TeamWARE Office 200X V2.0 管理者ガイド
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付録L [tximport]コマンド> L.2 [tximport]コマンドの使用方法

L.2.3 コントロールファイル

[tximport]コマンドは、パラメータ、ユーザ/グループ検索方法、LDAPディレクトリとTeamWARE Officeのディレクトリ情報の割り当てに関する情報を記述したコントロールファイルを読み込んで動作します。

コントロールファイ名は、標準ではtximp.ctlです。コントロールファイルは、[*parameters],[*filters],[*attribute map],[*location map]の4つのセクションに分かれています。

注意

コントロールファイル内で使用できるコード系はシフトJISです。

コントロールファイル内でコメントを記述するには、先頭を#文字、または/*で始めてください。空行は無視されます。また、どのセクションでも、各定義は1行以内で行ってください。

◆[*parameters]セクショ

[*parameters]セクションでは、[tximport]コマンドに渡すパラメータを指定します。形式を以下に示します。

<パラメータ> <セパレータ> <値>

<セパレータ>は、1つ以上の空白かTABです。<値>は、パラメータに対する妥当な値です。ユーザエントリを移入する場合の設定例を以下に示します。

*parameters

ldap_host     public.tokyo.fujitsu.co.jp
ldap_port     389
ldap_chars    t61
bind_dn       cn=ldap_adm,o=fujitsu,c=jp
bind_pwd      ldap_adm_passwd
search_base   o=fujitsu,c=jp
scope         sub
filter_mode   or
tp_number     1
tp_addr       100.101.102.103
tw_login      ADMIN
tw_pwd        PASSWORD
template      cn=tempname,l=tokyo,o=fujitsu,c=jp
group         cn=grp_name,l=tokyo,o=fujitsu,c=jp
id_attr       uid
full_sync     true
no_deletes    true
delete_ou     ou=delete_ou,l=tokyo,o=fujitsu,c=jp
no_mods       false
verbose       true
mapped_only   true

グループエントリを移入する場合の設定例を以下に示します。

*parameters

ldap_host     public.tokyo.fujitsu.co.jp
ldap_port     389
ldap_chars    t61
bind_dn       cn=Administrator,cn=users,dc=tokyo,dc=fujitsu,dc=co,dc=jp
bind_pwd      password
search_base   cn=users,dc=tokyo,dc=fujitsu,dc=co,dc=jp
scope         sub
filter_mode   or
tp_number     1
tp_addr       100.101.102.103
tw_login      ADMIN
tw_pwd        PASSWORD
id_attr       objectGUID
full_sync     false
no_deletes    false
no_mods       false
verbose       true
add_ad_groups true
mapped_only   true

パラメータの説明

ldap_host

LDAPサーバ側のホスト名を指定します。省略した場合は、「localhost」が設定され、[tximport]コマンドを発行している自サーバとなります。

ldap_port

LDAPサーバのTCPポート番号です。省略した場合は389となります。

ldap_chars

LDAPサーバがLDAP V2プロトコルしかサポートしていない場合に、LDAPサーバ側が出力する文字セットを指定します。LDAPサーバが、LDAP V3プロトコルをサポートしている場合は、指定する必要はありません。指定できる文字セットは、「T61」と「ISO88591」です。省略した場合は、「T61」となります。

bind_dn

LDAPサーバにBINDするときに指定する識別名です。省略する場合は、LDAPサーバ側で匿名アクセスが許可されている必要があります。

bind_pwd

LDAPサーバにBINDするときに指定するパスワードです。省略した場合は、「パスワードなし」となります。

search_base

LDAPディレクトリの検索開始位置を指定します。このパラメータは、省略はできません。

scope

検索の範囲を指定します。以下の3つの範囲が指定できます。

省略した場合は「sub」となります。

filter_mode

*filtersセクションで指定する検索フィルタのモードを指定します。

以下の3つのモードが指定できます。

省略した場合は、「or」となります。詳細については、後述の“[*filters]セクション”を参照してください。

tp_number

ローカルユーザ/グループを登録/更新するTeamWARE Officeサーバにログインするときに使用するトランスポート番号を指定します。

トランスポート番号は、TeamWARE Officeサーバのインストールディレクトリ配下にあるto.iniファイルの[TOSERVER]セクションのtransports フィールドに記述されています。このパラメータを指定した場合は、後述のtp_addrパラメータが必須です。その両方を省略した場合は、tximportコマンドを発行している自サーバに接続します。

