| PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.2 (Solaris(TM) オペレーティング環境版） |
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| 付録B リファレンスマニュアル | > B.2 GFSローカルファイルシステム専用コマンド |
sfxadd -D raw_device_file[,raw_device_file,...] raw_device_file
sfxadd -pa -D raw_device_file[,raw_device_file,...] raw_device_file
sfxadd は、データの退避/復元なしに既存の GFS ローカルファイルシステムの拡張ができます。
ファイルシステムの拡張は、既存のファイルシステムに新規パーティションを追加することで行います。
ファイルシステムの拡張処理は、ファイルシステムをマウントしたまま(オンライン拡張)でも、アンマウント状態(オフライン拡張)でも使用できます。ただし、アンマウントした状態のファイルシステムに対してファイルシステム拡張を行う場合には、ファイルシステムの状態が正常である必要があります。正常でない場合に拡張を実際に反映しようとすると sfxadd が“partition-name is corrupted, run fsck manually”のメッセージを出力しますので fsck_sfxfs(1M) によりファイルシステム状態を修復してから再度実行してください。
データパーティションの新規追加途中での不慮のシステムダウンがおきた場合にも正常に回復するため、データパーティション追加時には、-pa -D オプションによる事前登録処理を行ってください。事前登録処理実行後、-D オプションを指定し、実際の反映指示を行ってください。
なお、パーティションの追加の事前設定を行ったものや、実際の拡張処理中に不慮のシステムダウンが発生し、拡張処理が完了していない場合、ファイルシステムとして処理途中として管理されます。処理途中かどうかについては sfxinfo(1M) により確認できます。
sfxadd により、GFS ローカルファイルシステムのパーティションが追加されると、/etc/sfxfstab 内にエントリが追加され管理されます。
以下のオプションが指定できます。
-D raw_device_file
追加するデータパーティションのキャラクタ特殊デバイスを指定します。
複数のデータパーティションを追加する場合は、キャラクタ特殊デバイスをコンマで区切り複数指定できます。
-pa
パーティションの追加指示を事前に登録します。この事前設定により、不慮のシステムダウンが発生した場合にも、正しく継続処理できます。切替ファイルシステムとして使用する場合には、ファイルシステムを使用する全システム上で、本設定を行ってください。
なお、ファイルシステムがアンマウントされた状態でパーティションを追加する場合には、本設定は行わないでください。
以下のオペランドが指定できます。
raw_device_file
代表パーティションのキャラクタ特殊デバイスを指定します。
/dev/sfdsk/gfs/rdsk/vol0301 を代表パーティションとする GFS ローカルファイルシステムに /dev/sfdsk/gfs/rdsk/vol0601 と /dev/sfdsk/gfs/rdsk/vol0701 を追加する場合。
1. 事前設定を行う。
2. 設定情報をファイルシステムに反映する。
/etc/sfxfstab
ファイルシステムを構成するパーティション名を記述しています。
df_sfxfs(1M), fsck_sfxfs(1M), mkfs_sfxfs(1M), sfxadm(1M), sfxinfo(1M), sfxnewfs(1M), sfxnode(1M).
ファイルシステムの拡張を予定している場合には、拡張する最大サイズを予測し、ファイルシステム作成時(mkfs_sfxfs(1M) または sfxnewfs(1M) 実行時)にファイルシステムのデータサイズを設定してください。GFS ローカルファイルシステムでは、空きデータ領域をエクステントの形で記憶しています。この空きデータ管理領域は、通常、ファイルシステム作成時に指定されたデータ領域についての情報が管理できるように領域サイズが自動計算されますが、ファイルシステムの拡張を行った場合、本管理領域が不足する可能性があります。(エクステントの形で記憶しているため、空きデータ領域がフラグメント化してこなければ管理可能です。フラグメント化が激しい場合には、管理領域不足により、使用できない空き領域が存在してしまうことがあります。)
なお、既に作成してしまったファイルシステムで管理領域不足が発生しそうな場合にはファイルシステムのデフラグメントを行うことで改善することがあります。デフラグメントの詳細については“第 8 章 GFS ローカルファイルシステムのデフラグメント”を参照してください。また、管理資源が不足しているかどうかは df_sfxfs(1M) に -ov オプションを指定して表示した結果の leaf の総数と空個数から判断できます。
sfxadd の -pa オプションでパーティション追加の事前登録をした場合、GFS ローカルファイルシステムの管理上、既に構成要素の一部として認識します。このため、追加指示の解除のつもりで追加の事前設定をしたパーティションを別ファイルシステムとして GFS ローカルファイルシステム作成を行ったり、sfxadm -D で事前設定をしたパーティションをファイルシステムから削除しようとしたりすると、元々存在したファイルシステム自身も削除されてしまいます。
事前登録も含め一度登録したパーティションは、追加情報のみの削除ができないことに注意してください。
複数のシステムからの切替ファイルシステムとして運用する場合、-pa オプションを指定した事前設定処理をすべてのノードで実施してください。本事前処理を行わないと、運用ノードでの処理途中でシステムダウンが発生すると復旧するための情報が不足して、正常に復旧できない場合があります。なお、事前処理が行われている場合、fsck_sfxfs(1M) によるファイルシステム復旧処理により自動的にファイルシステムの拡張が実行され、かつ事前処理情報が解消されます。
ファイルシステムの拡張処理中にシステムダウンが発生した場合に処理が完了しているかどうかはsfxinfo(1M) で確認できます。sfxinfo(1M) のオプションの詳細については sfxinfo(1M) のマニュアルを参照してください。
ファイルシステムを構成することが可能な最大パーティション数は、ファイルシステム作成時 (mkfs_sfxfs(1M) または sfxnewfs(1M) 実行時) に設定されています。このときに指定されたパーティション数を超えたパーティション構成にはできません。なお、デフォルトでは 16 となっています。
新規にパーティションを追加するときに、maxcontig 値を自動的に再設定することがあります。具体的には、追加デバイスのドライバから取得した最大連続 I/O 長 (dkio(7I) の dki_maxtransfer) が、既存のファイルシステムの sfxtune(1M) での連続ブロックの最大数より小さい場合、追加デバイスの値に従って変更します。意図的に maxcontig 値を変更している場合には必要に応じて再設定してください。
RMS 運用での切替ファイルシステムとして使用している場合、RMS が起動している状態で待機側から sfxadd を実行しないでください。なお、RMS 起動中に待機側から sfxadd によりパーティションを追加しようとすると sfxadd は以下のメッセージを出力しますが、この場合、運用側から sfxadd を実行するか、RMS を停止してから sfxadd を実行してください。なお、PRIMECLUSTER GDS を使用している場合で、RMS を停止する場合には、ボリュームをオンライン状態にしてから sfxadd を実行してください。
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