ページの先頭行へ戻る
Linkexpress Replication optionV5.0L25 システム設計ガイド

6.3.6 RERUNログ抽出環境の見積り

6.3.6.1 RERUNログ引継ぎファイル

RERUNログ引継ぎファイルについて

lxrepdrextコマンドでは、抽出対象のRLC退避ファイルから、複写元システムで確定したトランザクションのRERUNログのみをRERUNログ抽出ファイルに出力します。

しかし、複写元システムでのRLC交替のタイミングやトランザクション内で更新したログ量によっては、抽出対象のRLCファイルでトランザクションが確定していない場合があります。

このような確定していることが不明なトランザクションのRERUNログをRERUNログ引継ぎファイルに格納することで、次のRLC退避ファイルからのRERUNログ抽出に備えます。


RLC退避ファイル、RERUNログ引継ぎファイルとRERUNログ抽出ファイルの関係図(イメージ)を以下に示します。

RERUNログ引継ぎファイルの見積り式

RERUNログ引継ぎファイルの見積り式を以下に示します。

RERUNログ引継ぎファイルのサイズ
= (8Kバイト + (BLOCK(Lr) × 複写元システムでの同時実行トランザクション数 × 2))
  × 1.5(安全率)

Lr    : トランザクションのRERUNログ量の最大値(バイト数)
BLOCK : カッコ内の式を、64Kバイトバウンダリで切り上げます
複写元システムでの同時実行トランザクション数

複写元システムでの同時実行トランザクション数は、テンポラリログファイルのトランザクションエントリ数の利用を推奨します。

トランザクションのRERUNログ量

トランザクション単位のRERUNログ量は、以下の式で見積ります。

トランザクションのRERUNログ量 = RERUNログ量 × トランザクション内の更新件数
RERUNログ量

RERUNログ量は、“6.3.5.1 RERUNログ量の見積り”を参照してください。

ポイント

RERUNログ引継ぎファイルの使用量は、lxrepdrcntfコマンドで確認できます。
なお、実際に動作させて使用量を見積る場合には、lxrepdrcntfコマンドで表示される、RERUNログ引継ぎファイル内の未解決トランザクションのRERUNログを格納する領域の容量(項目名:LogareaSize)内に、RERUNログ引継ぎファイル内に保持している未解決トランザクションのRERUNログ容量(項目名:UsedSize)が収まるように充分な容量を見積もってください。

6.3.6.2 RERUNログ抽出ファイルと格納ディレクトリ

lxrepdrextコマンドで作成するRERUNログ抽出ファイルとその格納するディレクトリの見積りについて説明します。

RERUNログ抽出ファイルについて

lxrepdrextコマンドでは、抽出対象のRLC退避ファイル内で確定したトランザクションのRERUNログと、RERUNログ引継ぎファイルに格納されている該当トランザクションのRERUNログを合わせて抽出します。

RERUNログ抽出ファイルの見積り式

RERUNログ抽出ファイルのサイズ = (2Kバイト + BLOCK(Lr)
                                  ×RLC退避ファイル1つあたりに格納される最大のトランザクション数)
                                × 1.5(安全率)

Lr    : トランザクションのRERUNログ量の最大値(バイト数)
BLOCK : カッコ内の式を、256Kバイトバウンダリで切り上げます
RLC退避ファイル1つあたりに格納される最大のトランザクション数

1つのRLCファイルを交替させるまでの間に、複写元システムで実行されるトランザクション数を指定してください。
なお、RLCファイルの交替は、RLCの容量満杯時やDRレプリケーションによる強制交替の契機で行われます。

RLCの容量見積りについての詳細は、“RLCの容量見積り”を参照してください。

トランザクションのRERUNログ量

トランザクション単位のRERUNログ量は、以下の式で見積ります。

トランザクションのRERUNログ量 = (RERUNログ量 + 24バイト) × トランザクション内の更新件数
RERUNログ量

RERUNログ量は、“6.3.5.1 RERUNログ量の見積り”を参照してください。

RERUNログ抽出ファイルの格納先ディレクトリの容量見積り

RERUNログ抽出ファイルは、lxrepdrextコマンドでRERUNログの抽出を行う際に作成され、lxrepdrrefコマンドでのRERUNログ反映が完了した際に削除されます。
RERUNログ抽出ファイルの見積り値から、必要なディレクトリ容量を算出してください。

6.3.6.3 RERUNログ抽出作業域

RERUNログ抽出作業域について

RERUNログの抽出では、RERUNログを一旦トランザクション単位に整列します。このとき使用されるのがRERUNログ抽出作業域です。

RERUNログ抽出作業域は、作業域メモリと作業域ファイルで構成されています。

RERUNログ抽出作業域の見積り式

RERUNログ抽出作業域全体の見積り式を以下に示します。

RERUNログ抽出作業域のサイズ = (BLOCK(Lr) × 複写元システムでの同時実行トランザクション数 × 2)
                              × 1.5(安全率)

Lr    : トランザクションのRERUNログ量の最大値(バイト数)
BLOCK : カッコ内の式を、64Kバイトバウンダリで切り上げます
複写元システムでの同時実行トランザクション数

複写元システムでの同時実行トランザクション数は、テンポラリログファイルのトランザクションエントリ数の利用を推奨します。

トランザクションのRERUNログ量

トランザクション単位のRERUNログ量は、以下の式で見積ります。

トランザクションのRERUNログ量 = RERUNログ量 × トランザクション内の更新件数
RERUNログ量

RERUNログ量は、“6.3.5.1 RERUNログ量の見積り”を参照してください。

ポイント

  • RERUNログ抽出作業域は、作業域ファイルの拡張が発生しないように設計する必要があるので、上の式で求めた作業域全体の見積り値は、すべて作業域メモリに割り当てます。また、作業域ファイルの1回の割り当て量は、目安としてRLCファイルの半分の容量を指定しておき、その後チューニングを行うことを推奨します。

  • 作業域メモリの割り当て量は、RLP動作環境ファイルのEXT_WORK_MEMパラメタで指定します。また、作業域ファイルの1回の割り当て量は、RLP動作環境ファイルのEXT_WORK_SIZEパラメタに指定します。詳細は、“導入運用ガイド”を参照してください。