tp_addr

ローカルユーザ/グループを登録/更新するTeamWARE Officeサーバのトランスポートアドレスを指定します。このパラメータを指定した場合は、前述のtp_addrパラメータが必須です。その両方を省略した場合は、tximportコマンドを発行している自サーバに接続します。

tw_login

ローカルユーザ/グループを登録/更新するTeamWARE Officeサーバへのログイン名を指定します。このパラメータは、省略できません。

tw_pwd

ローカルユーザ/グループを登録/更新するTeamWARE Officeサーバへログインするユーザのパスワードを指定します。省略した場合は、「パスワードなし」となります。

template

TeamWARE Officeサーバでローカルユーザを登録/更新するときに使用するテンプレートです。このパラメータは、省略できません。なお、templateは識別名で記述します。また、指定したテンプレートは、登録/更新するTeamWARE Officeサーバで作成されている必要があります。

なお、後述の*attribute mapセクションにTeamWARE Officeユーザアカウント属性のtemplateが指定された場合は、そちらが優先されます。

group

登録/更新するローカルユーザが所属するグループ名を指定します。

グループは、複数行指定すると複数のグループに所属できます。なお、groupは識別名で記述します。また、指定したグループは登録/更新するTeamWARE Officeサーバで作成されている必要があります。

  • ローカルユーザを更新する場合にgroupを指定すると、現在所属しているグループからここで指定したグループに所属を変更します。変更したくない場合は、groupを指定しないでください。
  • TeamWARE Officeサーバ側で、ディレクトリクライアントなどを使用して、グループとユーザを関連づける運用を行っている場合、ローカルユーザを更新する場合にgroupを指定すると、グループとユーザの関連が失われますので、groupを指定しないでください。
  • LDAPサーバからグループを移入して、移入したグループにユーザを所属させる場合(LDAPサーバ上のグループとユーザが関連づけられている場合)、本パラメータを指定せずに、“*attribute map”セクションに、“group,dn”パラメータを指定してください。
  • 本パラメータを指定した場合、“*attribute map”セクションに、“group,dn”パラメータを指定しても無視されます。

id_attr

LDAPサーバとの同期運用をする場合、LDAPサーバ側のユーザ/グループが持っているある属性の値をキーにして、そのユーザ/グループ情報に変更があったかどうかを判定します。このパラメータは、その識別のためのキーとなる属性を指定します。

ここに指定する属性は、値が不変のものでなければなりません。LDAPサーバがActive Directoryの場合、objectGUIDという一意の属性を使用することをお勧めします。本属性値は、バイナリですが、[tximport]コマンドは、内部的に、バイナリを16進数文字列として扱います。[tximport]コマンドを-Tパラメータを指定して実行する場合に有効になります。詳細は“付録L.3 [tximport]コマンドの運用方法”を参照してください。

full_sync

LDAPサーバ側との同期処理を行った場合、TeamWAREディレクトリへの更新方法を指定します。

以下の2つが指定できます。

省略した場合は「false」となります。

no_deletes

LDAPサーバ側との同期処理を行った場合、LDAPディレクトリ側で削除されたユーザをTeamWAREディレクトリ側でも削除を行うかどうか指定します。以下の値を指定します。

