ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.0 -Solaris- |
目次
索引
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本章では、AdvancedCopy Managerの通常業務ボリュームのバックアップ運用について説明します。
AdvancedCopy Managerのバックアップおよびリストア機能について説明します。
AdvancedCopy Managerのバックアップは、ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のアドバンスト・コピー機能(OPC/EC機能)を使用して、ボリューム容量にかかわらず、ボリューム間のバックアップを高速に行います。
ETERNUS ディスクアレイのOPC(One Point Copy)/ROPC(Remote One Point Copy)機能を用いたバックアップ機能をスナップショット型高速バックアップ、EC(Equivalent Copy)/REC(Remote Equivalent Copy)機能を用いたバックアップ機能を同期型高速バックアップと呼びます。
スナップショット型高速バックアップは、バックアップ同期処理が必要ないため、自動運用する場合にあらかじめ時間を見積もる必要なく、スケジュールすることができます。ただし、スナップショット型高速バックアップでは、コピー処理を開始する前に履歴を削除するため、保存世代数が1の場合は、バックアップデータが存在しない状態ができるので、注意が必要です。
同期型高速バックアップは、バックアップ処理が完了してから履歴を削除するので、保存世代数が1の場合でもバックアップデータが存在しない状態はありません。ただし、スナップショット型高速バックアップに比べると、バックアップボリュームが1本多く必要になります。また、同期型高速バックアップはバックアップ実行コマンドを投入する前に、バックアップ同期処理が必要なため、自動運用する場合はあらかじめ同期処理に必要な時間を見積もってバックアップ同期処理を開始し、等価性維持状態になってからバックアップ実行コマンドが投入されるようにスケジュールしなければなりません。
Oracleデータベースをバックアップする場合は、AdvancedCopy Managerが提供するサンプルスクリプトと組み合わせる事で、オンラインバックアップを行うことができます。
AdvancedCopy Managerは、バックアップに使用する媒体(バックアップボリューム)の管理/選択を自動的に行います。
また、バックアップした履歴/世代の管理もAdvancedCopy Managerが行い、最新および過去の世代からのリストアが行えます。
ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のOPC機能を用いて、業務ボリュームから未使用のバックアップボリュームにコピーします。
スナップショット型高速バックアップは、次のように処理が行われます。
本マニュアルの『バックアップ実行コマンド』を実行(図4.2の1)すると次の処理が行われます。
世代管理しているバックアップボリュームが全世代あれば、もっとも古いバックアップボリュームを未使用のバックアップボリュームとします。
未使用のバックアップボリュームを未使用バックアップボリューム管理領域より獲得します。
獲得した未使用のバックアップボリュームに業務ボリュームの内容をコピーします。(図4.2の2〜4)
バックアップ履歴情報を設定します。
スナップショット型高速バックアップはバックアップ実行コマンドを実行した時点で完了します。実際のデータのコピー処理はETERNUS ディスクアレイのOPC機能によって内部的に行われます。
なお、スナップショット型高速バックアップでは、QuickOPC機能を使用することで、前回のバックアップ時点からの差分データのみを物理コピーすることによって、より高速なスナップショット型バックアップ運用が可能です。
QuickOPC機能については、本マニュアルの『QuickOPC機能によるバックアップ運用』を参照してください。
すべてのバックアップボリュームが世代管理されており、未使用バックアップボリューム管理領域よりバックアップボリュームを獲得できなければ、バックアップを行うことができません。
ROPCを使用したバックアップ機能は、同一Storageサーバ内のROPCに対応したディスクアレイ装置に限ります。
ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)のEC(Equivalent Copy)/REC(Remote Equivalent Copy)機能を用いて、業務ボリュームから未使用のバックアップボリュームにコピーします。
同期型高速バックアップは、次のように処理が行われます。
本マニュアルの『バックアップ同期処理開始コマンド』(図4.3の1)を実行すると、業務ボリュームと同容量の未使用バックアップボリュームが、未使用バックアップボリューム管理領域から選択され、バックアップ同期処理が開始されます。
業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になります。この時点以降、業務ボリュームとバックアップボリュームの等価性は維持されます。この状態を等価性維持状態(図4.3の3)と呼びます。
本マニュアルの『バックアップ実行コマンド』(図4.3の4)を実行すると、バックアップ同期処理が停止し、バックアップ履歴情報を設定します。
バックアップ完了時にバックアップデータが保存世代数を超えた場合、もっとも古いバックアップボリュームを未使用のバックアップボリュームとします。
業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前にバックアップ実行コマンドを実行することはできません。
なお、同期型高速バックアップでは、Suspend/Resume機能を使用することで、ECによる等価性維持状態を一時中断(Suspend)/再開(Resume)することができます。Suspend/Resume機能を使用したバックアップでは、一時中断状態からの差分コピーを行うことによって、より高速な同期型バックアップ運用が可能です。
Suspend/Resume機能については、本マニュアルの『Suspend/Resume機能によるバックアップ運用』を参照してください。
すべてのバックアップボリュームが世代管理されており、未使用バックアップボリューム管理領域よりバックアップボリュームを獲得できなければ、バックアップを行うことができません。
RECを使用したバックアップ機能は、同一Storageサーバ内のREC/ROPCに対応したディスクアレイ装置に限ります。
AdvancedCopy Managerのリストア方法を説明します。
リストアは、バックアップ履歴情報で管理されているバックアップボリュームより業務ボリュームの内容を復元します。
バックアップボリュームからのリストアは、ディスクアレイ装置(ETERNUS ディスクアレイ)が提供するOPC機能を用いて、バックアップボリュームから業務ボリュームに行われます。
履歴管理しているバックアップボリュームの内容を業務ボリュームにリストアしても、履歴管理情報が変更されることはありません。
なお、リストア処理は、バックアップ元となる業務ボリュームに対して行われますが、リストア先を変更する事も可能です。
最新のバックアップボリューム採取時点と、リストア操作を行うまでの間に、業務ボリュームの内容を書き換えたとしても、書き換えられたデータについては保証されません。
AdvancedCopy Managerのバックアップ方法を説明します。
バックアップ運用の設計は、以下の手順で行います。
バックアップ運用を行うサーバを決定します。
バックアップ運用を行うサーバには、次のものがあります。
Storage管理サーバ
複数のStorageサーバを一元管理、集中操作します。Storage管理サーバは、Storageサーバを兼ねることができます。
Storageサーバ
AdvancedCopy Managerの運用を行います。
すべてのStorageサーバには、AdvancedCopy Managerが使用する内部コード系(Storage管理サーバへAdvancedCopy Managerをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。
バックアップ対象となる業務データを決定します。
AdvancedCopy Managerのバックアップ単位は基本的にスライス(通常デバイス)です。AdvancedCopy Managerでは、バックアップ対象となる業務データが格納されているスライスのことを業務ボリュームと呼びます。バックアップ対象となる業務ボリュームは、ETERNUS ディスクアレイに配置されている必要があります。
運用可能な単位については、本マニュアルの『AdvancedCopy Managerにおけるサポートデバイスについて』を参照してください。
業務ボリュームの設定方法は、本マニュアルの『デバイスの運用種別設定』を参照してください。
業務ボリュームは以下のようにスライスの割り当てを行う必要があります。
VTOCを含まないようにスライスを作成してください。
同一ディスク内には、重複しないようにスライスを作成してください。
システムが格納されているスライスや、AdvancedCopy Managerがインストールされているスライスは、バックアップ対象としないでください。
ボリューム全体を定義したスライスは、業務ボリュームとして登録しないでください。
複数スライスから構成されているSafeFILEのファイルシステムは処理できません。複数スライスから構成されているSafeFILEのファイルシステムをバックアップ・リストアする場合は、アンマウント状態で複数のスライスを同時に処理してください。
バックアップ対象を決定する際に注意する点として、本マニュアルの『全般的な注意事項』をご理解ください。
バックアップ、レプリケーション対象について
VTOCを含むスライスについて
業務ボリュームに設定するバックアップポリシーを決めます。バックアップポリシーには以下の条件項目があります。
保存世代数とはバックアップを行ったデータを何世代残しておくかを意味します。
スナップショット型高速バックアップは、最初に最古の世代を世代管理より解放します。そのため、バックアップ起動中にシステムダウンなどの障害が発生した場合は、バックアップしたデータが必要世代数分存在しない可能性がありますので、直ちにバックアップを再実行することをお勧めします。
スナップショット型高速バックアップで、保存世代数を1として運用する場合は、バックアップデータをテープなどに退避する運用を併用することをお勧めします。
同期型高速バックアップは、最古の世代を世代管理より解放するのは、最新世代のバックアップを完了してからです。そのため、履歴情報を常に保持しておくためには、(保存世代数+1)本のバックアップボリュームが必要です。
バックアップを行う間隔を意味します。
最後にバックアップした日より間隔日数を超えた場合に遅れが出ていることを表示します。
間隔日数を設定しても定期的にバックアップは行われません。
バックアップポリシーの設定方法は、本マニュアルの『バックアップポリシーの設定』を参照してください。
バックアップボリュームを準備します。
AdvancedCopy Managerでは、業務ボリュームのバックアップ先スライスのことをバックアップボリュームと呼びます。バックアップボリュームは、ETERNUS ディスクアレイに配置する必要があります。
バックアップボリュームのサイズは、業務ボリュームと同じである必要があります。また、バックアップボリュームの数は、スナップショット型高速バックアップ運用を行う場合と同期型高速バックアップ運用を行う場合では、以下の様に異なります。
バックアップ運用 |
必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ運用の場合 |
(保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ運用の場合 |
(保存世代数 + 1)本 |
既に複数の業務ボリュームにバックアップポリシーが設定されている状態で、新たに登録された業務ボリュームにバックアップポリシーを登録する場合、以下の本数のバックアップボリュームが登録されている必要があります。
