PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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第2部 導入編> 第6章 クラスタアプリケーションの構築> 6.6 クラスタアプリケーションの設定> 6.6.1 リソースの設定> 6.6.1.8 回線切替装置リソースの作成

6.6.1.8.1 事前設定

回線切替装置リソースを使用する前には、必ず以下の設定が必要となります。

■リソースの登録

回線切替装置を使用する場合は、あらかじめリソースデータベースに切替回線リソース(SH_SWLineクラス)を登録する必要があります。

ここでは、リソースデータベースに切替回線リソースを登録する方法を説明します。

◆登録手順の流れ

  1. 回線切替装置のリソース名の確認
  2. 切替回線リソースの登録
  3. 登録情報の確認

◆登録手順

  1. 回線切替装置のリソースのリソース名の確認

    clgettree(1)コマンドを使用してリソースデータベースに登録されている回線切替装置のリソース名を調べます。

    # clgettree
    Cluster 1 cluster
         Domain 2 CLUSTER
              Shared 7 SHD_CLUSTER
                      SHD_DISK 21 SHD_Disk21 UNKNOWN
                              DISK 22 c5t0d0 ON node1
                              DISK 27 c4t0d0 ON node2
                      SH_SWU 18 SWU2002 UNKNOWN
              Node 3 node1 ON
                      Ethernet 29 hme0 ON
                      DISK 19 c0t0d0 UNKNOWN
                      DISK 22 c5t0d0 ON
              Node 5 node2 ON
                      Ethernet 30 hme0 ON
                      DISK 25 c0t0d0 UNKNOWN
                      DISK 27 c4t0d0 ON

    "SH_SWU"と表示された行を調べます。この例では、"SWU2002"というリソース名であることが分かります。確認できない場合は"自動構成"を参照し、回線切替装置をリソースデータベースに登録してください。

  2. 切替回線リソースの登録

    claddswursc(1M)コマンドを使用して、切替回線リソースをリソースデータベースに登録します。

    # claddswursc -k sh_swl_1 -s SWU2002 -0 node1 -1 node2 -m 0x3

    この例では、手順1.で確認した"SWU2002"という回線切替装置を使って、"sh_swl_1"という名前の切替回線リソースを登録します。

    切替ユニットのポート0は"node1"へ、ポート1はnode2へ接続されています。

    LSU01とLSU00の2つの切替ユニットを使用するため、マスク値を0x3としています。

    claddswursc(1M)コマンドの詳細は、マニュアルページを参照してください。
  3. 登録情報の確認

    リソースデータベースに回線切替装置の切替ユニットのリソースが登録されたことをclgettree(1)コマンドで確認してください。

    例) SWLineクラスのリソースが回線切替装置の切替ユニットのリソースです。
    SH_SWLineクラスのリソースが回線切替装置の切替ユニットの共用関係を示すリソースです。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
    Cluster 1 cluster
         Domain 2 CLUSTER
              Shared 7 SHD_CLUSTER
                      SHD_DISK 21 SHD_Disk21 UNKNOWN
                              DISK 22 c5t0d0 ON node1
                              DISK 27 c4t0d0 ON node2
                      SH_SWU 18 SWU2002 UNKNOWN
                              SH_SWLine 19 sh_swl_1 UNKNOWN
                                    SWLine 35 sh_swl_1P0 UNKNOWN node1
                                    SWLine 36 sh_swl_1P1 UNKNOWN node2
              Node 3 node1 ON
                      Ethernet 29 hme0 ON
                      DISK 19 c0t0d0 UNKNOWN
                      DISK 22 c5t0d0 ON
                      SWLine 35 sh_swl_1P0 UNKNOWN
              Node 5 node2 ON
                      Ethernet 30 hme0 ON
                      DISK 25 c0t0d0 UNKNOWN
                      DISK 27 c4t0d0 ON
                      SWLine 36 sh_swl_1P1 UNKNOWN

■回線切替装置に関連するリソースの説明

clgettreeコマンドの出力内容について説明します。

出力例

Cluster 1 cluster
     Domain 2 CLUSTER
          Shared 7 SHD_CLUSTER
               SHD_DISK 21 SHD_Disk21 UNKNOWN
                       DISK 22 c5t0d0 ON node1
                       DISK 27 c4t0d0 ON node2
               SH_SWU 18 SWU2002 UNKNOWN                          .....(a)
                       SH_SWLine 19 sh_swl_1 UNKNOWN              .....(b)
                             SWLine 35 sh_swl_1P0 UNKNOWN node1   .....(c)
                             SWLine 36 sh_swl_1P1 UNKNOWN node2   .....(d)
          Node 3 node1 ON
                  Ethernet 29 hme0 ON
                  DISK 19 c0t0d0 UNKNOWN
                  DISK 22 c5t0d0 ON
                  SWLine 35 sh_swl_1P0 UNKNOWN
          Node 5 node2 ON
                  Ethernet 30 hme0 ON
                  DISK 25 c0t0d0 UNKNOWN
                  DISK 27 c4t0d0 ON
                  SWLine 36 sh_swl_1P1 UNKNOWN

説明

(a) 回線切替装置のリソースを表します。
上図の例では"SWU2002"が回線切替装置を表すリソースのリソース名です。
本リソースは、自動リソース登録を実行することで、PRIMECLUSTERに回線切替装置が認識された場合に表示されます。
(b) 回線切替装置の切替回線の共用リソースを表します。
上図の例では"sh_swl_1"が切替回線の共用リソースのリソース名(切替回線名)です。
本リソースはcladdswurscコマンドによって回線切替装置の切替回線リソースをリソースデータベースに登録した際に表示されます。
上図の例にあるように、本リソースはSH_SWLineクラスに属します。
(c),(d)
回線切替装置の切替回線のリソースを表します。
上図の例では"sh_swl_1P0"と"sh_swl_1P1"が切替回線のリソースのリソース名です。
本リソースはcladdswurscコマンドによって回線切替装置の切替回線リソースをリソースデータベースに登録した際に表示されます。
上図の例にあるように、本リソースはSWLineクラスに属します。

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