。

複数スライスから構成されているSafeFILEのファイルシステムをバックアップ・リストアする場合は、アンマウント状態で複数のスライスを同時に処理して下さい。

■SafeFILE/GlobalファイルシステムおよびGlobal File Services 共用ファイルシステムについて

SafeFILE/GlobalファイルシステムおよびGlobal File Serveces 共用ファイルシステムのバックアップ/リストアまたはレプリケーションを実施する場合は、以下の点に注意してください。

なお、ファイルシステムのアンマウントは以下の操作になります。

SafeFILE/Globalファイルシステムの場合:サービスの停止
Global File Services 共用ファイルシステムの場合:全ノードでアンマウント

■ディスクへの他サーバからのマウントについて

複数のサーバからマウントできる状態のボリュームに対してバックアップ/リストア、レプリケーションを行う場合は、他サーバからのマウントを事前に解除してください。

また、他サーバからのマウントが必要ないディスクには、ETERNUS ディスクアレイやファイバーチャネルスイッチ等のハードウェアの設定により、複数のサーバから同じ論理ディスクを検出したり、アクセスしたりできないように設定してください。

■ファイルシステムを対象としたコピー処理を実行する場合の注意事項

ファイルシステムを対象とする場合、データへのアクセス抑止とデータの整合性を保証するためにボリュームのアンマウントを行います。

そのため、ボリュームが使用中の場合はアンマウントができないため、バックアップ/リストアおよびレプリケーション処理の実行はエラーとなります。

以下の点などに注意して、アンマウントができる状態で処理を実行するようにしてください。

アンマウントが必要な時間はコマンドの実行中のみです。コマンドの終了後は運用を再開することができます。

11.1.2 スナップショット型高速バックアップの注意事 

スナップショット型高速バックアップの注意事項について説明します。

■バックアップボリュームの必要数について

スナップショット型高速バックアップでは、指定世代本数のバックアップボリュームが必要となります。この為、以下の場合は、バックアップする事ができません。

■連続バックアップについて

同一の業務ボリュームを指定して、連続してスナップショット型高速バックアップを実施すると、平行してバックアップ処理が行われます。

また、保存世代数以上のスナップショット型高速バックアップを連続して実施すると、一番古いバックアップ処理から順にキャンセルされます。すなわち、指定世代本数以上のバックアップ処理は同時に実施できません。

11.1.3 同期型高速バックアップの注意事 

同期型高速バックアップの注意事項について説明します。

■バックアップの処理について

業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前にバックアップ実行コマンドを実行する事は出来ません。

■バックアップポリシーの設定について

同期型高速バックアップ運用のバックアップポリシー設定時に、必要な数のバックアップボリュームが登録されていなくても、スナップショット型高速バックアップ運用に必要な数のバックアップボリュームが登録されていれば、バックアップポリシーは、設定出来ます。この場合、同期型高速バックアップは実行出来ない事があります。

11.1.4 リストアの注意事

リストアの注意事項について説明します。

■リストアのタイミングについて

最新のバックアップボリューム採取時点からリストア操作を行うまでに、業務ボリュームの内容を書き換えたとしても、書き換えられたデータについては保証されません。

[図11.1 AdvancedCopy Managerのリストア注意事項]

11.1.5 SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)

SDXオブジェクトのバックアップ運用では以下の注意点があります。

■デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

■バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

次のような場合、GDSの業務ボリュームのバックアップ同期処理を開始することはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

次のような場合、ECによるバックアップ同期処理を開始することはできません。このような場合は、GDSのソフトコピーのみ使用可能です。GDSのソフトコピーを使用するには、-Xgds-softcopyオプションを使用してください。

バックアップボリュームが以下の場合、業務ボリュームのプロキシオブジェクトとして使用できないため、バックアップ先として選択されません。また、バックアップ先として指定した場合も、使用できません。

■バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

SDXオブジェクトのバックアップ運用時、以下のタイミングで同期処理キャンセルを行うと、バックアップボリュームがデータ不当状態(INVALID)になります。

ボリュームのデータ不当状態は、同期処理やスナップショット処理を再度行えば、停止状態(STOP)になり自動的に解消されます。

それ以外の方法で復旧したい場合は、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版))の「F.1.3 ボリューム状態に関する異常」を参照して対処を行ってください。