バックアップ運用 |
必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ運用の場合 |
(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ運用の場合 |
(登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+登録されている業務ボリューム数+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本 |
バックアップボリュームは以下のようにスライスの割り当てを行う必要があります。
VTOCを含まないようにスライスを作成してください。
同一ディスク内には、重複しないようにスライスを作成してください。バックアップボリューム内には、通常のスライス2のようなボリューム全体を意味するスライスは作成する必要はありません。
システムが格納されているディスクや、AdvancedCopy Managerがインストールされているディスクは、バックアップボリュームとしないでください。
バックアップボリュームの設定方法は、本マニュアルの『デバイスの運用種別設定』を参照してください。
同期型高速バックアップでバックアップボリュームが保存世代数しか用意できない場合、バックアップボリュームをテープなどの二次媒体に退避することによって、バックアップ運用を行うことができます。
この場合、次のような運用となります。
バックアップ同期処理開始
等価性維持状態の確認
バックアップ実行
バックアップボリュームを二次媒体に退避
履歴情報削除
1.に戻る
履歴情報の削除後、次のバックアップが完了するまでの間にリストアを行う場合は、リストア実行コマンドによるリストアは行えません。二次媒体から直接リストアを行う必要があります。
AdvancedCopy Managerのバックアップ運用は、Systemwalker Operation Manager等を利用して自動化することができます。
スナップショット型高速バックアップの自動運用は、次の二つの方法で行うことができます。
バックアップ実行コマンドを、バックアップを採取したい契機に合わせて、バッチジョブのジョブネット中で起動する。
バックアップ実行コマンドを時刻指定で起動する。
同期型高速バックアップは、バックアップを予定している時刻には、業務ボリュームとバックアップボリュームが等価性維持状態になっていなければなりません。
そのため、同期型高速バックアップを自動運用する場合は、以下のようにバックアップ同期処理開始コマンド、バックアップ実行コマンドを分けて起動する必要があります。
バックアップ同期処理の開始コマンドは、バックアップ実施契機に等価性維持状態となっているよう、あらかじめ机上にてバックアップ同期処理に必要な時間を算出し、その時間分以上さかのぼって、時刻指定で起動します。
バックアップ同期処理を開始してから等価性維持状態になるまでにかかる時間は、コピーするボリュームの容量に依存します。
次のどちらかの方法でバックアップ実行コマンドが自動的に起動されるようにします。
バックアップ実行コマンドを、バックアップを採取したい契機に合わせて、バッチジョブのジョブネット中で起動する。
ジョブネット中のバックアップ実行コマンドの起動の前に他のジョブ(図中のジョブA、ジョブB)がある場合は、バックアップ実行コマンドの起動時刻は特定できません。ジョブネットの起動時刻にジョブA・ジョブBにかかる最短時間を足した時刻をバックアップ実行コマンドの起動時刻として、そこから見積もり時間分さかのぼって、バックアップ同期処理開始コマンドの開始時刻を決めてください。
バックアップ実行コマンドを時刻指定で起動する。
通常業務ボリュームにおける一連のバックアップ運用の流れを以下に記述します。
バックアップ運用を開始するにあたり、事前に以下の準備が必要です。
バックアップ運用を開始するにあたり、事前にStorage管理サーバおよびStorageサーバ上でAdvancedCopy Managerのデーモンが起動されている必要があります。通常、システムの起動時に自動的に立ち上がりますが、何らかの理由で起動に失敗した場合および一度デーモンを停止した場合は、各サーバでデーモンを起動する必要があります。デーモンの起動については、本マニュアルの『デーモンの起動と停止』を参照してください。
バックアップ運用をバックアップ管理画面から行う場合は、バックアップ管理画面の各操作のアクセス権を設定します。設定方法の詳細については、本マニュアルの『認証機構によるセキュリティ運用』を参照してください。
バックアップ運用をコマンドのみで行う場合は、アクセス権の設定は必要ありません。
以下のURLを指定し、AdvancedCopy Managerの初期画面を起動します。クラスタ運用時はURLが異なります。詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager使用手引書 初期画面』を参照してください。
http://Storage管理サーバのアドレス(:ポート番号)/swstorage/index.html |
以下のWeb画面(サーバ一覧画面)が起動します。
なお、Web画面を使用せずにコマンドのみで運用する場合は、本操作を行う必要はありません。
Storage管理サーバをクラスタ運用している場合
Storage管理サーバをクラスタ運用している場合、Web画面を使用するためには、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書 認証関連ファイルの設定』の認証関連ファイルの設定が必要となります。
Storage管理サーバにて、管理するStorageサーバを登録します。Storage管理サーバを兼ねているStorageサーバは、サーバの追加をする必要はありません。
[操作]メニューから[サーバの追加]を選択します。以下の画面が表示されます。
追加するStorageサーバのサーバ名、IPアドレスおよび通信に必要なポート番号を指定します。ポート番号にはStorageサーバ側の通信デーモンに指定したポート番号を指定します。
Storageサーバをクラスタで運用している場合、IPアドレスにはAdvancedCopy Manager用に割り当てたStorageサーバの引き継ぎIPアドレスを指定します。また、ポート番号にはクラスタセットアップ時に登録した業務用通信デーモンに指定したポート番号を指定します。
以上の項目を入力後、[OK]ボタンを押して、Storageサーバの追加処理を実施します。
なお、この処理は、本マニュアルの『サーバ情報追加コマンド(stgxfwcmaddsrv)』でも実施できます。
バックアップ管理を実施する場合は、まずStorageサーバ上のデバイス情報を一旦リポジトリに格納する必要があります。Storageサーバのデバイス情報を取り出すため、[操作]メニューから[全デバイスの情報取得/反映]を選択します。以下の画面が表示されます。
デバイス情報を取り出すサーバを確認後、[OK]ボタンを押します。
各サーバからデバイス情報を取得後、以下のダイアログが表示されます。
一番上のリストボックスは、新規にデバイスが検出された場合、表示されます。管理するデバイスを左側のリストボックスに移動してください。二番目のリストボックスは、現在管理対象となっているデバイスのうち、今回検出できなかったデバイスです。管理対象外にする場合は、右側のリストボックスに移動してください。一番下のリストボックスは、デバイス情報が更新(例えば、マウントポイント名が変更)されたデバイスです。
以上の操作を実施後、[OK]ボタンを押して、デバイス情報の取得処理を実施します。
なお、この処理は、本マニュアルの『デバイス情報取得/反映コマンド(stgxfwcmsetdev)』でも実施できます。
この操作は、選択したStorageサーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。
目安として、負荷のない状態で、1デバイス(パーティション)あたり約0.5秒かかりますので、参考として下さい。
サーバ一覧画面の[ファイル]メニューから[Backup管理]を選択すると、バックアップ管理のサーバ一覧画面が表示されます。
各Storageサーバの環境設定を行います。サーバ一覧画面にて、Storageサーバを選択している状態で、[操作]メニューから[サーバ情報の設定]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
Symfoware連携バックアップ運用の場合
対象のStorageサーバがSolarisまたはLinuxの場合で、Storageサーバ内にSymfowareデータベースが存在している場合は、リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリおよび作業ディレクトリを入力します。
Symfoware連携バックアップ運用ではない場合
対象のStorageサーバ内にSymfowareデータベースが存在しない場合や、Symfoware連携を行うための環境が整っていない場合は、本入力項目は不要なので、入力することはできません。
[OK]ボタンを押して環境設定を実施します。
Storage管理サーバがStorageサーバを兼ねている場合、Storage管理サーバでもこの環境設定を行う必要があります。既に、Storageサーバの環境設定が行われている場合は、この作業は必要ありません。
なお、本環境設定は、本マニュアルの『Storageサーバ構成情報設定コマンド』でも実施できます。
また、コマンドのみの運用をする場合、運用開始時にStorageサーバ構成情報設定コマンドを実施しなければなりません。
Storageサーバで、バックアップを行う前に、以下のデバイス運用種別を設定します。
バックアップを行いたいボリュームを業務ボリュームとして定義します。
バックアップボリュームを用意します。業務ボリュームと同じサイズのパーティションを運用に応じて以下の本数を用意し、バックアップボリュームとして定義します。
バックアップ運用 |
必要なバックアップボリュームの本数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ |
(保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ |
(保存世代数+1)本 |
運用種別の設定は、サーバ一覧画面から実施する場合の例を説明します。サーバ一覧画面にて、Storageサーバを選択している状態で、[操作]メニューから[デバイス情報の設定]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
「その他のボリューム」欄に表示されているボリュームは、デバイス運用種別が設定されていません。以下の操作を行い、デバイス運用種別を設定します。
「業務ボリューム」として設定
対象とするボリュームを選択後、「業務ボリューム」側の[<]ボタンをクリックしてください。該当のボリュームが「業務ボリューム」欄に移動します。
「バックアップボリューム」として設定
対象とするボリュームを選択後、「バックアップボリューム」側の[<]ボタンをクリックしてください。該当のボリュームが「バックアップボリューム」欄に移動します。
すべてのボリュームの設定が完了した後、[OK]ボタンをクリックします。
なお、本設定は、本マニュアルの『デバイス情報設定コマンド』でも実施する事ができます。
ボリューム全体を定義したスライスは、業務ボリュームとして登録しないでください。
業務ボリュームやバックアップボリュームとして登録したパーティション(スライス)の構成などを変更する場合は、構成を変更する前に一旦業務ボリューム/バックアップボリュームの登録から削除し、構成変更後に再度Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込みを行ってから、デバイス情報設定コマンドで登録し直す必要があります。
バックアップボリュームは、業務ボリュームと同じサイズである必要があります。
システムが格納されているディスクや、AdvancedCopy Managerがインストールされているディスクは、バックアップ対象としないでください。
マウントされているデバイスは、バックアップボリュームに設定できません(業務ボリュームには、設定できます)。