省略した場合は、「false」となります。「true」を指定した場合、削除されるべきユーザに対しては、以下のようなメッセージが表示されます。

User not deleted (NO_DELETES selected): ローカルユーザ名


delete_ou

「no_deletes」パラメータに「false」が設定されている場合に有効です。

TeamWARE Office側のユーザを削除する代わりに、ここで指定した「ou」へ移動させます。delete_ouは、識別名で指定します。

no_mods

LDAPサーバ側との同期処理を行った場合、TeamWAREディレクトリへの更新を行うかどうか指定します。以下の値を指定します。

省略した場合は「false」となります。「true」を指定した場合、ユーザ/グループの更新は行いませんが、Directoryユーティリティが使用するローカルユーザ情報ファイル/グループ情報ファイル(標準でtximp.twoというファイル名)は出力します。

verbose

コンソールに処理状況を出力するかどうか指定します。

以下の値を指定します。

省略した場合は「false」となります。

mapped_only

LDAPサーバから取り出すエントリの属性をtximp.ctlファイルに指定された属性のみに制限するか否かを指定します。この指定は、LDAPサーバから取り出すエントリの属性にサイズの大きなバイナリ値などが含まれていることによる性能問題の発生を回避します。

以下の値を指定します。

省略した場合は「false」となります。

add_ad_groups

LDAPサーバから移入するエントリがグループエントリか否かを指定します。

以下の値を指定します。

省略した場合は「false」となります。

◆[*filters]セクショ

ユーザ/グループを検索するための検索フィルタを指定します。最低1つの検索フィルタを指定してください。

ユーザエントリを移入する場合の設定例を以下に示します。

*filters

(&(objectClass=person)(cn=富士*) )
(title=平*)

検索フィルタを複数行指定した場合、実際の検索処理は、前述の“[*parameters]セクション”で説明したfilter_modeパラメータの設定に依存します。上記の設定例では、filter_modeに設定する値により、以下のような検索がなされることとなります。

  1. filter_mode :or

    フィルタ形式:(|(&(objectClass=person)(cn=富士*) ) (title=平*))
    検索内容 :「オブジェクトクラスがpersonで、かつ共通名が富士で始まるユーザ、または肩書が平で始まるユーザ」という検索が行われます。

  2. filter_mode :and

    フィルタ形式:(&(&(objectClass=person)(cn=富士*) ) (title=平*))
    検索内容 :「オブジェクトクラスがpersonで、かつ共通名が富士で始まるユーザ、かつ肩書が平で始まるユーザ」という検索が行われます。

  3. filter_mode :none

    まず、フィルタ形式:(&(objectClass=person)(cn=富士*) )で、
    検索内容 :「オブジェクトクラスがpersonで、かつ共通名が富士で始まるユーザ」の検索が行われます。次に、フィルタ形式:(title=平*)で、
    検索内容 :「肩書が平で始まるユーザ」という検索が行われます。これらの結果はマージされます。

マージされた結果には、指定されたフィルタ内容によっては、同一のエントリが複数表れる可能性があります。この場合、新規に移入を行うような場合には、既にエントリが存在しているというエラーになりますので、noneを指定する場合には、マージされた結果に同一のエントリが複数存在しないようなフィルタを指定する必要があります。

グループエントリを移入する場合の設定例を以下に示します。

*filters

(&(objectClass=group)(cn=*) )

検索フィルタの文法は、以下のRFC文書を参照してください。

RFC2254: "The String Representation of LDAP Search Filters"
(http://www.ietf.org/rfc/rfc2254.txt)

◆[*attribute map]セクショ

[*attribute map]セクションには、TeamWARE Officeのユーザアカウント/グループ属性にLDAPの属性をどう割り当てるかを指定します。

“*ATTRRIBUTE MAP”セクションの行の構文は以下のとおりです。

なお、以下の説明では、“TeamWARE Officeのユーザアカウント/グループ属性”を、“TWO属性”と表現します。

TWO属性<セパレータ>LDAP属性

<セパレータ>は、1つ以上のタブ/空白/“=”(混在も可)です。

TWO属性の構文は以下のとおりです。

 

