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ETERNUS SF XL-DATA/MV 13 使用手引書
FUJITSU Storage

2.6.3 グローバルサーバ側(XSP)の環境設定

グローバルサーバ側がXSPシステムの場合の環境設定について説明します。

2.6.3.1 起動プロシジャの定義

ここでは、起動プロシジャの定義について説明します。XLデータムーバの起動プロシジャは、以下のファイルに標準に提供されています。標準の起動プロシジャを使用するときは、定義を変更する必要はありません。

定義を変更する場合、詳細は、『OSIV/XSP システムプログラミング手引書 AFII V10用』を参照してください。

ファイル名

XLデータムーバの起動プロシジャは、以下のファイルに標準提供されています。

SYS.システム名.PROCLIB(KJUMFTFP)

定義形式

XLデータムーバが標準に提供する起動プロシジャの定義形式を以下に示します。

----+----1----+----2----+----3----+----4----+----5----+----6----+----7----+
/ DEFINE KJUMFTFP,RSIZE=16M,PARM= 
\ CODE   MFT 
\ JOB    KJUMFTFP,PSW=STAR,SPRTY=26,DISP=NO 
\ EX     KJUSMAIN,WTYP=2,CMND=(S,J,C),MODE=SPV,KEY=ZERO, 
         SPRTY=26,RSIZE=\RSIZE,TIME=8388607 
\ PARA   \PARM 
\ FD     SYSIN=DA,FILE=SYS.&SYSTEM.SYSID*.MDFYSRC, 
         MEMBER=KJUMFTFD 
\ FIN 
/ DEFEND

定義項目

起動プロシジャを変更する場合は、以下の定義項目を変更します。

KJUMFTFP

"KJUMFTFP"の替わりに、変更したプロシジャ名を指定します。

SYSIN FD文

変更した初期化パラメタのファイル名および属性を指定します。初期化パラメタのファイルを参照可能なRACF権限(READ権)が必要です。

初期化パラメタのファイルが区分ファイルの場合は、必ずメンバ名を指定します。

RACF権限の登録方法の詳細は、『OSIV/XSP RACF使用手引書』を参照してください。また、ファイルに対するRACF権限については、下記の表を参照してください。

XLデータムーバで利用者が認識する必要があるファイルの一覧を以下に示します。

定義体名

データセット名
(メンバ名)

アクセス名

RACFのアクセス権

内容

XLデータムーバ

運用管理者

起動プロシジャ

SYS.システム名.PROCLIB(KJUMFTFP)

PROCLIB

READ

ALTER

XLデータムーバが標準で提供する起動プロシジャです(*1)

初期化パラメタ
(SYSIN FD文)

SYS.システム名.MDFYSRC(KJUMFTFD)

MDFYSRC

READ

ALTER

XLデータムーバが標準で提供する初期化パラメタです(*1)

*1:利用者が別のファイル(メンバ)に作成することが可能です。
別のファイル(メンバ)を作成した場合にも同じRACFのアクセス権にしてください。

また、上記の表に加え、mftfsendコマンドまたはmftfrecvコマンドで使用するグローバルサーバ側のファイルについても、該当ファイルの作成/更新/参照が可能なRACF権限が必要です。該当ファイルの使用目的に応じて、適切なRACF権限を設定してください。

前述の定義項目以外は、変更しないでください。

構文規則

起動プロシジャの定義の構文規則は、XSPのジョブ制御文の文法に従います。詳細は、『OSIV/XSP システムプログラミング手引書 AFII V10用』を参照してください。

有効契機

定義の変更は、XLデータムーバを再起動したときに有効になります。

2.6.3.2 初期化パラメタの定義

ここでは、初期化パラメタの定義について説明します。XLデータムーバの初期化パラメタは、以下のファイルに標準に提供されています。利用者が別のファイルに作成することもできます。

初期化パラメタの内容は、利用者のシステムによって値を見積り、定義する必要があります。

ファイル名

XLデータムーバの初期化パラメタは、以下のファイルに標準提供されています。

SYS.システム名.MDFYSRC(KJUMFTFD)
KJUMFTFD:

XLデータムーバが標準提供する初期化パラメタのメンバ名です。利用者が再定義した初期化パラメタを、KJUMFTFDに替えて任意のメンバ名で登録することができます。

設定を有効にするには、起動プロシジャのSYSIN FD文に指定したメンバ名を指定する必要があります。

XLデータムーバの初期化パラメタを、上記のファイル以外に作成する場合には、以下の属性で作成します。

定義形式

初期化パラメタの定義形式を以下に示します。

[ ]で囲んだパラメタおよびオペランドは、省略可能です。[ ]で囲まれていないパラメタおよびオペランドは必須です。

KJUHOST systemname 
KJUVOL  { VOL=volumename1 [,volumename2] …[,volumename8] | 
          DEV=devicename1 [,devicename2] …[,devicename8] } 
[KJUMULTI taskno] 
[KJUMSG { YES | NO }] 
[L30]
[KJUSMF { YES | NO }]