登録した内容は、以下の方法で確認する事ができます。
Web画面による確認
業務ボリュームの情報は、業務ボリューム一覧画面から、バックアップボリュームの情報は、バックアップボリューム一覧画面から参照することもできます。それぞれの画面についての詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書』を参照してください。
コマンドによる確認
登録した業務ボリューム・バックアップボリュームの情報は、本マニュアルの『デバイス使用状況表示コマンド』で参照することができます。
業務ボリュームの存在する筐体とは別の筐体にあるバックアップボリュームにバックアップを行う場合は、オプションの設定を行います。
REC/ROPC機能が動作可能なディスクアレイ装置が必要です。
両筐体がFCRA(FC Remote Adapter)で接続されていることが必須です。
FCRAによる接続ではデータはINIT側からTARG側へしか流れませんので最低2組のFCRA接続が必要です。
バックアップ運用では、リストアの際にROPC機能を利用するため、ROPC機能が動作しない(REC機能のみが動作可能な)ディスクアレイ装置では、業務ボリュームの存在する筐体とは別の筐体にあるバックアップボリュームにバックアップを行う運用はできません。
オプションの設定は以下のファイルを作成します。
通常(非クラスタ)運用の場合 /etc/opt/FJSVswsts/data/DEFAULT/check.ini クラスタ運用の場合 /etc/opt/FJSVswsts/論理ノード名(*1)/data/DEFAULT/check.ini |
(*1) クラスタセットアップ時に指定したAdvancedCopy Managerの論理ノード名。
記述方法を以下に示します。
[check] RemoteCopy=Yes |
運用開始後にオプション設定ファイルを変更すると、バックアップ運用が継続できなくなる場合があります。そのため、運用開始後はオプション設定ファイルを変更しないでください。
オプション設定ファイルを変更する場合は、バックアップポリシーを再設定する必要があります。
Storageサーバで登録されている業務ボリュームに対して、以下のバックアップポリシーを設定します。
保存世代数
バックアップを行ったデータを何世代残しておくかを意味します。
間隔日数
バックアップを実行してから次のバックアップを行うまでの日数の目安を意味します。ここで指定した日数を超えた場合は、AdvancedCopy ManagerのWeb画面にてバックアップを促します。
バックアップポリシーの設定は、業務ボリューム一覧画面から実施します。ツリー画面上にて、当該Storageサーバの「業務ボリューム」を選択すると、業務ボリュームの一覧が表示されます。バックアップポリシーを設定したい業務ボリュームを選択している状態で、マウスの右クリックから表示されるポップアップメニューより、[バックアップポリシーの設定]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
本画面で、間隔日数および保存世代数を指定した後、[OK]ボタンをクリックします。本作業を全ての業務ボリュームに対して行います。なお、バックアップポリシーの設定は、本マニュアルの『バックアップポリシー設定コマンド』でも行うことができます。
間隔日数を指定しても、AdvancedCopy Managerは自動的にバックアップを採取することは行いません。本値は、バックアップ間隔日数をオーバーした場合に、バックアップを促すために利用します。
設定の際には、指定されたバックアップポリシーに従って運用するために必要な数のバックアップボリュームが登録されている必要があります。必要な数のバックアップボリュームについては、本マニュアルの『バックアップボリュームの準備』を参照してください。
同期型高速バックアップ運用のバックアップポリシー設定時に、必要な数のバックアップボリュームが登録されていなくても、スナップショット型高速バックアップ運用に必要な数のバックアップボリュームが登録されていれば、バックアップポリシーは設定できます。この場合、同期型高速バックアップは実行できないことがあります。
設定した内容は、以下の方法で確認する事ができます。
Web画面による確認
バックアップポリシーの情報は、業務ボリューム一覧画面で確認することができます。画面についての詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書』を参照してください。
コマンドによる確認
設定したバックアップポリシーの情報は、本マニュアルの『バックアップポリシー表示コマンド』で参照することができます。
AdvancedCopy Managerでのバックアップは、基本的に業務ボリュームがアンマウントされた状態で処理を行う必要があります。そのため、バックアップ/リストアの実行時に、前後処理スクリプトを使用して業務ボリュームのアンマウント/マウント操作を行っています。
バックアップ/リストアの実行時に業務ボリュームがアンマウントできない場合は、バックアップ/リストア処理は実行されません。
前後処理スクリプトの詳細については、本マニュアルの『バックアップ/リストアの前後処理』を参照してください。
運用が以下のいずれかに該当する場合は、バックアップ前後処理スクリプトをカスタマイズする必要があります。
運用上の理由により、ファイルシステムが構築された業務ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避したい場合
その他、特殊な前後処理を前後処理スクリプト内に追加したい場合
カスタマイズ方法については、本マニュアルの『バックアップ・リストアの前後処理』を参照してください。
AdvancedCopy Managerをバージョンアップした場合
バージョンアップ後のスクリプトは更新されている場合があります。そのため、旧バージョンで使用していたシェルスクリプトを再利用するのではなく、旧バージョンで使用していたシェルスクリプトに対して実施されていたカスタマイズを、バージョンアップ後のシェルスクリプトに対して実施してください。
AdvancedCopy Managerのバックアップ運用では、バックアップボリュームとして登録されているボリューム群から、業務ボリュームの容量と同一のボリュームを、AdvancedCopy Managerが自動的に選択し、バックアップ先として利用します。
しかし、運用の都合上、バックアップ先ボリュームを意識したい場合は、あらかじめ「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成しておく必要があります。
デバイスマップファイルは、バックアップを行うStorageサーバ上の任意の場所に作成します。このファイルをバックアップ実行時に指定する事で、バックアップ先を意識した運用が可能となります。
複数世代管理を行う場合は、デバイスマップファイルを複数用意する必要があります。
また、バックアップもしくは同期処理の開始時に使用できるデバイスマップファイルは、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
未使用のバックアップボリュームを指定している
そのバックアップで削除される履歴で使用されているバックアップボリュームを指定している
そのため、バックアップボリュームを複数使用する運用の場合は、バックアップボリュームの状況に合わせてデバイスマップファイルを使い分ける必要があります。
同期型高速バックアップでバックアップボリュームが保存世代数しか用意できない場合、バックアップボリュームをテープなどの二次媒体に退避し、履歴の削除を行うことによってバックアップ運用を行うことができます。
この場合、バックアップ同期処理の開始時に指定するデバイスマップファイルは、直前の履歴情報の削除により未使用となったバックアップボリュームを指定したデバイスマップファイルになります。
デバイスマップファイルの記述例を以下に示します。
デバイスマップファイル作成時の規則を以下に示します。
1行に業務ボリュームと対応する出力先バックアップボリュームを記述します。業務ボリュームとバックアップボリュームの間を1個以上の「半角空白またはタブ文字」で区切ってください。また、行頭から業務ボリューム名の間、および、バックアップボリュームの後ろから行末(改行記号)の間には1個以上の「半角空白またはタブ文字」が含まれていても構いません。
空白行(「半角空白またはタブ文字」)がファイルに含まれていても構いません。
記号「#」から行末まではコメントとみなされます。
1つのデバイスマップファイルの中で1つの業務ディスクに対して出力先バックアップボリュームを複数指定することはできません。このような場合は、最初に見つかった行の情報が有効になります。デバイスマップファイルからの読みこみ処理では、このような重複行の検出は行いません。
デバイスマップファイルには、処理対象(Device-NameまたはLog-Group-Name)以外の業務ボリュームの記述があっても構いません(冒頭に示した記述例を参照してください)。
ロググループに対して出力先バックアップボリュームを定義する場合は、単一ファイル内に全ての業務ボリュームに関する記述をしなければなりません。(複数ファイルに記述がまたがっていてはいけません。)
AdvancedCopy Managerのバックアップの運用について説明します。
バックアップ運用を行う前に、本マニュアルの『事前準備』を参照して、バックアップ運用に必要な環境設定を行ってください。
AdvancedCopy Managerのバックアップの運用には、以下の2種類があります。
スナップショット型高速バックアップ運用
同期型高速バックアップ運用
スナップショット型高速バックアップは、以下の手順にて行います。
一般ファイルシステムをバックアップする場合は、業務を停止させます。
業務ボリューム一覧画面を表示し、バックアップを行いたいボリュームを選択します。
[操作]メニューから、[バックアップ]を選択すると、以下の画面が表示されます。
表示されたサーバ名/業務ボリューム名を確認の上、以下を実施します。
AdvancedCopy Managerが自動的に選択したボリュームをバックアップボリュームとする場合
[OK]ボタンをクリックします。
特定のボリュームをバックアップボリュームとして使用する場合
バックアップを行うStorageサーバ上(例えば/home/usr1/devmap1)に作成したデバイスマップファイル名を指定した後、[OK]ボタンをクリックします。
バックアップが完了すると、以下の画面が表示されます。[OK]ボタンをクリックし、業務一覧画面に戻ります。
これでバックアップは完了です。引き続き、業務を再開してください。ただし、本時点では、バックエンドで、ボリュームの物理的なコピー処理は、完了していません。物理コピーの状態を確認したい場合は、以降の作業を行います。
業務ボリューム一覧画面を表示させ、対象となる業務ボリュームにおける[状態]欄を確認します。ここに、コピー処理の進捗状況が表示されますので、現在のコピー状況を確認する事ができます。
コピー状態の最新状態を確認したい場合は、以下のいずれかの操作を行います。
[PF5]キーをクリックします。
[表示]メニューから[最新の情報に更新]を選択します。
1で業務を停止させた場合は、業務を再開します。
バックアップの実行は、バックアップ実行コマンド(swstbackup)でも行えます。
バックアップ状態の確認は、バックアップ実行状況表示コマンド(swstbackstat)でも行えます。
QuickOPC機能によるスナップショット型高速バックアップ運用を行う場合、以下の操作については業務ボリューム一覧画面からは実施できません。それぞれの操作を行うためのコマンドを投入してください。
QuickOPC機能を利用したバックアップを実行する。(swstbackup)
トラッキング処理をキャンセルする。(swstcanceltrk)
業務ボリュームの同期型高速バックアップは以下の手順で行います。
業務ボリューム一覧画面を表示し、バックアップを行いたいボリュームを選択します。
[操作]メニューから、[バックアップ同期処理の開始]を選択すると、以下の画面が表示されます。
表示されたサーバ名/業務ボリューム名を確認の上、以下を実施します。
AdvancedCopy Managerが自動的に選択したボリュームをバックアップボリュームとする場合