TWO属性

意味

TWO属性名

通常のTWO属性名を指定します。

TWO属性名*

TWO属性が複数行に渡ることを示します。

この指定は、LDAP属性が複数行に渡る場合(例えば、Active Directoryのユーザエントリの住所タブの 番地(S)に指定でき、各行の区切りはCRLF(0x0d0a)となっています。

numazu
miyamoto

140

これを、TWO属性のstreet(1)〜street(3)に設定したい場合、以下のように指定することで可能となります。

street* = %streetAddress

TWO属性名,dn

LDAP属性値が、DNフォーマットであることを示し、そのLDAP側DNを、ロケーションマップで指定されたロケーションの対応づけに従って、TeamWARE Office側DNに変換することを意味します。

グループを移入し、移入したグループと関連づける場合の例:

group,dn = %distinguishedName

parent,dn = %memberOf(*)

上記のように指定することにより、ディレクトリユーティリティの情報ファイルには、以下のように書き込みがされます。

"=group 'cn=LDAP側のgroup名,TWO側のロケーションDN'"

"=parent'cn=グループが所属するLDAP側のgroup名,TWO側のロケーションDN'"

:

:

ユーザを移入し、移入したグループと関連づける場合の例:

user = "% %" sn,givenName

group,dn = %memberOf(*)

上記のように指定することにより、ディレクトリユーティリティの情報ファイルには、以下のように書き込みがされます。

"=user '姓 名'"

"=group 'cn=ユーザが所属するLDAP側のgroup名,TWO側のロケーションDN'"

:

:

注意:

“group,dn”パラメータと“group”パラメータは同時に指定できません。もし、同時に指定した場合、“group”パラメータが先に指定されていれば、その指定が有効になり、“group,dn”パラメータが先に指定された場合は、“group,dn”パラメータの指定も、“group”パラメータの指定も、両方無視されます。

“%memberOf(*)”などで関連づけようとしたLDAP側のグループのロケーションが、“*location map”セクションに定義されてない場合、そのグループは無視されます。

LDAP属性の構文は以下のとおりです。

 

LDAP属性

意味

%LDAP属性名[(通番)]

TWO属性名にLDAP属性名を割り当てます。

"(通番)"は、LDAP属性がMULTIVALUE属性の場合に、その何番目の属性値を採用するかを1〜XXXXの10進数で指定します。省略値は1です。

例:

sur %sn

"固定文字列"

TWO属性名に“固定文字列”を割り当てます。

"% [% *]"<セパレータ2>LDAP属性名1[,LDAP属性名2 *]

TWO属性名にLDAP属性名1〜LDAP属性名nを割り当てます。

例:

user "% %" sn,givenName

2と3の混在

2と3の混在。

例:

user "%(%)+124" sn,givenName

%mail

TWO属性名のinternetuser属性に、LDAP属性のmail属性を割り当てる場合、LDAP属性のmail属性は、"user1@base_address"というユーザ名とベースアドレス部が混在している形式で、一方、TWO属性のinternetuser属性は"user1"というようなユーザ名部分と、テンプレートに指定したベースアドレス部分を組み合わせた形式で保持されます。そのため、"tximp.two"ファイルに作成される"=internetuser xxxx"のxxxxには、"user1"などのユーザ名のみを指定する必要があります。そこで、“internetuser %mail”と、TWO属性名に"internetuser"が指定され、LDAP属性名に%mailが指定された場合、"=internetuser xxxx"のxxxxには、mail属性のユーザ部分だけを割り当てる考慮がなされます。

例:

internetuser %mail

%mail(u)

TWO属性のinternetuser属性以外に、LDAP属性のmail属性("user1@base_address"というユーザ名とベースアドレス部が混在している形式)のユーザ名部分だけを割り当てます。

例:

custom(1) %mail(u)

%LDAP属性名(*)

LDAP属性がMULTIVALUE属性の場合に、その全ての属性値を採用することを指定します。

例:

group %memberOf(*)

