PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.2 (マルチパス機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 -
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目次

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1.1.2.4 送信先/送信元IPアドレス分散方式
マルチリンクイーサネット方式の送信先/送信元IPアドレス分散方式について説明します。
送信先/送信元IPアドレス分散方式は、送信データに付加される送信先IPアドレスと送信元IPアドレスとにより、マルチパス機能が独自に送信先NICを決定し、データ送信を行います。
本方式は、接続する送信先システム数が多い時など、1台の送信先システムによって伝送路が専有される可能性が減り、他の送信先システムに対して転送効率を向上させる効果があります。また、自システムをルータとして使用する場合等、複数の送信元システムから同じ送信先システムへデータ送信を行う場合でも伝送路が占有される可能性が減り、他の送信元システムに対して転送効率を向上させる効果があります。
送信先/送信元IPアドレス分散方式での送信データの流れを、"図1.8 送信先/送信元IPアドレス分散方式での送信データの流れ"に示します。

[図1.8 送信先/送信元IPアドレス分散方式での送信データの流れ]
- 使用するNIC数によってCPU使用率が増加します。
- 自システムがデータ受信する伝送路は、接続するスイッチの分散方式に依存します。
スイッチ側が送信先IPアドレスで分散する方式の場合、自システム側のIPアドレスは1つであることから、データ受信する伝送路は1本になります。
これに対して、スイッチ側が送信元IPアドレスで分散する方式の場合は、データ受信する伝送路が分散され、マルチパス機能が構成するNICを有効利用することになり、効率の良い通信を行うことができます。
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