[OK]ボタンをクリックします。
特定のボリュームをバックアップボリュームとして使用する場合
バックアップを行うStorageサーバ上(例えば/home/usr1/devmap1)に作成したデバイスマップファイル名を指定した後、[OK]ボタンをクリックします。
バックアップ同期処理が完了すると、以下の画面が表示されます。[OK]ボタンをクリックし、業務ボリューム一覧画面に戻ります。
これで業務ボリュームからバックアップボリュームへの物理コピーが開始されます。物理コピーの状態を確認したい場合は、以降の作業を行います。
業務ボリューム一覧画面を表示させ、対象となる業務ボリュームにおける[状態]欄を確認します。ここに、コピー処理の進捗状況が表示されますので、現在のコピー状況を確認する事ができます。
コピー状態の最新状態を確認したい場合は、以下のいずれかの操作を行います。
[PF5]キーをクリックします。
[表示]メニューから[最新の情報に更新]を選択します。
[状態]欄が「バックアップ準備完了」となった時点から、業務ボリュームとバックアップボリュームとの状態が等価性維持状態になります。
バックアップ履歴を作成する場合は、業務ボリューム一覧画面から対象となる業務ボリュームを選択し、[操作]メニューから、[バックアップ]を選択すると、以下の画面が表示されます。
表示されたサーバ名/業務ボリューム名を確認の上、[OK]ボタンをクリックします。
バックアップが完了すると、以下の画面が表示されます。[OK]ボタンをクリックし、業務ボリューム一覧画面に戻ります。
業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前にバックアップ実行コマンドを実行すると、バックアップ実行コマンドはエラーとなります。
バックアップ時にデバイスマップを指定することはできません。
バックアップ同期処理の開始は、バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)でも行えます。
バックアップ同期処理状態の確認は、バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(swstsyncstat)でも行えます。
バックアップの実行は、バックアップ実行コマンド(swstbackup)でも行えます。
バックアップ状態の確認は、バックアップ実行状況表示コマンド(swstbackstat)でも行えます。
Suspend/Resume機能による同期型高速バックアップ運用を行う場合、以下の操作については業務ボリューム一覧画面からは実施できません。それぞれの操作を行うためのコマンドを投入してください。
サスペンド指定のバックアップを実行する。(swstbackup)
1つの業務ボリュームに複数の同期処理(ECセション)が存在する場合、バックアップボリュームを指定して特定のECセションのみをキャンセルする。(swstcancelsync)
本節では、バックアップしたボリューム/データの復元方法について説明します。
スナップショット型高速バックアップで退避したボリューム内の全データを復元する場合は、以下の手順となります。
一般ファイルシステムに対するリストアを行う場合は、業務を停止させます。
業務一覧画面を表示し、リストアを行いたいボリュームを選択します。
[操作]メニューから、[リストア]を選択すると、以下の画面が表示されます。リストアは、最新世代のバックアップ履歴で管理されているバックアップボリュームから実施されます。
リストア先ボリューム名を確認します。
リストア先ボリューム名には、業務ボリューム一覧画面で選択した業務ボリューム名が表示されます。この業務ボリュームに対してリストアを行う場合は、[OK]ボタンをクリックします。リストア先を変更したい場合は、リストア先ボリューム名のチェックボックスをチェックした後、[...]ボタンをクリックすると、以下の画面が表示されます。
リストア先としたいボリュームを選択後、[OK]ボタンをクリックすると、リストア画面に復帰します。
リストア先ボリューム名に誤りがない事を確認後、[リストア画面]の[OK]ボタンをクリックします。
リストアが完了すると、以下の画面が表示されます。[OK]ボタンをクリックし、業務一覧画面に戻ります。
これでリストアは完了です。引き続き、業務を再開してください。ただし、本時点では、バックエンドで、ボリュームの物理的なコピー処理は、完了していません。物理コピーの状態を確認したい場合は、以降の作業を行います。
業務ボリューム一覧画面を表示させ、対象となる業務ボリュームにおける[状態]欄を確認します。ここに、コピー処理の進捗状況が表示されますので、現在のリストア(物理コピー)状況を確認する事ができます。
最新の情報を確認したい場合は、以下のいずれかの処理を行います。
[PF5]キーをクリックします。
[表示]メニューから[最新の情報に更新]を選択します。
1で業務を停止させた場合は、業務を再開します。
リストアの実行は、リストア実行コマンド(swstrestore)でも行えます。
リストア状態の確認は、リストア実行状況表示コマンド(swstreststat)でも行えます。
履歴管理されているバックアップデータの内から絶対世代(一番はじめにバックアップしたデータを1として順に増加していく)あるいは相対世代(最新のデータを1として古くなるにしたがって順に増加していく)を指示したリストアを行う場合については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 使用手引書』を参照してください。
ファイル単位にリストアする場合は、以下の手順となります。なお、ファイル単位のリストアは、Web画面からは実施できません。
バックアップボリュームをマウントします。バックアップボリュームは履歴一覧画面/履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)で確認してください。
cpコマンドでリストアしたいファイルを複写します。
バックアップボリュームをアンマウントします。
バックアップを行った履歴の参照、削除が行えます。
バックアップ履歴情報は業務ボリュームに対して世代管理しているバックアップデータのバックアップボリューム名、バックアップ日時等の情報を保存しています。
バックアップ履歴情報は、バックアップボリュームに保存されている情報だけが管理されています。
バックアップポリシーで設定した保存世代を超えたバックアップ履歴は、自動的に削除されます。
バックアップ履歴は、バックアップ履歴一覧画面で表示する事ができます。バックアップ履歴一覧画面は、サーバ一覧画面からStorageサーバをツリー表示させ、さらに、Storageサーバ配下の業務ボリュームを選択する事で表示されます。
バックアップ履歴は履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)でも表示できます。
バックアップ履歴の削除は、サーバ一覧画面から実施します。サーバ一覧画面にて、Storageサーバをツリー表示させると、当該Storageサーバ配下の業務ボリュームの一覧が表示されます。バックアップ履歴を削除したい業務ボリュームの履歴を選択している状態で、マウスの右クリックから表示されるポップアップメニューより、[履歴の削除]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
表示されたサーバ名/業務ボリューム名を確認の上、[OK]ボタンをクリックします。
バックアップ履歴の削除は履歴情報削除コマンド(swsthistdel)でも行えます。
バックアップ運用を構成するStorageサーバ/デバイスが変更となった場合、AdvancedCopy Managerの設定情報を変更する必要があります。本節では、各種変更に伴う、設定情報の変更方法を説明します。
任意のStorageサーバにデバイスを追加した場合、以下の方法でAdvancedCopy Managerのバックアップ運用に組み込みます。
初期画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『初期画面の起動』を参照してください。
デバイスを追加したいStorageサーバに対して、全デバイス情報を取り込みます。デバイス情報の取り込みを実施すると、新規に追加したデバイスが検出されますので、[追加指示デバイス]欄に移動してください。デバイス情報の取り込みについては、本マニュアルの『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を参照してください。
バックアップ管理画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『バックアップ管理画面の表示』を参照してください。
追加したデバイスの運用種別を設定します。詳細は、本マニュアルの『デバイスの運用種別設定』を参照してください。
追加したデバイスを業務ボリュームとして定義した場合は、バックアップポリシーを設定します。詳細は、本マニュアルの『バックアップポリシーの設定』を参照してください。
デバイスの削除は、削除するデバイスの種類により異なります。以下にデバイスの種類に応じた削除手順を説明します。
業務ボリュームを削除する場合は、以下の手順となります。なお、本作業は、必ず、削除対象の業務ボリュームを撤去する前に実施してください。
バックアップ管理画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『バックアップ管理画面の表示』を参照してください。
削除対象の業務ボリュームの、バックアップ履歴を削除します。詳細は、本マニュアルの『バックアップ履歴の削除』を参照してください。
削除対象の業務ボリュームの、バックアップポリシーを削除します。
Storageサーバをツリー表示させると、当該Storageサーバ配下の業務ボリュームの一覧が表示されます。バックアップポリシーを削除したい業務ボリュームを選択している状態で、マウスの右クリックから表示されるポップアップメニューより、[バックアップポリシーの削除]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
表示されたサーバ名/業務ボリューム名を確認の上、[OK]ボタンをクリックします。
削除対象の業務ボリュームのデバイス情報を削除します。
Storageサーバを選択している状態で、[操作]メニューから[デバイス情報の設定]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
「業務ボリューム」欄に表示されている削除対象の業務ボリュームを、「その他のボリューム」欄に移動させます。移動は、[>]ボタンをクリックする事で実施します。
本作業は、履歴情報削除コマンド(swsthistdel)、バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel)、デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)でも行えます。
バックアップボリュームを削除する場合は、以下の手順となります。なお、本作業は、必ず、削除対象のバックアップボリュームを撤去する前に実施してください。
バックアップ管理画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『バックアップ管理画面の表示』を参照してください。
削除対象のバックアップボリュームを未使用の状態にします。
ボリュームが未使用の状態とは、該当のボリュームがバックアップ履歴に存在しない状態です。バックアップ履歴に存在している場合は、バックアップ履歴を削除してください。既に未使用の場合は、次へ進みます。
削除対象のバックアップボリュームのデバイス情報を削除します。
Storageサーバを選択している状態で、[操作]メニューから[デバイス情報の設定]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
「バックアップボリューム」欄に表示されている削除対象のバックアップボリュームを、「その他のボリューム」欄に移動させます。移動は、[>]ボタンをクリックする事で実施します。