上記の場合、LDAP属性値の数分だけ"=TWO属性名 LDAP属性値"という行が"tximp.two"ファイルに生成されます。

%LDAP属性名(b)

LDAP属性値がバイナリであることを示します。この場合、バイナリをhex文字列に変換します。

例:

custom(1) %objectGUID(b)

補足:

objectGUIDは、LDAPサーバがActive Directoryである場合、Active Directory内のエントリを一意に識別するための各エントリが保持しているグローバルユニーク識別子です。

9

%dn

TWO属性名にLDAPエントリの識別名(dn)を割り当てます。

本指定は、LDAPサーバのグループエントリが、エントリ識別名を格納した属性を持ってない場合に、グループエントリを移入するために使用します。

補足:

LDAPサーバがActive Directoryの場合は、グループエントリにdistinguishedName属性というエントリ識別名が格納された属性があります。

使用例:

group,dn %dn

上記のように指定することにより、ディレクトリユーティリティの情報ファイルには、以下のように書き込みがされます。

=group 'cn=LDAP側のgroup名,TWO側のロケーションDN'

*:セパレータ2は、1つ以上のタブ/空白(混在も可)です。

*: LDAP属性に存在しない属性名(たとえば、aiueoなど)を指定した場合、その指定が無視される場合があります。

ユーザエントリを移入する場合の設定例を以下に示します。

*attribute map

user            "% %" sn,givenName
sur             %sn
login           "%numazu" sn
giv             %givenName
telnr(1)        %telephoneNumber
faxnr(1)        %faximileTelephoneNumber
internetuser    %mail
title           "平社員"
descr           %description

ローカルユーザの登録を行う場合には、TeamWAREユーザアカウント属性user、login、surが必須です。また、ローカルユーザの更新/削除を行う場合は、TeamWAREユーザアカウント属性user、hier_parentが必須となります。

指定可能なTeamWAREユーザアカウント属性の一覧は、“付録B Directoryユーティリティ”を参照してください。また、LDAP属性の一部の説明を“表L.1 TeamWAREユーザアカウントのLDAPの属性一覧表”に示します。

グループエントリを移入する場合の設定例を以下に示します。

*attribute map

group,dn        %distinguishedName
type            "ACG"
parent,dn       %memberOf(*)
descr(1)        %description
descr(2)        %info
descr(3)        %objectGUID

属性名や割り当て定義に誤りがあった場合は、そのユーザに対する処理はスキップされ、次のユーザの処理が行われます。スキップされたユーザは、そのエラー内容がログファイルに出力されます。

LDAP属性とその内容を、以下に説明します。

ここに示すものは、TeamWARE Office Enterprise Directory上のユーザアカウントが保持できるLDAP属性です。他のLDAPサーバのユーザアカウントが保持できるLDAP属性については、LDAPサーバ側のマニュアルを参考にしてください。

[表L.1 TeamWAREユーザアカウントのLDAPの属性一覧表]

属性名

説明

cn (commonName)

一般名、または氏名を設定します。

description

エントリの説明を設定します。

facsimileTelephoneNumber

ファックス番号を設定します。

generationQualifier

世代を設定します。

givenName

名、またはファーストネームを設定します。

homePhone

自宅の電話番号を設定します。

initials

イニシャルを設定します。

mail

電子メールアドレスを設定します。

mhsORAddresses

X.400アドレスを設定します。

mobile

携帯電話の電話番号を設定します。

pager

ポケットベルの電話番号を設定します。

postalAddress

郵便のアドレスを設定します。

sn (surname)

苗字、またはラストネームを設定します。

telephoneNumber

勤務先の電話番号を設定します。

title

役職を設定します。

メールアドレスの設定

[*attribute map]セクションにLDAPサーバ側のmail属性とmhsORAddresses属性を使用する場合、属性の取り扱いが異なります。これらの属性をTeamWARE Officeのメールアドレスに設定する場合の方法を、以下に説明します。