定義項目

初期化パラメタの定義項目を以下に説明します。

KJUHOST文

サーバ名に関する定義です。

systemname

初期化ユーティリティ(KJUAFMT)で作成したグローバルサーバ側のXLデータムーバのサーバシステムのサーバ名を指定します。省略不可です。

KJUVOL文

データムーバが監視するデータ転送用ボリュームに関する定義です。

VOL=volumename1 [,volumename2] …[,volumename8]

データ転送用ボリュームが、ETERNUS ディスクアレイ、F6494/F6495/F6496/F6497の場合に、利用するボリュームのボリューム通し番号を指定します。

最大8個までの複数指定が可能です。

DEV=devicenumber1 [,devicenumber2] …[,devicenumber8]

データ転送用ボリュームがPRIMEFORCEの共用ディスクの場合に、利用するボリュームの装置番号を指定します。

最大8個までの複数指定が可能です。

KJUMULTI文

XLデータムーバの処理多重度を指定します。

taskno

XLデータムーバの処理多重度を1~20の範囲で指定します。省略時は16とします。

KJUMSG文

XLデータムーバとクライアントとのデータ転送処理が完了した場合に、処理完了メッセージ

(KJU5207IおよびKJU5208I)を出力するかどうかを指定します。

本定義文を省略した場合は、処理完了メッセージは出力しません。

YES

処理完了メッセージを出力します。

NO

処理完了メッセージは出力しません。

[L30]
KJUSMF文

XLデータムーバとクライアントとのデータ転送処理が完了した場合に、統計情報(SMFレコード)を出力するかどうかを指定します。

本定義文を省略した場合は、統計情報(SMFレコード)は出力しません。

YES

統計情報(SMFレコード)を出力します。

NO

統計情報(SMFレコード)は出力しません。

構文規則

初期化パラメタの構文規則は、以下に従います。

有効契機

XLデータムーバを再起動したときに有効になります。

初期化パラメタの定義例

例1) サーバ名:GSSERVER、ボリューム通し番号:XLMV00、の場合

KJUHOST  GSSERVER 
KJUVOL   VOL=XLMV00

例2) サーバ名:GSSERVER、ボリューム通し番号:XLMV00、XLMV01、XLMV02、処理多重度:20、の場合

KJUHOST  GSSERVER 
KJUVOL   VOL=XLMV00,XLMV01,XLMV02 
KJUMULTI 20

例3) サーバ名:PFSERVER、装置名:S0、多重度:16、メッセージ出力:あり、統計情報出力:あり、の場合

KJUHOST  PFSERVER 
KJUVOL   DEV=S0 
KJUMULTI 16 
KJUMSG   YES 
KJUSMF   YES

2.6.3.3 [L30]統計情報出力の環境設定

XLデータムーバはシステム管理機能のSMF(System Management Facility)を使用して統計情報を収集します。統計情報は、XLデータムーバサブシステムおよび転送バッチユーティリティがデータ転送処理を行うたびに、SMFレコードとしてSMFファイルに蓄積されます。

統計情報の出力を行うためには、XLデータムーバサブシステムおよび転送バッチユーティリティの環境設定を行う必要があります。サブシステムの環境設定については、初期化パラメタの定義を参照してください。なお、転送バッチユーティリティの環境設定は以下の手順で行います。

ファイル名

転送バッチユーティリティの初期化パラメタは、以下のファイルに標準提供されています。転送バッチユーティリティの実行時には、当該ファイルを参照可能なRACF権限(READ権)が必要です。また、運用管理者が転送バッチユーティリティの統計情報出力の環境設定を行う場合には、当該ファイルを更新可能なRACF権限(UPDATE権)が必要です。RACF権限の登録方法の詳細は、『OSIV/XSP RACFコマンド文法書』を参照してください。

SYS.システム名.MDFYSRC(KJUAMFTF)

定義形式

初期化パラメタの定義形式を以下に示します。

[SMF= { YES | NO }]

定義項目

初期化パラメタの定義項目を以下に説明します。

SMF文

UNIX/IAサーバとのデータ転送処理が完了した場合に、統計情報(SMFレコード)を出力するかどうかを指定します。

本定義文を省略した場合は、統計情報(SMFレコード)は出力しません。

YES

統計情報(SMFレコード)を出力します。

NO

統計情報(SMFレコード)は出力しません。

構文規則

初期化パラメタの構文規則は、以下に従います。

統計情報の内容

XLデータムーバが収集する統計情報には、以下のようなものがあります。

統計情報の詳細については、統計情報を参照してください。

統計情報の収集方法

統計情報を収集するためには、システム編集時にSMFOPT制御文を指定します。

詳細は、『OSIV/XSP システム編集手引書 AFII V10用』を参照してください。