バックアップボリュームを削除すると、設定済みのバックアップポリシーを満たさない状態(バックアップボリューム数が保存世代数より少なくなるなど)になる場合があり、この場合、その後のバックアップ運用が継続できなくなってしまいます。この為、バックアップボリュームを削除する場合には、必ず、事前に、設定済みのバックアップポリシーを確認してから行うようにしてください。
なお、前述のようにバックアップボリュームに余裕がない場合は、替わりとなるバックアップボリュームを登録後、目的のバックアップボリュームを削除するようにしてください。
本作業は、履歴情報削除コマンド(swsthistdel)、デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)でも行えます。
バックアップ業務にStorageサーバを追加する場合は、以下の手順となります。
初期画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『初期画面の起動』を参照してください。
Storageサーバを登録します。詳細は、本マニュアルの『Storageサーバの登録』を参照してください。
追加したStorageサーバに接続されている全デバイス情報を取り込みます。詳細は、本マニュアルの『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を参照してください。
バックアップ管理画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『バックアップ管理画面の表示』を参照してください。
Storageサーバの情報設定を行います。詳細は、本マニュアルの『バックアップ運用を行うサーバの環境設定』を参照してください。
3で取り込んだデバイスの運用種別を設定します。詳細は、本マニュアルの『デバイスの運用種別設定』を参照してください。
6で登録した全ての業務ボリュームに対して、バックアップポリシーを設定します。詳細は、本マニュアルの『バックアップポリシーの設定』を参照してください。
Storageサーバを削除する場合は、以下の手順となります。なお、本作業は、必ず、削除対象のStorageサーバを撤去する前に実施してください。
バックアップ管理画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『バックアップ管理画面の表示』を参照してください。
削除対象のStorageサーバ配下の全業務ボリュームの、バックアップ履歴を削除します。詳細は、本マニュアルの『バックアップ履歴の削除』を参照してください。
削除対象のStorageサーバ配下の全業務ボリュームの、バックアップポリシーを削除します。
Storageサーバをツリー表示させると、当該Storageサーバ配下の業務ボリュームの一覧が表示されます。バックアップポリシーを削除したい業務ボリュームを選択している状態で、マウスの右クリックから表示されるポップアップメニューより、[バックアップポリシーの削除]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
表示されたサーバ名/業務ボリューム名を確認の上、[OK]ボタンをクリックします。
削除対象のStorageサーバ配下のデバイス情報を削除します。
Storageサーバを選択している状態で、[操作]メニューから[デバイス情報の設定]を選択すると、以下の設定画面が表示されます。
「業務ボリューム」欄および「バックアップボリューム」欄に表示されているボリュームを、全て「その他のボリューム」欄に移動させます。移動は、[>]ボタンをクリックする事で実施します。
初期画面を表示します。詳細は、本マニュアルの『初期画面の起動』を参照してください。
Storageサーバを削除します。
Storageサーバ選択し、[操作]メニューから[サーバの削除]を選択すると、以下の画面が表示されます。
サーバ名を確認の上、[OK]ボタンをクリックします。
なお、この処理は、サーバ情報削除コマンド(stgxfwcmdelsry)でも実施できます。
バックアップ運用を停止する場合、Storageサーバ上のデーモンを停止します。通常、システムの停止時に自動的に停止します。
何らかの理由でデーモンを停止したい場合は、個別に停止させる事も可能です。詳細は、本マニュアルの『デーモンの起動と停止』を参照してください。
デーモンを停止すると、Storageサーバ上で動作しているAdvancedCopy Managerのすべての機能が停止します。
Storage管理サーバのデーモンを停止する場合、管理しているすべてのStorageサーバの運用が停止している事を確認後、Storage管理サーバのデーモンを停止してください。
SDXオブジェクトをバックアップ/リストアする運用について説明します。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
GDSの詳細については、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照してください。
なお、インストール先のシステム環境により、ソフトウェアのバージョンレベルは異なります。詳細は関連するソフトウェアのマニュアルなどを参照してください。
運用には次の2種類の方法があります。(コピー単位はそれぞれ異なります)
論理ボリューム単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用する方式)
スライス単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用しない方式)
運用の選択は、本マニュアルの『SDXオブジェクト運用単位の設定』を確認してください。
一つのStorageサーバ内で、両方の運用を混在して運用することはできません。
標準のSDXオブジェクトの運用単位は、以下のように設定されます。
PRIMECLUSTER GDS 4.1A30以降で、PRIMECLUSTER GDS Snapshot が導入されている場合− 論理ボリューム単位
上記以外 − スライス単位
PRIMECLUSTER GDS 4.1A30以降がインストールされた環境で、スライス単位の運用を行う場合は、『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』の前に『SDXオブジェクト管理単位設定コマンド(stgxfwcmsetsdx)』を使用して、運用単位をスライス単位に設定します。
PRIMECLUSTER GDSを4.1A20以前のバージョンから4.1A30以降のバージョンにアップグレードした場合、論理ボリューム単位の運用に変更するためには、以下の手順で設定を行う必要があります。
『Storageサーバの削除』を参照し、Storageサーバを削除する。
『SDXオブジェクト管理単位設定コマンド(stgxfwcmsetsdx)』を使用して、管理単位を論理ボリューム単位に設定する。
『Storageサーバの登録』以降の作業を実施する。
そのままスライス単位で運用する場合には、何も行う必要がありません。
PRIMECLUSTER GDS 4.1A30以降が導入されている環境で、AdvancedCopy Managerを10.4以前のバージョンからアップグレードした場合、SDXオブジェクトの運用単位が変更されるため、『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を行うと、管理しているデバイスに変更があったことが検出されます。
スライス単位での運用を継続する場合には、上記の変更を反映しないで作業を中断し、『SDXオブジェクト管理単位設定コマンド(stgxfwcmsetsdx)』を使用して、運用単位をスライス単位に設定してから、再度設定作業を行う必要があります。
GDS Snapshotと連携する運用で、論理ボリューム単位の運用ができます。
運用時に論理ボリュームの物理構成を意識する必要がありません。
GDSの論理ボリュームをAdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、GDS論理ボリューム名を指定します。
dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名
次のSDXオブジェクト(ボリューム)はAdvancedCopy Managerで運用することができません。
シャドウクラスのボリューム
ストライプボリューム
スイッチボリューム
コンカチネーショングループ内のボリューム
ただし、ミラーグループの下位グループとしてストライプグループ、およびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
同期処理の開始やスナップショット型バックアップの開始において、「業務ボリュームを構成するスライス数」と「業務ボリュームに関連付けられている全てのバックアップボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、コピー元ボリューム(バックアップ処理における業務ボリューム、リストア処理におけるバックアップボリューム)がINVALID状態である場合は、コピー処理を実行できません。
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、"sdxinfo -e long"を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
single : シングルボリューム(運用可能)
mirror : ミラーボリューム(運用可能)
stripe : ストライプボリューム(運用不可)
concat : コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)
switch : スイッチボリューム(運用不可)
バックアップ運用では、以下の点に留意して設計をおこなってください。
GDS Snapshot連携機能では、AdvancedCopy ManagerがGDS Snapshot機能を使用してボリュームの結合・分離・解除操作を行うことにより、バックアップを実施します。
そのため、AdvancedCopy Managerで運用するSDXオブジェクトは、あらかじめマスタオブジェクト、プロキシオブジェクトとして運用可能な状態でなければなりません。
業務ボリュームはマスタオブジェクト、バックアップボリュームはプロキシオブジェクトとして運用します。
GDSのボリューム構成の設定は、AdvancedCopy Managerに登録する前に行ってください。
AdvancedCopy Managerで運用するGDSのSDXオブジェクトを設定する際は、次に説明する『業務ボリューム』と『バックアップボリューム』の構成条件に注意して行ってください。
GDS Snapshotや、プロキシ構成の前提条件の詳細については、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照してください。
業務で使用するSDXオブジェクト(論理ボリューム)を業務ボリュームとして登録します。
業務ボリュームはGDS Snapshotのマスタオブジェクトとして運用されます。
そのため、以下の点に留意して設計する必要があります。
シャドウクラスに属しているSDXオブジェクトを、業務ボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームとして登録できる論理ボリュームのタイプは、シングルボリュームとミラーボリュームです。ストライプボリューム、コンカチネーショングループ内のボリューム、およびスイッチボリュームは業務ボリュームとして登録できません。
ただし、ミラーグループの下位グループとしてストライプグループ、および、コンカチネーショングループを使用することは可能です。
バックアップボリュームが属しているディスクグループ内のボリュームを業務ボリュームとして登録することはできません。
バックアップボリュームと同じシングルディスクに属する論理ボリュームを業務ボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームを構成するスライスの中に一時切り離し中、あるいはコピー状態のスライスが存在する場合はバックアップを実行できません。
業務ボリューム(論理ボリューム)の状態がINVALIDの場合は、バックアップを実行できません。
GDS Snapshotのプロキシオブジェクトを業務ボリュームとして使用することはできません。
