負荷分散/QoS制御 機能ガイド
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第2章 機能> 2.1 負荷分散> 2.1.1 サイト負荷分散

2.1.1.16 IIOP負荷分散

Interstage Application ServerのIIOP通信の振り分けの単位には、以下の2つがあります。

■メソッド呼び出し単位の負荷分

本方式は、メソッド呼び出しの都度、負荷分散を行う方式です。各メソッドを負荷状況等あらかじめ設定された分散方式にて各サーバに個々に振り分けます。
本方式は、一問一答形式の通信を行う場合に使用できます。なお、本方式に対応したアプリケーションの作成方法やApplication Serverの構築における留意事項や設計指針については、「Interstage Application Server」のマニュアルを参照して下さい。以下に、構成例を用いて負荷分散の制御について説明します。

  1. クライアントアプリケーションは、仮想IPアドレス経由で、負荷分散対象サーバ上のネーミングサービスから、オブジェクトリファレンスを獲得します。本要求は、負荷分散されます。
  2. 1で獲得したオブジェクトリファレンスより、実IPアドレス経由でサーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスを獲得します。
  3. 2で獲得したオブジェクトリファレンスより、仮想IPアドレス経由でサーバアプリケーションのメソッドを呼び出します。本要求は、負荷分散されます。

本方式では、アクセス数の制限、コネクションリセット機能は、使用できません。

■ネーミングサービスのオブジェクトリファレンスの獲得時点の負荷分

本方式は、ネーミングサービスのオブジェクトリファレンスを獲得する際に負荷分散を行う方式です。本方式では、ネーミングサービスの獲得時に、振り分けられたサーバ上のネーミングサービスのオブジェクトリファレンスを獲得することにより、そのサーバへ振り分けられます。同一クライアントからの一連の要求を、同一サーバに振り分けたい時は、この方式を使用します。本方式は、セション継続のように、負荷分散後は、特定のプロセスと通信を行いたいという場合に使用します。なお、本方式に対応したアプリケーションの作成方法やApplication Serverの構築における留意事項や設計指針については、「Interstage Application Server」のマニュアルを参照して下さい。以下に、構成例を用いて負荷分散の制御について説明します。

  1. クライアントアプリケーションは、仮想IPアドレス経由で、負荷分散対象サーバ上のネーミングサービスから、オブジェクトリファレンスを獲得します。本要求は、負荷分散されます。
  2. 1で獲得したオブジェクトリファレンスより、実IPアドレス経由でサーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスを獲得します。
  3. 2で獲得したオブジェクトリファレンスより、実IPアドレス経由でサーバアプリケーションのメソッドを呼び出します。

なお、メソッド呼び出し単位とネーミングサービスのオブジェクトリファレンスの獲得時点の負荷分散を組み合わせるとネーミングサービスのコネクション切断が不要となります。

各方式に対応したアプリケーション及び分散方式については、「負荷分散/QoS制御 テクニカルガイド」の“第11章 Interstage Application Server負荷分散”及び、「Interstage Application Server」の「高信頼性システム運用ガイド」を参照して下さい。



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