機能説明
本コマンドは共有ディスクファイル監視の拡張機能を実現するために使用します。
例えば、運用中にファイル名が変更される共有ディスク上のログファイルの監視を行う場合に使用します。
なお、ローカルディスク上にあるファイルについて同様の機能を使用する場合は、ログファイル監視拡張コマンド(opafmonext)を使用してください。
必要に応じて以下の機能を実行します。
ファイル監視再開(-s)
一時的に監視を停止していた共有ディスクファイル監視機能を再開します。
ファイル監視一時停止(-p、-xオプション)を行った後に実行します。
本オプションはSystemwalker Centric Managerが動作しているときだけ有効です。
ファイル監視一時停止(-p)
監視対象ファイルを変更するために一時的に共有ディスクファイル監視機能を停止します。ここで一時停止するのは共有ディスクファイル監視機能のみであり、シスログやイベントログの監視機能が一時停止することはありません。
ログファイルの状況を確認し前回の読み込み処理から差分がある場合は、その読み込みを行います。
本オプションはSystemwalker Centric Managerが動作しているときだけ有効です。
ファイル監視強制一時停止(-x)
監視対象ファイルを変更するために一時的に共有ディスクファイル監視機能を停止します。
ここで一時停止するのは共有ディスクファイル監視機能のみであり、シスログやイベントログの監視機能が一時停止することはありません。
前回の読み込み処理から差分がある場合でも、読み込み処理は行いません。
また、本オプションはSystemwalker Centric Managerが動作しているときだけ有効です。
監視スキップ(-e)
指定されたファイルに対して、前回の読み込みからログファイルに書き込まれた内容の監視を行わず、スキップすることができます。
本オプション実行後から監視処理を行います。
本オプションには共有ディスクファイル監視定義ファイルに定義したファイル名を指定してください。通常のファイル、監視ファイル名格納ファイルどちらも指定が可能です。
監視対象ファイル確認(-f)
現在の監視対象となっているファイル名を表示します。現在監視を行っているファイル名を確認するときに使用します。
監視ファイル名格納ファイルを指定し、それに対するファイル名を省略した場合は、定義されている監視ファイル名格納ファイルと現在の監視対象ファイルをすべて表示します。
監視対象ファイルの処理済みメッセージ情報の初期化(-r)
監視対象ファイルの処理済みメッセージ情報を初期化するときに使用します。
本オプションを指定して処理済みメッセージ情報が初期化された監視対象ファイルは、すべて新規のメッセージが出力されているものとして処理されます。
ファイル監視一時停止(-pオプション)を行った後に実行します。
メッセージ情報初期化後には、必ずファイル監視を再開(-sオプション)してください。
本オプションはSystemwalker Centric Managerが動作しているときだけ有効です。
記述形式
opashrfmonext | { -s | -p | -x | -e conffile | -f [incfile] | -r incfile } |
オプション
一時的に監視を停止していた共有ディスクファイル監視機能を再開します。
Systemwalker Centric Managerが一時停止中(-p,-x)の場合だけ有効です。
一時的に共有ディスクファイル監視機能を停止します。
Systemwalker Centric Managerが動作中の場合だけ有効です。
一時的に共有ディスクファイル監視機能を強制的に停止します。前回の読み込み処理から差分がある場合でも、読み込み処理は行いません。
Systemwalker Centric Managerが動作中の場合だけ有効です。
前回監視を行ってからの差分について監視を行わず、読み飛ばします。
本オプション実行後以降のログファイルへ書き込みの監視を行います。
conffileには共有ディスクファイル監視定義ファイルに定義したファイル名を指定してください。通常のファイル、監視ファイル名格納ファイルどちらも指定が可能です。
「監視ファイル名格納ファイル」を定義した監視対象ファイルで、現在実際に監視を行っているファイルを表示します。
incfileには共有ディスクファイル監視定義ファイルで定義した「監視ファイル名格納ファイル」名を指定してください。(「.+@」で終わるファイル名)
incfileにファイル名を指定しない場合は、現在定義されている「監視ファイル名格納ファイル」と実際に監視を行っているファイルの一覧を表示します。
監視対象ファイルの処理済みメッセージ情報を初期化します。
incfileには共有ディスクファイル監視定義ファイルに定義したファイル名を指定してください。
このオプションを指定してコマンドを実行した場合、Systemwalker Centric Managerは再度監視対象ファイルの先頭から監視を行います。
incfileは省略できません。
なお、「監視ファイル名格納ファイル」に監視対象ファイルを定義している場合で、監視対象ファイル名を変更した場合は、メッセージ情報は自動的に初期化されるため、本オプションを使用する必要はありません。
復帰値
正常終了
Systemwalker Centric Manager未起動か、ログファイル監視の定義が行われていない
パラメタエラー
コマンドの初期化に失敗