SDXオブジェクト(論理ボリューム)をバックアップボリュームとして登録します。
バックアップボリュームはGDS Snapshotのプロキシオブジェクトとして運用されます。
そのため、以下の点に留意して設計する必要があります。
シャドウクラスに属しているSDXオブジェクトを、バックアップボリュームとして登録することはできません。
バックアップボリュームとして登録できる論理ボリュームのタイプは、シングルボリュームとミラーボリュームです。ストライプボリューム、コンカチネーショングループ内のボリューム、およびスイッチボリュームはバックアップボリュームとして登録できません。
ただし、ミラーグループの下位グループとしてストライプグループ、および、コンカチネーショングループを使用することは可能です。
業務ボリュームが属しているディスクグループ内のボリュームを、バックアップボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームと同じシングルディスクに属する論理ボリュームをバックアップボリュームとして登録することはできません。
業務ボリュームとクラスが異なるオブジェクトを、バックアップボリュームとして使用することはできません。
GDS Snapshotのマスタオブジェクトをバックアップボリュームとして使用することはできません。
ECまたはOPCを使用してバックアップを行う場合は、バックアップボリュームをミラーリング構成になっていないボリュームにする必要があります。バックアップボリュームがミラーリング構成のボリュームの場合は、ソフトコピーのみ使用可能です。
バックアップボリュームが停止できない場合(例えば、バックアップボリュームがアプリケーションなどからアクセスされている場合)は、バックアップを実行できません。
バックアップボリュームを構成するスライスの中に一時切り離し中、あるいはコピー状態のスライスが存在する場合は、バックアップを実行できません。
バックアップボリュームには、業務ボリュームと同一サイズの論理ボリュームを用意してください。
バックアップを行う際、「業務ボリュームを構成するスライスの数」と「業務ボリュームに関連づけられているバックアップボリュームを構成するスライスの数」の合計は、32以下でなければなりません。
GDS Snapshot連携では以下のコピー機能が使用可能です。
アドバンスト・コピー:富士通ストレージシステムETERNUSのハードウェア機能によるコピー
ソフトコピー:PRIMECLUSTER GDSのディスクドライバによるコピー
SDXオブジェクトの構成と使用可能なコピー機能の関係は以下の通りです。
単位 |
ボリューム |
SDXオブジェクト構成 ストライプ/コンカチネーションオブジェクトはコピーできません |
使用可能コピー機能 |
|
---|---|---|---|---|
論理 ボリューム |
業務 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|
ミラー |
下位グループがない |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
下位グループがある |
ソフトコピー |
|||
バックアップ |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
ミラー |
1つのディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
2つ以上のディスクで構成されている |
ソフトコピー |
単位 |
ボリューム |
SDXオブジェクト構成 ストライプ/コンカチネーション/スイッチタイプのオブジェクトはコピーできません |
使用可能コピー機能 |
|
---|---|---|---|---|
論理 ボリューム |
バックアップ |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
|
ミラー |
下位グループがない |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
下位グループがある |
ソフトコピー |
|||
業務 |
シングル |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
ミラー |
1つのディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
||
2つ以上のディスクで構成されている |
アドバンスト・コピー ソフトコピー |
通常、業務ボリュームの存在する筐体とは、別の筐体にあるバックアップボリュームにバックアップを行う場合にオプションの設定を行います。
GDS Snapshot連携バックアップの際は、筐体間コピーを行うかどうかの設定は不要です。
バックアップ運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイス情報の取得については、本マニュアルの『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を参照してください。
GDSの論理ボリュームを業務ボリューム、バックアップボリュームとして登録します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/sfdsk/CLS1/dsk/bvol1 swstdevinfoset completed |
次のSDXオブジェクトは業務ボリュームまたはバックアップボリュームとして登録できません。
シャドウクラスのオブジェクト
ストライプタイプのオブジェクト
コンカチネーションタイプのオブジェクト
スイッチタイプのオブジェクト
バックアップポリシー設定の際には、あらかじめ設定するバックアップポリシーに従って、運用するのに必要なバックアップボリュームが用意されている必要があります。(詳細は本マニュアルの『バックアップポリシーの設定』を参照してください。)
業務ボリュームがSDXオブジェクトの場合は、プロキシオブジェクトとなりうるバックアップボリュームが保存世代数分存在するかどうか確認します。
業務ボリュームがGDSの論理ボリュームの場合は、バックアップボリュームもGDSの論理ボリュームでなければなりません。
#/opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset -s 3 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 swstbkpolset completed #
以下の場合、SDXオブジェクトは使用可能なバックアップボリュームとしてカウントされません。
バックアップボリュームが、業務ボリュームと異なるクラスのオブジェクトのとき。
バックアップボリュームが、業務ボリュームと異なるサイズのとき。
SDXオブジェクトをバックアップする場合は、業務ボリュームとバックアップボリュームが、マスタ・プロキシとして関連付けられるため、業務ボリュームを構成するスライスの数と、その業務ボリュームのバックアップに使用されるバックアップボリュームを構成するスライスの数の合計が、32以下でなければなりません。
そのため、GDSの構成によって運用可能な保存世代数が制限されますので、バックアップポリシーはその点に留意して設計を行ってください。
例えば、業務ボリュームとバックアップボリュームのすべてをシングルボリュームで構成している場合、保存世代数は最大の31を設定して運用することができますが、業務ボリュームとバックアップボリュームのすべてを2スライスで構成している場合、保存世代数に16以上を設定すると、16世代目以降のバックアップはできません。
業務ボリュームがSDXオブジェクトの場合は、プロキシオブジェクトとなりうるバックアップボリュームを選択し、バックアップを行います。
AdvancedCopy Managerは登録されているバックアップボリュームの中から自動的に選択します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstbackup completed
GDSの論理ボリュームが配置されているハードウェアにより、使用可能なコピー処理が異なります。
また、以下の場合は、EC/OPCは使用できません。
バックアップボリュームがミラーリング構成のSDXオブジェクトのとき。
業務ボリュームとバックアップボリュームが属しているディスクグループに、下位グループが接続されているとき。
ハードウェア
使用可能なコピー処理
EC/OPCが使用できる
同期型高速バックアップ:EC、ソフトコピー
スナップショット型高速バックアップ:OPC
OPCのみが使用できる
同期型高速バックアップ:ソフトコピー
スナップショット型高速バックアップ:OPC
EC/OPCが使用できない
同期型高速バックアップ:ソフトコピー
スナップショット型高速バックアップ:使用できない
GDSの論理ボリューム単位で業務ボリュームへリストアを行う際は、プロキシからマスタへのコピーを実施します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstrestore completed
業務ボリュームがGDSの論理ボリュームの場合は、リストア先ボリュームを指定したリストアはできません。
GDSの論理ボリュームが配置されているハードウェアにより、使用可能なコピー処理が異なります。
また、以下の場合は、OPCは使用できません。
業務ボリュームとバックアップボリュームが属しているディスクグループに、下位グループが接続されているとき。
ハードウェア |
使用可能なコピー処理 |
OPCが使用できる |
OPC、ソフトコピー |
OPCが使用できない |
ソフトコピー |
sdxproxyコマンドを直接使用してバックアップ管理に登録されているボリュームの状態変更操作を行わないでください。
バックアップ管理の管理情報と実際のボリューム状態が、不整合な状態になる可能性があります。sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、『資源整合コマンド(swstsrsemtch)』を実行して復旧してください。
GDS Snapshotと連携せず、AdvancedCopy Managerの機能だけで行う運用です。論理ボリュームがどの物理ボリュームから構成されているかを把握した設計・運用が必要です。
AdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、論理ボリューム名とAdvancedCopy Managerデバイス名を組み合わせた以下の形式の名前を使用します。
dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名:sdxinfoのDEVNAMの値
SDXオブジェクトの運用上の注意点については、本マニュアルの『SDXオブジェクトの運用の注意(バックアップ管理)』『SDXオブジェクトの運用の注意(レプリケーション管理)』をご覧ください。
筐体間ミラーを行っている場合、筐体障害の場合も、OPCによりリストアする必要があるときは、ミラーの両系をバックアップする必要があります。この場合、バックアップボリュームは、論理ボリュームの容量ではなく、物理ボリュームの容量分が必要です。
SymfowareのDBSPを筐体間ミラーしている場合、業務ボリュームとしてはどちらか一方の筐体にあるボリュームしか登録できません。したがって、バックアップ運用している筐体が筐体障害となった場合は、筐体障害から回復するまでバックアップ/リカバリができません。
バックアップ運用の設計を行う場合の注意事項は、本マニュアルの『SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)』を参照してください。
バックアップ運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイス情報の取得については、本マニュアルの『Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み』を参照してください。
業務で使用している論理ボリュームを構成するスライスを、業務ボリュームとして登録します。
#/opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 swstdevinfoset completed #
