PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.2 (マルチパス機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 - |
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第1章 概要 | > 1.1 マルチパス機能 |
マルチリンクイーサネット方式は、複数のFastEthernetカード、またはGigabit Ethernetカードを使用し、マルチリンクイーサネット機能を内蔵したスイッチと接続することにより、LANカード(NIC)−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを同時使用(通常運用時にすべての通信パスを"active"状態にして通信を行う)することで、データ転送の負荷を分散し、広い通信帯域となることで送信先システムに対して転送効率の向上を目的とした通信を実現します。
伝送路あるいはNICで何らかの異常を検出した場合、他の運用中NICへ送信データの切替えを行うことで、通信を継続することが可能になります。
マルチリンクイーサネット方式で、使用可能な上位プロトコルはTCP/IPのみとなります。
また、使用するNICはEthernet系LANカードのみであり、FDDIカードおよびATMカードを使用することはできません。
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- マルチリンクイーサネット方式を採用する場合は、マルチリンクイーサネット機能を保有したスイッチを使用する必要があります。
なお、マルチリンクイーサネット機能名は各種スイッチによって、マルチリンクイーサネット機能、トランキング機能など機能名称が異なります。- マルチリンクイーサネット方式の通信帯域は、"使用NIC数 × 転送速度 × 全二重通信" で表現されますが、通信帯域幅の拡張を意味しているだけであり、転送性能(スループット性能)向上の意味は持ちません。
- マルチリンクイーサネット方式やトランキング機能は、データ転送プロトコルではありません。
送信データを分散するための機能であり、受信データについては接続するスイッチの分散方式に依存します。- マルチリンクイーサネット方式は、複数のNICを同時使用することで負荷を分散し、転送効率の向上を目的とした機能です。
ただし、使用するNIC数が増加することで、自システムのCPU使用率も増加し、システム全体の転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。
また、自システムと接続するスイッチで採用する分散方式、およびネットワーク構成によっても転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。
[図1.4 マルチリンクイーサネット方式]
以下の"表1.3 マルチリンクイーサネット方式機能表"に提供機能を、"表1.4 マルチリンクイーサネット方式サポートメディア"にマルチリンクイーサネット方式で使用可能なメディアについて示します。
なお、"2.2 留意事項"を必ず参照してください。
[表1.3 マルチリンクイーサネット方式機能表]
使用可能な上位プロトコル
TCP/IP
データ分散方式
MACアドレス分散
データ送信時、送信先MACアドレスを元に送信先NICを決定し、データ送信を行います。
ラウンドロビン分散
送信するデータを、構成するNICに対して均等に分散してデータ送信を行います。
送信先IPアドレス分散
データ送信時、送信先IPアドレスを元に送信先NICを決定し、データ送信を行います。
送信先/送信元IPアドレス分散
データ送信時、送信先IPアドレスと送信元IPアドレスを元に送信先NICを決定し、データ送信を行います。
障害監視機能
障害監視
伝送路監視デーモンにより、伝送路異常およびパケット異常の監視を行い、障害検出した場合は他の運用中NICへ切替えます。
切替え時間
約10秒
検出可能な障害
NIC故障、ケーブル故障、スイッチ故障
障害監視開始/停止
システム起動時に開始し、システム停止時に停止します。
切替え機能
切替え時の動作
該当NIC(通信パス)を停止(fail状態)し、他の運用中NICにデータ送信の切替えを行います。
切戻し動作
すべてのNIC(通信パス)が通信状態(active)となるため、意味を持ちません。
NIC共有化機能
マルチパス機能で構成するNICを、他の方式あるいは上位プロトコルと共有することはできません。
接続(通信)可能な相手装置
任意
DR機能
GP7000F M1000/2000
PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500DR連携スクリプトを提供することでDR機能を実現しています。
PRIMEPOWER 450/900/1500/2500、
Solaris OS標準DR(cfgadm)コマンド 対応機種(S series)マルチパス制御(iompadm)コマンド、および Solaris OS標準のDR(cfgadm)コマンドによってPRIMEPOWERでのPCI Hot Plug機能、および、S seriesでのDR機能を実現しています。
[表1.4 マルチリンクイーサネット方式サポートメディア]
メディア種別
ドライバ名 *1
サポート可否
Ethernet
leドライバ
×
FastEthernet
hmeドライバ
○
eriドライバ
×
fjfeドライバ
○
ceドライバ
○
qfeドライバ
○
fjqeドライバ
○
Gigabit Ethernet
vgeドライバ
×
geドライバ
○
bgeドライバ
×
ceドライバ
○
fjgeドライバ
○
fjgxドライバ
×
fjgiドライバ
○
FDDI
pfドライバ
×
sndドライバ
×
ATM
baドライバ
×
liドライバ
×
*1: マルチパス機能では、PCIバス装置のみサポートしています。よって、使用するLANドライバがサポート可と記載されていても、Sbus装置では未サポートです。
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