◆[*location map]セクショ

LDAPサーバ側のユーザ/グループが階層化組織に属している場合、そのロケーションとまったく同じロケーションでTeamWARE Office側へ登録するのは現実的に無理があります。そこで、 [*location map]セクションでは、TeamWARE Office側で定義してあるロケーションにLDAPサーバ側のロケーションをどう割り当てるかを指定します。

形式を、以下に示します。

<TeamWAREロケーション1> <セパレータ> <LDAPロケーション1>
<TeamWAREロケーション2> <セパレータ> <LDAPロケーション2>
<TeamWAREロケーション3> <セパレータ> <LDAPロケーション3>

<セパレータ>は、1つ以上のタブ/空白(混在も可)です。<TeamWAREロケーション>、<LDAPロケーション>は、‘で囲んで指定します。

複数のパターンを記述するには、複数行指定します。

ユーザ登録/更新の場合、[*location map]セクションを指定しなかった場合、または検索されたLDAP側ユーザのロケーションが<LDAPロケーション> に指定した中から見つからなかった場合は、TeamWAREディレクトリへ登録/更新されるユーザのロケーションは、テンプレートで指定されたロケーションが採用されます。

グループ登録/更新の場合は、本セクションは必須です。

なお検索されたLDAP側グループのロケーションが<LDAPロケーション> に指定した中から見つからなかった場合は、TeamWAREディレクトリへ登録/更新されるユーザのロケーションは、LDAP側グループのロケーションのままとなり、以下のようなエラーメッセージが“tximp.err”ファイルに記録されます。

TeamWARE Directory Import Utility Log File
ERROR:     line: 2  op: add  group:
       *** Cannot find matching directory entry. (GROUP)

以下に処理の流れを示します。

指定した<LDAPロケーション>と<TeamWAREロケーション>をそのまま1対1に割り当てます。ここで指定した<TeamWAREロケーション>は、あらかじめ作成しておく必要があります。

TeamWARE ディレクトリへは、以下の手順で登録/更新されます。

  1. 登録/更新対象となるLDAPサーバ側のユーザ/グループが所属するロケーションを、ここに指定した<LDAPロケーション>から検索します。
  2. 合致する<LDAPロケーション>があれば、それに対応付けられた<TeamWAREロケーション>を取り出します。ユーザ登録/更新の場合、合致しなければテンプレートに指定された<TeamWAREロケーション>を取り出します。
  3. 取り出した<TeamWAREロケーション>の内容を、ユーザ登録/更新の場合、TeamWAREユーザアカウント属性のhier_parent(ロケーションの移動の場合はnew_hier_parent)に設定して、ローカルユーザの登録/更新を行います。グループ登録/更新の場合は、TeamWAREグループ属性のgroup(ロケーションの移動の場合はnewgroup)に設定して、グループの登録/更新を行います。

すでに[*attribute map]セクションにユーザアカウント属性hier_parentが指定されていた場合は、その指定したhier_parentが優先されます。

設定例を以下に示します。

*location map

'ou=1開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'   'ou=情報処理担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=2開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'   'ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=1開発部,ou=ホスト部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'   'ou=汎用機担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'

上記の設定例において、LDAPサーバ側のユーザのロケーションが、
'ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp' だった場合、そのユーザのTeamWAREディレクトリへ登録されるロケーションは、
'ou=2開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'となります。

また、グループの移入の場合は、TeamWAREディレクトリへ登録されるグループのロケーション部分は、

'ou=2開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'となります。

◆[*location map]セクションの設定

TeamWARE Office側、LDAPサーバ側で、お互い図L.1のようなツリー構造を持っていた場合を例にして[*location map]セクションの設定方法を説明します。

[図L.1 Directoryツリー構造の例]

図L.1でLDAPサーバ側の階層化組織である「第1セクション」と「第2セクション」をそれぞれTeamWARE Office側の階層化組織、「1開発部」、「2開発部」に完全一致で割り当てる場合、[*location map]セクションには、以下のように記述します。