SDXオブジェクトのスライスをバックアップボリュームに登録することはできません。
一般スライスのバックアップボリュームを使用します。
#/opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d2s6 swstdevinfoset completed #
#/opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 swstbackup completed # |
バックアップを実行できるのは、論理ボリュームを構成するSDXオブジェクトの状態が以下の状態になっている場合です。
これ以外の状態になっている場合は、バックアップを実行することはできません。
(SDXオブジェクトの状態は、SafeDISK/PRIMECLUSTER GDSのsdxinfoコマンドを用いてAdvancedCopy Managerが確認します)
ボリュームの状態が、"ACTIVE(起動中)"またはSTOP(停止)のとき
物理ディスクの状態が、"ENABLE(動作可)"のとき
スライスの状態が、"ACTIVE(起動中)"または"TEMP(切り離し中)"のとき
次のような場合、前後処理スクリプトは実行されません。
SDXオブジェクトのスライスがTEMP
スライス単位の運用時、業務ボリュームがシングルボリュームの場合のみリストアが可能です。
シングルボリューム以外のSDXオブジェクトにはリストアはできません。
シングルボリューム以外のSDXオブジェクトのリストア方法は、本マニュアルの『SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)』をご覧ください。
#/opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 swstrestore completed # |
VxVM(VERITAS Volume Manager)配下ボリュームのバックアップ運用について説明します。
VxVMボリュームをバックアップ対象とする場合に、VxVMの論理ボリュームが存在する物理スライス単位にバックアップを行います。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
サポート可能なVxVMのボリューム構成については、本マニュアルの『AdvancedCopy Managerにおけるサポートデバイスについて』を参照してください。
VxVMの論理ボリュームのバックアップボリュームとしては、以下の2種類のボリュームが利用可能です。
VxVMの論理ボリューム
通常デバイス(スライス)
しかし、バックアップボリュームをマウントする場合や、他のアプリケーションから使用する場合を考えて、バックアップボリュームは業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつVxVMの論理ボリュームにしてください。
ボリューム構成が同一であるとは、以下の条件が満足されていることを指します。
物理ディスク(LUN)のサイズが同一である。
専有領域のサイズが同一である。
共有領域のサイズが同一である。
共有領域内の各サブディスクの開始オフセット、サイズが一致する。
論理ボリュームとサブディスクの対応関係が一致する。
バックアップボリュームのサイズが共有領域のサイズと同一であれば、VxVMボリュームのバックアップボリュームを通常デバイス(スライス)にすることが可能です。しかし、バックアップボリュームをマウントすること、および、他アプリケーションから使用することは一般的にできません。
同様に、通常デバイス(スライス)のバックアップボリュームをVxVMボリュームにすることも可能ですが、バックアップボリュームをマウントすること、および、他アプリケーションから使用することは一般的にできません。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、業務ボリューム、または、バックアップボリュームを登録する場合は、それぞれのVMディスクに含まれる論理ボリューム名の1つを使用して登録します。
例として、以下のボリューム構成をもつ業務ボリューム、バックアップボリュームを考えます。
VMディスクdisk01(業務ボリューム)にはtranvol01、tranvol02、tranvol03の論理ボリュームが、VMディスクdisk02(バックアップボリューム)にはbackvol01、backvol02、backvol03までの論理ボリュームがあります。
VMディスクdisk01とdisk02のスライスサイズは同一です。また、VMディスクdisk01とdisk02のサブディスク構成は同一です(サブディスク構成は"vxprint -AGts"で確認できます)。
この場合、論理ボリューム名tranvol01、backvol01を使用してデバイス情報を設定します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/vx/dsk/AGT01/backvol01 swstdevinfoset completed |
デバイス情報設定コマンドに指定する論理ボリューム名は、バックアップ処理の対象となるVMディスク(スライス)を指定するために用いられます。したがって、上の例においてtranvol01の代わりにtranvol02、tranvol03を指定することが可能です(backvol01についても同様です)。しかし、tranvol01、backvol01が既に登録されている場合には、他のボリューム(tranvol02、tranvol03、backvol02、backvo03)を登録することはできません。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、かつ、運用上の理由により、ファイルシステムが構築された業務ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避したい場合は、業務ボリュームのアンマウント処理が行われないように、バックアップ前処理スクリプト(OpcBackup.pre)をカスタマイズしてください。
※ バックアップ前処理スクリプト(OpcBackup.pre)のアンマウント処理(umount)を実施する前に、以下の例に示すようなVxVM論理ボリュームのマウントポイント変数をクリアする処理を追加してください。
【カスタマイズ例】
79: exit 0 80: fi 81: post_file="/etc/opt/FJSVswsts"$swstg_node"/data/DEFAULT/"$dev".pre" 82: fstype_file="/etc/opt/FJSVswsts"$swstg_node"/data/DEFAULT/"$dev".fstype" 83: bd_file="/etc/opt/FJSVswsts"$swstg_node"/data/DEFAULT/"$dev".bd" 84: if [ "$device" = "/dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01" ] then mount_point="" fi 85: if [ "$mount_point" != "" ] 86: then 87: 88: # When device cannot be unmounted 89: # 90: # if [ "$device" = "/dev/dsk/c*t*d*s*" ] |
VxVMボリュームのバックアップ運用では、業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつバックアップボリュームを指定する必要があるため、デバイスマップファイルを作成する必要があります。
【デバイスマップファイルの例】
# 業務ボリューム名 出力先バックアップボリューム名 /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/backvol01 |
デバイスマップファイルの詳細については、本マニュアルの『デバイスマップファイルの準備』を参照してください。
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、前後処理スクリプトで業務ボリュームのアンマウント/マウントを実施することはできません。
このような構成の場合は、バックアップを行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、バックアップ後にファイルシステムをマウントしてください。
なお、論理ボリューム:VMディスク=1:1の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合は、通常のスライスと同様に業務ボリュームのアンマウント/マウントが行われるため、以下に示す手順は不要です。
【バックアップの手順】
# umount /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のアンマウント # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstbackup completed # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol02 /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol03 /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のマウント |
また、運用上の理由により、業務ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避したい場合は、事前に前後処理スクリプトのカスタマイズを行った上で、以下の手順でバックアップする必要があります。
【バックアップの手順(業務ボリュームのアンマウント/マウント処理を回避する場合)】
# lockfs -w /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のファイルシステムロック # lockfs -w /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のファイルシステムロック # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstbackup completed # lockfs -u /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のファイルシステムロック解除 # lockfs -u /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のファイルシステムロック解除 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/backvol01 ←backvol01のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/backvol02 ←backvol02のfsck処理 # fsck -n -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/backvol03 ←backvol03のfsck処理 |
lockfs -wを使用してファイルシステムのキャッシュのフラッシュと、その後の更新抑止を行った場合でも、Write Open中のファイル(オンラインバックアップをサポートしているOracleのデータベーススペースは除きます)については、ファイル内容の保証はされません。
また、メタデータ更新中のプロセスがある場合は、lockfsの仕様上、ファイルシステム自体のデータ整合性も保障されません。
そこで、バックアップ後にfsck処理を行い、バックアップデータの整合性を確認することが必要です。
なお、fsck処理において、以下のメッセージを出力されることがありますが、ファイルシステムの整合性には問題がありませんので、fsck -yを実行して修復してください。
FILE SYSTEM STATE IN SUPERBLOCK IS WRONG; FIX?