■バックアップ実行コマンド(swstbackup)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

次のような場合、GDSの業務ボリュームのバックアップを行うことはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

バックアップボリュームが以下の場合、業務ボリュームのプロキシオブジェクトとして使用できないため、バックアップ先として選択されません。また、バックアップ先として指定した場合も、使用できません。

次のような場合,出力先バックアップボリュームを指定してバックアップを実行することはできません。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、以下の注意点があります。

次のような場合、バックアップを行うことはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

SDXオブジェクトが以下の状態でないとき。

次のような場合、前後処理スクリプトは実行されません。

■リストア実行コマンド(swstrestore)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

次のような場合、GDSの業務ボリュームのリストアを行うことはできません。このような場合は、出力されるメッセージの[システム管理者の処置]にしたがって対処してください。

GDSの業務ボリュームでは、次のような場合、OPCによるリストアを実行することはできません。このような場合は、ソフトコピーのみ使用可能です。GDSのソフトコピーを使用するには、-Xgds-softcopyオプションを使用してください。

GDSのソフトコピーを使用したリストア実行コマンド(swstrestore)が、強制終了などにより中断された場合、開始したソフトコピーは継続して実行されます。 この場合、ソフトコピーの完了を待ってから『資源整合コマンド(swstsrsemtch)』を実行してください。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、以下の注意点があります。

業務ボリュームがSDXオブジェクトのスライスで、シングルボリュームでない場合は、本コマンドによるリストアはできません。これは、ミラー状態のボリュームに対してアドバンスト・コピーができない為です。

SDXオブジェクトの業務ボリュームへの復旧は以下の手順でして下さい。

  1. バックアップ履歴一覧画面/履歴情報表示コマンドで、バックアップボリュームを確認します。

  2. ddコマンドでリストアしたいボリュームにコピーします。

11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)

SDXオブジェクトのレプリケーション運用では、以下の注意点があります。

■複製ボリューム情報設定 (swsrpsetvol)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、以下の条件に該当する場合は、複製ボリューム情報の設定ができません。

■複製ボリューム情報削除 (swsrpdelvol)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

複製元/複製先ボリュームが結合状態、もしくは、分離状態でコピーセッションが存在しているときは、複製ボリューム情報を削除できません。

■複製開始コマンド (swsrpstartsync)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、以下の条件に該当する場合は、複製開始コマンドを実行することができません。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、sdxproxyコマンドを直接使用してレプリケーション機能に登録されているSDXオブジェクトの状態変更操作を行わないでください。レプリケーション機能の管理情報と実際のオブジェクト状態が不整合な状態になる可能性があります。sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、複製解除コマンド(swsrpcancel)を使用して複製運用の解除を行ってください。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、以下の注意点があります。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、以下の点に注意してください。

■複製作成コマンド (swsrpmake)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、以下の条件に該当する場合は、複製作成を実行することができません。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、sdxproxyコマンドを直接使用してレプリケーション機能に登録されているSDXオブジェクトの状態変更操作を行わないでください。レプリケーション機能の管理情報と実際のオブジェクト状態が不整合な状態になる可能性があります。万一、不整合な状態に陥ってしまった場合は、複製解除コマンド(swsrpcancel)を使って複製運用の解除を行ってください。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、以下の注意点があります。

次のような場合は複製を作成できません。

次のような場合、複写元ボリュームの前処理は行われません。

■複製解除コマンド (swsrpcancel)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合、以下の注意点があります。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、以下の条件に該当する場合は、複製解除を実行することができません。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用時、以下のタイミングで複製解除を行うと複写先ボリュームがデータ不当状態(INVALID)になります。

ボリュームのデータ不当状態は、同期処理やスナップショット処理を再度行えば停止状態(STOP)になり自動的に解消されます。

それ以外の方法で復旧したい場合は、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』の「F.1.3 ボリューム状態に関する異常」を参照して対処を行ってください。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合、以下の注意点があります。

次のような場合は、等価性維持状態の同期処理を停止できません。

11.1.7 クラスタ運用時の注意事 

クラスタ運用での一般的な注意事項として以下の項目があります。

スケーラブル運用の業務と複合運用をするStorageサーバ業務(Storage管理サーバ業務)については、通常運用や他のクラスタ運用と異なる以下の注意事項があります。

