PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.2 (マルチパス機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 -
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目次

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1.1.2.1 MACアドレス分散方式
マルチリンクイーサネット方式のMACアドレス分散方式について説明します。
MACアドレス分散方式は、送信データに付加される送信先MACアドレスより、マルチパス機能が独自に送信先NICを決定し、データ送信を行います。
本方式は、接続する送信先システム数が多い時など、1台の送信先システムによって伝送路が専有される可能性が減り、他の送信先システムに対して転送効率を向上させる効果があります。
MACアドレス分散方式での送信データの流れを、"図1.5 MACアドレス分散方式での送信データの流れ"に示します。

[図1.5 MACアドレス分散方式での送信データの流れ]
- 使用するNIC数によってCPU使用率が増加します。
よって、送信先システムへのレスポンス向上は見込めますが、転送性能の向上は見込めない場合があります。
- 自システムがデータ受信する伝送路は、接続するスイッチの分散方式に依存します。
スイッチ側が送信先MACアドレスで分散する方式の場合、自システム側のMACアドレスは1つであることから、データ受信する伝送路は1本になります。
これに対して、スイッチ側が送信元MACアドレスで分散する方式の場合は、データ受信する伝送路が分散され、マルチパス機能が構成するNICを有効利用することになり、効率の良い通信を行うことができます。
- 自システムと送信先システムとの間にルータが設置されている構成では、送信先MACアドレスはルータのMACアドレスとなるため、送信先NICは特定の1つに決定され、データ送信は分散されません。
送信先システムとの間にルータが設定されている構成では、送信先IPアドレス分散方式が有効です。
送信先IPアドレス分散方式については、"1.1.2.3 送信先IPアドレス分散方式"を参照してください。
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