論理ボリューム:VMディスク=N:1(N>1)の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合、前後処理スクリプトで業務ボリュームのアンマウント/マウントを実施することはできません。
このような構成の場合は、リストアを行う前にあらかじめファイルシステムのアンマウントを実施し、リストア後にファイルシステムをマウントしてください。
なお、論理ボリューム:VMディスク=1:1の関係を満たすVxVMの論理ボリュームの場合は、通常のスライスと同様に業務ボリュームのアンマウント/マウントが行われるため、以下に示す手順は不要です。
【リストアの手順】
# umount /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のアンマウント # umount /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のアンマウント # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 swstrestore completed # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol01 ←tranvol01のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol02 ←tranvol02のマウント # mount -F ufs /dev/vx/dsk/AGT01/tranvol01 /global/AGT01/tranvol03 ←tranvol03のマウント |
バックアップ運用中にボリューム構成を変更する場合は、以下の手順でボリューム構成変更を実施してください。
履歴情報削除コマンド(swsthistdel)の-zオプションを指定して、全ての履歴情報を削除してください。
バックアップポリシー削除コマンド(swstbkpoldel)でバックアップポリシーを削除してください。
業務ボリュームをデバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)の-oオプションを指定して、登録から削除してください。バックアップボリュームもVxVMのボリュームである場合は、バックアップボリュームもデバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)の-oオプションを指定して、登録から削除してください。
業務ボリュームのボリューム構成を変更します。バックアップボリュームもVxVMのボリュームである場合は、バックアップボリュームのボリューム構成を業務ボリュームと同一になるように変更します。
初期画面において、「全デバイスの情報取得/反映」を行います。
デバイス情報設定コマンド(swstdevinfoset)で、業務ボリューム、バックアップボリュームの再登録を行います。
バックアップポリシー設定コマンド(swstbkpolset)でバックアップポリシーを設定します。
バックアップ運用を再開します。
VxVMボリュームの構成が、論理ボリュームが存在する物理スライス単位での運用条件を満たしていない場合は、VxVMボリュームを構成する物理ディスク単位で操作することによりバックアップ運用を行うことができます。
物理ディスク単位に運用する場合は、ディスクグループとしての整合性を保つ必要があることから、ディスクグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作しなければなりません。
同期を取る必要がある物理ボリュームを確認する方法は、本マニュアルの『デバイス情報表示コマンド(stgxfwcmdispdev)』またはAdvancedCopy Manager使用手引書の『同一論理グループ内デバイス確認』を参照してください。
noprivタイプのVMディスクのみ、物理スライスが管理単位となります。
通常ボリュームの基本的運用を理解した上でご利用ください。
物理ディスク単位の運用では、スナップショット型での運用を推奨します。同期型での運用の場合、全面コピー中および差分コピー中は複写先に対しVxVMのコマンド等のディスクへのアクセスが生じるコマンドは実行できません。
以下の点に注意して、業務ボリューム/バックアップボリュームのディスクグループを設計します。
VMディスクの数、サイズおよびタイプが同じである。
論理ボリュームの構成が同じである。
バックアップの後処理として、ディスクグループの再構成を行う必要があります。ディスクグループの再構成に必要な構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。
/etc/vx/cbr/bk/<ディスクグループ名>.<ディスクグループID>
業務ボリューム/バックアップボリュームを設定する際は、ディスクグループ内のすべての物理ディスクを設定します。
例:
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/vx/dmp/c1t0d20s2 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/vx/dmp/c1t0d21s2 swstdevinfoset completed # |
VxVMボリュームのバックアップ運用では、業務ボリュームと同一のボリューム構成をもつバックアップボリュームを指定する必要があるため、デバイスマップファイルを作成する必要があります。
【デバイスマップファイルの例】
# 業務ボリューム名 出力先バックアップボリューム名 /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d20s2 /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d21s2 |
デバイスマップファイルの詳細については、本マニュアルの『デバイスマップファイルの準備』を参照してください。
ディスクグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作します。
必要な前後処理は、バックアップの操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。
スナップショット型バックアップの例
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
同期型バックアップの例
(バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 swststartsync completed # /opt/FJSVswsts/bin/swststartsync /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 swstsstartsync completed (等価性維持状態後) (業務ボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 swstbackup completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 swstbackup completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
バックアップの前後で実施する前後処理は以下。
前処理 |
後処理 |
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業務 |
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バックアップ |
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ディスクグループの再構成は、以下の手順で行います。
リストアのプリコミット分析
# /etc/vx/bin/vxconfigrestore -p dstdg Diskgroup dstdg configuration restoration started ...... Installing volume manager disk header for c1t0d20 ... Installing volume manager disk header for c1t0d21 ... - dstdg's diskgroup configuration is restored (in precommit state). Diskgroup can be accessed in read only and can be examined using vxprint in this state. Run: vxconfigrestore -c dstdg ==> to commit the restoration. vxconfigrestore -d dstdg ==> to abort the restoration. # |
コピー先のディスクグループ構成のリストアに必要な変更をコミットする。
# /etc/vx/bin/vxconfigrestore -c dstdg Committing configuration restoration for diskgroup dstdg .... dstdg's diskgroup configuration restoration is committed. # |
ディスクグループをクラスタシステムのリソースとして登録している場合は、ディスクグループのimport/deport処理の代わりにディスクグループリソースのonline/offline処理を行ってください。
マウントポイントをクラスタシステムのリソースとして登録している場合は、ファイルシステムのmount/umount処理の代わりにマウントリソースのonline/offline処理を行ってください。
システムでディスク交換等が行われている場合、1つのディスクグループについて競合する構成情報バックアップが複数存在する場合があります。
その際は、上記コマンド実行後に表示されるディスクグループIDをディスクグループの代わりに指定して実行する必要があります。
この操作の後、ディスクグループ内のボリュームがバックグラウンドで同期されるため、ボリュームの構成によっては同期処理に時間がかかる場合があります。
なお、その場合でもボリュームを使用することは可能です。
ディスクグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作します。
必要な前後処理は、リストアの操作を行う前後にディスクグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。
リストアの例
(業務ボリューム/バックアップボリュームに対する前処理を行う) # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 /dev/vx/dmp/c1t0d10s2 swstrestore completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 /dev/vx/dmp/c1t0d11s2 swstrestore completed # (業務ボリューム/バックアップボリュームに対する後処理を行う) |
リストアの前後で実施する前後処理は以下。
前処理 |
後処理 |
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バックアップ |
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後処理の必要はありません。 |
リストア先 |
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|
ディスクグループの再構成は、以下の手順で行います。
リストアのプリコミット分析
# /etc/vx/bin/vxconfigrestore -p srcdg Diskgroup srcdg configuration restoration started ...... Installing volume manager disk header for c1t0d10 ... Installing volume manager disk header for c1t0d11 ... - srcdg's diskgroup configuration is restored (in precommit state). Diskgroup can be accessed in read only and can be examined using vxprint in this state. Run: vxconfigrestore -c srcdg ==> to commit the restoration. vxconfigrestore -d srcdg ==> to abort the restoration. # |
コピー先のディスクグループ構成のリストアに必要な変更をコミットする。
# /etc/vx/bin/vxconfigrestore -c srcdg Committing configuration restoration for diskgroup srcdg .... srcdg's diskgroup configuration restoration is committed. # |
ディスクグループをクラスタシステムのリソースとして登録している場合は、ディスクグループのimport/deport処理の代わりにディスクグループリソースのonline/offline処理を行ってください。
マウントポイントをクラスタシステムのリソースとして登録している場合は、ファイルシステムのmount/umount処理の代わりにマウントリソースのonline/offline処理を行ってください。
システムでディスク交換等が行われている場合、1つのディスクグループについて競合する構成情報バックアップが複数存在する場合があります。
その際は、上記コマンド実行後に表示されるディスクグループIDをディスクグループの代わりに指定して実行する必要があります。
この操作の後、ディスクグループ内のボリュームがバックグラウンドで同期されるため、ボリュームの構成によっては同期処理に時間がかかる場合があります。
なお、その場合でもボリュームを使用することは可能です。
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