11.1.8 クラスタ運用でのバックアップ運用の注意事 

■SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTER

クラスタシステムにおけるバックアップ運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

■PRIMECLUSTER

◆PRIMECLUSTER 4.0A20以前

業務ボリューム上にファイルシステムを構築し、そのファイルシステムをクラスタのリソースに登録している場合は、以下の注意事項があります。

◆PRIMECLUSTER 4.0A30以降

業務ボリューム上にファイルシステムを構築し、そのファイルシステムをクラスタのリソースに登録している場合は、以下の手順でバックアップ/リストアを行います。

スナップショット型バックアップ/リストアの実行は、以下の手順で行います。

  1. userApplicationをMaintenance(保守)モードに移行します。

    # hvutil -m on userApplication
    #

  2. バックアップ/リストアを実行します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup Device-Name
    Device-Name swstbackup completed
    #
  3. userApplicationのMaintenance(保守)モードを停止します。

    # hvutil -m off userApplication
    #

同期型バックアップの実行は、以下の手順で行います。

  1. 同期処理を開始します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync Device-Name
    Device-Name swststartsync completed
    #
  2. 等価性維持状態を確認します。

  3. userApplicationをMaintenance(保守)モードに移行します。

    # hvutil -m on userApplication
    #
  4. バックアップを実行します。

    # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup Device-Name
    Device-Name swstbackup completed
    #
  5. userApplicationのMaintenance(保守)モードを停止します。

    # hvutil -m off userApplication
    #

■VERITAS Cluster Server

クラスタシステムにおけるバックアップ運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

11.1.8.1 クラスタサービス停止時のバックアップとリスト

■SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTER

AdvancedCopy Managerが属するクラスタサービス(userApplication)が稼動している場合、稼動ノードでのみバックアップ運用が可能です。待機ノードではバックアップ運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、バックアップ運用を行うことはできません。同様に、クラスタサービス(userApplication)が停止している場合も、環境が整っていないためにバックアップ運用を行うことはできません。

ただしクラスタサービス(userApplication)が停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、バックアップ運用を行うことができます。

以下の手順にて、クラスタサービス(userApplication)停止中のバックアップ運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタサービス(userApplication)が停止していることを確認します。
    クラスタサービス(userApplication)を停止する方法については、SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

  2. バックアップしたいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    業務ボリュームがファイルシステムの場合、マウントします。

  4. バックアップ運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、バックアップ運用を行うことができます。
    リストア実行コマンドを使用してリストアすることもできます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. クラスタサービス(userApplication)を起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタサービス(userApplication)を起動します。
    クラスタサービス(userApplication)の起動方法については、SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

■VERITAS Cluster Server

AdvancedCopy Managerが属するサービスグループが稼動している場合、稼動ノードでのみバックアップ運用が可能です。待機ノードではバックアップ運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、バックアップ運用を行うことはできません。同様に、サービスグループが停止している場合も、環境が整っていないためにバックアップ運用を行うことはできません。

ただしサービスグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、バックアップ運用を行うことができます。

以下の手順にて、サービスグループ停止中のバックアップ運用を行います。

  1. 両ノードでサービスグループが停止していることを確認します。
    サービスグループを停止する方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

  2. バックアップしたいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    業務ボリュームがファイルシステムの場合、マウントします。

  4. バックアップ運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、バックアップ運用を行うことができます。
    リストア実行コマンドを使用してリストアすることもできます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. サービスグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、サービスグループを起動します。
    サービスグループの起動方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

11.1.9 クラスタ運用でのレプリケーション運用の注意事 

■SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTER

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

■PRIMECLUSTER

◆PRIMECLUSTER 4.0A20以前

複製元ボリューム上にファイルシステムを構築し、そのファイルシステムをクラスタのリソースに登録している場合は、以下の注意事項があります。

◆PRIMECLUSTER 4.0A30以降

複製元ボリューム上にファイルシステムを構築し、そのファイルシステムをクラスタのリソースに登録している場合は、以下の注意事項があります。

スナップショット型レプリケーションの実行は、以下の手順で行います。

  1. userApplicationをMaintenance(保守)モードに移行します。

    # hvutil -m on userApplication
    #
  2. レプリケーションを実行します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    #
  3. userApplicationのMaintenance(保守)モードを停止します。

    # hvutil -m off userApplication
    #

同期型レプリケーションの実行は、以下の手順で行います。

  1. 同期処理を開始します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpstartsync completed
    #
  2. 等価性維持状態を確認します。