*location map

'ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'  'ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=1開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'  'ou=第1セクション,ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=2開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'  'ou=第2セクション,ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'

たとえば図L.2のようにLDAPサーバ側で各階層化組織配下にuserA、user1~user3までのユーザが存在している場合、

[図L.2 LDAPサーバ側ツリー]

この設定で[tximport]コマンドを実行すると、これらのユーザは、TeamWARE Office側へは、図L.3のように登録されます。

[図L.3 TeamWARE Office側ツリー]

次に、仮にLDAPサーバ側で次のような構成変更があったとします。

つまり、図L.4のような構成になったとします。

[図L.4 LDAPサーバ構成変更後ツリー]

この構成を、TeamWARE Office側へ下記のように反映する例を示します。

この場合、[*location map]セクションを、以下のように設定して同期処理を行います。ただし、この例では、[tximport]コマンドを実行する前に階層化組織「汎用機部」を作成しておく必要があります。

*location map

'ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'  'ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=汎用機部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'  'ou=ホスト担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=1開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'  'ou=第1セクション,ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
#'ou=2開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'  'ou=第2セクション,ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'

この結果、TeamWARE Office側へは、図L.5のように反映されることになります。

[図L.5 TeamWARE Office側変更後ツリー]

ここで、[tximport]コマンドでは、TeamWAREディレクトリ側の階層化組織を削除することはできないため、階層化組織「2開発部」は、残ったままとなります。必要がなければ、TeamWARE Directoryクライアントなどで削除してください。

コントロールファイルの設定

下記のようなユーザ登録を行う場合のコントロールファイルの設定例を、以下に示します。

LDAPサーバ :publicdb.tokyo.fujitsu.co.jp

TeamWAREサーバ:twosrv1

ユーザ検索条件 :surnameが‘林'で始まるユーザをすべて登録する

コマンド実行例

C:\TEAMWARE\SERVER>tximport

コントロールファイル(tximport.ctl)

*parameters

ldap_host      publicdb.tokyo.fujitsu.co.jp
ldap_port      389
ldap_chars     t61
bind_dn        cn=ldap_adm,o=fujitsu,c=jp
bind_pwd       ldap_adm_passwd
search_base    o=fujitsu,c=jp
tp_number      1
tp_addr        100.101.102.103
tw_login       ADMIN
tw_pwd         PASSWORD
template       cn=tempname,l=tokyo,o=fujitsu,c=jp
full_sync      true
no_deletes     false
delete_out     ou=delete_ou,l=tokyou,o=fujitsu,c=jp
no_mods        false
verbose        true 

*filters

(&(objectClass=person)(sn=林*) )

*attribute map

user            "% %" sn,givenName
sur             %sn
login           "%numazu" sn
giv             %givenName
telnr(1)        %telephoneNumber
faxnr(1)        %faximileTelephoneNumber
internetuser    %mail
descr           %description

*location map
'ou=1開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'   'ou=情報処理担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=2開発部,ou=PC部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'   'ou=クラサバ担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp'
'ou=1開発部,ou=ホスト部,l=東京,o=fujitsu,c=jp'   'ou=汎用機担当部,ou=ソフト部,o=Fujitsu Limited,c=jp' 

◆グループ登録を行う場合のコントロールファイルの設定例

下記のようなグループ登録を行う場合のコントロールファイルの設定例を、以下に示します。

LDAPサーバ :publicdb.tokyo.fujitsu.co.jp

TeamWAREサーバ:twosrv1

グループ検索条件 :グループをすべて登録する

コマンド実行例

C:\TEAMWARE\SERVER>tximport -f txgroup.ctl

コントロールファイル(txgroup.ctl)

*parameters

ldap_host      public.tokyo.fujitsu.co.jp
ldap_port      389
ldap_chars     t61
bind_dn        cn=Administrator,cn=users,dc=tokyo,dc=fujitsu,dc=co,dc=jp
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