コマンド実行中にSystemwalker Centric Managerが停止/起動
サーバプロセスからデータ受信に失敗
コマンドの実行権限が与えられていない
監視一時停止中でない
共有ディスクが参照できない。(待機系システムであるか系切り替え中)
対応するファイルが定義されていない
内部エラー
参照
コマンド格納場所
Windows | Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\bin |
UNIX | /opt/systemwalker/bin |
実行に必要な権限/実行環境
【Windows】
Administrator権限が必要です。
部門管理サーバ/業務サーバで実行可能です。
【UNIX】
システム管理者(スーパーユーザ)権限が必要です。
部門管理サーバ/業務サーバで実行可能です。
注意事項
本コマンドで異常終了となった場合は出力されたメッセージを参照してください。
運用系で実行した監視の状態(一時停止等)は系切り替えが発生した場合、待機系であったシステムへは引き継がれません。
コマンドが異常復帰した場合は再度実行し、それでも失敗する場合はディスク等の状態の確認を行ってください。
監視の一時停止から60分経過すると自動的に監視を再開します。なお、一時停止中に再度一時停止コマンドを実行した場合は、そこから60分後に監視を再開します。
同一の監視対象のファイルを複数に監視ファイル名格納ファイル等に定義(重複定義)しないでください。
使用例
監視対象ファイルが運用中に変更される場合、以下のような手順で監視対象ファイルの変更を行います。
運用系システムで実施
監視機能の一時停止をします。
【Windows版】
opashrfmonext -p
【UNIX版】
/opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -p
「監視ファイル名格納ファイル」を編集し新たに監視対象となるファイル名に変更します。
監視を再開します。
【Windows版】
opashrfmonext -s
【UNIX版】
/opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -s
現在監視対象となっているファイル名を確認します。
【Windows版】
opashrfmonext -f c:\usr\share\logfile.+@
c:\usr\share\logfile.+@: 監視ファイル名格納ファイル
【UNIX版】
/opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -f /usr/share/logfile.+@
/usr/share/logfile.+@: 監視ファイル名格納ファイル
【Windows版】
以下は上記1~3を行うバッチファイルの例です。
本バッチファイルをスケジュールすることで自動的にファイル名の変更を行うことができます。
例)
c:\app\app_log1.+@、c:\app\app_log2.+@は毎日変更されるログ、c:\app\app_log3.+@は毎月1日に変更されるログを監視する場合
@echo off SET YY=%DATE:~2,2% SET MM=%DATE:~5,2% SET DD=%DATE:~8,2% opashrfmonext -p rem daily echo app1_LOG%YY%%MM%%DD%.txt > c:\app\app_log1.+@ echo app2_LOG%YY%%MM%%DD%.txt > c:\app\app_log2.+@ rem monthly if "%DD%" == "01" ( echo app3_LOG%YY%%MM%.txt > c:\app\app_log3.+@ ) opashrfmonext -s
【UNIX版】
以下は上記1)~3)を行うシェルスクリプトの例です。
本シェルスクリプトをcrontabに登録することで自動的にファイル名の変更を行うことができます。
例)
/app/applog1.+@、/app/applog2.+@は毎日変更されるログ、/app/applog3.+@は毎月1日に変更されるログを監視する場合
#!/bin/sh /opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -p # daily echo `date '+app1_LOG%y%m%d.txt'` > /app/applog1.+@ echo `date '+app2_LOG%y%m%d.txt'` > /app/applog2.+@ # monthly day=`date '+%d'` if [ $day = "01" ] then echo `date '+app3_LOG%y%m.txt'` > /app/applog3.+@ fi /opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -s
実行結果/出力形式
監視対象ファイルを出力した場合(-f)
【Windows版】
c:\> opashrfmonext -f c:\usr\share\logfile.+@ c:\usr\share\app\app20031010.log c:\>
【UNIX版】
# /opt/systemwalker/bin/opashrfmonext -f /usr/share/logfile.+@ /usr/share/app/app20031010.log #