  3. userApplicationをMaintenance(保守)モードに移行します。

    # hvutil -m on userApplication
    #
  4. レプリケーションを実行します。

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake From-Volume-Name To-Volume-Name
    FROM=From-Volume-Name TO=To-Volume-Name swsrpmake completed
    #
  5. userApplicationのMaintenance(保守)モードを停止します。

    # hvutil -m off userApplication
    #

■VERITAS Cluster Server

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

11.1.9.1 クラスタサービス停止時のレプリケーショ

■SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTER

AdvancedCopy Managerが属するクラスタサービス(userApplication)が稼動している場合、稼動ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、クラスタサービス(userApplication)が停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしクラスタサービス(userApplication)が停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

以下の手順にて、クラスタサービス(userApplication)停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでクラスタサービス(userApplication)が停止していることを確認します。
    クラスタサービス(userApplication)を停止する方法については、SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

  2. レプリケーション運用したいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    複製元/複製先ボリュームをファイルシステムとしてマウントして運用していた場合はマウントします。

  4. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。
    複製先ボリュームから複製元ボリュームにリストアすることもできます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. クラスタサービス(userApplication)を起動(オンライン)します。
    必要に応じて、クラスタサービス(userApplication)を起動します。
    クラスタサービス(userApplication)の起動方法については、SafeCLUSTERまたはPRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

■VERITAS Cluster Server

AdvancedCopy Managerが属するサービスグループが稼動している場合、稼動ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、サービスグループが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしサービスグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

以下の手順にて、サービスグループ停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでサービスグループが停止していることを確認します。
    サービスグループを停止する方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

  2. レプリケーション運用したいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    複製元/複製先ボリュームをファイルシステムとしてマウントして運用していた場合はマウントします。

  4. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。
    複製先ボリュームから複製元ボリュームにリストアすることもできます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. サービスグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、サービスグループを起動します。
    サービスグループの起動方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

11.1.10 ETERNUS VS900(バーチャリゼーションスイッチ)利用時の注意事

ETERNUS VS900で作成した仮想ディスクのコピーは、レプリケーション管理の機能を利用して行います。バックアップ管理の機能を利用することはできません。

仮想ディスクのレプリケーション運用は、ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のEC/REC機能を用いたレプリケーション運用で、差分コピー(ECのSuspend/Resume機能、QuickOPC/SnapOPC機能)を利用しない場合と同様の運用方法になります。

レプリケーションは、以下の手順で行います。

  1. 複製開始コマンド(swsrpstartsync)を実行してコピー処理を開始します。

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync /dev/FJSVmplb/dsk/mplb4s3 /dev/FJSVmplb/dsk/mplb5s3
    FROM=/dev/FJSVmplb/dsk/mplb4s3@Server1, TO=/dev/FJSVmplb/dsk/mplb5s3@Server1 swsrpstartsync completed
    #

     

  2. 運用状況表示コマンド(swsrpstat)を使用してコピーの状況を確認し、等価性維持状態になったことを確認します。

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat
    Server  Original-Volume                   Replica-Volume                    Direction Status Execute
    Server1 /dev/FJSVmplb/dsk/mplb4s3@Server1 /dev/FJSVmplb/dsk/mplb5s3@Server1 regular   sync   45%
    #

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstat
    Server  Original-Volume                   Replica-Volume                    Direction Status Execute
    Server1 /dev/FJSVmplb/dsk/mplb4s3@Server1 /dev/FJSVmplb/dsk/mplb5s3@Server1 regular   equivalent 100%
    #

     

  3. 複製解除コマンド(swsrpcancel)を実行してコピーを終了します。

    #/opt/FJSVswsrp/bin/swsrpcancel /dev/FJSVmplb/dsk/mplb4s3 /dev/FJSVmplb/dsk/mplb5s3
    FROM=/dev/FJSVmplb/dsk/mplb4s3@Server1, TO=/dev/FJSVmplb/dsk/mplb5s3@Server1 swsrpcancel completed
    #

仮想ディスクのレプリケーション運用では、以下の運用はサポートされません。

11.2 Web画面環境の注意事 

Web画面環境についての注意事項は、ETERNUS SF AdvancedCopy Manager使用手引書『クライアントの設定』を参照してください。


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